比較人生論 (1)ー何か自信になるものをもつこと
「どんなものでもいいから、これだけは自分は誰にも負けないというものを秘かにもつこと」
人生論的な話をする機会がある時、佐竹幸一が一度は必ず話す内容があります。それは、上に書いたことです。どんなものでも、どんなことでもいいから、一生をかけて、これだけは、自分は誰にも負けないというものを、秘かに持つことです。ここでわざわざ、秘かにというのをわざわざ、太字にしたのは、あくまでも秘かでなければいけないのです。なぜかといいますと、これは自分は何何で一番である、誰にも負けないと公表したとたん。それは違うよと、よってたかって、その自負心がたたき壊されてしまうことが多いからです。自分はこの自負心で生きていくと決めていたのに、それがいとも簡単につき崩されてしまったらどうでしょう。逆にがっくりして絶望状態に落ち込みかねません。自分で秘かに自負心をもっているならば、そう簡単に崩されません。あ、これはと、何か素晴らしいものが出てきたら、それを自分なりに吸収してしまえばいいのです。
この秘かに持つものは、外にある物ではいけません。たとえば、素晴らしい家や車をもっているとか、高価な時計や宝石などをもっているとか。お金さえあれば買えてしまうものではだめです。こういうものはいくらでも上には上があってきりがありません。結局、お金をもっているという自慢だけに終わってしまいます。ただ、私が集めたような、40数年かけて、「人間学」と名のつく、書物をたくさん集めた、なんていうのは、少し、秘かな自慢になりうるかもしれませんね。
人は、みんな、なんかしらの自尊心をもっています。何しろ世界中何十億と人口があろうが、自分というのはたった一人しかいません。みんな、意識するしないかはともかく、なにがしかのささやかな自尊心を支えに生きているといっても過言はありません。しかい、このところの、小泉行革以後の政治などのせいで、これでもかこれでもかというほど、自尊心それどころか、人間自身を喪失させてしまうようなことが、行われてきました。
貧乏で食べていけないのは努力が足りないからだと、思いこませられているのですが、一生懸命働いているのに、生きていくのがやっとのワーキングプアで、その職さえも、平気で奪って、ほうりだしてしまうという事態です。日本には年収200万以下の人が1000万人いるそうです。失業保険もない、就職はできない。生活保護も、なんだかんだといってとらせない。比較的、とりやすい名古屋市に、全国から集中しているというテレビを見ました。自殺者は毎年恐るべき数の多さです。逆に、お金さえ持っていれば、たとえば5億円お金があれば、事業用のビルでも買って、7%位の家賃収入の利回りがあれば、年収3500万になります。他に経費がかかりますが、その6割の2000万位は手元に残るでしょう。管理を不動産屋に任せれば何もしなくていいのです。また、株式の配当の収入なかかる税は本来20%だったのを、10%にまけてきました。配当収入一億円の人はたった、1000万を払うだけでいいのです。家賃収入も配当利益もうまく任せれば努力は要りません。この状況は今度のあたらしい政権が、変えてくれることを期待します。ただ、大企業や大金持ちから献金を得て、変質しないか心配です。
さて、政治のおかしさをだいぶ書きましたが。元に戻ります。今までの社会は、一般庶民にとっては、これでもかと、よってたかって自尊心を無くさせる社会でした。職なしでホームレスなどになったら最悪です。私の住む新大久保周辺は昔はかなり、簡易宿泊所の多いところでした。新大久保と高田馬場駅の中間では、昔から、日雇い仕事の周旋場があります。だいぶ前になりますが、現在のJRの敷地には、たくさんのバラックというか小屋がありました。東京オリンピックの時、みっともないというので、取り壊されました。今でもかなり劣悪な木造アパートがあります。でも、戸山公園や大久保公園、西大久保公園周辺のホームレスよりはましです。戸山公園はテント村ができています。そこに定住した人はまだましです。でも、今は回収している空き缶が値さがりして大変なようです。大久保公園や西大久保公園は、夜は入れないように鍵がかけられます。昼は空いているので、段ボールを敷いて寝ている人がたくさんいます。まだ身なりもきちんとしている人も多く、最近失業したのかな、寒くなってきたらどうなるのか心配です。早急な対策が必要です。
さてここで、一ページ分が終わりました。現在のどん底状態の人は自尊心などはずたずたです。と書きたかったのです。さて次の(2)で、本題の話に行きたいと思います。
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