超能力スペシャル2010 TBS (2)
前回のブログには、当たらないもの、やらせやインチキなものについて書いてきました。詳しく記録しなかったのですが、生まれたときに700グラムぐらいの超未熟児で生まれて、脳も大きなダメージを受けましたが、他の人のひくピアノを、すぐそのまま再現できるという「超能力」のことが出てきました。また、透視などに使う記号を並べて、それを一瞬見て、その順に書いてみせるというのがありました。マイケルジャクソンのスリラーを、どんどん早回しにしていき、そのあとで、同じ記号をみると、記憶力が高くなっているというのもありました。
今よくいわれている「超能力」とは、自然科学の法則性を超えたものを言うのであって、テレパシーとか透視とか、科学的に証明されていないものを言います。ある人間が、常人を超えた能力を持っているということはよくあるのですが、それは、科学的に証明可能です。ある情景を見て、それをちょうどカメラのように脳に焼き付けて、後からそのまま写真を見るようにできる、あるいは絵を描いてそっくリ再現できるなどというのは、人間の能力の素晴らしさを示すだけで、「超能力」でもなんでもありません。私のつれあいは、学生時代に、教科書をそのまま写真を撮るように丸暗記することができたといいます。ですから、テストの成績はとてもよかったそうです。でもそのようにしてテストが終わると覚えた知識はすぐに消え去ってしまうのだそうです。また数字を覚えるのは、素晴らしく、私はとても苦手なので対照的です。でも、苦労して覚えた私のほうが、いろいろ覚えているのです。そのような能力は、税理士をしていただいている杉山先生もそうだったとのことです。又そろばんの暗算で驚異的な能力を示す人もいます。前に示した早回しの画像を見て、記憶力が上がるというのもありますが。でもこれらは「超能力」ではありません。別に自然科学の法則に背いていないからです。
TBSのこの番組では、科学的に証明できる、あるいはそむかない人間の素晴らしい能力や可能性と、いかがわしい、透視やテレパシーなどをごっちゃにしているのです。よくむしの知らせとか言って、肉親が死ぬときに、何かを伝えていったとか、偶然ではありえないことがあるとかもよくいいます。それは、たとえば肉親が弱っているとかの潜在的な不安んが夢などに出て来たということだと思います。そういうことがないケースのほうがたくさんあるのですが、たまたま偶然そういうことがあった時には、当たったとか大げさに言うのです。
科学で何もかも解明されているわけではなく未知の分野というのは、科学の進展によりますます広がっているのは事実です。「超能力愛好家」がよく科学でなんでもわかってしまうというのは、まちがいだとかいいますが。まったくそのとおりです。わからないことだらけです。だからと言って、テレパシーや透視が、科学的な実験で証明されたことはありません。今までたくさん出てきましたが、やってみるとだいたいインチキがばれてしまいます。いろいろな条件を付けて、いわばそれは手品の一種です。そうではなくて、だれがやっても、どのような条件でもできることが科学的な証明です。もちろんまったく、透視や、テレパシーというのがまったくないとも断言もしません。わからないし、今のところはまず不可能だろう位のところです。完全にないと証明するのは中なか難しいものです。ただ「超能力」を信奉する人は、科学的な根拠がまったくなしで、ただある、できると決めつけているのです。これはいわば信仰の世界ですからどうしようもありません。
テレパシーにより電気のエネルギーを使わずに、意思が伝われば素晴らしいことです。携帯電話は必要なくなり、全部無料で通信できます。ただうけたくないテレパシーまでかってに入ってきたら困りますね。人気芸能人などはごちゃごちゃに入ってきて、大切な情報が入らなくなるかもしれませんね。また念力によって、物を動かしたりできればすごいものです。そういう超能力者を養成して発電すれば、究極の省エネルギーとなります。でもそれはエネルギーに関しての物理学的法則性を無視しているからまったく不可能です。
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