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2013年5月 7日 (火)

ふたつよいことさてないものよ 『こころの処方箋』3 更新版

このブログは最初2010年6月28日に書かれたものです。一部変更して更新いたしました。

第2章 「ふたつよいことさてないものよ」

ふたつよいことさてないものよ」これは、『心の処方箋』の二番目に出てくる言葉です。どのようなことかというと。

 これはすなわち、一つ良いことがあると、一つ悪いことがあるとも考えられるということです。抜擢されれば同僚のねたみを買い、宝くじに当たるとたかりに来るはずだ、ということです。世の中は良いことずくめにはならないように仕組まれているのだけれど、そのことを知らないために愚痴を言ったり文句を言ったりばかりして生きている人もいる。

 人間は良いことずくめを望んでいるので、何かいやなことがあると文句の一つも言いたくなってくるが、そんなときに「ふたつよいことさてないものよ」とつぶやいて、全体の状況をみるとなるほどうまくできていると思えば無用の腹立ちをしなくてすむ。またふたつ悪いことさてないものよと言っていると考えられる。何か悪いこといやなことがあるとき、よく目を凝らしてみると、それに見合う「よいこと」が存在していることが多い。がんばって仕事をしようとしているのに病気になる。しかし休息が与えられたりやりすぎに対しての警告かもしれない。

 この法則はまた、ふたつ悪いところもさてないものよと考える。何か悪いこといやなことがあるとき、よく眼を凝らして見ると、それに見合う「よいこと」が存在していることが多い。

 頑張って仕事をしようとしているとき病気になる。「休息」が与えられたのかもしれない。夫婦で頑張って、地位も財産をつくったが、親類の道楽ものがお金をせびりに来る。夫婦で力を合わせこれに対応して中年の危機をまぬがれているかもしれない。しかしこのあたりが見えず、この親類のために夫婦げんかが絶えないと中年の夫婦の危機が増幅される。

 このように、『こころの処方箋』には書かれています。要は状況に一喜一憂せず、冷静に状況がみられるかどうかということです。そのためにこの言葉を呪文のように唱えて、さあどうだろうかと、冷静に物事が見られるとあまりその後にまちがった対応をしないということでしょう。他のことわざでは、皆さんご存じのように「人間万事塞翁が馬」ということもあります。また、頭はいろいろありますが「一生、禍福、吉凶ーはあざなえる縄のごとし」ということわざもあります。また、「禍は福のよるところ、福は禍の伏するところ」ということわざもあります。これは古今東西を通じての心理でしょう。

 宝くじの例が書かれていますが、宝くじにあたるのも10万円くらいまでのわずかならいいのですが、下手をして何億などというくじがあたると、どうしてもあたったことを他人に知らせずにいられません。そうするとうまくそのお金をだましとってやろうとする人がたくさん近づいてきます。またそのお金をゆっくり貯金や資産運用に回すなどというより、有頂天になってむだな買い物をしたり、ばくちに使ったり、してしまいます。だいたい宝くじを盛んにやる人は、賭けごとが好きです。ちなみに宝くじというのは、大変あくどいかけごとで買った人に40%ぐらいしか返さないのです。はやっているパチンコ店が80~90%近く戻すのと大違いですね。そして、高額の宝くじが当たったために、ひどいケースでは殺されてしまった人もいます。

 悪いことが続いたとき、よく考えてみて、何かよいこともあるはずだと、余裕をもって考えられないものですが、でも、落ち着いて、さて何かよいこともあるのかもしれないと、考えるだけで、物事のみかたは随分と変わってきますね。

 何かしらでうんと有名になるというのも考えもので、顔と名前が知れて、それが嬉しいとはじめは思うのでしょうが、いちいち人の視線があって、まったく自由がなくなります。いろいろと忙しく活動してお金もたくさん入ってくるでしょうが、忙しくてゆっくりお金を使って、人生を楽しむ余裕などなくなってしまいます。さらに過労になって病気で倒れることもあるでしょう。 大ベストセラー作家の村上春樹氏は、いままで、ほとんど人の前に顔を出さなかったそうです。こんど新しく出版した本の記念講演会でも、撮影はお断りだそうです。その理由は今まで普通に人に知られないでいたのに顔をしられれば「自由に街中を歩けないではないか」ということです。

 だいたい、『こころの処方箋』を書いた河合隼雄氏そのものが、ユング派のカウンセリングを世に広め、臨床心理士の制度を作り、文化庁長官になり、その名声は高くなり、他にも大活躍しました。しかし高松塚古墳の問題が起きて、その対応がひどい負担になったと思います。そのせいかそして間もなく脳梗塞を起こして翌年にはなくなってしまいました。

 私たちも、よいことがあっても有頂天にならず、人の恨みを買っているのかもしれないとか、身を引き締めている必要があるし、又悪いことがあっても少し我慢してしばらく時間の経過を待っていると、なにがしかの好転することも多いのです。ただうつ病になってしまうと、悪い方へ悪い方へ自分自身を持って行ってしまうので大変ですね。ただうつ病を経験したら他人の心の悩みをより理解することができるのではないでしょうか。

 

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