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2010年9月22日 (水)

教育に関しての名言 実用的人間学例会 「嘘をつくなという教育はよくない」その2

2010年9月16日の実用的人間学研究会例会にお話しした「役に立つ名言、格言」のうち、教育に関してのものの続きです。

 「うそをついてはいけない」という教育は良くないということを、ある時歴史家、羽仁五郎氏が私に語った。この言葉は前から私が思っていたことを、一挙に解決するひらめきのように私をうった。

 「うそをつくな」という教育では、結局善良な人が馬鹿を見るということになる。「うそをつくな」という道徳教育では、社会からうそをなくすことはできない。それのみかうそが横行するのみである。権力者は昔からうそをついてきた。人民には「うそをつくな」という教育をすれば、人民は「人はうそをつかないものだ」と思いこみ、どんなうそでも信じることになる。~「うそをつくな」という教育は支配者のみに都合のよい教育だ。

 これに対して、被支配者のための教育は「うそをみやぶれ」という教育だということになる。これは科学的精神とか合理的精神とか独立心とかいうものである。このような人々の間では人をだました方が損をし、相手にされないのでかえってうそが少なくなる。

 人間性をいじめる道徳などないほうがよい

                  武谷三男 「思想の科学」 S、29,11「読者への手紙」

 これも昔読んで本当にその通りだなと思った文章でした。しかし残念ながらうそを見破れという教育は今の日本では到底不可能でしょう。今の教育は残念ながら支配者のための教育ですから。新聞を比較して読ませてみて、いかに各新聞によって同じ記事が、いろいろに違って書かれているかを知らせるという教育は大切ですが、一部の教師が自主的に行っているだけです。

 徒手空拳という言葉がある。徒手空拳~、ついに天下を手中に収めることができた人は、伝説上の皇帝の舜と、漢の高祖・劉邦、それに明の朱元璋(洪武帝であり、日本では豊臣秀吉だけである。~

 さて秀吉は「人たらし」といわれるほど、人の心をつかむのがうまかった。朱元璋もやはりそうで、二人とも若いころの貧窮のうちに諸方を流浪したせいで、人情の機微を察することにたけていた。このことはかなり重要なことを示唆している。端的にいえば、いつもおとなしく部屋に閉じこもって勉強に集中してくれる子どもを喜ぶ父母のもとからは、決して多数の人の上に立てる人間は育たないということだ。そんな子どもは成長してから、機械は動かせても人は動かせない。~

 たとえば石川島播磨重工の社長になった田口連三は小学生に上がる前に父を失い、小学生の身でありながら一家の代表としてさまざま役割を果たした。~「底辺の人間のやることはほとんど経験してのちの営業に進んだ時その経験は大変役に立った。相手の気持ちをつかみ、こちらの誠意をぶつけて交渉するのは。青白いインテリの世界と違うからだ」と述べている。

                    宮城谷昌光 「歴史の活力」

 現実にはそれほどのすばらしいトップにはならなくても、親からお金を出してもらって高学歴になった青白きインテリの人間が、役所でも、会社でも高い役職に付くのが現実です。そういう人は、貧しい人たちの苦しみなどは、まったくわからない人たちです。今、親の所得格差が教育格差につながり、固定化しつつつあることは、大きな問題です。

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