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2010年8月15日 (日)

韓国と日本の比較 共に非正規社員の増大が問題  NHK

 「韓国人から見る日本人の不思議」というテーマが第二部でした。日本人はかなり親しくなっても韓国の人にとってはよそよそしく感じるのだそうです。飲み屋に行くと一人で飲んでいる親父さんが多いと。でも無口が好きなのかと思うと、韓国からきてバイトしている女性が声をかけると、いろいろと話がはずむと。日本人のお父さんだってそれは気の合う人がいて、一緒におしゃべりしながら飲んだ方が楽しいに決まっています。でも帰る時間もさまざまで、そんなにお金もかけられないし、それでささやかに飲んでいるのだと思います。私も、通勤していた時期があって、帰る前に一人ででも少しでも飲んで帰るのが楽しみでした。それからカップルでも割り勘だということで韓国の人から見ると上司や男性がはらうらしいですが、私のようなもう67歳の年のものから見ると割り勘にはしないので、それは日本でも最近の風潮なのでしょう。男女で収入の差がなくて、給料もむしろ下がり気味でやむなくしているということもあると思います。

 日本の企業の国際競争力が一時トップだったのが、今では日本が27位、韓国が23位で抜かれたそうです。韓国の企業は、①強力なリーダーシップで即断即決する②厳しい社内競争がある。駄目なものは脱落させられる③徹底した現地主義だそうです。サムスンなどでは、現地に行って、半年仕事をさせないでじっくり現地の生活になじませるというのです。そうするなかで現地で必要なものがよく見えてくると。イスラム教国では携帯画面にメッカの方角が出てきて、イスラム教のコーランのお祈りの言葉が出てくる携帯を開発したそうですが、とても日本ではそこまでいかないようです。

 そういう目覚ましい発展と逆に極端な競争社会の中で、若者の自殺者が急増し、日本と並んで来たというのです。非正規の社員は50%で月収6万円で暮らすような生活を強いられているというのです。そういう人はわずか2畳の窓のない部屋に住んでいるのが紹介されました。大企業に入るには、いろいろなスペックと称する英語の力とかクラブ活動をどのくらいやったかとかいろいろな条件が必要だというのです。それがないものは就職もままならないのです。日本でもそうですが、そういう力をつけるにはさらには有名大学を出るには親の経済力が必要で、あたらしい身分制度が固定していくのです。

 日本でも韓国でも、力のあるもの、努力したものが豊かになるのは当然で怠け者で脱落したものがみじめになっても、仕方がないのだという、考え方をいろいろな形で吹き込まれてきました。しかし、人間が落ちこぼれなく人間として尊厳を保って生きていけるようにするのは、もっとも政治の役割です。ヨーロッパでは、その点に力を入れてきました。だいたい大事なことは、ヨーロッパでも非正規社員というのはいるのですが、同一職種同一賃金ということがしっかりしていて、給与所得はそれほど違わないのです。小泉以降の自民党は財界の要請でドンドン非正規社員の幅を広げてしまいました。そしてアメリカの影響下にある、政治家、学者、経済人などがよってたかって、資本主義の弱肉強食の世界に人々を引きずり込み、貧富の差が開き、社会的病気がまん延しているにも関わらず、放置してきました。日本ではさすがに人々もそのからくりに気づき、小泉以降の自民党政治にNOをつきつけましたが、政権をとった民主党も、さっそくアメリカや大企業に取り込まれ、最初の公約と反する政治をするようになってきました。(2011年12月、現在の野田内閣になって、もうほとんど自民党と同じと言えるまでになってしまいました)

 いま日経新聞を開くと、各企業がいかに利益を上げているかが分かります。その利益は、かわいたタオルをさらにしぼりこむように、中小企業をいじめ、社員を退職させ、正社員を非正規にし、海外に拠点を移してきました。それで大もうけをしているのに、消費税を上げ、さらに法人税を下げさせようとしています。外国より法人税が高いといいますが、研究開発費やさまざまな特典により、実質の法人税は外国に比べて高くないのです。経団連は一時自民党ばかりを応援してきましたがいまは民主党にすり寄り、民主党もすり寄っています。企業が利益が出れば社員の給与が高くなるという嘘は、今までの経過をみればすべて明らかです。大企業はいままでになく豊富な資金を社内にたくわえています。それを社員の給料や下請けの単価の向上に向けさせるべきです。またさまざまな金持ち大企業のための税制(証券優遇税制など)を少なくとも前に戻すべきです。庶民から消費税をとろうなんてトンデモありません。個人の収入を高めれば懐の温まった人は物を買いますから景気も急速によくなります。景気がよくなればいろいろな税収も上がります。国際競争力をたてに、大企業にやりたい放題をさせ、結果として長く続く不景気をもたらしている政府の方向をどう変えさせるかが大きな問題です。

 いつの間にか私自身の不平不満の話になってしまいましたが、曲がりなりにもなんとか食っていけるから、表立って大企業や、政府や、政治権力にたてつかないで、我慢しようというのが現状なのでしょう。

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コメント

「通行人」さんへ、日本の法人税が他の国に比べてそんなに高くないと書いたことに対して、それは誤りだとのことでした。私が、それほど高くないという話をする根拠について、ここで書くにはあまりに、字数に限りがあり、改めて「こういちの人間学ブログ」に「法人税の実質税率 国際比較に対して」という文章を16日付で書きました。それをご覧ください。

日本の法人税に関する記述が間違っています。国際的な会計事務所が毎年数字を更新して公表しています。

日本の実質税率は世界一ではありませんが、先進・中級工業国のなかでは最高の部類です。

日本の大企業(=世界の多国籍企業)は、事業部門ごとに税金の安い国へ部門ごと移転させており(工場移転が有名ですが)、そのため、なおさら国の税収が減っています。

日本の企業は日本から出て行き、海外の企業も日本にやってこない。世界レベルで公平に判断したとき、日本で商売したら利益が減るからです。

民主党の子供手当、高校無償化、農家戸別補償は、困っていない多数の人にお金をばらまく典型的なばらまき策です。困っている人に渡す福祉制度は昔からありましたから、民主党の受益者は全員困っていない人たちだと断言できます。

似たような政策に、公明党の地域振興券、定額給付金がありましたが、内閣府(昔の経企庁)がその経済効果を事後的に検証しています。ばらまいた金額の実に7割が貯蓄にまわったことが証明されました。景気刺激効果がなく、無駄です。

民主党の政策のため、経済開発予算は圧迫されており、特に新しい政策は出されていません。予算が無く政策の打ち出しようがないから、中国人観光客を増やして国内で買い物をしてもらうわけです。

民主党政権の任期があと3年も残っているなんて、背筋が寒くなります。イデオロギーの差に関係なく、全ての日本人にとり経済的不幸です。

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