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2012年3月

2012年3月30日 (金)

「原発に関するウソについて」人間学研での講演資料と私が以前ブログに書いたこと

 2012年3月23日に人間学研究所の第81回新教育人間学部会でお話しした「原発に関するウソについて」は、資料をまとめるのに、かなりの労力を費やしました。三月の「こういちの人間学ブログ」が少なくなった理由でもあります。ここで資料の概略をお話しをするとともに、私が昨年の原発事故以来、ブログに書いたことを整理してみたいと思いました。

原発における20の大ウソについて

1、原発事故は想定外であった

 様々な提言があったが経済性優先で無視してきた

2、原発は発電コストが極めて(けた外れに)安い

 吉本隆明など 現在では補償費を含めると政府側もかなり高くなるといわざるを得ない。                 

 今では、天然ガスによる優れた発電で5円(1KWあたり)を切るようになった。

3、原発事故は想定外の津波によって起こった

 地震そのもので、配管のはずれ、プールの損傷(三号機)などが起きた

 (NHKテレビ放送など)三号機が爆発したら80キロまで危険が及ぶ。

4、原発稼働させないと大規模停電が起きる

 すでに原発なくても十分余力があるのはわかっていた

                                                             2011年夏原発なしで電力は足りていた 東北電力を応援

5、原発は安全で絶対事故は起きない

 安全神話、次々に事故が起きてその神話は覆された

 日本のように地震の巣のようなところは、どこでも安全ではない。

6、原発事故で死んだ人はいない

津波の生存者いたの分かっていたが、翌日原発で立ち入り禁止で

救援に行けず病院や老人施設で移送の途中で次々に死ぬ 

相馬市の酪農家が絶望して自殺

今後がんなどでの死者がどのくらい増えるのか想像つかないほど

7、原発事故とそれによる放射能はただちに影響はない

 多くの原発擁護学者が言う。原発30キロ以内でも人体に影響しないとか

 放射線のつよいところ、30キロより遠くても柏市など広域に

8、放射線は大丈夫、プルトニウムは飲んでも大丈夫

 大橋弘忠東大教授の話テレビ放映 原発の子供用の展示でもプルト君 飲んでも大丈夫と、さすがにこれは原発賛成派からも注意された

9、むしろ放射賤を浴びるのは身体に良い (ホルミシス効果)

 原発擁護者がよく言うことどのような量でも放射線を浴びるのは危険というのが現在では一般的に。人体に影響のない程度の被ばくなどない。

10、12月原発は冷温停止した

 政府は早く、原発を再稼働したいのでこのように言う。

 そこの抜けた(メルトスルー)原子炉で、冷温停止はあり得ない

 (小出裕章氏 「原発のウソ」)

11、今回の放射能事故はチェルノブイリに比べるとはるかに軽い。死者が出なかった

 死者の件は6で述べた。放出されたセシウム137は広島原発168個分、今も原子炉は多くの放射能を放出し続けている。これからどうなるか全く分からない

12、原発は二酸化炭素を出さず地球を温暖化しないクリーンなエネルギー

 原発擁護者が必ず言うこと原子炉稼働には石油燃料の支えが不可欠 原発発電で熱の3分の2は海へ直接温暖化させている 二酸化炭素の増大は、地球温暖化の原因ではなく結果である、(根本順吉 気象学者)

13、化石燃料が枯渇するので、原子力を使う

 ウランは石油よりも先に枯渇してしまう(『原発のウソ』小出氏)。 天然ガスはシェールガスやメタンハイドレードなど、どんどん増えている。アメリカでは天然ガスはだぶつき暴落している。日本は高い天然ガスを買う仕組み。

14、自然エネルギーによる発電は原子力に代われない

 原発一基分を太陽光では、山手線の中全部変えてもダメという(石原知事など)   スペインでは風力が21%で原発の19%を抜いて首位に 日本でも地熱発電の可能性大

15、脱原発のドイツは原発大国フランスから電気を輸入

 多くのものが言うしかし逆に2011年の冬、フランスはドイツから電気を輸入した

16、福島第一原発は最長60年まで、使用できる(2010年3月東電)

 とても無理であるとわかっている。原子炉、設備の老朽化は深刻な状態であった

17、福島第一原発はあれだけの震災でよく持ちこたえられた。

 大槻義彦らがいう。事実はめちゃくちゃになっているではないか

18、原発は水力発電や自動車よりはるかに安全である。

 1975年米原子力規制委員会が、自動車や水力発電の死者より少なく安全であると    事故が起きた時の深刻さは、自動車事故や水力発電工事の死者どころではない。

すでに膨大な核のゴミがあるが、それは100万年も管理しなければならない。そしてそれを処理する場所が無い。4号機のように使用済み核燃料がむき出しで保管されている。

19、原発などの科学の進展をとどめてはいけない

 大槻義彦や吉本隆明らは反原発で人間はサルになると。

 科学の生み出したものはなんでも推進しなければならないわけではない。

 またプルサーマル計画などどこでも失敗した。

20、除染すれば大丈夫、耕作もできるようになる

 汚染された福島原発の周辺は長い間再生できない 除染はいいことだがその処理は?農業には表土が大切 セシウム137の半減期は30年間

 などなどありますが。そのほかにも様々なウソを平気でつき続けています。(上杉隆氏の本も参考にしてください)これらのウソにだまされないようにしましょう。マスコミはそういうウソを平気で言い続けます。特に、産経新聞、日経新聞、読売新聞はひどいものです。でも新聞は正しいことを書くと思っている人は知らず知らずのうちに影響を受け、自分の考えとしてしまいます。私はできるかぎり、原発の危険性を書いて、皆さんに知ってもらおうとしています。5月にすべての原発が停止します。原発を完全にストップさせる、最大のチャンスです。

◎ 30ページの資料では。以上のほかに、原発推進の歴史、福島第一原発の状況、原発の諸問題として、原子力発電は安いのか、原発が無いと停電するのか、原発をめぐる状況、放射能汚染と健康、二酸化炭素温暖化説とはなどについて書いてあります。

 毎日新聞の2012年3月15日付の記事で、ドイツのシュピーゲル誌では日本の状態をのように報道していますと紹介しました。

 日本のGenpatu Murra(原発村)降伏せず。依然として原子力村の抵抗が強いと。日本ではデモもあまり起こらず、人々はしょうがない(Shoganai)と思っていると。

★ 資料には小林よしのり氏の『脱原発論』 SAPIO 2012年 3月 14日 のマンガ

  弘兼憲史氏の『社長 島 耕作』 モーニング2011年5月18日のマンガ

  山本おさむ氏の『今日もいい天気』赤旗日曜版2012年3月のマンガ

  の紹介もしました。

 ★ ともかく東電、政府、学者、マスコミはうそをつき続けている。いくらうそをついても全く責任をとらない。

★ ナチの宣伝省 ゲッぺルス 「十分に大きなウソを繰り返せ」

参考

『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 上杉 隆 PHP新書

震災報道「9のウソ」 2012年2月29日

1、メルトダウンはしていません                                                      2、放射性物質は拡散していません                                              3、半径20キロ圏外の地域は安全です                                                   4、年間20ミリシーベルトまで大丈夫です                                                           5、低濃度の汚染水を放出しました                                                   6、海産物は食べても安全です                                                 7、農産物は食べても安全です                                                      8、行程表のとおりに収束します                                                                        9、事故原因を徹底的に検証します                                               

参考書 

 原発に関するもっともわかりやすい書物は

『図解 原発のウソ』 小出裕章 2012年3月11日1000円 扶桑社

 図版写真が豊富です ぜひお読みください。

◎「こういちの人間学」ブログに書いてきたこと

 下記のようにいろいろと書いてきました。「原発のウソについて」詳しく知りたい方は、ブログを開いてご覧ください。「こういちの人間学ブログ」で検索し、右上のバックナンバーというところを開いて、見たいところの月を見てください。

2011年

3月18日 「二酸化炭素地球温暖化説と原子力発電所」

      アクセス多数

3月20日 「阿修羅掲示板をご覧ください 正しいパニックを起こさなければならない」

4月14日 「原発は必要なのか 『社長島耕作』に見る原発擁護の姿勢」アクセス多数

4月16日 「原発擁護の学者評論家のウソ 野口悠紀夫氏のウソも」

4月26日 「石原知事 脱原発批判 保坂展人氏に対抗して」

5月4日 「養老 孟司氏の「さかさま人間学」社会的観点の不十分さ」

5月7日  「御用学者 有馬朗人氏の考え方 想定外当然 原発擁護」アクセス多数

5月14日 「原発に対し河野太郎氏の見解 東電は破たん差すべし」

             エネルギーシフト研究会に期待

5月17日 「田中優氏の原発対策 ピーク時業務用電気料金

      あげればよい」

7月9日  「原発停止なら電気代値上げ?小出裕章氏の

      『原発のウソ』」

7月10日 「菅首相の脱原発への転換を支持します」

8月5日  「毎日新聞 脱原発方針へ」

8月10日 「たけしのTVタックル 武田邦彦氏 原発なくて大丈夫」

8月26日 「エネルギー問題 シリーズ日本再生 NHK}

12月7日 「チャイナシンドローム」

12月31日 「TBSのたけしのガチバトル 原発擁護派の

      大槻氏にはあきれました」

2012年

1月6日  「吉本隆明氏の原発擁護 原発止めたらサルになる」

      アクセス多数

1月18日 「原発問題で東電けしからんとおもったら電気会社

           変えてみたら エネットなど」 アクセス多数

1月24日 「早く家庭用電気も自由に選べるようにすべき」

2月3日  「原発と核兵器の問題 岩城正夫氏の先見性」

2月22日 「原発問題各新聞の違い 小林よしのり氏脱原発」

3月17日 「天然ガス価格下落 原発いらない根拠に」

2012年3月28日 (水)

人間学研究所 2012年4月、5月例会のお知らせ(405)

第42回実用的人間学研究会例会

日 時 : 2012年4月19日(木) 18時から

テーマ : 「マリンレジャーについて」

講 師 : 江原正忠氏 (株)エバー会長

      永年レジャーボートをもって、釣りや様々なレジャー

      を楽しんでおられる江原氏から、マリンレジャーの

      楽しさを伺います。

懇親会 :テジョンデ(韓国刺身料理)

 *例会参加者は13名でした。

第43回 実用的人間学研究会例会 決まりました。

日 時 : 2012年5月17日(木) 17時にいったん、佐竹ビル三階、人間学研究所に集合

テーマ : 大久保の街探訪 とカラオケ

1時間ほどめまぐるしく変化した新大久保の街をめぐります。                           

18時半ころいったん、人間学研究所に戻り、その後研究所

のすぐ前のスター・カラオケ店に行きます。食事もここで、

歌わない方もぜひご参加ください。

 夕方5時以降に、おいでの方は、人間学研究所で

お待ちください。18時半以降においでの方は直接カラオケ店

においでください。

担 当 : 佐竹幸一

懇親会 : STAR KARAOKE 研究所の斜め前、リスボンビル2F

       03-6278-9305

     * 第41回実用的人間学例会は「古事記と出雲大社」

     という題で名越秀哉氏にお話しいただき17名の方が

     参加されました。

第82回 新教育人間学部会

日 時 : 2012年4月27日(金) 18時から

テーマ : 「論理的思考の具現者、本田宗一郎さん」

      実用的人間学研究会例会の方もぜひご参加ください。

講 師 : 斉藤裕也氏 グループシップ研究所 代表

懇親会 : 越路

 *例会参加者は11名でした。例会には講師の斉藤氏のご友人である、倉田 眞氏も参加されました。

第83回 新教育人間学部会

日 時 : 2012年5月25日(金) 18時から

テーマ : 「馬場小室山遺跡と市民活動」

講 師 : 鈴木正博氏 蕨 俊夫氏 

        馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム

懇親会 : 越路

 * 第81回 新教育人間学部会は 佐竹が「原発のウソ」                         と題してお話しをし、10名の方が参加されました。なおかなり                         詳しい資料を作りました。ご希望の方は佐竹までお申し出く                      ださい。

◎ 場所はいずれも人間学研究所

★ 人間学研究所

   新宿区百人町1-3-17 佐竹ビル3階 03-3209-1888

   会員以外の方も参加できます。参加費無料。

   お問い合わせは pcr92240@nifty.com

     佐竹幸一 090-6549-2677

2012年3月17日 (土)

天然ガス価格下落 原発いらない根拠に しかし日本は高く買うしくみ 

日経新聞の2012年3月16日の「ウォール街ラウンドアップ」という記事に、アメリカの天然ガスの価格が100万BTU(英国熱量単位)あたり、2,1ドルを下回り2009年9月につけた2ドルに迫った。ニューヨークの先物価格でも前年の同じ時期の4割以上下回ったと書かれていました。

 ニューヨークなどが暖冬であることと、注目の「シェールガス革命」もあって、天然ガスが異常にだぶついているということなのです。15日発表で、在庫が過去5年の同時期の平均より50%以上も多いのだそうです。

 市場の注目は、急騰が続く原油とのデカップリング(非連動)で、ゴールドマンサックスによると、「エネルギー閑散で原油が天然ガスの7倍強にも割高になるという水準」だといいます。すなわち、原油価格が高騰し、天然ガス価格が急落しているということです。

 昨日、吉本隆明氏がなくなられました。私も、吉本氏が週刊誌に書いた、「けた外れに安い原発止めれば、人間はサルになる」という文章を批判したブログを書きましたが、急にアクセスが多くなったので、どうしたのかと思いましたら、16日の夕刊に記事が載っていました。吉本氏だけではなく、原発止めれば、発電コストが急増して、電気料金が上がるとさんざん言っています。東京電力は値上げを申請しようとしています。そういう主張をする人は天然ガスについてはあまり触れずもっぱら、石油価格の値上がりを強調します。天然ガスは、ガスコンバインドサイクルや、コージェネや燃料電池などを活用すると5円を切るほどの発電価格になります。原発の発電コストは政府側の試算でもどんどん価格が上昇しています。実際は10円以上になります。

 「天然ガス価格」という名前でNiftyで検索してみましたら、最初に

[天然ガス価格の推移]というのが最初に出てきます。アドレスがうまく転記できないのですがよろしければ直接、アクセスしてください。それによれば、2011年5月あたりから日本や欧州では上昇しアメリカでは下がっています。なぜこういう状態になっているかといいますと、次に出てくる「天然ガス価格が下がっているね 荒谷のローリスク株式長期投資」

http://phaya.blog18.fc2.com/blog-entry-362.html

を見ていただければいいのですが、日本や欧州では、輸入LNG価格の原油価格連動方式をとっているからです。すなわち、石油を安定的に購入するために、たとえ天然ガスの価格が下がっても、石油価格が上昇すると、LNGも高く買うという協定です。

 そのブログには天然ガス調達で、日本は「一人負け」の状態で3ドルで購入したLNGを12ドルで、買わされる状態だといいます。その理由は、電力企業がかかわって、S字カーブ契約と呼ばれる原油価格連動のLNG価格契約方式をとっているからだといっています。これはひどい時代錯誤だといっています。

勘ぐれば、天然ガスを安い価格で買い、(前の高い価格でさえ、天然ガスでの発電コストは安いのです)発電コストがさらに5円以下になるようでは、原発が必要だという根拠が全くなくなってしまうからではないかと思います。原発擁護派が盛んにいう、二酸化炭素の排出も少ないですし。天然ガスは石油と異なり、様々なところから生産され、中東の比率は少ないのです。原発擁護派は天然ガスでの発電のことはほとんど口にせず、石油は高い、自然エネルギーがいいというが、太陽光で原発一基分発電するには山手線の内側全部を、太陽光発電にしなければならないじゃないか。そして発電コストが極めて高い~無理だといいます。天然ガスでの事を全く触れないのです。

 すでに脱原発を決めた、ドイツのメルケル首相は、天然ガスの石油連動方式をやめると決めています。日本も、全く不合理な石油、天然ガス連動の契約を破棄し、安い価格の天然ガスを輸入し、天然ガスでの発電を進めるべきです。天然ガスでの発電の良さは、家庭用から、中小ビルでの自家発電など多様な発電ができることです。今でも自家発電が増加して、一部電気を東電に売っていますから、原発がなくても全然大丈夫なのです。

 いま、都や世田谷区役所や城南信用金庫などが東電以外の電気会社から入札で電気を買うようにしています。このことも私がブログに書いています。私の住んでいるビルはずいぶん前から、エネットという会社から電気を買っています。それらの電気会社は天然ガスでの効率の良い発電機で発電していますから、東電が電気代あげても、価格を上げないといっています。今は天然ガスが石油と連動しているので、このままでは、電気代を上げるという可能性がありますが、安くで天然ガスを輸入できれば、逆にずいぶんと電気代は下がると思います。ただ、エネットなどの電気会社は需要に発電機の建設が間に合わず、断っている状態だそうです。ちなみに新宿区では、もう発電能力が無いからと断られてようです。原発が稼働しないから、電気代上げるなどといっていると、東電以外の会社がどんどん伸びて、東電から買う人が少なくなります。そのためにも早く送電線の使用料を下げるとか、発電と送電分けるようにとかすべきです。

 参考 こういちの人間学ブログ

 「早く家庭用電気も自由に選べるようにすべし」 2012年1月24日

 「原発問題で、電気会社変えてみたら、エネットなど」 2012年1月18日

2012年5月追記

 4月27日の日経新聞で、東京ガスと住友商事は、米国産のLNG調達に向けて米社と協議を始めた、と報じています。米国の許可が下りれば2017年から輸入を開始する予定。アメリカはシェールガス発掘により天然ガス(LNG)価格が低下しています。今後東京ガスはLNGを使って発電にも力を入れるとしています。

 また4月28日の日経新聞に、東京ガスは単価の安いLNGを使った発電に力を入れていくことに。LNGはガスコンバインドサイクルなどによる極めて発電効率が良い発電が可能です。

 東京ガスは横浜の扇島パワーで40万KWの発電機を増設稼働(現在81万KW)。その結果240万KWになります。これは原発に二基以上の能力になります。さらに20年までに300万~500万KWに能力を引き上げる計画です。この電気はエネットなどの電気販売会社で東電より安い価格で売られます。500万KWは福島第一原発よりも大きい発電量です。

 低価格で効率の良い天然ガスの発電が伸びれば、原発は必要がありません。それなのに、政府や、各電力会社は、原発を再稼働しなければ、電力不足になり停電するとか、発電の原材料費が上がるから電気代を値上げしなければならないなどと嘘をついています。

                                                 

2012年3月14日 (水)

ブログ更新が遅れました。今原発関連の資料をまとめています。

 3月1日にブログを書いてから、ちょうど二週間もブログの更新がなく、定期的に読んでいただいている方は、一体どうしたのだろうかと心配されているかもしれません。

 タイトルに書いたように、3月23日の人間学研究所の新教育人間学部会で私が、「原子力発電所事故と諸問題について」という題で、原発についての話をするのですが、そのための資料をまとめています。

 昨年の5月の実用的人間学研究会で、私は「二酸化炭素地球温暖説と原発問題」というテーマでお話しをしました。その時には、20ページほどの資料を作製しました。また私のブログでも2011年3月18日からはじめて、2012年2月22日まで、21回にわたって書いてきました。

 また昨年の5月以来、現在に至るまで、様々な資料を集めてきました。新聞の切り抜きのファイルは無理に詰め込んでも4冊になりました。週刊誌や月刊誌の特集もたくさん買っていきました。すでに原発関連の本もだいぶ買ってあったのですが、このところで、原発推進を主張している本も含め買いそろえてきました。

 また、3月11日の大震災から原発の爆発に至る、テレビの特集も見て、それを録画し、DVDにダビングしました。しかしあまりに資料が多いために、それをまとめあげるのに、大変苦労しています。何しろ例会では1時間半以内で要領良く、お話ししなければならないのです。

 そこで、「原発に関するウソについて」と題して、政府や東電や御用学者などが、ついてきた様々なうそを20ほど列挙し、それについての批判を書いたらわかりやすいのではと思い、その方向で資料をまとめています。時間があれば、たくさん記録したDVDも映せればいいのですが、時間がありません。それにしても現在も放射能は大丈夫、少しなら身体に良いとか、なんとかして原発を再開しようとする人たちの言っていることは、あまりにでたらめで本当に腹が立ちます。そしてそういう言説が、産経、日経、読売新聞を通して繰り返し書かれると、それを読んだ人は、その説の通りで、早く原発を再稼働したほうが良いという考え方に染まります。まことに恐ろしい話です。

 みなさんに読むことをお勧めするのは、たくさんある中での一冊、2012年3月11日に発行されたばかりの『図解 原発のウソ』(小出裕章 1000円+税 扶桑社)です。B5版の大きな本で二色刷りで、大変わかりやすく書かれています。この本は昨年6月に出版されて、シリーズ30万部になった『原発のウソ』(扶桑社新書)の図解版です。ぜひお読みください。

2012年3月 1日 (木)

橋下 徹氏と大阪維新の会について

1、橋下 徹氏への多くの人の見解

 私の書いたブログを校正していただいているSさんから、以下のようなコメントがありました。

 「僕はあの人は偏っている気はしますが、首相公選制などいいことも言っていますし、増税論者ですが、総合的に期待します。とにかく、細かい部分で内容に良し悪しはあっても、実行力のある政治家が好きです。政治家は学者じゃないんだから、頭良くて理論言っても仕方ないです。そういう意味では小沢、石原、橋下あたりに期待しますね。だから人気あるのではないでしょうか?批判だけではなく、実際国民の支持を得ているのは理由があるはずです。そこの人間心理も人間学ではないでしょうか。カリスマ性と実行力。諸外国の大統領や首相なら当然そのくらいの権力あるのに、日本だとどうでもいいスキャンダルや独裁とか言われて1年持たずに交代とか意味なし首相ですね。そうなると官僚の権力増大。でも野田は静かなる独裁者ですね。強引で財務省や財界のいいなりの独裁の気がします。社会保障との一体改革って聞こえはいいけど、財務省や財界やアメリカがそんなこと考えているようには思えないし。早く選挙してほしいです。」

 という内容です。そのままコメントをなせさせていただきました。今首相にしたい人物のあるいはリーダーという世論調査(産経新聞とFNN)ではNO1は橋下氏で、二位は石原慎太郎氏だそうですが。多くの人の考えていることを代弁していると思います。

2、橋下 徹氏と維新の会について

 橋下氏と大阪維新の会についての私(こういち)の見解をお話しします。橋下氏のグループは先日の大阪府知事選と大阪市長選で勝利しました。これは多くの人々の既成政党への不信感の表れだと思います。野田首相は消費税増税を何が何でもやろうとし、自民党は消費税増税をいうと、支持が減るということで、民主党は、消費税を上げないといったではないか公約違反だと、野田氏の言うことをせめて解散に持ち込もうという戦術です。選挙前の公約(マニフェスト)をほとんど放棄した詐欺的政府が今の民主党ですし、もともと、民主党が様変わりして現在打ち出している政策の元はほとんど自民党と同じです。多くの人々は自公民の既成政党にあきれ返っています。しかし社民、共産党などもいかにも力不足です。そして閉塞感を打ち破り何かやってくれそうな実行力のある、橋下氏を中心とする第三極に期待しようとするのは、いたし方のないことです。

 では、ここで、橋下氏と大阪維新の会がどのような政治をしようとしているのかを、見てみることにします。橋下氏は維新八策をうち出す前に、試案のようなものを、書いています。それを列挙しますと、「これまでの社会システムをリセットそして再構築」としています。

決定でき、責任を負う民主主義と統治機構                                      自立する個人、地域、国家                                           地方への権限移譲、道州制(大阪都など)                                        首相公選制                                              憲法改正を3分の2以上から2分の1以上に改正                           (自衛隊の国軍化も?)                                           参議院廃止                                                  日米同盟強化と日米地位協定の対等化                                       消費税容認                                               TPP参加                                                       資産課税                                                        所得を再分配。しかし数十年単位で                                                        国民総背番号制                                                      教育改革 教育委員会廃止 大阪の例を全国に                               年金は再リセット                                                    混合診療性                                                       労働市場の自由化                                                     脱原発依存(完全に脱却するわけではない                            核武装を考えれば原発はあったほうがいい)

などです。Wikipediaによれば大阪維新の会は2010年4月1日設立し、新自由主義と地方分権主義を柱にしている、と書かれています。大阪府議会22名で成立し、石原慎太郎氏や東国原氏とも親しいといいます。大阪の選挙では公明党と連携する。今度の国政選挙には300人を擁立する。

2011年6月21日、改正教育新学習指導要領 府議会で君が代斉唱、国旗掲揚 起立を強制 違反した教師を懲戒氏免職にする

自虐史観でない歴史教科書の採用。大阪府でやったことを大阪市でも実施しようとする。大阪市職員に対しての思想調査を強制。成績の悪い教師をやめさせる。小中学校での留年制度などを提唱している。これに対しては強制的な思想調査は憲法違反であるなどと多くの批判が出されています。

大阪市の職員の給与を下げる、特に交通局の給与を大幅に下げる。これに「リストラの鬼」を送り込んだと週刊誌にかかれています。

 橋下維新塾には全国から3326人が応募して、現職の民主党衆議院議員まで参加を申し込んできたといいます。次の選挙に維新の会から立ちたい人が多いのでしょう。                                     自民党の安倍氏が維新との連携に前向きであるといいます。                                                                  「平成維新の会」提唱の大前研一氏は 日本を変えるには独裁者といわれるリーダーが必要だと支持しています。橋下氏は大前氏に、維新の会の名称を使っていいかと打診し了承を得ています。  

3、反対する人々を攻撃 2012年1月28日のテレビ朝日系の「朝まで生テレビ」など

1)その例、橋下氏と香山リカ氏の論争

香山氏 ブログで なぜ私が橋下さんを批判するのか

橋下さんはツイッターで、みずからの方針を批判する学者や識者を攻撃しています。

「物事をなんでも極端に白黒に分けて、黒はダメと一党両断に切り捨ててしまう」

「自分に対する反対意見を徹底的に論破して否定し、多様性を認めようとしない」

一方で、世間では「スピード感がある」「はっきりしているという肯定的な意見もあります。しかし切り捨てられる側のことを考えると、私としては、明瞭さやスピード感を素直に評価することはできません」

現代社会では、これほど(橋下的なもの)が支持される。あるいはその風に乗って、橋下さんがさらに(橋下的なもの)を先鋭化していくのではないか。私はその「現象」に危惧を覚えているのです。本当に必要なのはリダンダンシーのある社会ではないか。(リダンダンシー 機械の遊びをもたせることから 人間界でも遊び、余裕など)

2)、MSN産経ニュースによれば 

1、石原伸晃幹事長は14日の記者会見で「言うのは簡単だ。参院廃止や首相公選は憲法改正というプロセスが無いと成就しない」と一蹴。薄手顕正参院幹事長も「できそうなことできそうもないことがごちゃまぜだ。民主党よりひどいと」酷評した。

2、公明党の山口那津男代表も、「憲法改正の主張と同義だ。そこまでの議論、価値判断をどこまで重ねたのか、いささか性急な印象を受ける」というが、関西での選挙協力など提携を図ろうとしている。

3、民主党の前原誠司政調会長は「我々と考え方が近い。一院制はねじれ解消の一つの考えだ」と評価した。野田首相も維新八策に好意的だという。輿石幹事長は参院廃止論について「二院制は必要だ。一院制には憲法改正が必要で簡単にはいかない」と不快感を示している。」鳩山由紀夫氏は数値が具体的に出ていないので意味はないと。

4、みんなの党は、ほとんどの政策が大阪維新の会と同じであるといい、提携を考えているといいます。しかしみんなの党は消費税増税には反対のはずだがどうなのでしょうか。

3)、WILL4月特大号 藤井 聡氏(京大大学院教授)の批判

 「中央集権の抑止と地方運件の推進」は国益をそこなう。現在のような危機的状況では強力な中央も指揮が必要な時である。中央と地方のバランスが重要。地方分権は都市部だけを優遇し地方を切り捨てることになる。維新の会の地方主権の路線は国家的な国の取り組みを座礁しかねない。

4)、その他の批判と2つの保守層の考え方

 問題は一般庶民のための政治かどうかということです。民主党は国民の生活が第一として国民の支持を得ましたが、現在は、財界と官僚が第一の政党(自民党化)で、多くの人々の失望をかっています。

 さて保守層における2つの流れがあります いろいろに色合いが違いますが。

 1)アメリカに対する態度で、アメリカに追随する動きや、現在の民主党政権などTPPを容認するもの。また一方アメリカから自立しようとする方向があり、それは革新系も保守系にもある。

 2)原発に対して、原発を無条件で推進容認するものがある。WILLでの渡部昇一『原発興国論』や高田純「真の近現代史観」など、最近原発再稼働に向け活発に運動 原子力村 の人たちの策動。それに対して保守勢力の中でも小林よしのり氏の批判「脱原発論」がある。原発容認論者のあまりのひどい主張に、それは科学ではなくてカルトであると。 

4、こういちの考え方と橋下 徹氏批判

 善政であるかどうかということの根本は、一般民衆のための政治であるかどうかということです。後漢初代の光武帝は「元元(民衆)を主とする」という立場で、自分みずから率先して経費を節減しました。国や地方の役所を簡素化し、軍隊を縮小し、その結果税を安くし、民衆の生活向上に努めました。その結果80年にわたり、「建武・永平の治」という善政がおこなわれました。貧富の差がなく、飢え死にするような貧しい階層がなくなることです。でも今の日本でも悲しいことに、だれの援助もえられず餓死する人が次々に出ています。

 さて維新の会の政策では具体的に税収をどこからとっていくのかについて具体的な説明がありません。 消費税に対しては容認します、というがどのくらい上げるというのか。八策案には消費税のことも何も書かれていません。維新の会は消費税増税に賛成のようだが。富裕層や大企業、証券優遇税制の廃止をするのか、などは全く書いてありません。投機取引課税(ロビンフッド税)や金融取引税(トービン税)などを新設するのかはとても無理でしょう。所得の再分配といいながら長期的にというのはやらないといっているのと同じなのです。基本的に新自由主義の立場で、現在の財界支配、官僚支配の政治経済構造を容認しているからです。今の民主党よりもっと露骨に、かれらの意向に従うかもしれません。 

 わたしは首相公選制には賛成であり、原発は全廃すべき、日米は対等であるべきなどという点は私も同じです。しかしTPPを受け入れるような立場で本当に対等に主張できるのでしょうか。保守勢力でも農業関係者、医療関係者、中小企業の経営者などはTPPに反対です。そして維新の会は憲法を改悪して、自衛隊から軍隊への昇格を目指していると思われ危険です。核武装の可能性をちらつかせたりしますから。労働市場の自由化や、混合診療の推進などは所得格差、貧富の差をさらに推し進めるものです。

 今大阪で行っている教育や組合に対する攻撃を全国的に行う危険性があります。人権無視をおこない、教育を自分たちの思うままに支配しようとするのです。

ともかく、保守勢力の中でも、かなり右寄りな、安倍元首相、石原慎太郎氏などと政策的に近いという大阪維新の会に共通するところが多いという野田首相、前原政調会長の立場が良くわかってくると思います。みんな今マスコミの宣伝に乗り、人々の支持を得て人気のある橋下にすり寄っています。産経新聞の調査でも1位橋下、2位石原 3位岡田、4位前原などと続くようだが(野田はたしか7位)日本にふさわしいリーダーという世論調査の中に、私が支持したい人が誰もいないということはどういうことでありましょうか。

 消費税反対、TPP反対、大企業と富裕者への増税と消費税増税回避、脱原発ということで小異をすてて大同につき、諸勢力をまとめ上げなければいけないという人がどうして出てこないのでしょうか、まことに残念なことです。次の衆院選挙があれば、下手をすれば自民党よりももっと右寄りな、ファッショ的な政治が始まってしまうかもしれないのに。

 2000年ころ、今の橋下ブームと同じように、小泉フィーバーがあり、自民党が圧勝し、新自由主義にもとづく、さまざまな政策が実行されました。特に雇用形態を広げるとして、正規社員を減らし、非正規社員の幅を増やすことを認めたために、大企業の利益増大と庶民の所得減少、それによる内需の減少、さらには長く続く不況がもたらされました。

 非正規の社員の多くの若者が、結婚などができにくくなり、少子化が進んでいます。将来に対して不安であり、社会全体にいろいろな面で問題を生じさせます。しかし小泉元首相も橋下氏もマスコミをうまく使って白黒をつけさせるということ。そして独特の見た目のカッコよさなどが共通しています。あの時みな踊らされて小泉自民党に投票し、庶民は自らの首を絞めました。このままでは、同じことが、さらに保守勢力が力を増し憲法改悪まで目指すことにより、さらに強権的、右翼的な政治が始まる危険性をはらんでいます。

参考 サンデー毎日 「橋下八策」の無節操 2012年3,4号 

                  

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