肥満は悪くない? NHK追跡AtoZから
3月6日にNHKで放送された、「肥満は悪くない?」追跡AtoZを見て、今まで疑問に思っていたことが、かなりわかるようになりました。スポーツや肉体労働で肩幅があり筋肉がついていて、結果として体重がかなりあって、当然腹囲も大きい人が、健康診断の結果、どこも異常がないという人をよく見ていました。また男性で腹囲が85センチ以上の人を、メタボの基準の一つとしているのがおかしいと思っていました。以前も「ちょい太で大丈夫」というブログに書きました。
相撲の力士は、当然ひどい肥満ですが、21人を調査した結果、ほとんど動脈硬化も糖尿病もなかったそうです。逆に、体重68,5キロの標準体重の男性が、糖尿病をなおすために薬を飲んで皮下脂肪を増やし73,5キロに太ったことによって糖尿病が治ってきたというのです。これはいままでいわれていたように太っていることを、病気であるとする考え方と正反対です。
その原理が説明されました。体内に脂肪が蓄積されるには順に①皮下脂肪②小腸の周りに付く内臓脂肪(おなかがぽっこりというタイプ)それに加えて、③異所性脂肪というものがあるというのです。脂肪は脂肪細胞の中におさまっていればそんなに悪さをしないが、脂肪細胞からあふれた脂肪が、べったりと、肝臓(脂肪肝)や心臓やすい臓などに入り込んでしまうと、さまざまな異常が出てくるというのです。すなわち、遊離した脂肪、すなわち脂肪酸がエネルギーのもととなるミトコンドリアを破壊してしまうというのです。すい臓に異所性脂肪がつくとすい臓のインシュリンを作り出す細胞が死滅するのだそうです。
今まで太っているということは諸悪の根源のように言われましたが、だいぶ違ってきました。太っているということは、皮下脂肪がついている場合が多いのですが、脂肪を皮下脂肪の脂肪細胞の中に押しとどめているともいえるのだそうです。そこをあふれると、内臓脂肪に、さらにそこをあふれると第3の異所性細胞になってしまう。そこで、皮下脂肪の許容量を増やすと、脂肪が、皮下脂肪の脂肪細胞で押しとどめられて、結局、前にのべたように、太った結果、糖尿病が治るということになるというのです。これらには大変個人差が多いということです。ゲストとして超肥満の森公美子さんが来ていましたが、特別な異常はないそうです。「太って、脂肪細胞多くしておいて(許容量をたかめて)やせればいいのね」と言っていました。
日本人はアメリカ人に比べて、やせているが、異所性脂肪がたまりやすいのだそうで、日本人は標準体重なのに、動脈硬化や糖尿病などの成人病が多いということです。皮下脂肪が多いという人は、脂肪の貯蔵能力が大きいということです。だからと言って、ただ太っていればいいというのではありません。異所性細胞を減らすのにはどうしたらいいかということですが、油ものを減らすということと、運動をすることだそうです。順天堂大学でのテストでは油ものを食べないようにして、一日1万歩、歩くようにしたらわずか3日間で劇的に、異所性細胞が減少したということです。
ただやせていればいいみたいな、健康法がよくないということがよくわかると思います。やせているとかえって脂肪の許容量が小さく、すぐに異所性細胞が増えてしまいます。ある程度太っていても、運動をすることと、脂肪をあまりとらなければ、いいのです。太平洋の小島のトンガの人々が、同じ太っているように見えても、タロイモなどを主食にしていた時には、成人病がほとんどなく、オーストラリアから安い脂肉が大量に入り、それを食べるようになったらてきめんに成人病が増えてきたといいます。
私自身も今減量中です。一時体重が89キロ近かったのですが、2か月で現在84キロです。私自身は、食事が和食中心で、油ものはほとんど食べていませんでした。ですから、体重がかなりあっても、一度も血糖値が上がったことがありません。妹が、おかしい、兄さんも高くなるはずなのにというのですが妹は油ものが好きなのが違います。減量のためご飯の量と、甘いものとお酒を控えただけで蛋白質や野菜は減らしません。今事務所の移動で身体を動かしているのも幸いしています。
実用的人間学研究会の会員でもある、大柳珠美さんが『糖質制限食』の本をたくさん書いて、すすめていますが、糖質を制限すれば、体内の脂肪を体内のエネルギー源として使い結局やせていきます。やせるために、たんぱく質を減らしてしまうと、筋肉が減少して、基礎代謝が高まりません。いろいろな異常が出てきて、元気も出なくなってしまいます。基礎代謝が低いと発熱量も低いままで結局やせにくくなります。
「糖尿病のための 糖質オフごちそうごはん」 大柳珠美 共著 アスペクト 他
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