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2009年12月

2009年12月31日 (木)

ブスとデブ(3)TBS激やせスペシャルあの日に帰りたい常盤えりかさん

 12月31日、ちょうど、テレビを何気なく見ていて、前回私の書いたブログ、「ブスとデブについて、2」の続きの番組を再放送でやっていました(TBS,0:25~14時30分「激やせスペシャル」)。前に私の書いたブログは、なかなかアクセスしていただいた方が多く、180人の方で200件のアクセスがありました。190キロの体重の常盤えりかさんの水着姿を何度も映していたのですが、これはまるで、超デブ女とか蛇女などの見世物みたいではないかと書いたのです。

 今回も100キロ以上の女性が、ダイエットの結果、このようにやせて美人になりましたという、昔の「ビューティーコロシアム」のデブ版と言った番組です。100キロ超ぐらいの女性が60キロから70キロに減ったとして、素敵な服を着てきれいにお化粧もして出てきてその変身ぶりに驚くという番組です。次回は1月5日の火曜日の9時55分からだそうです。その中でやはり異彩を放っていたのは、190キロの常盤えりかさんです。前と同じようにその食事ぶりが紹介されました。失恋のショックから食べに食べ続けて、パスタを一度に5人分という調子で、1日のカロリー、7200キロカロリーで通常の4倍ですという話です。他の人を見ても太りすぎの多くの女性が失恋のショックで、過食になって悲しみを紛らわせようとしているようです。

 それは4か月前の8月に、番組で、石田純一がダイエットプランナーという形で始めたものです。前回と違うのが、やせたいという動機が、親一人子一人で育ててくれた父親が肝臓の手術をして、働けなくなり、自分も本格的に働かなければならないという話が加わったことです。うんと太っていた時は、家の中でできる内職で、部品を作る仕事ですが、きわめて安い労賃ですし、食べながらのんびりやっていた仕事ですから、大したお金にならなかったと思います。それも途中で仕事がなくなってしまったというのです。その辺が現在の世相の厳しさがかいま見えるところです。ずいぶんとそういう内職まで打ち切られて困っている人がいるのだろうと現在の世の中の厳しさを思いました。

 番組では、おそらく10回は190キロの常盤えりかさんが、おなかの垂れ下がったのを持ち上げて落とすシーンが出されます。まさに見世物なのですが。少し深刻さが増しています。さてダイエット法は、まず診察ですが、CTスキャンの中に全部身体がおさまりませんでした。そして野菜中心の低カロリー食と脂肪のモミ出し、運動なのですが、散歩は5分で腰が痛くてダウンというありさまです。水泳なら足腰に負担がかからないので、とプールで運動です。平泳ぎで泳いでいるのですが、まるでカバが水中で泳いでいるみたいで、そう言ったら隣にいた家内がそれはかわいそうだと言っていました。

 そして番組では最後に、4か月で31キロに減少し、159キロになったということで登場しました。まだかなり太っていますが少しはやせてもともと顔立ちは中なか美人だったのですから、もう少しやせれば魅力的になるのではないかと思います。でもずっと前の55キロに減るのはとても無理です。そこまでに減らすには、最近死者の出た脂肪吸引や、胃をちじめる手術などが必要なのでしょう。以前その方法で急激にやせた人が、おなかの皮膚がたるんでひどい皺になり、それを切って縮める手術をしていたのを見たことがあります。ともかく、55キロにはなりませんでしたが、引き続きダイエットを続けますという決意表明があってめでたしめでたしとなったのですが。まだ159キロもありますから、せめて100キロぐらいにはしないといけないでしょうね。身長も加味したらまだ太めの私の2倍以上の体重があるのですから。

追記  それから番組途中のコマーシャルで、細木数子が携帯電話で、運勢を占うというのが出てきました。昨年、そのいかがわしさで、テレビ界を追放という形になっていたのが、来年から復活するようです。いかにいかがわしくても、需要がありさえすれば、採用するという、テレビ側のコマーシャル主義のためですが。それによって誤った指針で泣く女性が多く出るのが心配です。  追記その2 09年12月4日付の韓国の「東亜日報」で、日本において、太った女性に騙されて殺される男性が多いことに関して、日本では太った女性が好まれているとして、「ぽっちゃり女性シンドローム」と名づけているそうです。韓国においては、太った女性は自己管理ができないと非難されるそうで、あまり太った女性は少ないそうです。「東亜日報」では太った女性で好まれる例として、森三中の村上知子、歌手の森公美子、松阪慶子をあげているそうです。

2009年12月13日 (日)

うつの人間学(3) TBSからだ 体内時計と冬季うつ

 12月13日(日)の朝のTBS 「からだ 体内時計と冬季うつ」を見ました。日照時間が少ない秋から冬にかけてだけ、症状が出るウツで意外と知られていないということでした。世間で知られていないために、怠けているのだろうとか冷たい目で見られることが多いそうです。この原因は、冬季になって日照時間が少なくなり、目の網膜に届く光の量が減少すると、セロトニンの製造が減少して、うつの症状を起こすということです。

 セロトニンとは、トリプトファンというたんぱく質から体内で合成される化学物質です。セロトニンはヒトを含む動植物に一般に含まれています。人体には10ミリグラムのセロトニンがあってそのうちの90%は小腸の中に存在しています。セロトニンは小腸の中で作られ、消化管の運動に大きな影響を与えています。また8%は血小板の中で大きな役割を果たしています。残りの2%が中枢神経系にあって、人間の精神活動に、大きな役割を果たしているのです。セロトニンが不足すると、うつ病や、神経症などの症状が生じてきます。セロトニン系の薬品はうつ病の治療に用いられています。

 それから、人体には、朝、昼、夜のリズムが、体内時計によって、セットされているのですが、このリズムが崩れると、不眠やいろいろな障害が起きてきます。これもうつ病の病状である不眠、だるさ、イライラのもとになります。その睡眠のリズムを調整しているのが、メラトニンです。メラトニンは脳の松果腺から分泌されるホルモンです。これはセロトニンから作られます。ですから、セロトニンが不足すれば、メラトニンも十分作られません。これが不足すると。睡眠のバランスが崩れ、不眠症となります。またこのホルモンはビタミンEの二倍の抗酸化作用を持っていますので、免疫系に効き、若さの維持、ガン化の抑制などの重要な働きがあります。セロトニンが不足すると、メラトニンも不足しますので、それによる症状はうつの原因になります。

 体内時計のリズムが崩れるといろいろな症状が出てきます。番組では、夜1000ルックス以上の光を浴びるとが、体内時計のリズムをこわしてしまうそうです。夜のコンビニの中の証明は1000ルックス以上だそうです。普段の室内でも、青い光は、暖色系の光に比べ大きな影響を与えるそうです。体内時計のバランスを直すには、朝日をできるだけ浴びること、昼でも少しでも時間があれば外の明るい光を浴びることですが、どうしても不足する場合は、治療として、強い光を浴びる装置を使います。1000ルックスに至らないテレビやパソコンも長時間見続ければ体内時計が狂います。室内で、パソコンに向かい続けていて睡眠も不規則、強い太陽光に当たらない、さらには強いストレスなどが重なれば、うつ病になる要素がすべてそなわってしまいます。

 又番組では、メラトニンが不足してくると、甘いものが食べたくなるそうです。甘いものを食べるとメラトニンが、吸収されやすくなるからだそうです。不眠でイライラして、衝動的に甘いものを食べてしまい、それで肥満がおこり、それが又イライラの原因にもなるという悪循環が生じます。

 うつを治すには、セロトニン、メラトニンが十分出るような生活をすればよいということになります。朝日を浴び、またできるだけ、日中も明るい太陽の光を浴びる。体内時計がきちんと働くように規則正しい生活をして身体を動かして、夜にはきちんと寝る。食べ物の偏りも、うつ病の原因になります。セロトニンは果物や、野菜、特にキノコ類に多く含まれるので、よく食べるようにする。よく身体を動かすなどです。精神的な面もありますがまず身体だけでもそういう方向に向けることが大切です。ただうつ病にかかっていると、家に閉じこもって、部屋も暗くして昼夜逆転など、まったくうつになる生活をしていますから、よほど本人が治そうとする意欲がない限り難しいと言えます。もちろん医師から、抗うつ剤を処方してもらうことが大切です。軽いものは劇的に治ってしまします。

 「今日もいい天気」という、山本おさむさんの漫画が赤旗日曜版に連載されています。その50話は「歩くこと」という題でした。この漫画は東北の山村で生活している本人についてを漫画にしている大変面白い漫画です。                                    公私ともにいろいろなことが重なり、気分があれ、落ち込んでしまったのに、漫画の締め切りに追われなければならない。神経は消耗し酒を飲んで寝るが中なか回復しない、などという生活を繰り返していたら、すっかり本格的なうつ病になってしまったそうです。やる気は起こらないのに首、肩、腰は鉄板のように固くなり、息が切れて駅の階段は上がれず、マンションまでの10分の歩行が遠足のように遠く感じるようになってしまったと。

 漫画を書いて神経が消耗するのは仕方がないが落ち込んでいる心はその心自体を責めて、さらに深い闇に入っていく。そこで、自分の心を見つめるのをやめにして仕事が終わると電車に乗って見知らぬ駅で降りたそうです。人間は心(精神)だけではない、半分は体だ。心が弱っているなら身体に活力を取り戻そう。歩いていてある神社の階段をいきせき切って上がった時、首の後ろのほうに塊、よどんでいた血が音を立てて動いた。身体中から湯気が上がり、30年近く座りっぱなしでよどんでいた身体中の血液が毛細血管の隅々まで流れているのを感じたというのです。いままで、自然があること自分の半分は肉体であること歩くこと汗をかくことを忘れていた。そして、東北の山村では愛犬のコタと散歩を欠かせないというのです。これはうつ病の克服には、大きな示唆が与えられるのではないでしょうか。

 

2009年12月 9日 (水)

「こういちの人間学ブログ」100件になりました

 ちょうどこの文章で、「こういちの人間学ブログ」が7月22日にブログを書き始めてから、ちょうど100件になります。今までで4カ月半ほど書いてきたというところです。9月の6日に一つの区切りとして、50件になりましたと、このブログに書きました。読んでいただいた二なさまには、今まで、大したことしか書けていない拙文を読んでいただきましてありがとうございます。

 9月6日時点の50件の時点ではアクセスの方が160人でアクセス件数は464件でした。ところが昨日9月8日で、アクセスは累計で1754件で、アクセスしていただいた方は1000人を超えました。特にこの一週間では12月2日付で書いた「ブスとデブに付いて(2)TBSお茶の水ハカセ」はタイムリーなことと題が興味をよんだのか2日ほどで100件ほどのアクセスがありました。それでこのところ一日平均20人の方にアクセスしていただき、平均33件のアクセスをしていただきました。                                    

今後150件と、200件の時には同じようにどのような状態か報告いたします。

 このブログは、2日に一度くらいのペースで書いておりますが、急いで書いてよくみなおさないうちに、掲載してしまうために、後で見直すと、文章が不十分だったり、字が転換ミスだったりお恥ずかしい限りです。

 また、このブログをご紹介すると、読んでいただいた方が難しいものが多いですね。しかしたまに面白そうなのもあると、いった感想を寄せていただく方が多いのです。このブログは、特に字ばっかりで、写真や絵が一切ないために、さぞ読みづらいことと思います。人相関係で、絵や写真がないのは致命的です。

 このブログは、実用的人間学研究会で、今後「ゼネラリスト養成講座」を始めるときのテキストのもとにしたいと思っています。それで佐竹の守備範囲をさまざまに書いてきました。その内容は、「こういちのブログ」10月9日づけの「こういちの人間学」ブログに何を書いてきたかを参照していただければ、わかるようになって居ります。最初の20件の「こういちのブログ」に書いたものは、出しにくいのですが、「こういちの人間学」ブログ以降は、興味あるものは、アクセスできると思います。

 まだまだ、乱文乱筆で、間違いもたくさんはいっています。字の転換ミスは、ご愛嬌として許していただくとして、基本的な内容に関してご意見やご感想がありましたら、ぜひコメントしていただけると幸いです。私自身の最高の勉強になります。

 200件になりまして、いろいろ連載途中のものが完成された時点で整理をし、できれば新書判程度の本を出版できたらと思っています。自費出版でもいいですし、電子出版にすれば初期費用はあまりかかりません。今はがむしゃらに思うことを書き連ねていくだけです。

大まかな内容です

基礎的人間学分野

1、人間学、実用的人間学とは何か 人間に関するゼネラリストとは

2、人間とは何か 宇宙の起源から現代まで ヒューマニズムとは

3、精神医学、心理相談について

4、政治と社会と歴史について

5、マルクスエンゲルス人間論

7、宗教と死について

その他、および応用人間学分野

1、経営人間学

2、占いと神秘主義批判

3、健康法について(性についても)

4、顔の人間学、人相手相術

5、後漢時代と、『小説、人相食む』について

6、人間学研究所の紹介や催し、近況など

かなり多くの分野にわたっていますが、芸術、スポーツ分野などは、取り上げていなかったりで、不十分です、多くの方の参加で充実したものにできれば、大変うれしいことです。

うつ病の人間学 (2) 対策と治療

 躁うつ病は気分が異様に高まる躁状態と、活動力と気分が落ち込む、うつ状態を繰り返します。19世紀末に、クレペリンは「そう状態と、うつ状態を繰り返すが、人格崩壊を起こさない精神病を躁うつ病とよぶ」と定義しました。うつ病は、生命の活動流れが停滞して生命的感情も低下した状態をいいます。それは精神状態だけではなく、不眠、浅眠、食欲不振、性欲減退などのさまざまな自律神経系の障害を引き起こします。

うつ病の原因 

1、うつ病にはなりやすい性格があります。

メランコリー親和型性格ー テレンバッハが提唱 秩序を愛し几帳面で律義、生真面目で融通がきかない                                                             執着性格ー  下田光造が提唱 仕事熱心、几帳面、責任感が強い                         循環性格ー クレッチマーが提唱  社交的で新設、温厚だがその半面優柔不断であるため、決断力が弱く板ばさみになりやすい

2、長時間のコンピューター作業など

 長時間の残業や過労運動などにより、疲労困憊してしまう

3、失恋、離婚、死別、失職、定年などの喪失感

 それらが複合的に絡まって、発症してきます。

4、悩みを話さず、人に頼らず自分一人で解決しようとする

これらの諸条件が複雑に絡まって生じます。

 うつ病の原因と治療

 うつ病は、軽い初期症状では、比較的簡単に薬による治療で、8割以上の人が2から3週間で回復します。いわば、心の風邪のようなものです。しかし早く治るには早期発見と早期対策が必要です。ところが、問題は多くの人が、治療を受けていないということです。本人だけでは、なかなk医者の所に行きません。周りの人が早く医者の人に見てもらうように気をつけることです。うつ病の人は生真面目で責任感が強く問題を自分のせいにし、人に頼ろうとしません。

うつ病の原因

A 生物学的要因

1、脳内セロトニンの濃度の低下                                    2、心的外傷後のストレス障害などと同じ神経細胞自体                    に物理的な破壊                                             3、セロトニン以外でノルアドレナリン、ドーパミン等の                     減少と機能低下                                           4、コルチゾール系(副腎皮質ホルモン)の分泌異常                        5、海馬(脳の中の記憶をつかさどる部分)の異常                            6、前頭葉、帯状回の血流の低下

B 精神的な要因が強いもの                                     (これも強まると生物学的要因に移行します)

 すでに述べたいろいろな諸状況

対策と治療

 まず、できるだけ休養をとること  (休養を取らせること)患者を孤独にしないこと、支える人がいるという安心感を与えること

1、薬物療法  こううつ剤の処方

2、電気刺激けいれん療法 磁気刺激療法、光療法                      (強い光はセロトjニンを作る)断眠療法                                                                 3、精神療法(カウンセリングなど言葉のやり取りをするもの                              各種精神療法、(精神分析法、グループ療法、                             認知療法、心理教育など)そのほかに非言語的なやり取りを                 する療法もあります                                          4、社会的治療  過程環境や職場環境の調整改善、                              これがないとすぐ再発してしまいます デイケア、断酒など

5,政治的、経済的問題の解決                                     長時間労働や、景気後退による失業や社会不安などは、                      長年の自公政権による大企業の利益優先による政策により、                 中小企業やそこで働く労働者などがきわめて厳しい状況に追い                               やられているということがあります。大企業の労働者も長時間労働              とノルマで苦しめられます。そこが根本的に解決されないと大きな               改善は望めません。今度成立した民主党の連合政権が、この問題               をどれくらい改善できるのか、期待したいところです。ただ、大企業             の横暴はなかなか、今の政権では抑えられないように思えます。                    しっかりとりこまれてしまい又支持を失う心配があります。大企業から               中小零細企業を守るという点に関して、国民新党の亀井静香大臣は                しっかり腰を据えた発言で好感が持てます。

原因をよくつかみ、総合的な対策が必要です。

対策として「うつ病ドリル」というものがあります。インターネットで検索してみてください

以後は『うつ病の人間学」(3)に

2009年12月 6日 (日)

うつ病の人間学 その1 うつ病とは何か

 2007年の2月に、実用的人間学セミナーでお話したことの要旨を書いてみます。今うつ病は、深まる不景気の中で、過重労働、失業、仕事の変化(コンピュータにかかり切りなど)ぎすぎすした職場やそれが持ち込まれてしまう家族環境、さまざまな要因で、うつの人が増大し、うつに伴う自殺も死亡原因の上位で3万人以上で推移しています。特に20歳から39歳までの死亡原因の1位とい深刻さです。すでに3年近く前にお話したことですが、その深刻さはさらに増しています。デフレスパイラルによりさらに一般の人々の収入も減少し、状況は悪化するのではないかと思われます。早急にさまざまな対策が取られなければならないところです。

うつ病とは何か

 うつ病(depression)とは、気分障害の一つで、よくうつ気分や不安、焦燥、精神活動の低下などの精神的症状、食欲低下、不眠と言った身体的な症状などを特徴とする精神疾患です。個人差はありますが、しばしば自殺しようとする気分が起きて、実際に自殺してしまうのが恐ろしいところです。そうとうつを繰り返す躁うつ病と、うつだけのうつ病があります。この病気は「こころの風邪」と言われるほど、だれでも掛かりうる可能性があります。うつ病の障害有病率は、男性15%、女性25%で女性のほうがかかりやすいものです。

「仮面うつ病」  身体的な症状が目立ち、抑うつ的な精神状態が現れないものを言います。自分がうつ病という自覚がなくないかを受診します。うつ病が中なか発見できず、重症化するケースもあります。強迫症状や、パニック障害、不安障害を併発することがあります。フィンランドでは、うつに基づく自殺者が大変多かったので、国を挙げて取り組み、かかりつけ医にうつ病についての講習を施し、早く見つけるようにし、看護師にもうつに対しての教育を強め対策をすすめた結果、劇的に自殺者減少したようです。

「大うつ病」 抑うつ状態が激しく、自殺を企て実行する人が多いものをいいます。

「パニック障害」 実際には危機ではないのに、脳が幻の危機を感知してパニック発作を起こします。息苦しくなって、心臓が早くうち、胸が痛くなる。心臓発作に似ているが、心電図をとるとなんでもないのです。電車の中など決まった場所で起こりやすいのだそうです。

 お悩み相談の中で、「ストレス・うつ」についてはどのような傾向があるかなどについては、「エキサイトフレンズ」という出会い系サイトの大手で調べてみましたそれは登録人数300万人という、サイトの中で最大のものです。いろいろある中で比較的まじめな感じのサイトです。そのうちお悩み相談は男性約2万人、女性1万人でした。これは真剣なお悩み相談ばかりです。さらにその中で、「ストレス・うつ」についての項目では男性1481件、女性710件でした。年代別にみると、男性は 18歳から35歳が561人、35から45まで、623人、45歳以上297人です。女性は18から35が353人、35から45が267人、45歳以上が90人でした。だいたいの傾向がわかるとおもいます。35と45歳とが重複していますから完全な資料ではありませんがだいたいの傾向が分かると思います。男性は、中年に一番多く、女性は若い世代が多いということです。

会社内でうつ病になった人

 この当時の佐竹の会社で、うつ病になった人について。リフォーム業務を担当したが、力量的にも厳しい仕事を受けて、仕事時間も、トラブルも生じ、うまく進展しないので、その仕事が終わるころにはうつ状態となり、会社に出てこなくなりました。心配した、会社のメンバーが、かわるがわる、部屋をたずねました。はじめは家で丸くなって寝ているだけだったそうです。傷病手当で6割お金が出るから安心してゆっくり治してくださいと社長の私は伝えました。自分を心配してくれている人がたくさんいるというのが支えになったそうです。トランペットをふいてみて、深呼吸をすることが多くなり、次第に音楽を通しての仲間や職場の支えで、次第に復活してきました。そのうちに次第に活動的になり、ようやく職場に復活するようになり、表情も別人のように明るくなりました。

うつ病の自己診断テスト

 実用的人間学研究会では、うつ病の自己診断テストをやってみました。テストにはハミルトンのうつ病評価制度やツングのうつ病尺度などいろいろあります。参加した皆さんはさすがに該当する人はありませんでした。ちなみに100点のうち、39以下はうつがなしで40から49は軽度の抑うつ状態、50以上が中どのうつです。ちなみに私の場合は31点でしたが、私の妻は43点でした。このテストについては「うつ病の人間学」でひきつづき紹介いたします。ご自分で試してみてください

 うつ病は総合的人間学的に解決しなければならないと思います

 うつ病にはきわめて、多くの要因が絡みあっています。まさに人間のあらゆる側面が関係しているのです。原因には、カテコールアミン説、脳内セロトニンの減少、ストレス仮説などがあります。

1)生物学的側面 身体因性のうつ病

                                                     ① シナップス神経伝達物質  セロトニンやノルアドレナリンの減少による

② 病気がうつ病を引き起こす 甲状腺機能障害、アジソン病、クッシング病、糖尿病、脳腫瘍、すい臓ガン、脳卒中、悪性貧血、月経前などに起きる可能性がある

③薬が引き起こす可能性 インターフェロン、ステロイド、降圧剤、抗パーキンソン病薬

④ 遺伝学的なもの うつ病は遺伝的に発生しやすい傾向があります 内因的なうつ病は遺伝的な要素が大きそうです 

⑤疫学的な研究 地域での違い 地域における心の健康づくり~うつ、うつ病の予防と対応という、鹿児島県の川薩保健所の取り組みがあります。大変優れた取り組みで参考になります。また資料活用自由というのも助かります。改めて紹介します。

2)精神医学的側面 

 躁うつ病は統合失調症と共に基本的な精神病の一つ         

 精神薬理学とともに総合的に治療する 

3)心理学、精神療法 認知療法やカウンセリングなど

 様々な療法が試みられています

4)人間(対人)関係学による対策 

 人間関係がストレスを引き起こす大きな原因、反応性のうつ病は、周囲のさまざまな状況のストレスの蓄積により発生する 

5)社会学、経営学、社会精神医学、司法精神医学など

 会社や組織のなかでの過重労働、人間関係の悪化など 今これが一番問題である    うつ病に対して会社でカウンセリングの対策をとっているところも多い 

6)文学や哲学など  

精神異常は、しばしば文学哲学に大きな影響を与えています      

例、 夏目漱石 躁うつ病など小説も後期にはその傾向が反映される その他文学者で精神病で、作品に影響を与えてという人は大変多いのです。

このようにさまざまな要因が絡まって生じています。一つの分野だけではとても対応が難しいのではないか。そこで実用的人間学的な取り組みも必要になってきます。

 

経営人間学シリーズ(11)歴史人間学Ⅲ 中国古典に学ぶ

 人間の風格や、人物の大きさの違いはどこから出てくるのでしょうか。力量のある人間は力量のある人間をすぐ見分けることができます。一番大切なことは、大きな志を持っているかということと、生きた学問をしているかどうかです。それらによって眼の輝き、状況にあった的確な話ができること、修羅場をくぐりぬけてきて、さらには実績に裏付けられた自信と落ち着き、等々が全体の風貌に現れてきます。

 大企業トップの愛読書は、よく孔子の『論語』と言われます。帝王学として学んでいるのです。昔の歴代の総理大臣などは、よく中国の漢籍に通じて、立派な書なども書けました。ただ、最近の安部、麻生元総理などはどう見ても勉強していない感じです。鳩山さんも英語はペラペラですが、中国古典はどうでしょうか。変転する現代では論語などの儒学だけではなく変化に対応しやすい、老荘思想も学んでおくとよいかもしれません。

 組織の長たるものに必要とされる条件はすでに述べましたが、優れた組織は、戦争と同じでトップ(社長、総大将)、補佐役、軍師役、侍大将等それぞれの持ち味を発揮している組織です。そしてその組織を作り出すのが、トップの役目です。ですからもっとも重要であることは言うまでもありません。中国の歴史を見ても、トップの帝王次第で、良い官僚が育ち善政が行われます。一番良い例が、光武帝以下の三代の皇帝の、後漢初期の政治でした。さまざまな与えられた条件の中で、優れた部下を見出し育てる能力、そして彼らを真剣に改革にとりくまさせる人間的魅力は、まさに学び経験していく中で高められていきます。

 よく学んでいれば、あらゆる状況の変化に対応しうる可能性があります。(学ぶというのは坐学的学問ではありません)。前回あげた、上杉鷹山も、師の細井平洲等について、実によく勉強していたからこそ、正しい方針を立てられたのです。経営者幹部は一生勉強し続けることが絶対必要です。現状を正しくとらえる能力も極めて大切です、。それで初めて正しく対処することができます。学ぶことをやめたとたんに滅びの道が待っていると言っても過言ではありません。

 さて中国の歴史上際立っている三人の漢の劉氏を比べてみましょう。前漢の創立者、劉邦、後漢の創立者、光武帝劉秀そして、三国時代の蜀の劉備です。三人に共通しているところは、三人ともきわめて、立派な、風貌をしていたということです。いわゆる龍顔だったということです。

 劉邦(高祖)も全く無頼な人物だったのですが、その風貌は王者の顔をしていました。みなその顔にほれ込んでしまったのです。とくに、馬商人の中山の豪商である、張世平と蘇双がこの人物は只者ではないとほれ込んで多額の軍資金を出しました。巨万の富を持つ呂氏は自分の娘を嫁がせました。劉邦は面長の顔で、鼻が高く、立派なひげをしていたと言われます。また、太ももに72のほくろがあったといいます。

一番生まれのよかった光武帝劉秀も、親を早く亡くし大変苦労しました。しかし、身長は7尺二寸(168センチ)当時としては背が高く、眉目秀麗と言われました。顎髭がやはり立派で額の上部が盛り上がって太陽のような印象(日角)を与えたといいます。優れた容貌の人物でした。

 劉備も父親は役人をしていましたが早く死んだため、むしろ作りをしているような貧しい状態でしたが、身長7尺5寸(172,5センチ)腕が膝まで届いたと言われます。また耳が大変大きく自分の耳を見ることができたというのですが、実際には不可能だと思いますが。ともかく王者の風貌がありました。まあ、風貌だけではなく、人物の中身もすごかったのですが。

 劉邦はライバルである項羽と戦い、戦闘では負け続けますが、軍師としての張良、宰相としての、蕭可(しょうか)、大将としての韓信ら有能な部下の能力を目いっぱい発揮させました。そして最後には部下を次々に追放し、自分の能力だけに頼る項羽をうち破ってしまいました。劉邦は、人一倍欲望が強く、だらしなかったりして、人格的に優れた人物とは言えませんでしたが、それでも人のいうことをよく聞き、自分の過ちを素直に認める度量がありました。何よりもこの人についていきたいという人間的な魅力を持っていました。しかし劉邦の欠点は功績をあげた部下を信用せず、次々に、血なまぐさい粛清をしてしまいました。

 劉備も諸葛孔明を軍師として、関羽や張飛などの諸将を心から心服させ、かれらの働きで天下の三分の一を得ました。しかし劉備の死後、無能な息子を後継者としたことで諸将は育たず、孔明は実質的なトップ、軍師、大将役を一人でやらなければならず、結局体力的にも続かず、戦いの中で死んでしまいました。蜀の人口がわずか94万人、それに比べて魏の人口は443万で、国力の違いはどうしようもなかったのです。

 後漢の設立者である光武帝は太学で儒学を学びました。その教養は、後漢政府を効率よくおさめるには大変役立ちました。新の大軍をほんのわずかな兵で倒したということもありましたが。やはり、心服していたさまざまな人材をうまく活用しました(雲台三十二将など)。光武帝の偉いところは、建国の功臣を一人も、殺すようなことはなかっことです。後世に建武、永平の治と言われる模範的な政治をしたのですが、残念ながら日本では、劉備や、劉邦に比べほとんど取り上げられません。(『光武帝』という小説がひとつだけ)光武帝は諸葛孔明や、司馬光が中国歴代の皇帝の中で随一の名君と絶賛した人物です。魏の曹操も光武帝を深く尊敬し、自分の代では漢を倒しませんでした。私が小説「人相食む」で、光武帝を高く評価して多くのページを割いているのは光武帝という人を多くの人に知ってもらいたいからです。

 儒学に加えて『三国志』や『史記』は生きた(経営)人間学の宝庫と呼ばれるほど、学ぶことは多いのです。『中国古典の人間学』などの守屋洋氏はたくさんの本を書いています。そのほかさまざまな、人間学の名のついた解説書が出されています。 また、日本の小説でも、『項羽と劉邦』などの司馬遼太郎の小説や、宮城谷昌光の小説は大変面白く役に立ちます。最近は日本の小説も書いていますが、私は『太公望』、『重耳』、『孟嘗君』、『晏子』、『奇貨居くべし』などを、次々に読みふけりました。その中でも、上司と部下との関係においても、好きになってしまう、好かれてしまうということが、いかに大切なことかと思いました。ぜひ皆さんも、別に経営者ならずともぜひ、お読みになることをお勧めします。最近では『三国志』を連載しています。

★ 2011年11月 追記

 宮城谷昌光氏の後漢の光武帝を主人公とした『草原の風』が読売新聞に連載され、その第一巻が発売されたそうです。まだ読んでいないのですが、買いにに行ってきます。

2009年12月 2日 (水)

ブスとデブについて(2) -TBS「お茶の水ハカセ」から

 12月1日の19時50分にTBSテレビで放送された「お茶の水ハカセ」を見ました。一週間前に、常盤えりかさん(29歳)という女性が、はじめ55キログラムだった体重が、なぜ190キログラムになってしまったかという話の続編です。先週はみませんでした。常盤さんは、太る前は、なかなかの美人でしたが、恋愛で裏切られて、それをきっかけで、食べ物を食べることで、気持ちを紛らせた結果そこまで太ってしまったようです。

 この番組は「教養バラエティ番組」と称していますが。その内容はひどいものでした。木梨憲武やさまーず、森三中など7人の博士が、いろいろな話題を取り上げるというものです。常盤えりかさんは、このままでいた場合には三年しか生きられないと言われ、ダイエットを決意するというものです。「ブスとデブ」という私の書いたブログは、ひどい差別用語をまともに書いたせいか、かなりアクセスがありました。その中では、「森三中」をふっくらしているが、デブと言うほどではないし、ましてやブスではない。そういうふっくらしている人はどちらかと言うと人に好感を与え、結婚するのも早いと書きました。背の低い二人は60キロ弱ぐらいで背の高いほうでも80キロ弱ぐらいでした。

 しかし、190キロある常盤さんは、さすがにこのままでは「デブでブス」と言わざるを得ません。何度も、水着姿ででてくるのですが。私より低い身長で、かなり太めのわたしより二倍以上の体重があるのです。顎と首の境目はなく、背中の脂肪は異常に盛り上がり、おなかは極端に脂肪で垂れ下がっています。おなかはもう皮膚感覚がないとのことです。さすがにこれはみにくい体形で、よく人の目にさらす勇気があったなーとおもいました。今までアメリカの肥満者などはずいぶんとみましたが、日本人では初めてでした。日本人でもあれほど太れるのだな、と感心したのです。木梨が190キロ分の「身ぐるみ」を着て見せていましたが。よく動けず一度倒れると自力で起き上がれない状態です。次週からは常盤さんもダイエットに取り組むのでしょうが。

 そこでひどいなと思ったのは、今までに最高に一日で食べた量の食事を、森三中に食べさせようというところです。一日36000キロカロリーだというのです。部屋に三人がこもって朝食、間食、昼食、おやつ、夕食、夜食と食べていくのですが。三人でも食べきれなかったということを、示したいのですが。それはその彼女の映像とともに常盤さんを、見世物小屋で、超デブ女とか蛇女とかを見せるのと、おんなじ感覚です。そして、三人は一日食べた後これぐらい太ったと、体重と腹囲とをはかって見せていました。

 そのあと、日本人は97%肥満遺伝子を持っているという話になります。参加者全員を調べるのですが、全員、何がしかの肥満遺伝子を持っていたという説明になりました。ホームページで肥満遺伝子という名前で検索すると、トップにDHCの遺伝子検査キットというものの説明が出てきました。ダイエット対策キットとして、「ダイエット対策キット」、「メタボ対策キット」、「骨力対策キット」というのがあっていずれも5250円だというのです。ずいぶん簡単にわかるものですね。

 それは、β3AR遺伝子という脂肪の燃焼にかかわる遺伝子、UCP1遺伝子という脂肪の代謝や熱の生産にかかわる遺伝子、β2AR遺伝子脂肪の分解にかかわる遺伝子の状況で判断するそうです。その結果、リンゴ型(おなか歩っこり内臓脂肪型)、梨型(下半身どっしり非か脂肪型)、バナナ型(一度太るとやせにくい、逆肥満型)アダムイブ型、(遺伝子より生活習慣型)の4つのタイプがあってそれに応じたダイエットをすすめるというのです。うんと太りやすいのは複合的にそれらの遺伝子を持っているばあいであると。

 いずれにしても、人類は、何度も生きるか死ぬかの瀬戸際を経験して、飢餓になっても脂肪を蓄えておき、できるだけ熱として発散しないで生き延びるという遺伝子を獲得してきました。飢餓の時代には生き残るためにはきわめて優れた遺伝子だったのですが、それが現代社会のストレスの増大とそれを紛らわせるための過食の中で、ひどい肥満が増えてきてしまったと言えます。最後に、低俗な安い製作費で作るお手軽バラエティ番組の中で、少しは教養もということでしょうが。これで教養?とこの番組を見ていささか腹が立った次第です。

 参考 「こういちの人間学」ブログ 「ブスとデブについて」(1) 9月13日づけ

      興味ある方は、google か   @ nifty でブログを開いてみてください

 

 

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