フォト
無料ブログはココログ

« 人間学研究所 7月例会のお知らせ 8月研修旅行について | トップページ | 人間学研究会から人間学研究所への略史  »

2013年7月 9日 (火)

NHKスペシャル「運命の遺伝子」未来をどこまで知りたいか

「運命の遺伝子」を見て記録しました

 2013年7月7日、夜9時放送のNHKスペシャルの「運命の遺伝子」-あなたは未来をどこまで知りたいですかーを見て記録しました。すべてを書いたわけではありませんがポイントは抑えたつもりです。「人間とは何かを知る」にあたって、有用な知識だと思いました。

 メモは完全ではないかもしれませんので間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。ただ、人間とは何かということを考えるときに、いかに遺伝子というものが大きなはたらきを閉めているかは分かると思います。

 ゲストは平 岳大さんと樹木希林さんです。樹木希林さんは70歳で、がんに侵されていることも発表しています。

1、武庫川女子大でのテスト ここまでわかる遺伝子検査

 女子大生の唾液を紙に浸し、遺伝子情報を調べる。4時間で遺伝子情報の結果が出る。

 その結果、AからDまで、4つのタイプに分けられる。Aはお酒が好きなタイプ、Bはお酒に強いタイプ、Dはお酒に弱いタイプとか。

 アメリカでは、一般人でも遺伝子検査が簡単に受けられる。99ドル(1万円)出せば、唾液を送るだけで約1ヶ月後には120種類の遺伝子情報が分かる。(日本でも、同じような検査が行われています)

2、遺伝子解析とは

 1991年にヒトのすべての遺伝子情報を解析しようとヒトゲノム計画が世界中の科学者の協力で行われた。

 ヒトの遺伝子情報はすべて4つの塩基の組み合わせで決まるということはすでに分かっていました。遺伝子を成り立たせているDNA(デオキシリボ核酸)ではA(アデニン)T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)であり、RNAではT(チミン)のかわりにU(ウラシル)で成り立っています。遺伝子にはレーザーをあてて、その塩基の配列を調べていくのですがはじめのころは狭い範囲しか解析できず時間がかかりました。

 12年後の2003年に、ヒトの全遺伝子が解読されました。その結果ヒトの遺伝子の配列は30億であることがわかりました。現在では遺伝子解読の技術は以前の3000倍も進み、30億すべての遺伝子もたった1日で解読できるようになりました。そうすると、今まで原因が分からなかった病気が、標準の遺伝子の配列と違った遺伝子の部分の違いでわかるようになっとということです。

 たとえば、15番目の染色体の、HERC2という遺伝子は、ヒトの瞳の色を決める遺伝子で、遺伝子配列の中でのある部分の変化が、瞳の色素を決めるたんぱく質をつくります。たとえばA( アデニン)なら茶色となり、G(グアニン)なら色素は薄くなり、青い色になるといことです。

付記: 瞳の色は、虹彩(ひとみ)の中のメラニン色素の量の比率により決まります。多いものはブラウン(濃いものは黒く見える)から、へーゼル、アンバー、グリーン、グレー、メラニンの極めて少ないものとしてブルーなどがあり、まれにバイオレットやレッド(メラニンゼロ)もあります。

3、心房細動になるかどうかを決める遺伝子

 心房細動は、心臓の働きが悪くなり、様々な障害を引き起こします。心臓細動を起こす可能性のある遺伝子の存在は、普通の場合は27,2%ですが、検査を受けた平 岳大さんは46,9%と高い値になっていました。心臓を正しく動かすたんぱく質の製造にかかわる遺伝子は、PITX2遺伝子という遺伝子だそうですが、平 岳大さんの場合はふつうはCであるところがTになっており、AであるところがGになっているということで、異常が発生する可能性が二倍あるということです。 

4,アンジェリーナ・ジョリーの乳房切断と 榊佳之氏

 榊佳之氏は分子生物学者で豊橋技術科学大学学長であり、ヒトゲノム計画に日本を代表して取り組んだひとです。以後説明を加えました。

 有名な女優である、アンジェリーナ・ジョリーが、遺伝子検査の結果、将来乳がんが発生するリスクが極めて高いということから、まだがんになっていない両乳房を切断したと5月14日発表して大きな話題となりました。普通の人は13%の発現可能性があるところ、ジョリーは87%の確率で、遺伝性乳がんが発生すると分かったのです。手術で切除した結果、発病の可能性は5%に低下しました。

 そのほかにも遺伝子の検査によって、糖尿病や、アルツハイマー病や、様々な病気になる可能性の高さを示すデータが出てきます。その検査を受けるかどうか、結果を見るかどうかは本人次第ですが、かなりの精神的なプレッシャーにはなるでしょう。今はその検査についての法的規制は無い。

5、がんと遺伝子について間野博行氏

 間野博行氏(国立がんセンター)の話です。RACI遺伝子は細胞分裂の暴走をすすめる遺伝子です。異常な細胞分裂の増加ということはガン細胞になるということです。62歳の女性が肺がんが進み、咳が止まらない状態でした。もうすでに抗がん剤も聞かない状態でした。しかし遺伝子検査をしたところ、ALK遺伝子があることがわかりました。ALK遺伝子が作るたんぱく質ははがんの細胞分裂を異常に高めることが分かっています。そして、そのたんぱく質を抑える薬ができているために、それを投与したところ劇的にガン細胞が小さくなりました。このように、遺伝子検査により、直接的に原因を探り当て治療ができるようになったのです。

6、原因不明の難病の克服

 アメリカのウイスコンシン州でのウイスコンシン子ども病院に、ニコラス君という子どもが、腸に穴が開くなどの異常があり、治療が困難でどうにもならない状態でした。そこで全遺伝子を調べた結果、XIAP遺伝子に問題があり、GであるべきところがAになっており、16124か所も正常なヒトと遺伝子の違いがありました。そして骨髄移植により、遺伝子を基本的に変えることによって劇的に回復しました。

7、才能と遺伝子

 ヒトの遺伝子配列(ヒトゲノム)30億個をいまでは10万円で読める時代になってきました。いろいろな才能と遺伝子の関係も調べられています。ACE遺伝子は持久力をもてる遺伝子で、SLC6A4遺伝子はリズム感が良くなる遺伝子などということが分かっています。。中国では英才教育を行うに当たって遺伝子検査でその潜在的な能力を調べ、それに向いた能力を貼ってんさせるようにするということです。日本人でもすでに3000人が利用しているとのおとです。

 体外受精するときでも、受精卵の状態で、検査をすることができ、500種類の検査項目があるということです。事前に健康な受精卵を選ぶことができるということです。

 遺伝子検査によって、その人のすべての情報をえることができるが、その検査を受けてみるかあるいは受けた結果、どうするかは、人によっていろいろあってよいはずである。人類は、その結果に平然としていられるほどタフではないし、また病気になったとしても人生を豊かにすることはできるであろう。と結論付けていました。

« 人間学研究所 7月例会のお知らせ 8月研修旅行について | トップページ | 人間学研究会から人間学研究所への略史  »

人間とは何か -人類学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHKスペシャル「運命の遺伝子」未来をどこまで知りたいか:

« 人間学研究所 7月例会のお知らせ 8月研修旅行について | トップページ | 人間学研究会から人間学研究所への略史  »

2022年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のトラックバック