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2010年1月20日 (水)

宇宙の起源についてーそして星空の素晴らしさ

 人間とは何かを知るに当たっては、この宇宙というものが、どのようなものであるか知る必要があります。キリスト教では、この宇宙を作ったのは全能の神様です。天文学者のなかでは、後で述べるビッグバンの始めだけを神様が起こしたという人もあります。いずれにしても、宇宙とは何か、そして宇宙の起源は何かということは、物の考え方にきわめて大きな影響を与えます。

 アメリカの天文学者である、E,ハッブルが1929年にさまざまな銀河を観測していて、遠い距離にあるほど、光が赤みがかっていることを発見しました。光や音には、ドップラー効果というものがあります。救急車などが近付いてくるときと、去って行くときには音が違いますね。それと同じように、星や銀河が赤みがかっているということは遠い銀河ほどどんどん早い速度で遠ざかっているということがことが分かったのです。それを整理して時間をさかのぼっていくと、ついにある点の時間に到達するということが分かってきました。すなわち、ビッグバンと言ってある瞬間に爆発的に宇宙ができて今、それが膨張しつづけているということです。それ以前はいわば無の世界で時間も発生しません。

 素粒子論では、分子、原子、陽子、電子と小さくなっていき、最後には、クオークという最小の単位の粒子になるということが分かっています。クオークの数と、それがもとになっていかにしていろいろな物質が生じたかについて予言して、日本人のノーベル賞受賞者が多く出ました。さて、物質には物質と、反物質というのが存在しているというのです。そして物質と反物質がぶつかると膨大な光のエネルギーを生じて、物質は消滅してしまいます。物質と反物質がまったく同じ量なら、エネルギーに変わって物質は完全に消滅してしまいます。ところが、物質のほうが反物質よりほんの少し多かったため、物質は残り、現在の宇宙が存在しているのです。

 ビッグバンの始まりは、今からだいたい150億年くらい前であったと言われています。宇宙のはじまりはごく小さいものできわめて高温の塊でした。それが急速に膨張していく間に次第に冷えてきて、ビッグバンから38万年位して、水素やヘリウムなどが生まれ、次いで宇宙の星雲や星星も誕生してきました。太陽系ができたのが、45億6600万年、地球ができたのは45億5000万年から、44億5000万年前の間です。地球に最初の岩石ができたのが約40億年前で、地球上に最初の生命が生まれただろうと考えられているのが、38億年ころであろうと言われています。現在細胞化石が見つかっているのは34億6500万年前です。それから以後は、生物の爆発的な進化となり、今から400万年前ほどから、人類の誕生へと続きます。

 それから宇宙はその後、どうなるかですが。太陽は、しだいしだいにエネルギーを使い果たして、膨張し赤い大きな星と変わっていきます。50億年後には地球は太陽に飲み込まれてしまいます。100億年後には我々のいる、天の川銀河とアンドロメダ銀河は衝突するであろうと言われています。そして、最後に宇宙は冷めきった宇宙として、無に帰すという考えと、又次第に収縮していき又ビッグバンを起こして、1兆年周期でそれを繰り返すという説とがあります。まだ確定されたものではありません。

 私たちにとっては気の遠くなるような壮大なスケールの話ですが、そういうことも覚えておく必要があります。そういう宇宙の中で果たして神が存在し得るものであろうかと。現在の天文学が考える宇宙の中で私はどう見てもキリスト教がいうような意味での人間の姿に近いといわれる全能の神が存在するとは思えません。

都会の真ん中に住んでいる私にとって、星空はなかなかその素晴らしさを感じられません。流星群を見ようとして、ビルの屋上に行っても、隣の歌舞伎町のネオンの明かりなどで明るく、一等星が見えるのがせいぜいです。ところが、いままでに二度星空の素晴らしさを感じたことがあります。

 はじめは、オーストラリアのケアンズの隣のポートダグラスのシェラトンミラージュホテルに泊まって、星空を見たときです。海の面してゴルフ場がついていて、専用ビーチが延々と続く海にはほとんど照明がありませんでした。一緒に旅行した人も誘って、星を見に行きました。ホテルの人が、あれが南十字星、あれがニセの南十字星と教えてくれました。雲ひとつなくて、遮るものもないところで、素晴らしい星空を見るのは感激ものでした。天の川(銀河)が、こんなにもきれいに見えるものかと感嘆しました。他の人もいろいろ観光しましたが、後であの星空に一番感激したと言っていました。

 続いて、以前惑星直列があるという日に北海道の見幌峠に行ったことです。ホテルに頼んで妻と何人かのガイドさんとが一緒にきました。見幌峠には周りに照明が無く、遮るものがありません。雲も月明かりもほとんどなく360度の星空です。こんなにまでも星というものが多いものかと感激です。ガイドの若者が3人ほど来たのですが、惑星直列をみんなよくわかっていなくて私が説明するようでした。よく惑星直列があると世界的な天変地異が起きると言っていた人がいました。でも何事も起こりませんでした。それから人工衛星がいくつも飛んでいるのが見え、いかに人工衛星が多いかにも驚きました。

 砂漠などでは、これ以上の素晴らしい星空なのでしょう。昼の猛烈に暑い太陽が消え、涼しくなってきたところに満点の星が輝いているのを見れば、宇宙の神秘を感じられるでしょうし、神の存在を感じたかもしれません。砂漠のあるイスラム教国の国旗が多く月と星で描かれているのがよくわかります。

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