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2013年5月 7日 (火)

人の心などわかるはずがない 「こころの処方箋」2 更新版

 この文章は2010年6月25日に書かれたものです。2013年5月に一部変更して更新いたしました。

この文章が、「心の処方箋」の最初に出てくる言葉です。次にその内容を書いてみます。

第1章  人の心など分かるはずがない

「臨床心理学を専門にしていると。他人の心がすぐわかるのではないか、とよく言われる。私に会うとすぐに心の中のことを見すかれそうで怖い、とまでいう人もある。~しかし実のところは一般の予想とは反対に、私は人の心などわかるはずがないと思っているのである。一般の人はちょっと他人の顔つきだけで「悪い人」とか「やさしそうな人」とわかったように思う。ところが専門家はひょっとしたらその逆かもしれないと考える」というのです。簡単に判断を下さないようにするということです。

 実はブログ筆者も、人相術をかなり独学で勉強して、12回の手相術、人相術の話をセミナーで何回かお話ししたりしているのですが、そういうと、すぐ、ほとんどの人が、では私のを見てほしいとか、何か見透かされそうで怖いとか、いうのです。特に飲んだ席などで、少し見ただけで、なおかつ薄暗いところで、簡単にあなたはこうこうですなどは言えないのです。だいたいは眼の形では、こういう傾向があるところが、鼻では逆の傾向があるとか、いろいろ複雑な要素が絡まって簡単には言えるものではないのです。

 余談になりましたが、続けます。文章は以下のように続きます

「カウンセラーのところにどうにも見放されて「札つき」の非行少年と呼ばれる子が連れて来られ、そしてこの子の心を分析してどうすればよいかを対策を考えてほしい」と言われる。

 しかし一番大切なのは、この少年を取り巻くすべての人が、この子に回復不能な非行少年というレッテルをはっているとき、「はたしてそうだろうか」、「非行少年とはいったい何だろう」というような気持ちを持ってこの少年に対することなのである。「悪い少年」だと決めてかからないことが大切である。少年に会ってみると、あんがい少年が素直に話してくれる。少年が涙を流しながら、実はお母さんが怖い人で、小さい時から叱られてばかりだったという。これを聞いて、「母親が原因だ」とすぐに決めつけてしまう人も素人である。

 母親に対しても、簡単に決めつけられないという態度で会っていく。このような態度で会い続けると、それまで見えなかったものが見えてくる。母親が怖いとばかり思っていたのが、幼い時に母親にやさしくしてもらったことを思い出したりする。~この少年の心をすぐに判断するのではなくて、それがどうなるか、未来の可能性に注目して会い続けることが大切である。

 即断せずに期待しながら見ていることによって、今までわからなかった可能性が明らかになり、人間が変化することは素晴らしいことである。しかしこれは大変なことであるという。わかったと決めつけてしまうほうが簡単だ。このこの問題は母親だとか、この非行少年は厚生不可能だと決めつけてしまったしまうほうが。だれかを非難して問題が解決されたような錯覚を起こしてしまう。こんなことのために「心理学」が使われてばかりいるとたまったものではない。                                               

 「心の処方箋」は「体の処方箋」とはだいぶ異なってくる。現状を分析し、原因を究明して、その対策としてそれが出てくるのではなく、むしろ、未知の可能性のほうに注目し、そこから生じてくるものを尊重しているうちにおのzyから処方箋も生まれ出てくるのである。

 以上のような内容です。これが一番最初(第一章)に出てくるということは。もっとも基本的な河合隼雄さんの考え方です。調べてみると世の中には百数十の臨床心理学の流派がありますが、人間のタイプをいろいろに分けて、それに対して、機械的に処方箋をだすものも多いように感じられます。人間が決して固定的なものではなくて、いろいろによくも悪くも変わっていく存在であり、決してある人物を、こうだと決めつけてはいけないということを、私たちも考えておかなければならないでしょう。ですから、血液型や、星座や、もろもろの性格診断などを含め、簡単に人を分類し、レッテル張りをして判断してしまうことなどは、もってのほかであると思います。特に血液型などでは自分が血液型性格診断が正しいと信じ込んで、それを上司と言う立場を利用して人を差別化してしまう(これをブラハラといいます)などはトンデモないことです。

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コメント

 人間の心は、自分でも分からない、と思います。
私は、自分が沈黙している筈の場所で、何かに引き金を引かれたように、自分の利害関係に関わり無く雄弁になったり、他人を問い詰めたりしたことがあります。 我と我が身が驚く程でした。 その時は、職場で自分と友人に対する理不尽な処遇に義憤を感じていたので、感情が激していたのでしょうが、感情では無くて、理性で発言したようでした。 自分でも驚く程でした。 後で、上司や同僚が同感するぐらいの発言をしたのですが、自分では冷静を保っている積りでしたが、何かに激発されたかのようでした。
 後に自分を分析して観ると、「正義」と云う語に思い当たりました。 自分が尊敬している人物も、「義」に篤い上杉謙信であったり、専門も私人間の法である私法では無くて、天下国家を論じる憲法と行政法で
あったり、と利害に関係無い公に指向がある人間だと理解が行きました。 
 金銭的には損でしょうが、生き方の上では、後悔の無い人生を送れそうです。 労働組合の役員もしましたが、当局側でも理解して呉れる管理職が居られて意外でした。 腹黒の人間では無くて、感情が激すると意外に戦闘性がある人物と映ったようです。 現場の職員と組んで一大闘争もしましたが、管理職員を追いこむ不条理はしませんでした。 
 ただ、家庭内では不遇でした。 小さい不幸も経験したことですので、この面では発言権は無いようです。 今では、昔になりました。 人に依り、人物評が相当に違う人間のようですが、ただ、我が家の猫達には好評です。 自分でもこの有様ですので、他人には理解不能でしょうね。

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