ブスとデブについて(2) -TBS「お茶の水ハカセ」から
12月1日の19時50分にTBSテレビで放送された「お茶の水ハカセ」を見ました。一週間前に、常盤えりかさん(29歳)という女性が、はじめ55キログラムだった体重が、なぜ190キログラムになってしまったかという話の続編です。先週はみませんでした。常盤さんは、太る前は、なかなかの美人でしたが、恋愛で裏切られて、それをきっかけで、食べ物を食べることで、気持ちを紛らせた結果そこまで太ってしまったようです。
この番組は「教養バラエティ番組」と称していますが。その内容はひどいものでした。木梨憲武やさまーず、森三中など7人の博士が、いろいろな話題を取り上げるというものです。常盤えりかさんは、このままでいた場合には三年しか生きられないと言われ、ダイエットを決意するというものです。「ブスとデブ」という私の書いたブログは、ひどい差別用語をまともに書いたせいか、かなりアクセスがありました。その中では、「森三中」をふっくらしているが、デブと言うほどではないし、ましてやブスではない。そういうふっくらしている人はどちらかと言うと人に好感を与え、結婚するのも早いと書きました。背の低い二人は60キロ弱ぐらいで背の高いほうでも80キロ弱ぐらいでした。
しかし、190キロある常盤さんは、さすがにこのままでは「デブでブス」と言わざるを得ません。何度も、水着姿ででてくるのですが。私より低い身長で、かなり太めのわたしより二倍以上の体重があるのです。顎と首の境目はなく、背中の脂肪は異常に盛り上がり、おなかは極端に脂肪で垂れ下がっています。おなかはもう皮膚感覚がないとのことです。さすがにこれはみにくい体形で、よく人の目にさらす勇気があったなーとおもいました。今までアメリカの肥満者などはずいぶんとみましたが、日本人では初めてでした。日本人でもあれほど太れるのだな、と感心したのです。木梨が190キロ分の「身ぐるみ」を着て見せていましたが。よく動けず一度倒れると自力で起き上がれない状態です。次週からは常盤さんもダイエットに取り組むのでしょうが。
そこでひどいなと思ったのは、今までに最高に一日で食べた量の食事を、森三中に食べさせようというところです。一日36000キロカロリーだというのです。部屋に三人がこもって朝食、間食、昼食、おやつ、夕食、夜食と食べていくのですが。三人でも食べきれなかったということを、示したいのですが。それはその彼女の映像とともに常盤さんを、見世物小屋で、超デブ女とか蛇女とかを見せるのと、おんなじ感覚です。そして、三人は一日食べた後これぐらい太ったと、体重と腹囲とをはかって見せていました。
そのあと、日本人は97%肥満遺伝子を持っているという話になります。参加者全員を調べるのですが、全員、何がしかの肥満遺伝子を持っていたという説明になりました。ホームページで肥満遺伝子という名前で検索すると、トップにDHCの遺伝子検査キットというものの説明が出てきました。ダイエット対策キットとして、「ダイエット対策キット」、「メタボ対策キット」、「骨力対策キット」というのがあっていずれも5250円だというのです。ずいぶん簡単にわかるものですね。
それは、β3AR遺伝子という脂肪の燃焼にかかわる遺伝子、UCP1遺伝子という脂肪の代謝や熱の生産にかかわる遺伝子、β2AR遺伝子脂肪の分解にかかわる遺伝子の状況で判断するそうです。その結果、リンゴ型(おなか歩っこり内臓脂肪型)、梨型(下半身どっしり非か脂肪型)、バナナ型(一度太るとやせにくい、逆肥満型)アダムイブ型、(遺伝子より生活習慣型)の4つのタイプがあってそれに応じたダイエットをすすめるというのです。うんと太りやすいのは複合的にそれらの遺伝子を持っているばあいであると。
いずれにしても、人類は、何度も生きるか死ぬかの瀬戸際を経験して、飢餓になっても脂肪を蓄えておき、できるだけ熱として発散しないで生き延びるという遺伝子を獲得してきました。飢餓の時代には生き残るためにはきわめて優れた遺伝子だったのですが、それが現代社会のストレスの増大とそれを紛らわせるための過食の中で、ひどい肥満が増えてきてしまったと言えます。最後に、低俗な安い製作費で作るお手軽バラエティ番組の中で、少しは教養もということでしょうが。これで教養?とこの番組を見ていささか腹が立った次第です。
参考 「こういちの人間学」ブログ 「ブスとデブについて」(1) 9月13日づけ
興味ある方は、google か @ nifty でブログを開いてみてください
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