経営人間学シリーズ(5) 経営に生かす人相術Ⅱ
人相を見るにあたっては、大切な心構えがあります。それは、相手の人相や出てくる性格的なものなども、その相対している人(たとえば自分)によって影響されるということです。 人はだれでも、自分の好きな人と相対しているときは、素晴らしいにこやかな顔をするでしょうし、いやな相手にはどうしても、渋い厳しい顔つきになります。うまくいっている恋人同士の顔は輝いていて魅力的な素晴らしい顔になります。みな好きなものを見ると、瞳孔(黒眼)が広がるのですが同じ女性の写真を並べて置き、片方の写真の人の瞳を大きくしておくと、そちらの方をより魅力的と思うそうです。
さて、にこやかな笑顔はそれだけで、相手に功徳をもたらすようで、「顔施」といわれています。にこやかな笑顔は、上司たるもの、部下に与えるもっとも素晴らしいものなのですが、今の厳しいご時世その逆になってはいないでしょうか。やる気を無くさせます。
人を判断するとき、実はほとんど目によって判断しています。よく写真の中で、犯人以外の人の目を隠していますが、眼を隠すからわからないのであって、、口や、鼻を隠したって目はが出ていればすぐわかってしまいます。また、眼の動かし方でその人の心の動きが手に取るようにわかります。
職場の人間関係をよくすることは営業アップのための大きな条件の一つです。それには(1)その人の適性を見極める(2)その人の能力とその功績に対する正しい報酬を与えることです。(1)については、私が社長をしていた時に、学歴もあり、優秀なのですが、あまりに、まじめであり、完璧を期すので、設計の仕事も、営業も成績が上がりませんでいた。営業はあまりまじめすぎるより、ときには少しはったりを聞かせたり、いい加減くらいの方がいいようです。当然評価も最低でした。ところが倉庫管理の人が辞めたので、代わりにやってもらいますと、その几帳面さで、倉庫はきちんと整理され無駄がなくなり、評価がうんと上がりました。うまくその人の適性にあったのです。いろいろと人間に関して総合的な知識と、判断力をもった人(経営人間学を学んだゼネラリスト)が、経営に携わり、あるいはアドバイスすれば、職場の雰囲気も変わり、業績も上がります。
魅力的な顔をつくる
経営者、管理者にとって、魅力的な顔を作るということは極めて大切なことではないでしょうか。思春期外来という、精神医学の分野の本の中で、心を閉ざしていたころの少女の顔と、回復して生き生きとした顔があまりにも違うので、先生が「ほんまにあんたかい?」という場面があります。それほど顔は変わるのです。逆に、選挙に負ける直前の麻生前総理の顔は、どうしても、頂けない顔で、自民党が負ける一つの要因にもなったと私は思います。
何かに向かって希望をもち、生き生きと仕事なり、何かをやっているときは大体病気になりません。何か崩れて精神的に弱くなると、たちまち、体も不調になり、何事もうまくいかず、悪循環を続けます。私が戸山高校にいた時、有名なガンマと言われた名物教師が、「勉強がうまくいかないと風邪をひくよ」といっていたのが印象に残ります。その後よく同じことを感じました。どんな時でも、自分の一生を真剣に考え、何かに向かってひたむきに進んでいる人、常に学び続けている人、そういう人は顔つきが違い、魅力的です。さらに水野南北が言うように、「食を慎み、陰徳を積む」ならば、人を引き付ける素晴らしい顔となるでしょう。もちろん運勢もよくなります。
仕事だけではなく、多面的に自分を発展させている、その人間の中味が人を引き付けるのではないでしょうか。また経営の基本は、あの人のためなら、ついていきたいと思う損得を離れた人間関係の実現です。そのためには、上司が人として同じなんだという基本的愛情をもっているかどうかにかかってきます。顔を含めた、魅力的な人間を作り上げていく努力の中に、それが実現できるように思えます。
« 宗教は嫌いだけれど、宗教的なものは好き | トップページ | こういちの人間学ブログに何を書いてきたか今120件 2010,3,17 »
「経営人間学」カテゴリの記事
- 二火会に久しぶりに 例会に講師として参加、新大久保の金融機関の減少(2015.05.15)
- 経営人間学(20) 300年続く青木酒造 鶴瓶の家族に乾杯に出る(2013.09.18)
- 経営人間学19 城南信用金庫 吉原毅氏の地域に貢献する仕事と反原発(2012.08.16)
- 経営人間学シリーズ(18)二宮尊徳(金次郎)の人間学 その2(2012.01.24)
- 経営人間学シリーズ(17)二宮尊徳(金次郎)の人間学 その1 (2012.01.24)
« 宗教は嫌いだけれど、宗教的なものは好き | トップページ | こういちの人間学ブログに何を書いてきたか今120件 2010,3,17 »
コメント