怪奇現象の謎、魔女裁判 モアイ像、「NHK幻解超常ファイル」(2)6月12日
1、怪奇映像の謎
前日の7月14日に、NHKBS103 で、7月12日に放送された{NHK幻解 超常ファイル」(3)について書きました。このブログでは、第二回目の6月12日に放送されたものの要約を書いてみます。
① ヒッチハイクの幽霊
2003年ポルトガルで、ヒッチハイクで乗せたというテレサという女の子が、私は事故で死んだのという話しに驚き、3人乗っていた車が衝突しで2人が死亡、撮影していたものだけが生き残ったという動画がデビット監督のもとでつくられました。これは作品の宣伝サイトのもので、フェイクドキュメンタリーであるということでつくられました。
ところが画像がコピーされ、次々に各国に伝わっているうちに、作りものであるということが消えてしまいあたかも本当の花氏のように広がりました。
② エレベーターの幽霊
2008年、エレベーターにテルテル坊主みたいな幽霊が写っている動画がシンガポールのコマーシャル会社でつくられました。これは働き過ぎると幽霊まで見るようになりますよということを言うために作られたもので、新聞で作りものであると公表されているにも関わらず、やはりこの画像は10カ国と世界中に広まり、「本物だ」と信じる人があとをたたなかったのです。
私たちは、これを教訓としてソース不明のものは信じないようにすること、小劇的なものほど疑問を持ってテレビの映像などを見なければいけないということを知らなければなりません。
③ とらわれた宇宙人(火星人)
1950年にドイツで、とらわれた宇宙人という写真と記事が、4月の雑誌の創刊号に3ぺージにわたってエイプリルフールの作り話として掲載されました。それをアメリカ空軍の雑誌に、出所不明として掲載され、さらには1965年のUFOの雑誌に宇宙人が確認された、というように変わっていきました。最初の写真はきれいに写っていたのですが、後ではぼやけた写真になっています。この写真は宇宙人や怪奇現象があると確信している本にはかならず載っている写真です。
SF作家の山本 弘氏は 映像などはコンピューターグラフィックなどでいくらでも作られる。写真があるからといってすぐに本物と思わないことが大事だといっています。
④ 火星の人面石
火星の表面の写真を詳しくとったものがあります。その中で、あたかも人間の顔が写っているように見える写真があります。これが人面石だとさわがれました。実験ではおなじような形をつくり光の当て方で、たまたまある角度だけで人の顔の形のように見えるのだということを示しました。
⑤ ロシアに落ちた隕石 UFO が破壊?
2013年2月15日にロシアに大きな隕石が落ち、大きな被害をもたらしました。それに対してある映像から、UHOが隕石を撃墜して、さらに大きな被害にならないようにしたのだと主張する人たちが現れました。
藤木文彦氏は、このビデオが車からとられたということから、たまたま、フロントガラスの傷が反射して、あたかも隕石を撃墜したように見えるだけだといいました。上の赤い矢印のところの部分です。それは上のほうについていた黒いゴミときずが平行して移動していることから分かったといいます。
2、心霊写真について
A 心霊写真について及門 易氏の説明
1)、写真にオーブという光の玉のようなものが写っている
レンズの前に小麦粉などを落としながら移すとできる
2) 人物の間に 透けた人物(幽霊?が写る)
シャッター速度を遅くして、黒い服を着て、早く動くと透けて見えるように写る
3)初期の心霊写真
初期の写真はガラス板でつくった。2枚とって重ね合わせて作る。
B 心霊写真について前川 修氏は
今まで心霊写真を10年以上研究しているが、今まで一度も呪われたということは無い
旅行写真などに思わぬものが、写っているとき、怖いと感じるのではなく、考え方をかえって面白く見ていればいのではないか。
3、イースター島のモアイ像があるく
イースター島には多くのモアイ像がある。巨大なものでは80トンもある。石切り場からどのように浜まで動かしたのか。イースター島ではモアイは自分の足で歩いたという伝説がありました。アメリカの考古学者は、途中にある倒れているモアイを調べ、モアイ像の下の部分が前のめりになっていること、下のほうがかまぼこ型になっていることに注目しました。そして同じようなものをつくり、じっけんしたところ、わずか26人が交互にひもを引っ張ることにより、モアイ像が実際に歩くことがわかりました。坂道も上がっていけるのです。昔の人々の英知はすばらしいということがわかりました。
4、セーラムの魔女裁判
300年前のアメリカで20人が魔女ということで無実な人々が殺されました。アメリカのセーラムというところがあります。今ここは魔女の街として観光地になっています。
1692年パリスという牧師の家で9歳と11歳の女の子が何かを恐れる様なそぶりを見せました。それが少女10人に広がりました。おそらく集団ヒステリーだったでしょう。医者は治療できない、これは魔女の仕業だといいました。
中世のヨーロッパでは魔女狩りが行われ10万人が処刑されました。近世に近づくにつれ下火になりました。
当時の敬虔なピューリタンにとっては魔女は現実的なものでした。そして娘たちは3人の村人を魔女だといいました。逮捕された女性の一人が裁判が続く中で自分は魔女だと告白しました。当時のアメリカ社会は不作や先住民の攻撃などがあり社会的不安がありました。3月には敬虔なキリスト教徒も弾劾され39人が嘆願書を出しましたが処刑されました。少女達が名前を言えば魔女とされました。問題は少女にあるとした男性も告発されました。
1700人の村人のうち200人が告発され逮捕されました。そうなると魔女裁判に疑問を感じる人が増えましたが、魔女研究家のワットン・メーザーも魔女狩りを推進しました。そしてついに州知事が逮捕中止命令を出すまで終わりませんでした。
2013年4月15日のボストンマラソンでの爆発事故でもソーシャルメディアは、無関係な人を多く魔女狩りのように告発し社会の不安をそらす、いけにえにされました。このような心の弱さにつけ込むものが現代にもあるということです。
人文学者のエラスムスはいいます
「人の心は真実よりも、虚偽のほうに影響を受けやすくできている」と
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