現代日本の諸相 円安株高で貧富の差拡大 ユニクロに見る大企業の考え方
自民党内閣成立とアベノミクスの動き
2012年12月の衆議院選挙で自民党は大勝、民主党は大敗した。
安倍内閣の成立 日銀総裁の交代 アベノミクス
「三本の矢」 1、大幅な金融緩和、
2財政支出増による大型 公共事業、
3、大企業中心の成長路線
5月3日 日経新聞世論調査 現行憲法を改正すべきだ56%、
現状のままでよい28%
8月 生活保護費が減少する(物価下がったからとー
今上がり始めているのに)
5月9日 衆院憲法審査会は憲法96条について始めて討議
自民、維新の会、みんなの党が賛成した
5月10日 9日ニューヨークで1ドル100円79銭,
4年1カ月ぶりの100円台
日本の株価が5年4カ月ぶりに14600円となった
5月11日 2014年3月期の連結経常利益は上場企業
前期比2割増益 リーマン前の水準に戻る
円安効果鮮明に(日経新聞)
5月10日 自民党の夏の参院選公約原案できる
経済再生を重視、原発の再稼働、法人税の
大幅引き下げ、投資促進税制 憲法改正の
改正原案の国会提出 参院選で改憲派で3分
の2を確保し、憲法96条の改正 防衛予算の拡充
TPPでは重要五品目の聖域 農地集約
★ 大幅な利益をあげている大企業にどうして法人税を下げ、
給料はあげず、生活保護費を下げ、年金を減らし、
消費税を上げようとするのでしょうか。庶民の所得が
増えなければ本当の景気回復は見込めません。こんな
庶民を苦しめる安倍内閣が、どうして支持率が高いので
しょうか。世の中安倍の支持率高いのだと思わせるという
マスコミの戦略なのでは?
政党支持率について
JNNの4月初めに行った世論調査によれば安倍内閣支持率は76,3%を占め、発足以来最高になっているそうです。支持しないは22,5%です。自民党支持率は40,8%になっています。世論調査はランダムに選んだ人のところに電話をかける方式です。固定電話をもっていて、電話に出られる人がすでに全有権者の中で限られた人たちになります。
時事による、4月の世論調査では、自民党が30,3%、民主党が4,1%、維新が急激に支持率を下げて1,5%だそうです。支持なし層が56,1%で、この安倍人気にもかかわらず過半数を占めているところに、人々の政治不信が現れています。
憲法96条改正問題については改めて書きますが、圧勝した自民党の獲得票数は前回より増えたわけではなく、得票率は35,28%棄権した人もくわえたなかでの得票は極めて低いにも関わらず、衆議院で294議席(定数480)も獲得しています。この小選挙区での矛盾が人々を白けさせます。今すでに衆院では改憲勢力の自民、維新、みんなで3分の2を確保しています。自民党はなんとしてでも今度の参院選挙で改憲勢力を3分の2以上としようとしています。
アベノミクスでの円安でのメリットとデメリット
5月10日付の毎日新聞の1面トップには「円安功罪 4年ぶり101円台」
輸出企業「向かい風ない」、迫る値上げ「家計困る」という記事が掲げられました
毎日新聞のグラフです
円安は自動車などの輸出企業には大きな利益をもたらします。日産自動車の決算会見でカルロス・ゴーン社長が2014年3月期の利益が約2割増しになるみとうしを示し「もはや向かい風はない」と経営環境の改善を喜んだ。
しかし自動車部品メーカでも、受注が増えるかもしれないが円安が進むと輸入部品の調達価格が上昇する。円安で燃料コストが上がるなどのの問題もあるといっています。4月下旬に燃料価格への支援を求めて「全国いか釣り漁協」では一斉休業しました。零細運送業者も苦しくなっています。生活用品がすでに値上がりしているのに賃上げの気配はなく生活は厳しくなっています。そして8月には生活保護費を引き下げようとしています。ひどい話ですね。いつもの世もそうですが、その政府が権力者や大企業や大金持ちに有利な政治を行い、所得格差が広がり、一般庶民の暮らしが厳しくなるような政治を悪政といいます。その悪政を悪政と思わせないように巧妙にマスコミが利用されています。
アベノミクスで、株をもった大金持ちが空前の利益
上図で分かる通り株価がわずか5カ月で8000円台から1万4000円台になりました。株価の値上がりには外資の影響が大きく、外資の買い越し額が極めて多くなっています。外資は日本の株高で極めて多い利益をえたことになります。会社の創業者で、自社株を大量に持っている人は極めて多い所得増になります。一般の人でも株をもっている人は恩恵を被っています。今、様々な超高級品が売れているそうです。私のように株を買ったことがない人には関係がありません。またさらに高くなって証券会社にすすめられて高くなった化部を買った人は、あとでまた株が暴落してババをつかむということを繰り返してきました。最近、自宅の電話をとると、証券会社ですがなになにという電話が盛んにきますが、すぐ切ってしまいます。
株をもたない一般庶民はどうでしょうか。上図で電気代食品価格上昇とあります。今までデフレでしだいに給与が下げられても、なんとかなったのは、円高で輸入品が安くデフレ=安くてでものが買えたからです。ところが、大企業は円安で、空前のもうけをしているにも関わらず、給与をあげようなどとはしません。次に書く、ユニクロの柳井氏に典型的に表れていますが、開始や自分は空前の利益をあげているにも関わらず、給与の格差を広げ、全体の給与を抑えようとしています。庶民は給与は下がる、物価は上がるでは、生活していけないではないですか。自民党は支持率の高さを背景に、大きな利益をあげている大企業や大金持ちにさら有利なな政策を掲げています。それにもかかわらず、朝日新聞が安倍首相を持ち上げて、最近は安倍首相も朝日新聞を読むようになったといわれるように大マスコミは、安倍首相とアベノミクス礼賛であふれ、自民党の支持率を上げるもとになっています。人々は自分の首を絞めることになるのに、安倍首相を支持しています。なんとなく景気が良くなった(大会社と大金持ちだけ)景気が良くなれば給与もあげてくれるかもしれないという淡い期待感からでしょう。でも裏切られるのは今までの例でも明らかです。しかし安倍首相に対抗する勢力が、いかにも脆弱です。この現状が日本のもっとも悲しむべきことです。
ユニクロの柳井氏に見る大金持ちの考え方
ユニクロのファーストリティリングの柳井正氏 今年の4月22日までに本人と家族の株式の増加は6140億円。海外の資産管理会社の保有する株式を含めると8548億円の資産増加になります。ユニクロの昨年8月期の給与手当は839億円となっています。柳井氏家族の5ヶ月間の資産増加額はユニクロ社員給与の10年分です。海外を含む企業全体の従業員総数3万8339人うち1万9485人は準社員アルバイトです。本社正社員781人の平均給与年収は675万円、アルバイトを含めると平均月給は220万円足らずです。10年前に比べ本社の社員は人数を減らし少数精鋭化、もともと低い順社員やアルバイトの賃金をさらに引き下げています。
同社は正社員の賃金体系を世界で同一にすることを計画している。このことにより日本での給与水準が減少する可能性があります。柳井氏は「朝日新聞」(4月23日付)で「将来は年収1億円か100万円に分かれて中間層が減っていく」と賃金格差の拡大を当然視しています。労働者を絞りあげて業績を上げ、株のもうけは自分のふところへーこういう経営者を支援するのが「アベノミクス」なのです。(5月8日赤旗「アベノミクス もうけるのは誰」より)
これについては「週刊現代」2013年5月11,18日号でも、『柳井社長の「年収は100万でも仕方ない」ってどーよ、大論争「ユニクロはブラック企業なのか」私はこう考える』という特集がなされています。一年で店長になるかどうかと競争させ、新入社員の半分がやめるという異常な事態で、明らかなブラック企業です。さすがに最近少し緩めたそうですが。
また上記の「週刊現代」ではこれが日本の大金持ち「トップ100人」とい記事があります。日本の新しい大金持ち100人が出ています。1位は笠原健二氏でミクシィ社長で資産1347億3200万となっています。以下順に見ていくと会社を上場することによって、創業者が大きな利益を得る形です。前にあげた柳井氏は2005年~2012年の所得額が368億2000万円で、第2位となっています。これのほかに、他の家族の分、海外の分、そしてそれがさらに急激に値上がりして、最初に書いた文章になります。そしてこれらの所得に対して証券優遇税制では、2割(持分低ければ1割)しか税金をとらないということです(本来ならば50%の最高税率)。さらに海外の資産管理会社などはタックスヘイブンのようなところに本社を置けばほとんど税金は払いません。
今まで、筆者はユニクロで時々買い物をしていましたが、こんなことを知ってしまうと今後はもう買うことをやめることにしました。
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コメント
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こういち 様。
御忙しいのに御返事を有難う御座います。 本当に、日本のマスゴミは犯罪的です。 外電を観ないと本当のところが分からないのです。 アベノ何んとかを信じて退職金をつぎ込んで投資を始めても、大損をするのが落ちです。 外国のヘッジファンドなんかが世界的に巨大なマネーの力で、力任せに「仕手戦」を仕掛けて、株価を吊り上げて、リターンを得ようとしているのです。 以下のロイターの本日の記事を御覧下さい。 アベノミクスのことなんか関係ありませんよ。 金融緩和で経済再生を図るなんてことは不可能ですし、現在の国家財政を考えると財政破綻で、国民が塗炭の苦しみを味わうことになります。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE94E03720130515?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0&sp=true
「金融相場の宴」たけなわ、日本株に流れ込むグローバルマネー ロイター 2013年5月15日
投稿: とら猫イーチ | 2013年5月15日 (水) 22時48分
とら猫イーチ様
貴重なコメント、ありがとうございます。日本株取得を進めた外資はこの間にすごい利益をあげていますね。今よく証券会社などから株の投資をすすめる電話がきます。かなり上がりきってバブルのころに、一般の日本人投資家が株を買って。ところが少しでも之以上儲からないとわかると外資は一斉に資金を引き揚げて、結局ババをつかむのは一般庶民という前に起きたことを繰り返しそうです。
ユニクロが日本人の低収入が進むことによって売り上げを伸ばしているのは事実です。新聞折り込みにお金をかけての大宣伝です。どうしてこんな値段で売れるのかという価格です。品物も一時に比べるとよくなったので、きるものに無神経な私は、一時カラーのワイシャツやチノパンなどを買いました。従来は中国産が多かったのですが、インドネシア産などより人件費の安い国に移行しています。でもこのユニクロにより、国内の衣料関係の会社がどれほどつぶれたことでしょうか。そして膨大なお金のかなりの部分を柳井氏は税金の安い、あるいはただの外国に持って行っています。この強欲さは目に余るものですね。
投稿: こういち | 2013年5月15日 (水) 09時43分
こういち 様。
今度は、ユニクロについてです。
このブランド(?)は、賃金の安い国で製造して日本他の先進国で高く売るビジネスモデルをアメリカの企業の物真似をして成功(今のところ)しているのです。
成功の理由は、日本の一般大衆の収入が年々低下しているからです。 衣類を安く買うことが出来るからでしょう。 でも、私はユニクロで衣料品を買ったことが無いのです。 理由は、デザインその他が、アメリカの多数のブランドの二三年遅れの真似で、品質も良くないからです。 「ユニクロ=パッチもの」のイメージが抜けないからです。
アメリカの大衆衣料品は、デザインも良く、品質、サービスも一流です。 その昔は、メイドインアメリカでしたが、今は、日本に先んじて中国その他の新興国で製造し販売しているところが多いです。 私の好きなL.L.ビーンとかエディ・バウワー、それに、Land's Endとかは、今では、矢張り、新興国で製造していますが、商品の品質管理が徹底していますので、昔のアメリカ製と比べても見劣りはしません。
これ等の御店は、メール・オ―ダーが中心ですので、昔も今もカラフルなカタログを送って呉れます。 でも注文は、ネットでするのが常です。 商品は、昔からの定番は必ず切らさずに、顧客の品評を入れて改良するように努めているところが好ましいです。
L.L.ビーンは、注文について発注者に問い合わせる折には、日本の私へも何んと「日本語」で、電話がかかります。 一度は、勤務先へ電話がかかり驚いたことがあります。 アメリカ人とは思えない流暢な日本語で、トラウザーズの裾の処理についての質問をされました。 今は、メールですけれども。 品質には自信を持っているようで、何時如何なる時にでも、返品に応じる、と云うことをモットーにしています。 理由は、L.L.ビーンは、顧客にとって、満足が出来ない商品を保有して欲しく無い、とされています。 ユニクロにこれだけの自信があるでしょうか。
イギリスの衣料品では、Barbour(バ―バ―)社のワックス塗布加工がされたジャケットその他コート類が好きですし、スコットランドのツイードのジャケット等は何着かを通販で買いました。 イギリスらしいのは、今でもイギリス製に拘りを持っている御店が多いことです。 Barbourは勿論イギリス製です。 一種独特の衣類で、洗濯は出来ずに、汚れをお湯で汚としてワックスを塗布するのが手入れです。 雨でもぬれず、冬には温かく、何より野山で雑木の枝や刺にも強くて頑丈なのです。 ガーデニングの本場で、ガーデニングのためには必須の衣料品です。
英米の一般大衆相手の衣料品を扱う専門店と同等の品質、品揃え、サービス、を期待出来る日本の専門店は、残念ながら私には見当たりません。
投稿: とら猫イーチ | 2013年5月14日 (火) 15時06分
こういち 様。
今の株価高騰は、アベノミクスとは相関関係はありません。 マスゴミから安倍自民党とその取り巻き連の宣伝を鵜呑みにしているから騙されるのです。 私は、「地球座」に何回も書いていますが昨年晩夏から秋にかけて世界的な投資トレンド(流れ)の転換点があり、ヘッジファンドを始めとして巨大な資金を保有した機関投資家に依るリスクを採った投資が再開されたのです。 例えば、ヘッジファンドの「ソロスファンド」は一口が5億円です。 如何に巨大なマネーかが分かります。
その理由は、欧州でのソブリン危機に小康状態が齎され、円に避難していたマネーがユーロへ環流し、円安になり、同時期に、ヘッジファンド等がポートフォリオを見直して、り・バランスを実施し、日本株の投資ポジションを強化したからです。 詰まり、海外投資勢が一斉に日本株を買うようになったから株価が上がったのです。 アベノミクスなんかは何の関係もありません。 東証の取引では、外国勢は約半分の取引を占めています。 それが連日、買い越しになれば当然のことですが、株価は上がります。 これは、東証のデータを観れば分かることです。 事実に眼を閉ざして、アベノミクス礼賛をする人々は、馬鹿丸出しです。 また、これに騙されて株式投資を始める人々は、損することでしょう。 今、喜んでいる人は、既に、遅くとも昨年夏頃から仕込んだ人ですから。
ついでに加えますと、株価は実体経済と相関関係が常にある訳ではありません。 買えば上がる、売れば下がるのです。 実体経済の分析に長けた経済学者が株式投資で成功を収めるとは限らないのは、これが理由です。 そして、今は、世界的な金融緩和の時代ですので、余ったマネーは株式投資等の市場に向い、バブルを形成します。 詰まり、今の日本の株価はバブルです。 そしてインフレにはならず、従ってアベ・クロは失敗します。 80年代と同じバブル、そして崩壊の過程が再現されるでしょう。
私等は、元本が少額ですので幾らもリターンがありませんが、金融・経済の勉強が出来るのが有難いです。 もう少し元本があれば、アメリカの株で勝負出来たのですが、、、。 負け惜しみを云っても仕方がありませんけれど、株価の予想は中ったのですから。
投稿: とら猫イーチ | 2013年5月11日 (土) 13時55分