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2011年12月10日 (土)

人間とはなにか 遺伝子と分子が大きな影響 行動にも影響する追記版

人間とは何かということについて、前に書いたブログで、人間は物質であり、生物であり、社会的生活を行い、さまざまな文化を創造し、自分で自分のいき方を決める存在であり、それぞれのレベルは密接に関連しているけれど還元することは不可能であるとお話しました。

その中で、人間はDNA(デオキシボ核酸)という遺伝子(物質)の情報によって、決定づけられるということです。人間の遺伝子は4つの塩基の組み合わせで決まり、その配列で一部の塩基が他の人と違うと、遺伝子病になるということ、又太りやすいとかいった形質も肥満遺伝子というものがあるなどということがしだいに分かってきています。

 核酸は4つの塩基と、五単糖とリン酸塩から成り立った物質です。核酸には五単糖がデオキシリボースで4つの塩基が、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)から成り立っているデオキシリボ核酸と、五単糖がリボースで、塩基の一つがウラシル(U)から成り立っているリボ核酸とがあります。その核酸が、結合したものをヌクレオチドといいますが、それが長い鎖状に結合した形をしています。その鎖状のものが二重らせんを形成し、それが遺伝情報を伝達するということが分かっています。

『遺伝子があなたをそうさせる』喫煙からダイエットまで D・ヘイマー、P・コープランド2002年 1900円 草思社

『人間は遺伝子を超えられるか』 1998年 素朴社、

『DNAはどこまで人の運命を決めるか』 R・G・スティーン 1998年 三田出版会             

『分子という神々』 P,Bアップルホワイト 長野 敬他訳 1400円秀潤社1982年

などいろいろな本が出されています。

その中で『分子という神々』では、長野 敬氏は訳者のあとがきで、この本では、「ラ、メトリが人間機械論などを宣言したが、いまや単なる宣言ではなく、事実の記述と言えるようになってきた。これを人間の精神活動、行動にまでおしひろげ割切った立場で、論じたのがこの本である。~「行動や思想を決めるのが、精神、魂というような不可解な『物質でないもの』などではなく、分子のシステムこそが脳の構築材料であるとともに、脳のうごかし手でもあるとの考えは『確認され、広げられ確立されていく』に違いないと著者は自信を表明している。~物質システムとして人間のをみてゆくというのは、現代生物学での主流である」と言っています。

 『分子という神々』ではいろいろな人間行動がいかなる仕組みで出てくるのかを説明していますが、267ページに表2として、26項目の行動と、今までに伝統的に言われてきた心理学的影響と、近年整理されて生物学的影響の影響を対比しています。266ページの説明によれば心理学的影響も結局分子の作用ではあるけれども、心理学的影響とは私たちの行動への他の人々、場所、出来事などからの影響である。それに対して生物学的影響とは、周囲で観察するものに依存しない影響のことで心理学的影響のように感覚を通して影響を及ぼすものでははない。五感を通してとりいれる情報はどんなものでも心理学的で、ほかのものは生物学的である、と。以下を載せてみます。

 行動        心理学的影響      生物学的影響

性欲       感覚刺激        生物時計、ホルモンレベル                  *睡眠       倦怠、ストレス     生物時計、熱、運動

          願望、悩み、記憶     生物時計                          仕事遂行      感覚刺激、訓練   生物時計                        感覚認識      感覚刺激       生物時計

気分         感覚刺激       生物時計                        *知性,思考と    学習、感覚刺激     生物時計脳の分子構造                                   意志決定                       と偶然                                   *独創性    環境からのインスピレーション 偶然、脳の分子構造

動機        報い           脳の分子構造                     ある種の表情    学習          脳の筋肉と神経をコントロール                                ・                                      するために事前にプログラム                                                   ・                                      化された神経                                       

                                                                                       言語能力      学習          女性の脳の分子構造                   空間的能力     学習          男性の脳の分子構造                  勃起不能      ストレス         テストステロン・ホルモン                 *精神分裂病    ストレス        ドーパミン過剰                   *うつ病       ストレス        ノルエピネフリン不足                  *不安病       恐怖          乳酸過剰                      *攻撃性     フラストレーション恐怖学習   脳の分子構造、ホルモンレベル                      財産に対する犯罪   社会状況、学習    脳の分子構造                   *愛情        学習           脳の分子構造                    *食べ過ぎ     感覚刺激、学習   代謝作用、胃化学物質の信号                *神経性食欲不振症  乱れた家族関係   視床下部機能障害                  *アルコール中毒  ストレス       代謝作用                      *同性愛       学習、両親の影響   胎児期のホルモン                    幸福          感覚刺激      脳快楽中枢 エンドルフィン                   気質        学習、感覚刺激   脳の分子構造                              *活動過多     不適当な社会関係  食品着色料鉛、脳の分子構造

*は主として生物学的影響によって決定される行動

267ページの表をそのまま載せてしまいました。いかに多くの行動が生物学的な影響があるのかが分かります。このように、生物学的な要因(脳や身体)や心理学的や精神的な要因、社会的な要因などが複雑に関連しあっているということがおわかりだと思います。詳しい内容については、改めてお話しします。なお本格的に知りたい方は、ぜひ直接本をお読みください。 

 他の本では

 『生命に仕組まれた遺伝子のいたずら』 東京大学人気講義録

  石浦章一 2006年4月 1800円 羊土社 も面白かったです。

付記 2011年12月10日 もっとも重要な表が、わかりにくくなっていました。

そこで書き直しました。                                                                   

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