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2012年1月13日 (金)

ロムニー共和党候補とモルモン教 池上彰氏の話から

1月12日フジテレビで、池上彰氏の「宗教がわかればニュースのナゾが解ける」という番組を見ました。いろいろなはなしがあったなかで、タイトルに挙げた、ロムニー共和党候補がアメリカ大統領選の有力候補で、彼がモルモン教徒であるという説明があり、興味深かったので、ここで書いてみることにしました。

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これはモルモン教の経典です。人間学研究所には2冊おいてあります。

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右はモルモン経典の中にある、預言者ジョセフ・スミスの像。左上はクモラの丘で、ここでジョセフ・スミスはモルモン教の金版を受けたとされます。

さて池上氏の話しです。アメリカの歴代大統領は35代のケネディを除いてすべてプロテスタントです。アメリカの建国がプロテスタントによって行われたことに起因します。アメリカでは51,3%がプロテスタントです。そのなかで、前に書いたとおりロムニー氏がモルモン教徒ということで、珍しいということになります。

 モルモン教とは正式には「末日聖徒イエスキリスト教会」といいます。預言者モルモンの予言した内容を書いた金の板をジョセフ・スミスがみつけ、1930年に翻訳したものが始まりです。モルモン教の信者はアメリカに600万人、世界合計で1410万人だそうです。アメリカでの信者の比率はわずか1,7%です。外国語の研修センターがあり、若者の男性信者には海外での宣教を自費で行う義務があるそうです。またたばこや酒やコーヒーやお茶などを飲んではいけない。また以前は一夫多妻制度があったなどの独特な宗教です。ユタ州には多くのモルモン教徒が住んでいて、ソルトレークシティーでは以前冬季オリンピックが開催されました。ケント・デリカット(ほかにケント・ギルバートや斎藤由貴など)なども宣教者です。信徒はその収入の10%を教会に寄付しなければならず、そのおかねを投資し、250~300億ドル(2兆円)の資金力をもつと言われます。現在、大統領選挙を前にして、PRビデオを作り、ごく普通のアメリカ人がモルモン教に入っていると、宣伝しています。

 ミット・ロムニー氏は元ミシガン州知事のロムニー氏の子で、ハーバード大学院を優秀な成績で卒業し、投資ファンドで成功し、200億円の個人資産をもち、ソルトレイク・オリンピックの組織委員長などで成功を収めました。その経営手腕は財界から高く評価され、投資家の69%がロムニー氏支持だそうです。二つの州の予備選挙で勝利し、中道穏健派の保守候補としてオバマに勝てる候補として期待されています。しかし、その宗教からキリスト教原理主義派などからの強い反発があります。モルモン教はキリスト教に属すると主張していますが多くのキリスト教は、モルモン教をキリスト教とは認めていません。

 以上が、池上 彰氏の話の要旨です。

モルモン教についてもう少し話を加えてみましょう。

 モルモン教の創始者である、ジョセフ・スミスが、ある日天使の導きで自宅近くから読解不能な文字が刻まれた黄金の板を発見し、これがイスラエルからアメリカに移住してきた民が書き残したものであるということを教えられました。ジョセフはこれを特殊なメガネで解読し、この板に書かれたものこそ本当のキリストの教えだと主張し、この文書を「モルモン経典」と名付けました。スミスは他のキリスト教は「悪魔の教会」としています。逆に他のキリスト教会はモルモン教を異端としています。

 「モルモン経典」の内容

 「ニーファイ第一書」 その統治と教務

 リーハイとその妻サライア、および長男 ~始めてレーマン、レミュエル、サーム、ニーファイと呼ばれたその4人の息子たちの記録。

 リーハイ、エルサレムの民に向かいその罪悪について予言したから、民がリーハイの命をとろうとした。よって主はリーハイにエルサレムの土地を立ち去れと警告したもう。 一行は妻子を連れて荒野をさまよう。その後ニーファイが兄の反対をおし切り船を作り大海を渡る。(一部要旨)*

以上のような文章から始まります。新約聖書のマタイによる福音書で、「アブラハムの子であるダビデの子イエスキリストの系図」から始まるものを見慣れていると、おやおやと驚きます。モルモン教の主役はニーファイとよばれる神の予言者で歴史家となります。ニーファイの父リーファイは紀元前600年にエルサレムに住んでいた聖書の預言者エレミヤと同時代の予言者です。

 リーハイの一族が約束された地アメリカに移住してから神に忠実なニーファイを他の兄弟は殺そうとします。彼らから逃れた人たちはニーファイを指導者として尊敬し、彼らはニーファイ人と言われました。他の兄弟はレーマン人と呼ばれ二派はずっと争いました。

 リーハイとその家族がエルサレムを去った1,000年以上の後、ニーファイの子孫がニーファイの始めた記録を完結しました。その子孫がモルモンと其の息子モロナイです。そこからモルモン教と呼ばれることになります。

神と神の子イエス・キリストと聖霊は三位一体ではなく別の存在だということになっています。モルモン教は形式こそ聖書に似ていますがその内容は、ところどころ聖書に似たところもありますがニーファイ派とレーマン派の戦いの歴史などが詳しく書かれており、まったく違います。

 イテル書というのを見ると、預言者イテルの系図というのがあります。新約聖書のイエスキリストの系図と同じような書き方です。

 世界の創造でアダムが作られた。イテルはコリアンテルの息子である。コリアンテルはモロンの息子である。その後延々と続いて、オライハはジェレドの息子である。~主が世の人の言語を乱し、怒って彼らが全世界に散らされると誓いたもうた時ジェレドと其の一人の兄弟と~大塔(バベルの塔らしい)のあるところから出てきた。

 モルモン教では旧約聖書にあたる部分と新約聖書の部分が混合してそれがアメリカ版になっています。新訳聖書におけるイエス・キリストが、奇跡を起こしながら、民に信仰を説くという場面はほとんどありません。

 私が考えるに、例えばこのような話を日本版として聖書をつくり、ユダヤの人たちが日本に移り住み、キリストも日本に来たとかいうのは、トンデモ本になりますが、事実そういうことを主張している人がいます。でも、信者がたくさん増えてくればいかにその内容が荒唐無稽のように見えても、信者が一定数いれば立派に宗教として、成り立ってしまうのです。ちなみに、モルモン教の伝達者のジョセフ・スミスには一説に49人の妻がいたそうです。

* モルモン教の予言者がアメリカにBC600年ごろに移住したとあります。BC600年は、預言者エレミヤがユダ王国の危機に、神の戒めを説いたときです。BC587年にはエレミヤの警告を無視し、ユダ王国は新バビロニア軍と戦い、負けることによってユダ王国は滅んだ。ユダヤの人々は新バビロニアに強制連行された。このころは、ローマが都市国家として成立したころで、中国は春秋時代で、日本は縄文時代です。アメリカでもマヤ文明がBC400年ころ始まるころですが、はたして、当時の船で、ユダヤの地から大西洋が渡れたのでしょうか。ある程度の人たちが北アメリカに移住したとすれば、アメリカインディアンだけでなくユダヤ系の人たちの子孫が北アメリカに残っているはずですが。

追記:前、よく、広尾の東京都立図書館に行きましたが、途中に有栖川宮記念公園があります。そこに隣接してモルモン教の教会がありました。

追記:『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』池上彰 文春新書

   800円+税  2011年7月20日初版発行

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政治と社会の現状」カテゴリの記事

コメント

 米大統領選挙のニュースを探していて此処にたどり着きました。ロムニーがモルモン教徒であることは知っていたのですが、モルモン教についてはあまり知らなかったので勉強になりました。
 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神(ヤハウェ、ゴッド、アッラー)は同一であることはよく知られています。彼らの信ずるところによると、人は神が土から造った、ということになっています。神が人を創造したわけです。だから神には人の生殺与奪権がある。
 ところが、仏教では全く違うことを言っています。仏は各々の中にあり、解脱すれば人は仏に成ることも可能だ、と。
 これだけ信ずるところが違えば、さぞや摩擦も大きかろうと思うのですが、さにあらん。ご存知の通り、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒達こそ、お互いに未だに殺し合いを続けています。モルモン教vs.プロテスタントの戦いなど、その最たるもので、セクト間の内輪揉めに過ぎないが、だからこそ熾烈になる。
 最終的にはオバマが再選されると見ていますがこの宗教対立も目が離せませんね

キリスト教の正統的な考え方では全知全能の神と、イエスキリストと、聖霊が三位一体であるとされていますが、キリストが生まれる前の旧約聖書に書かれている神とキリストでは、かなり人々(人間)に対しての対し方が違います。
 旧約聖書の神はtさんのおっしゃる通り、ノアの洪水で、人間ばかりでなく一部を除いた動物まで全滅させます。出エジプトでも疫病で、多くの子供を殺します。ソドムの住民をほんの少しを除いて全滅させます。大人は堕落してもまだ幼い子供に罪はないはずです。さらに犬猫まで全部殺します。
 またわざわざ、リンゴを食べるように誘惑させてアダムやイブを試します。他にもいろいろと自分の絶対的命令に従うかどうかを試します。大変気まぐれで意地悪な残酷な神です。自分の絶対的な命令に従わない人はようしゃなく殺します。それが欧米のキリスト教の社会の中で他の信仰をもつ人や他民族を平気で弾圧し殺すとかしても平気になるようなものの考え方のもとになっているように思えます。異端審問で多くの罪のない人が殺されました。そしてその財産を奪い取ったのです。しかしキリスト自身は初めから出てくる全知全能の神(ヤハフェ-ヤハウェでしょうか、とかGODとか)よりもう少し優しい人物におもえますが。
 もちろん多神教の仏教とは人間を含めた命に対する考え方において全く違います。

キリスト教の教義は、無宗教にはとても受け入れられないものなのかもしれません。
例えば、旧約聖書のノアの大洪水を読むと、神が洪水を起こし、地球人は8人以外全員死んだようです。

他にも、アブラハムに「息子を殺せ」と命じ、殺そうとすると、
「やっぱ、やめろ!」
とすぐ方針を変えてしまいました。

さくらさんへ 私のモルモン教への批判的なブログのコメントを使って、モルモン教の宣伝をするとは、おそれいった話ですね。あなたがモルモン教を信じるのはかまいませんが。他の方のコメントで、いろいろな問題点を指摘されていますが、それについてはどのようにお考えですか。キリストがこの地上に正しいキリスト教はないといったとのことですが、それが本当なら、キリストが神になって、キリスト教が1820年までの間間違ったまま放置していた事になります。その通りなら全知全能の神にしてはずいぶん怠慢ですね。また、キリストが一夫多妻をすすめ黒人の信者を認めず、それをそんなに立たないうちに後で、修正するというのも、どうも納得できないのですが。いかがでしうか。私はキリスト教の神が存在しているとしたらは、戦争、震災その他で人間を簡単に殺しすぎます。もしいたにしてもそんな神は私は嫌いだし、絶対に許しません。モルモン教では早く最後の審判があって、モルモン教の信者以外の人が死んで地獄に行くことを願っているのではないでしょうか。

モルモン教会は正式には末日聖徒イエス・キリスト教会といいます。これはイエス・キリストご自身が名づけられました。ですからこの教会の統率者はイエス・キリストで、その教え(教義)はすべてイエス・キリストから発せられたものです。一夫多妻のことも黒人の神権のこともイエス・キリストがお命じになったことです。それらをやめるように指示されたのもイエス・キリストです。そのようにキリストがお選びになられ、命じられたことを忠実に行った人が預言者と呼ばれる人たちでどのような迫害や苦難に直面しても命に代えてまでその指示に従いました。ですからキリストによってこの時代の最初の預言者に選ばれたジョセフ・スミスは1820年、14歳の時にニューヨーク郊外の森の中で御父とイエス・キリストが現れて「この地上に正しいキリストの教会はどこにもない。だからどの教派にも加わってはいけない。」とおっしゃいました。その後もキリストの導きを受けて1830年に古代にキリストがお建てになられた真の教会を再び設立しました。すべてが森で起こった出来事から始まりました。私はこの話を宣教師たちから聞いたときに信じました。誰もがある事実や真理を提示されたときにそれを選択する自由を持っています。私はこの出来事を受け入れました。そして教会員になりました。皆様の中でもし末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会)に関心をお持ちの方がいらっしゃいましたらお近くの末日聖徒イエス・キリスト教会にお立ち寄りください。宣教師たちが親切に教えてくれます。

ふみさま コメントありがとうございます。あたらしい宗教も、信者を広げるうちに、いろいろな矛盾点がそぎ落とされていくことがあります。一夫多妻を改めたり、まだ不十分ですが黒人別紙をあらためたり。ロムニー氏は中絶や、同性婚を認めたり、柔軟な姿勢をとっていますので、穏健派として支持を広げています。モルモン経典を読んでおかしいと、いうなら、聖書の言うことをそのまま信じる福音主義(原理主義)も同じです。ヨハネの黙示録に基づいて、ハルマゲドンや世界週末戦争を待望したり、そこに書いている14万4千人が天国に、自分の信じている宗教だと行けるとかいう独善性には納得できません。「エホバの証人」では。信者の高級幹部だけがその天国へ、あとは信者以外全滅した地球に信者だけ戻るようですが。 
 唯私のような確信的な無神論者から見れば、やはり、オバマのように宗教を強い基盤にした大統領で無いほうがいいようには思います。

投稿者のみなさんが書かれているような危険な宗教であれば、率直に考えてこれほど大統領候補としての支持は受けないのではないでしょうか?アメリカでのロムニーとモルモンの評判は決して悪くありませんね。むしろ国に忠誠心の強い宗派であると言われているようですが?。保守派の人達がロムニーを勝たせたくないのは宗派としての誇りからしてよくわかります。人は自分が信じているものが一番と思いたいですよね。そのためには他宗派のあら捜しは選挙では常套手段になってるようですね。
 どのような宗教・宗派でも個人的に悪い感情を持っている人はいると思います。お気の毒な思いも有りますが、逆にそのなかで幸せに暮らしている人も沢山いるはずです。両面で考える必要があります。
そんなことで今回の共和党候補者選びは、ロムニーが少数派モルモンでありながらどれだけやれるかを注目しています。ご指摘のようなカルトとか危険とかが本当であれば、アメリカの人達は絶対に選ぶことは無いでしょうし、選ばれればモルモンはアメリカで認められた宗派であると思います。

すし様
 モルモン教について、一度信者だってということで私より詳しいですね。とても他の方にも参考になると思います。ありがとうございました。
 信仰することはいい面もありますが、反面自分の信仰を絶対と考え、他の人を迫害したりすることは、絶対に許されることではありません。
 モルモン教でも、前に私が話した「エホバの証人」の人でも、とてもやさしいいい人もいます。でも昔キリストの名のもとに魔女裁判をやるような人もいますね。
 やはり、私は何かを信仰してしまうのではなく、人間が何よりも大切であるというヒューマニズムの立場で、科学的なものの見方をして生きていこうと思います。

私の主人はモルモン教徒で私もモルモン2世として育ちました。主人はとても良い人ですからモルモン教徒が皆、悪い人々だとは思いません。
 私はモルモンをやめました。
 理由は、教会を信頼できなくなったからです。
 教会の創立者ジョセフスミスにたくさんの妻がいたこと、その多くが若い女性であったこと、教会の指導者たちが非教会員の開拓者たちを120人虐殺してそれをインディアンのせいにしたこと、世界中で数目当ての伝道を行ってきたこと等をきちんと信者に伝えていません。
 この数目当ての伝道はひどいもので、若い子をターゲットに教会の教義や戒めをきちんと教えず、じゃんじゃん1週間、3日、ひどい時はその日に浸礼を授けたのです。でも、その子たちは教会のことをよくわかっていないのですぐに来なくなり、というか、その後一度も教会へ来たことがない人”もたくさんいたそうです。
 府中の学校では”モルモンの宣教師と関わってはいけない”と先生たちが子供たちに警告したそうです。真面目な信者や宣教師たちは悩み、この伝道方法に異議を唱えましたが、教会はこれを拒否、私の知り合いの人もこのことがきっかけで心が壊れてしまい、その後4年間、教会へ行けませんでした。
 私はこれをきちんと解明して公に謝罪するべきではないのか?と教会の指導者たちに訴えましたが、答えは”それはしない”でした。
 何人かの人は私がこのことについて調べていると知って”あなたはサタンの影響を受けている”とか言いました。そして知っているのに知らないふりをする人もいました。他の人たちにこの話をしても、”なんでそんなネガティブのことばかり考えるの?”と言うだけ。うっとうしがられることも多いです。
 私は人が間違いを犯すのは避けられないと思います。それをきちんと悔い改めるように教えてくれたのがモルモン教会でした。でも、その教会が謝罪をしないと知り、本当にがっかりしました。それなのに子供たちに”この教会が真実であると証します”と言わせるのです。これを聞くのが本当に辛かったです。
 私の父は熱心なモルモンですが、私が教会をやめたと言ったらものすごく怒鳴られました。本当に恐ろしくて、ストーカーのように電話がかかってきて、私は自殺も考えました。教会の指導者たちに助けを求めましたが、誰も助けてくれませんでした。ある人からは君が悪い、と言われました。本当に辛くて怖かった。
 モルモンで幸せな人はそれでいい、でも、自分たちが迫害をしてしまっているということに気付いてほしいです。宗教は良いものだと思いますが、モルモンに関わらず、うちの教えが唯一真だ、と、熱心にすすめる宗教は非常に危険だと思います。
  

こんばんは
この記事を読んでモルモン教はただの異端ではないことがわかり勉強になりました。
私もかつて異端の教会に連れて行かれたことがありすぐに危ないと気づきぬけることができました
正しいものそうでないもの洗脳されてしまうと見抜くのは難しいですね

ほろ酔い様
 
 コメントありがとうございます。私の知らないこともいろいろ書いていただいてありがとうございます。モルモン教の大統領が誕生したら、いろいろな面で日本にも大きな影響があることがわかりました。    しかし、アメリカの支配層は、自分達の利益のためと、オバマを倒すために、こんなカルトともいえるモルモン教の大統領候補を支持するのですね。

突然お邪魔いたします。

前回の大統領指名候補選を俯瞰していると、福音主義派はモルモンがいかに聖書からかけ離れた教えであるかバッシングを展開していたのですが、ラリー・キング氏はモルモン教の秘密主義的な部分と教団トップが信者へ与える絶大な影響力に焦点を当てて批判的姿勢だったように記憶しています。
モルモン教のトップである大管長職にあったゴードン・B・ヒンクレー(故人)という人物の生前の発言を受けてカルフォルニア州議員選挙において同性婚反対法案に賛成の議員に莫大な寄付を行ったのが州外在住のモルモン教徒であったことからも教団トップの意向がいかに末端信者の意思決定に影響するか象徴しています。
史実でないことを信仰している、教祖や後を継いだ教団幹部が一夫多妻だったことなどは表面的な問題に過ぎないと私は考えています。

モルモンは対外戦争を積極肯定する宗教であること、ユタ州には世界有数(最大?)のミサイルユニット工場があり雇用の要のひとつになっていること。
ロムニー氏が経営に携わる投資会社の最大の顧客はモルモン教であること。
またユタ州はマルチ商法の主催企業が最も多い州でリーマン・ショック前までマルチ商法を州の主要産業に育成しようという動きがありました。
日本のマルチ商法規制に対して何らかの圧力があるかもしれません。
以上三点が個人的に懸念している点です。

かつてアメリカの軍産複合体がNHKなどで特集番組が放送されていましたが、モルモン教をウォッチしていますと、軍産どころではない、軍産教+ファンドの複合体だな、と思わされます。

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