普天間の辺野古への移転についてー政府の二枚舌は沖縄県民を冒涜
26日に政府は普天間の移転先を名護市周辺と明記せずに、28日に閣議決定をするということである。社民党党首がサインを拒否するということへの、配慮だという。サインがなければ当然閣議決定は成り立たない。ところが、日米の外務・防衛担当閣僚の間では、辺野古周辺にするとはっきり決めているのである。社民党が連立を離脱すれば、今度の参議院選挙で、ただでさえ、支持率が大きく下がっているのに、さらに不利になるので、ごまかしで、通そうということである。
アメリカではゲーツ国務長官が「進展は大変喜ばしいと言っている」これは完全にアメリカペースで行われてきたということである。その代わり、海兵隊の訓練を、国内の自衛隊の演習場で行い、沖縄の負担を軽くするというのである。こういうのを、完全に子供だましのやり方で、沖縄の人々の納得を得るわけがない。
衆議院選挙で最低でも県外と、鳩山首相は公約してきた。沖縄の人々や、多くの人々がそれを信じて、民主党に投票した。私もその一人である。ところが、5月までと先延ばしとして、徳之島に移すという案があるだけで、それも全く島民の意思も確かめずに、一部ブローカー的な人々の言葉に踊って交渉し、当然のことながら、島をあげての反対運動で潰れてしまった。鳩山首相の、海兵隊の抑止力を軽視していたなどの発言も全くおかしいものである。そこで前に自公政権で決めた、辺野古地域にするという。杭をうってでの、工法も米軍から拒否され、こんなうつくしい海を埋め立てるのは冒涜といった、鳩山首相が結局、サンゴ礁の海を埋め立てて、基地を移すということになる。
前に、私の書いたブログで、社民党の言う、グアムやテニアン島への移設が良いと書いたが、その考え方は岡田外務大臣や、防衛大臣の意向で、まるっきり無視されている。そのような、民主党内の意見を退けて、鳩山首相が指導力を発揮して、グアムやテニアンにという、考え方になるとは到底考えられないことだったのである。
社民党では、移転先を辺野古と明記しないからと言って、閣議で署名しないという。社民党党首がわざわざ沖縄に行って、辺野古を阻止すると言って、明記しないからと言って、実質的にもう辺野古に決まっているものを、安易に、署名でもしたら、社民党支持者が、社民党から離れてしまう。社民党は、ここで、頑張って、閣外に出ても断固その立場を貫くべきです。
沖縄の人々は、期待させておいて、やっぱり元の辺野古にすると言えば、「馬鹿にするな」とその怒りが大きくなるのは当然です。沖縄では、基地返還の点では、自民公明含めて、まとまっています。しかし、本土の人たちと言えば、なんとなく、ボーッとしていて沖縄の苦しみはわかっていなくて、心の底では、辺野古でもいいと思っている人は多いのでしょう。でもそれではいけないと思います。
民主党の、このような嘘や、二枚舌にあきれはて、そのひどさを見透かされて、支持率は大きく低下しています。そしてさらに沖縄の人たちの意向を無視して頭ごなしにアメリカと協定を結んだら、今後の騒ぎは大変大きなものになります。沖縄では、知事から、市長町長あげて、反対しているのです。それを強行するのでは、反対運動を弾圧してでも強硬するつもりでしょうか。それはまさに国民の敵となります。
ここで民主党が人々の支持を失い、今度の選挙で第三の勢力が伸びて、より自民党寄りな政治に戻ることを私は恐れています。
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