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2009年11月17日 (火)

経営人間学シリーズ(10) 歴史人間学Ⅱ 上杉鷹山

上杉鷹山(ようざん)を知っていますか。1983年に『小説上杉鷹山』(童門冬二(学陽書房)が書かれ、それに関連していろいろな本が出されました。もう22年もたっていますから、知らない方も多いと思います。不景気が続く時、破産しかかった藩をどのように立て直したか、ということを書いていて、100数年前の不景気の時にはずいぶん読まれました。今、100年に一度という不景気の中で又読み直してみるのもいいかも入れません。

 童門冬二は、たくさんの本を人間学の名のもとに出版しています。童門冬二は都庁の役人から小説家になった変わり種ですが、歴史上においても、経営においても”人が決めてである”こと、特に個人の役割を強調しています。読んで役に立つものがたくさんあります。

 それでは『上杉鷹山』について、読んでいない方のために、少しお話しましょう。

 上杉鷹山は、ドラマ「天地人」に出てきた名門、上杉家の養子として九州の小藩から養子に入り、15歳(17歳?)で藩主になりました。上杉氏の米沢藩は120万石あった石高が30万石に減らされ、さらに15万石に減らされていたのです。当時の米沢藩は、まさに倒産寸前というありさまでした。鷹山がお国入りの時、雪が降る中で、泊まる宿がなく絶望しかけていた時、火鉢の中にのころ火種から希望を見出していくところなどは、思わず涙を流してしまうところです。

 上杉鷹山は小藩から養子に来たこと、まだ若かったということで、ひどく軽視されました。そういう中で、思い切った改革を次々に実行に移します。古い考えの重役は抵抗をしますが、それを次々に排除し実力者を登用しました。再建の計画を明示し、必要な情報はすべて明らかにし、藩内を一致団結することに成功しました。また、、本人も徹底的に倹約をするとともに、さまざまな産業を興し、収入を増やしました。

 そしてもっとも大切なこととして、民の父母となること、藩主は民のためにあることを示し、本当の誠実さを貫きとおしたことでした。経営者がうわべだけ、社員を大切にしているように見えてもそれはすぐにみぬかれてしまいます。さらには、教育を徹底し、人々の能力も高くなりました。その結果、次第に藩の財政は安定し、店名の大飢饉でも、死者を一人も出さないほどの蓄積を作り出しました。また後継者の養成についても見事な手本を示しました。江戸時代には、いろいろな改革がおこなわれましたが、鷹山ほどに完璧にいったものはありません。

 これらのプロセスは共通していて、後漢の光武帝が、王莽の新の後の戦乱で、中国がどうしようもない状況の中から立て直したのも、同じような道筋がありました。光武帝は、「元元(げんげんー民衆のこと)を持って首とする」すなわち、民衆こそが最もたいせつなものであり、君主はそれを助けるためにあるものである。という、儒教の良い面にもとずいているのです。

 鷹山の肖像画あります。高い優れた額は高い知性をしめし、きれいに入ったしわは誠実さを表します。大きくしっかりした鼻は、強い自我意識と実行力を、そしてやさしいまなざしと、節制を示す小さく引っ込んだ口は、まさに鷹山そのものが見事に示されています。 興味をお持ちの方は、ぜひ小説を直接お読みください。

 筆者が、一年前まで経営していた会社も、あまり儲けるのが上手ではないうえに、いろいろな投資をして借金も多く、経営も大変だったのですが。働いている社員こそ大切であるとして、ほかの同業他社に比べて賃金水準や待遇も高くしてきました。社員の自主性を大切にしてきて、あまり会社の上下関係もうるさくしませんでした。その結果和気あいあいとした雰囲気がありました。また、新しい分野(建築分野)に積極的に進出し、大きく売り上げも伸びてきて、昨年会社分割をするころには、大きく利益が伸びてきました。その後合併して、前の会社のほうがよかったと、言う話をいくつか聞きます。それを聞くと、もう少し会社がそのまま存続し伸びて行ければよかったなと思っているしだいです。

 

 

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