糖質制限食、糖尿病対策、ダイエットに注目される しかし抑制の動きも
NHK 2012年8月27日(月)放送の「ゆうどきネットワーク」の中で、『糖質制限ダイエットのコツ教えます』と言う、特集がありました。さらに、3日後の8月30日(木)には、おなじNHKの「クローズアップ現代」で、「糖尿病治療の常識が変わる」という番組がありました。
今日。9月2日(日)の日経新聞朝刊の[SUNDAY NIKKEI]
には「ご飯・パンがまんする減量法」、「極端な糖質制限体調崩す元に」、「臓器に負担かかる恐れ」と言う見出しで、糖質制限食に対してどちらかと言うと批判的、抑制的な記事をのせています。おそらく他の新聞にも出ているかもしれません。
少し前までには、糖質制限食はほんの一部の人が提唱するだけで、どちらかと言うと異端視されていました。ところが、糖尿病患者に求められる、厳密なカロリー制限食をとるというのは、難しい割にあまり効果がないのに、肉や魚や卵などを食べてもいい、さらにはオリーブ油などの油、そしてお酒も、蒸留酒やワインなどは飲んでもいいという糖質制限食は、食べられる食品が多くなり、実行しやすい上に、効果がめざましいところから、糖尿病患者からの支持者が増えてきました。また、それがダイエットにもよいということで、もう抑えることができないほどになってきたと言うところでしょうか。糖質制限食については、下記のブログをご覧ください。
「「糖質制限食の『ほんとうの栄養学』と『やせ方』大柳珠美さん」
6月15日版を9月2日版に更新しました。
http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2012/09/9-996c.html
「ゆうどきネットワーク」
では、最初に糖質制限食を提唱した江部康二氏(高尾病院理事長)の話しと、現在積極的に糖質制限食をとりいれ、実績をあげている北里研究所病院の糖尿病センター長、山田悟氏の話を紹介しています。そして、実際に、糖質制限食の例として、管理栄養士大柳珠美さんの糖質制限食のレシピを2つ紹介しています。
一つは「豆腐をご飯に見立てた糖質大幅制限がっつり丼飯」
もう一つは「糖質70%オフ 小麦粉を使わないお好み焼き」
です。詳しく知りたい方は、NHK「ゆうどきネットワーク」を検索していただくと、8月28日のところに詳しくレシピが出ているので是非ご覧ください。また大柳さんのレシピ本については、前に紹介したブログをご覧ください。糖尿病でもこんなものまで食べて大丈夫なんだ、とびっくりします。
「クローズアップ現代」
日本人の6人に一人は糖尿病か予備軍といわれています。最初に薮田亜矢子さんの例が紹介されます。85キロの体重で血糖(HbA1c)値が7,6という値で網膜出血がありましたが、カロリー制限食はカロリー計算が面倒で、できなかったのが、糖質制限食に変えてから、3カ月で体重は64キロに、血糖値も5,4に下がりました。
(注)HbA1c(ヘモグロビンエーワンシーの訳で、食事の影響を受けずに、過去120日間の平均的な血糖値を見る。 正常値4,3~5,8% 境界値 6,5%、糖尿病 8,0%以上)
北里研究所病院の山田悟糖尿病センター室長も3年前から糖質制限食を実施し大きな効果をあげています。
ところがやせぎすの人が極端な糖質制限食を行った結、血糖値が下がりすぎ筋力、視力低下となったという例を紹介しています。
糖尿病学会の清野 裕氏は、肥満している人には糖質制限食は効果があるが太っていない人が行うと筋肉を分解してしまうので危険だといっていました。また糖質の代わりにたんぱく質を食べ過ぎると腎臓が悪くなるといっています。だから一般的な治療法としていないといっています。糖尿病学会や、一般の多くの病院では、まだまだ糖質制限食に対して否定的なようです。
その延長が、日経新聞の「サンデー・日経」の記事につながります。
アメリカ糖尿病学会では2年間の期限付きで食事療法として認めている。ただ成長期の子供や妊婦は見合わせたほうがいいといいます。米ハーバード大学などは、糖質の制限は心筋梗塞や脳卒中の危険性を高めるとの調査結果をまとめている、とかスエーデン女性の調査結果でも糖質を減らしてたんぱく質を増やす人ほどこういう病気を発生するリスクが大きいという。
国立国際医療研究センターの野田光彦部長や足立香代子・せんぽ東京高輪病院栄養管理室長は「大人なら、一食あたり、のタンパク質はさんまなら2匹までステーキなら200グラム程度に抑えるべき」と言っています。
北里研究所病院の山田悟室長はも極端な糖質制限は良くないといっている。そして山田氏は大人の場合、一回の食事でとる糖質を20から40グラムにすることを推奨する。糖質は果物などにも含まれる(根菜類も)ことも考慮すべきといいます。
アメリカやスエーデンの人たちと日本人ではもともとの、タンパク質の取り方に大きな差があると思います。アメリカやスエーデンの人たちが普通食べているタンパク質は我々日本人の2,3倍はあるように思われます。あまり比較にならないと思います。いずれにしても、糖質制限食に対しては、まだまだ、一般的な医者の間には、否定的な意識があるように感じられます。
2013年6月24日追記
糖質制限食について詳しく知りたい方は、大柳珠美さんのブログをごらんになるといいと思います。
下記のアドレスはうまくつながらないようです。大柳珠美 糖質制限食で検索してください。
「管理栄養士のローカーボキッチン」
lowcarbkichen.blogfc2.com/page-1.html
また、6月25日下記の本が発売されます
『脳からうつが消える低糖質レシピ』大柳珠美 溝口
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