経営人間学シリーズ(3)人を知らずして良い経営はできるのか
1、人を知らずして良い経営はできるのか
不景気が続き、何とかしなければ、という動きの中で「人間を見直そう」といわれ始めました。このような書き出しで連載は始りました。KIWIという雑誌に連載を開始したのは1993年のことでした。このときも大変景気が悪かったものですが、今年はリーマンショック以来、世界的な不景気に襲われています。つづいて、文章は下記に続きます。
もとから、人間が基本であり、いまさらという感じがしますが、実は、この人間がわからないのです。人間に関する知識は驚くべき量があるのですが、逆に多すぎて、いったい何が正しくて、何をどう学べばいいのかわからなくなっています。
科学技術の目覚ましい進歩に比べて、人間そして自分自身については、迷信に取りつかれていたり、文明以前の状態だったりして、そのギャツプは恐ろしいほどです。また学校で教えてもらう知識は断片的で、、現代のように、さまざまな困難な出来事や、ストレスがシャワーのように降りかかってきているときにどうしたらいいのか。。。については教えてくれませんね。 今、さまざまな神秘主義や、新興宗教が大流行です。何とか心のよりどころを求めようとしているからです。しかしそれで本当に、解決できるのでしょうか。佐竹幸一の実用的人間学は、科学的信念に元ずいて、いろいろな問題に立ち向かっていこうとする試みなのです。
経営に生かす人間学
さて、経営人間学とは、実用的人間学のうちの、応用人間学の一つということになります。経営人間学は、総合的で、科学的で、実用的で、地球市民的な人間学である、実用的人間学を、経営にいかしていこうという試みです。すでに経営人間学の名前は使われており、「三国志の人間学」とか、「論語の人間学」とか、いろいろな名前の書物がたくさん出されています。日本で出版されている、人間学とついた書物の中で、こういう本が最も多いのです。
私のいう経営人間学は、実用的人間学として、人間と社会と自然について実用的人間学的に学んで、それを経営に生かしてもらおうというものです。もちろん、先ほどの「三国志の人間学」も知識として活用はしていきます。実用的人間学の知識は、ひとりひとりが自分内に作り上げていくものであって、ただお仕着せで何かをコースで学べばそれでいいというものではありません。実際の生活や経営の中で検証して次第に作り上げていくものです。そしてそれが身についていく中で次第に人間的な魅力が大きくなっていくであろうということを確信しております。
佐竹幸一は、昨年(2008年)の9月に経営の第一線を退きました。それまでは、40年以上にわたって、専務そして社長と経営に携わってきました。社員数80くらいの小さな会社であり、あまり、儲けるのは上手ではありませんでしたが、会社が合併する前には、会社の社員の結束も高まり、かなり利益も出るいい雰囲気の会社になっていました。
佐竹は、社員採用のときには人相術を生かして採否を決めたり、会社の雰囲気を盛り上げ、人間関係を良くするために、実用的人間学を生かしてきたつもりです。1993年ころは、安岡正篤や童門冬二がたくさん、人間学シリーズを書いており、経営コンサルタントの船井幸雄も、会社はトップで90パーセント決まるなどといってさかんに人間学の本を書いていました。しかし、船井幸雄は途中から、人間学よりアメリカ流の経営学の導入のほうに力点を置いていきました。
これらの経営人間学の本も役に立ちますが、実用的人間学としてもっと、幅広く人間全体について学んで、経営に生かしていくとよいと思います。その具体的な内容についてはこれから書いていきたいと思います。何よりも、経営者として幅広い、知識を身につけていうことは、何よりも幅広い人間的魅力を身につけることです。また悩みの相談にも気軽に応じることができたらどうでしょうか。それが社員の信頼を得ることにもつながるのではないかと思います。この実用的人間学は、何も経営者だけが学べばいいというものではありません。それぞれの人はそれぞれの場で、なにがしらかのリーダー的な役割を演じます。また、りーダーに必ずしもならなくても知識としては有用だと思います。
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