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2012年3月 1日 (木)

橋下 徹氏と大阪維新の会について

1、橋下 徹氏への多くの人の見解

 私の書いたブログを校正していただいているSさんから、以下のようなコメントがありました。

 「僕はあの人は偏っている気はしますが、首相公選制などいいことも言っていますし、増税論者ですが、総合的に期待します。とにかく、細かい部分で内容に良し悪しはあっても、実行力のある政治家が好きです。政治家は学者じゃないんだから、頭良くて理論言っても仕方ないです。そういう意味では小沢、石原、橋下あたりに期待しますね。だから人気あるのではないでしょうか?批判だけではなく、実際国民の支持を得ているのは理由があるはずです。そこの人間心理も人間学ではないでしょうか。カリスマ性と実行力。諸外国の大統領や首相なら当然そのくらいの権力あるのに、日本だとどうでもいいスキャンダルや独裁とか言われて1年持たずに交代とか意味なし首相ですね。そうなると官僚の権力増大。でも野田は静かなる独裁者ですね。強引で財務省や財界のいいなりの独裁の気がします。社会保障との一体改革って聞こえはいいけど、財務省や財界やアメリカがそんなこと考えているようには思えないし。早く選挙してほしいです。」

 という内容です。そのままコメントをなせさせていただきました。今首相にしたい人物のあるいはリーダーという世論調査(産経新聞とFNN)ではNO1は橋下氏で、二位は石原慎太郎氏だそうですが。多くの人の考えていることを代弁していると思います。

2、橋下 徹氏と維新の会について

 橋下氏と大阪維新の会についての私(こういち)の見解をお話しします。橋下氏のグループは先日の大阪府知事選と大阪市長選で勝利しました。これは多くの人々の既成政党への不信感の表れだと思います。野田首相は消費税増税を何が何でもやろうとし、自民党は消費税増税をいうと、支持が減るということで、民主党は、消費税を上げないといったではないか公約違反だと、野田氏の言うことをせめて解散に持ち込もうという戦術です。選挙前の公約(マニフェスト)をほとんど放棄した詐欺的政府が今の民主党ですし、もともと、民主党が様変わりして現在打ち出している政策の元はほとんど自民党と同じです。多くの人々は自公民の既成政党にあきれ返っています。しかし社民、共産党などもいかにも力不足です。そして閉塞感を打ち破り何かやってくれそうな実行力のある、橋下氏を中心とする第三極に期待しようとするのは、いたし方のないことです。

 では、ここで、橋下氏と大阪維新の会がどのような政治をしようとしているのかを、見てみることにします。橋下氏は維新八策をうち出す前に、試案のようなものを、書いています。それを列挙しますと、「これまでの社会システムをリセットそして再構築」としています。

決定でき、責任を負う民主主義と統治機構                                      自立する個人、地域、国家                                           地方への権限移譲、道州制(大阪都など)                                        首相公選制                                              憲法改正を3分の2以上から2分の1以上に改正                           (自衛隊の国軍化も?)                                           参議院廃止                                                  日米同盟強化と日米地位協定の対等化                                       消費税容認                                               TPP参加                                                       資産課税                                                        所得を再分配。しかし数十年単位で                                                        国民総背番号制                                                      教育改革 教育委員会廃止 大阪の例を全国に                               年金は再リセット                                                    混合診療性                                                       労働市場の自由化                                                     脱原発依存(完全に脱却するわけではない                            核武装を考えれば原発はあったほうがいい)

などです。Wikipediaによれば大阪維新の会は2010年4月1日設立し、新自由主義と地方分権主義を柱にしている、と書かれています。大阪府議会22名で成立し、石原慎太郎氏や東国原氏とも親しいといいます。大阪の選挙では公明党と連携する。今度の国政選挙には300人を擁立する。

2011年6月21日、改正教育新学習指導要領 府議会で君が代斉唱、国旗掲揚 起立を強制 違反した教師を懲戒氏免職にする

自虐史観でない歴史教科書の採用。大阪府でやったことを大阪市でも実施しようとする。大阪市職員に対しての思想調査を強制。成績の悪い教師をやめさせる。小中学校での留年制度などを提唱している。これに対しては強制的な思想調査は憲法違反であるなどと多くの批判が出されています。

大阪市の職員の給与を下げる、特に交通局の給与を大幅に下げる。これに「リストラの鬼」を送り込んだと週刊誌にかかれています。

 橋下維新塾には全国から3326人が応募して、現職の民主党衆議院議員まで参加を申し込んできたといいます。次の選挙に維新の会から立ちたい人が多いのでしょう。                                     自民党の安倍氏が維新との連携に前向きであるといいます。                                                                  「平成維新の会」提唱の大前研一氏は 日本を変えるには独裁者といわれるリーダーが必要だと支持しています。橋下氏は大前氏に、維新の会の名称を使っていいかと打診し了承を得ています。  

3、反対する人々を攻撃 2012年1月28日のテレビ朝日系の「朝まで生テレビ」など

1)その例、橋下氏と香山リカ氏の論争

香山氏 ブログで なぜ私が橋下さんを批判するのか

橋下さんはツイッターで、みずからの方針を批判する学者や識者を攻撃しています。

「物事をなんでも極端に白黒に分けて、黒はダメと一党両断に切り捨ててしまう」

「自分に対する反対意見を徹底的に論破して否定し、多様性を認めようとしない」

一方で、世間では「スピード感がある」「はっきりしているという肯定的な意見もあります。しかし切り捨てられる側のことを考えると、私としては、明瞭さやスピード感を素直に評価することはできません」

現代社会では、これほど(橋下的なもの)が支持される。あるいはその風に乗って、橋下さんがさらに(橋下的なもの)を先鋭化していくのではないか。私はその「現象」に危惧を覚えているのです。本当に必要なのはリダンダンシーのある社会ではないか。(リダンダンシー 機械の遊びをもたせることから 人間界でも遊び、余裕など)

2)、MSN産経ニュースによれば 

1、石原伸晃幹事長は14日の記者会見で「言うのは簡単だ。参院廃止や首相公選は憲法改正というプロセスが無いと成就しない」と一蹴。薄手顕正参院幹事長も「できそうなことできそうもないことがごちゃまぜだ。民主党よりひどいと」酷評した。

2、公明党の山口那津男代表も、「憲法改正の主張と同義だ。そこまでの議論、価値判断をどこまで重ねたのか、いささか性急な印象を受ける」というが、関西での選挙協力など提携を図ろうとしている。

3、民主党の前原誠司政調会長は「我々と考え方が近い。一院制はねじれ解消の一つの考えだ」と評価した。野田首相も維新八策に好意的だという。輿石幹事長は参院廃止論について「二院制は必要だ。一院制には憲法改正が必要で簡単にはいかない」と不快感を示している。」鳩山由紀夫氏は数値が具体的に出ていないので意味はないと。

4、みんなの党は、ほとんどの政策が大阪維新の会と同じであるといい、提携を考えているといいます。しかしみんなの党は消費税増税には反対のはずだがどうなのでしょうか。

3)、WILL4月特大号 藤井 聡氏(京大大学院教授)の批判

 「中央集権の抑止と地方運件の推進」は国益をそこなう。現在のような危機的状況では強力な中央も指揮が必要な時である。中央と地方のバランスが重要。地方分権は都市部だけを優遇し地方を切り捨てることになる。維新の会の地方主権の路線は国家的な国の取り組みを座礁しかねない。

4)、その他の批判と2つの保守層の考え方

 問題は一般庶民のための政治かどうかということです。民主党は国民の生活が第一として国民の支持を得ましたが、現在は、財界と官僚が第一の政党(自民党化)で、多くの人々の失望をかっています。

 さて保守層における2つの流れがあります いろいろに色合いが違いますが。

 1)アメリカに対する態度で、アメリカに追随する動きや、現在の民主党政権などTPPを容認するもの。また一方アメリカから自立しようとする方向があり、それは革新系も保守系にもある。

 2)原発に対して、原発を無条件で推進容認するものがある。WILLでの渡部昇一『原発興国論』や高田純「真の近現代史観」など、最近原発再稼働に向け活発に運動 原子力村 の人たちの策動。それに対して保守勢力の中でも小林よしのり氏の批判「脱原発論」がある。原発容認論者のあまりのひどい主張に、それは科学ではなくてカルトであると。 

4、こういちの考え方と橋下 徹氏批判

 善政であるかどうかということの根本は、一般民衆のための政治であるかどうかということです。後漢初代の光武帝は「元元(民衆)を主とする」という立場で、自分みずから率先して経費を節減しました。国や地方の役所を簡素化し、軍隊を縮小し、その結果税を安くし、民衆の生活向上に努めました。その結果80年にわたり、「建武・永平の治」という善政がおこなわれました。貧富の差がなく、飢え死にするような貧しい階層がなくなることです。でも今の日本でも悲しいことに、だれの援助もえられず餓死する人が次々に出ています。

 さて維新の会の政策では具体的に税収をどこからとっていくのかについて具体的な説明がありません。 消費税に対しては容認します、というがどのくらい上げるというのか。八策案には消費税のことも何も書かれていません。維新の会は消費税増税に賛成のようだが。富裕層や大企業、証券優遇税制の廃止をするのか、などは全く書いてありません。投機取引課税(ロビンフッド税)や金融取引税(トービン税)などを新設するのかはとても無理でしょう。所得の再分配といいながら長期的にというのはやらないといっているのと同じなのです。基本的に新自由主義の立場で、現在の財界支配、官僚支配の政治経済構造を容認しているからです。今の民主党よりもっと露骨に、かれらの意向に従うかもしれません。 

 わたしは首相公選制には賛成であり、原発は全廃すべき、日米は対等であるべきなどという点は私も同じです。しかしTPPを受け入れるような立場で本当に対等に主張できるのでしょうか。保守勢力でも農業関係者、医療関係者、中小企業の経営者などはTPPに反対です。そして維新の会は憲法を改悪して、自衛隊から軍隊への昇格を目指していると思われ危険です。核武装の可能性をちらつかせたりしますから。労働市場の自由化や、混合診療の推進などは所得格差、貧富の差をさらに推し進めるものです。

 今大阪で行っている教育や組合に対する攻撃を全国的に行う危険性があります。人権無視をおこない、教育を自分たちの思うままに支配しようとするのです。

ともかく、保守勢力の中でも、かなり右寄りな、安倍元首相、石原慎太郎氏などと政策的に近いという大阪維新の会に共通するところが多いという野田首相、前原政調会長の立場が良くわかってくると思います。みんな今マスコミの宣伝に乗り、人々の支持を得て人気のある橋下にすり寄っています。産経新聞の調査でも1位橋下、2位石原 3位岡田、4位前原などと続くようだが(野田はたしか7位)日本にふさわしいリーダーという世論調査の中に、私が支持したい人が誰もいないということはどういうことでありましょうか。

 消費税反対、TPP反対、大企業と富裕者への増税と消費税増税回避、脱原発ということで小異をすてて大同につき、諸勢力をまとめ上げなければいけないという人がどうして出てこないのでしょうか、まことに残念なことです。次の衆院選挙があれば、下手をすれば自民党よりももっと右寄りな、ファッショ的な政治が始まってしまうかもしれないのに。

 2000年ころ、今の橋下ブームと同じように、小泉フィーバーがあり、自民党が圧勝し、新自由主義にもとづく、さまざまな政策が実行されました。特に雇用形態を広げるとして、正規社員を減らし、非正規社員の幅を増やすことを認めたために、大企業の利益増大と庶民の所得減少、それによる内需の減少、さらには長く続く不況がもたらされました。

 非正規の社員の多くの若者が、結婚などができにくくなり、少子化が進んでいます。将来に対して不安であり、社会全体にいろいろな面で問題を生じさせます。しかし小泉元首相も橋下氏もマスコミをうまく使って白黒をつけさせるということ。そして独特の見た目のカッコよさなどが共通しています。あの時みな踊らされて小泉自民党に投票し、庶民は自らの首を絞めました。このままでは、同じことが、さらに保守勢力が力を増し憲法改悪まで目指すことにより、さらに強権的、右翼的な政治が始まる危険性をはらんでいます。

参考 サンデー毎日 「橋下八策」の無節操 2012年3,4号 

                  

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コメント

財政の悪化と国債の増大の原因が、政府が国民のために、何かいいことをしてくれたためなのでしょうか。むしろ、無駄な公共投資や、原発などにお金をつぎ込んだからではないでしょうか。そして、不景気を理由に給与をどんどん下げて、その結果不景気が続き税収が落ち込んだからではないでしょうか。
 確かに世論では、いろいろな無駄をなくしたら、消費税を上げるのも仕方がないという雰囲気があります。また、あなたがおっしゃるように、外国では消費税は高いです。しかし食料品などは低くしたり低所得者にはしっかり対策がとられています。しかし今の論議では、そのまま10%にしさらに上げるだけのようです。そうすると売り上げは落ちてさらに前の増税のように不景気がさらにひどくなり、税収が減る可能性があります。
 大企業や富裕者に対しての世間並みの課税をするのが先決ではないでしょうか。それとへいこうして、低所得者に配慮して消費税を上げるならまだ納得できます。
 TPPは自動車産業などにとっては有利になります。ですから経団連は推進しています。しかし、農業や医療分野などでは様々な問題が生ずる可能性があります。遺伝子組み換え食品や牛肉の輸入などで緩和させられてしまいます。今の対米追随の激しい日本政府では、しっかりとした主張ができずアメリカに有利なように押し切られてしまいそうです。その点はいかがでしょうか。利益を上げるのは輸出をする大企業で被害を受けるのは一般庶民です。

 

無学 浅識を省みずあえて私見を述べさせて頂きます
消費税増税に条件つき賛成です 前政権からのツケで 日本は未曽有の財政赤字を抱えています 選挙民にいい顔したくてその場しのぎのマニフェスト 政策の悪弊が政治と財政をダメにしてきたように思います
そんな甘い言葉に騙された国民にも責任があります
社会保証が充実している欧州の国々では消費税20%以上が普通です 日本の次世代のことを思えば増税やむを得ないと思います ただ消費税の逆進性緩和のために食料品を対象外にするとか 低所得対応が必要と思います サラリーマンも資産家も暴力団も消費に応じた負担をして頂き日本の財政を支える義務があるように思います

TPPに対しては苦渋の選択を迫られているように思います 日本は今 第二 第三の黒船到来を覚悟しなければならない時だと思います 資源の乏しい日本は貿易によって栄えて来ました 今の日本の繁栄は自由貿易の産物によって築かれたように思います TPPに参加すれば日本の産業構造は変化を迫られるでしょう しかしそれが世界的要求であるならば日本と日本国民を世界の孤児にしてはならないと思うのです アメリカの繁栄を取り込んで見せるぐらいの気概を示す時だと思いますが。

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