高塚 光氏の超ヒーリングDVDをめぐって、 田口氏の批判にこたえます。
わたしが、9月15日付で書いたブログ「高塚光氏の超ヒーリングDVDを見てみました 本当に超能力あるのかしら」は多くの方に見ていただき、アクセス数は今日現在で、1200件ほどになっています。11月16日には「通りすがり」さんから、よくわかったと感謝のコメントをいただきました。11月24日には田口裕康氏からのコメントがあり、私のブログに対しての批判が書かれていました。本来なら、そのコメントのあとに続けて書けばよいのですが、かなり長くなりますので、新しいブログとして書くことにしました。
田口氏のお話しの要旨を書いてみます。
1)人を断定的に扱うのは低劣な大槻教授と同じ「超能力」は本人が言うよりむしろ世間である。
2)物事の本質が見えない人たちの前に姿をさらすのは危険この上ないことだ。過去に同様な人たちがいる。(高塚氏のことでしょうか?)
3)100万円いるわけではなし、自分の眼で確かめて値段に相応しくないようであれば、意見を公にするべき 自分が経験もせず知見に反することで、揶揄する言い方はやめよ。
4)田口氏も高塚氏と同じような「遠隔治療」の実践者である。
5)治癒に至るのは、プラシーボ効果など起こり得ない症例も多く見ている(病院入院中の夫に妻から依頼)
6)でも怪しいのは事実なので、依頼者は直接お目にかかった人のみに。
7)方法や目的が違え、人だすけで無償で「手当て療法」をしている友人や気功治療20年のベテラン女性、アジア古武道と古医学をやっている友人など多数いる。
8)通り一遍の誰でも述べそうな中身のない意見なので、申し上げてみた。
以上のような内容です。
私は人間学研究の一環として、超能力や気功などに興味を持っていまして、本も沢山買い求め、読んでいますし、人間学研究会で講師の方にお話ししてもらったり、以前、人間学研究所を、梁蔭全(『気の超科学』1992年 講談社)という中国の気功師のかたの研修会場としてお貸ししていた関係もあり、いろいろ見聞し、自分でも取り組んでみたこともあります。外気功の人に治療してもらったことも何度かあります。
今までいろいろ読んできた結果、今私がもっともだなと思っている本があります。それは『気功学の未来へ』焦国瑞対談集 1990年12月 創元社)です。焦国瑞氏は中国で医師として活躍する傍ら気功を発展させ、世界的にも有名な方です。焦氏は言います。P47-50
「外気治療について。気功で病気を治すことはできる。自らが鍛錬する方法での内気の鍛錬、もう一つは外気治療です。でも外気治療にはどんどん極端になり、距離がうんと離れても治ると大げさに言う人がいる。
高血圧の人がいて、その人は私の功夫を信じているとします。それで、私は外気治療をするようにその人の身体に掌を向けます。そうすると非常に気持ち良くなり、血圧は10や20は下がるでしょう。~実際にそういうことは起こるのです。 たとえば100人の高血圧患者がいるとして、私が上から下へ手をうごかすだけで95人の血圧を下げることが可能です。
しかし私の見方は他の人とは違います、このような外気治療の作用の主要な部分は、心理上の作用 (注1)であると私は考えています。 私は外気を否定しているといわれますが私は否定したことはない。しかし今の問題点は外気がどんどん大きく拡大して考えられているからです。
ある気功師が私と握手すれば私の気があなたの身体に入って、病気が治りますと。しかしそんなことがあれば、苦労して何年も内気功を錬行する必要はありません。
私はそれを読みその通りだなと思いました。外気功は心理的な効果なのです。プラシーボ効果というのも、心理的なものです。立派なお医者さんだと思えれば思えるほど、プラシーボは効きます。また私は、心理的なもの、プラシーボ効果を全く否定しているわけではありません。プラシーボも治す効果があることは事実なのです。特に心理的に良く効くと信じているほど良く効きます。また笑うこととか、泣くことによって、免疫力が高まることも科学的に証明されています。
しかしそれはあくまでも心理的なもので、万人に効くものではありません。田口氏の言う、自分が何も経験せずに、揶揄するような言い方をやめるべきだといいますが。私はあくまでも、『壮快』という雑誌を買ってきて、DVDを見ながらその指示する通りにやってみたのです。田口氏は、それだけでなく実際に高塚氏にヒーリングをやってもらえというのでしょうか。私は永年腰痛や膝痛になやんでいて今日も整形外科からの帰りですから、DVDで治れば、そんなにいいことはありません。でもやってみましたが残念ながら治りませんでした。もちろん治った方もあると思います。それはそれでとても結構なことです。ただみんながそんなに簡単に腰痛が治るなら、何も整形外科に高いお金と手間をかけて治療する必要などないのではないでしょうか。
私は重ねて言いますが「手当治療」や宗教(ルルドの泉など)も含め、頭からすべてを否定しているわけではありません。心理的なものはかなり、病気に影響しますから、そこが変わると病気が治ることを否定しません。しかし、治る人もいるし、治らない人もいます。すべての人に大きな効果があるなら、医療費の大幅な削減になるから、鍼や灸のように病院での医療に加えているはずですが、いかがでしょうか。
高塚氏はもう超能力などとまったく縁がないと言っているのでしょうか。もしそうなら、雑誌や新聞広告などで超ヒーリングだとか超能力者などという表現をやめさせるべきです。高塚氏が現代の科学を否定した超能力者の立場でいると思うから、私は批判しているのです。田口氏のような方が超能力ということでなく、それが心理学的な効果も大いに含まれるのだと、認めたうえで、無償で治療されるとしたら、大いに私は評価いたします。
私の見解に対して田口氏の反論をお待ちしています。
注1 この心理上の作用は「暗示」ではないかと思います。人間は本人が意識していない世界、無意識の世界で動かされていることが多いのです。
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