鯱鉾 鴟尾(しび) 摩褐魚(マカラ) 螭首(ちしゅう) 金毘羅様 水に関する守り神 2020年しゃちほこ追記
2010年北京で撮ったちしゅうです
これは名古屋城の金の鯱鉾です。
顔は龍に近くなっています
◎追記
2020年4月の、NHK番組,「チコちゃんに叱られる」で、しゃちほこのことが問題になっていました。
日本で、しゃちほこが城のてっぺんに飾られるようになったのは、1579年につくられた信長の安土城に由来するそうです。中国では城に龍が飾られますが、龍は首の部分だけが飾られるので縁起が悪いとして、龍に近いが全身のあるしゃちほこにしたということだそうです。その後豊臣秀吉も城にしゃちほこを飾りそれが全国に伝わったそうです。
これは「ちしゅう」(みずち首)です。いろいろな形がありますが、
龍よりも、ゾウのような長い鼻があります。これはおおもと
の「マカラ」の鼻がゾウの鼻のようだからと思います
NHKの番組で、日本の名城を紹介する番組が昨日ありました。そこに鯱鉾の由来を説明していました。面白かったので紹介します。2010年7月17日の私のブログで 「北京旅行へ行ってきました ちしゅう、お金をため込んでださない」下記参照。というものをかきました。中国の唐代に、龍生九子というもので、伝説上の霊獣が整理されました。ち吻は鴟吻ともいい、遠くを見渡せる能力を持っていて、大きな建物の上に飾られます。またの名を鴟尾(しび)といい、唐招提寺の屋根の上にあるものが有名です。また龍生九子で、ち(みずち)しゅう(首)は龍のような顔で、水をため込む性質があり、さらにはお金をため込んで出さないといって中国で喜ばれるといいます。中国の宮殿やお寺で排水溝のところにつけられます。ちしゅうもちふんもよく似ています。水をつかさどるということから建物の上につけられ、防火の役割も担ってもらおうとしたと思われます。
「北京旅行へ行ってきました。「.ちしゅう」お金を、ためこんでださない」
http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2010/07/
鴟尾から変形したものが、鯱鉾です。鯱鉾は名古屋城の金の鯱鉾が有名ですね。鯱鉾は雨乞いと火除けの意味合いを持っています。顔は虎に近くかわり、体は魚です。
これらのもとになったのが、インドのヒンズー教の神話にでてくる「マカラ」(摩褐魚)です。マカラはおそらくワニがもとになっているとも思われますが、ゾウのような鼻、ワニの大きな口、イルカの体、とぐろを巻く魚の尾を持ったもので、魚類の王とされています。爬虫類の王が龍(ナーガ)、獣の王が獅子か虎、鳥の王が朱雀もしくはガルーダ(かるら)です。
マカラはインドではワニのことをマカラと呼びます。マカラはガンジス河の河の女神ガルガヤや水の神ヴァルナの乗り物になり、ヒンズー教の守護神にもなっています。空海が日本に持ってきた「胎蔵界曼荼羅」には上のほうに対のマカラが描かれています。神社や寺の守護神の獅子と同じ役割を持っています。マカラは中国では摩褐魚とかかれます。
マカラはサンスクリット語では「クムビーラ」といいます。日本では金毘羅と書きます。四国の香川県の金刀比羅宮ではようはマカラを祭っているということになります。マカラ=金毘羅神は海の神、船の守り神だからです。このように、もとはインドの神々だったものが中国から日本へと伝わっていく過程でいろいろに変化しているということは大変面白いことだと思います。
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