うちの猫の3タイプ ー 生まれつきの神経系の型による(2009-2013 加筆版)
★このブログは最初は2009年12月31日に書かれたものです。2013年月9月29日(日)に最近の猫の様子を書いたブログを書きました。最初のブログを書いてから3年9カ月がたったことになります。2013年9月の猫の写真を見比べてみてください。以下は2009年12月に書いた文章です。
私のうちには猫が3匹飼われています。二匹は今から17年くらい前に、上の息子が拾ってきたオスメスの兄妹です。まだ目のあかない子猫で、拾ってきた息子の部屋でひそかに育てられていました。それまでずっと、犬を飼っていて、その犬が死んでまだ一年もたたないときでした。私と家内が犬が好きなのを知っていたので、叱られると思ったのでしょう。まだミルクしか飲めない状態で、息子は牛乳を飲ませていたのですが、消化できずに下痢をしていました。いつまでも隠しているわけにいかず見つかり、結局猫ミルクを買ってきて育てることになりました。猫ミルクは結構値段が高いものです。
オス猫はよくあるタイプの、頭のところで八の字型に黒白が分かれる猫でした。メス猫は、犬猫病院に行ったときに、先生がよくこれまで混ざったねと、笑われるほどのまぜこぜの色をしていました。白と黒、茶とらとしま猫などすべての要素が混ざったタイプです。典型的な和猫の雑種です。猫はあまり好きではないと言いながら、結局私も家内も生物学科出身で生き物が好きなほうなので、かわいがって飼うことにしました。私の家はビルの5階でベランダや窓から落ちると、死んでしまうために、窓は、あけはなしができず、ベランダにも外に出られないようにさくを付け加えました。
にゃ次郎とにゃまるの性格
オス猫は、ニャ次郎、メス猫はニヤー丸となずけました。メス猫は、短くニャ丸になっていきました。オス猫は、生まれたときから、ひどく怖がりで、神経質で玄関のドアが開く音がすると、一目散にどこかへ隠れてしまいます。普段上がれない押入れの天袋まで駆け上がってしまいます。ひどく怖い時にはおしっこを漏らしてしまいます。メス猫のほうが気が強く、人が来ても、玄関のところで、シャーといって脅かしたりしています。私もよくひっかかれました。面白いことに、狭い所に入り込むのが好きで、私が追い出そうとするとシャーと言ってひっかいて反抗するのですが、妻が強く出ておいでと言うと出てくるのです。どうもニャ丸は私を自分より順位が低いとみている節があります。ところが、餌を食べる順位は、オス猫のニャ次郎が優先なのです。寝ているといなど兄弟仲よく、まったく同じ形で並んで寝ていたりします。猫缶、カリカリなどのえさをよく食べ、二匹ともかなりの肥満猫になってしまいました。10数年目くらいになった時に、オス猫のニャ次郎は、糖尿病になりやせてきて、一時元気がなくなり、このままではもうすぐ死んでしまうのではないかと思われました。その間には息子たちも二人とも家を離れ自活するようになっていました。
黒猫くろべえの登場
ところが、6年ほど前今度は下の息子が住んでいた和光市のほうで、どうしてもちびの黒猫がついてきて離れず、一生のお願いだから飼ってくれないかと、私の家につれてきたのです。その猫は、目は開いていましたが、まったくまだ生まれて間もないオスの黒猫でした。二匹のもといた猫はしばらく戸惑っているようでしたが、ちび猫を受け入れました。黒猫は、黒べえとなずけられました。黒猫の子猫はよく食べどんどん大きくなりました。うちの家内は、この猫は、小豆や甘い豆やあんこを食べるので、おばあちゃんが、ほれほれとあげていたのに違いないと言っていました。とても人懐っこい猫で、食卓にどうしても上がってくるのです。そこで、何かをとるでもなく、じっとしているのです。前からいるオス猫は、テーブルに乗っている魚などを、見事な素早さで、たたき落として、食べるのですが、そういうことはしません。黒猫は、人懐っこく玄関に人が来ても平気という性質です。
黒猫は、どんどん大きくなり、たちまち身体は、ほかの猫に追いつきました。そうすると、猫に餌をやっている皿で、早く食べないと、ほかの猫に食べられてしまいます。普通猫は、いわゆるだらだら食いで、一匹だけしかいないとき、たとえば両親が住んでいた3階には黒猫のメスがいて、食べさせようとしてもなかなか食べないと言ってこぼしていました。うちに猫がいたときには、もうその黒猫は死んでしまいました。どうも一匹だけというのはかえってストレスがあるのかもしれません。3階で外に自由に出ていたこともあってあまり長生きしませんでした。新しく来た黒猫が育ち盛りでどんどん食べるものですから、今まであまり食べなかったオス猫のニャ次郎も負けずに食べ始めました。そうしているうちに、死にそうになっていたニャ次郎もやせてはいますが元気を取り戻していきました。
黒べえはさらに成長し、今は体重が7キロ以上もあり、長さも尻尾を入れると80センチ以上、身も引き締まった立派な猫に成長しました。ニャ次郎は長毛種なので一見太って見えますが、かなりやせていて、4キロを切るくらい、メスのニャー丸はずんぐりとして身体は小さいのですが太っていて5キロくらいあります。黒べえはまだやんちゃなところがあり、遊ぼうとニャ次郎やニャー丸に飛びかかったりします。ニャ次郎は一応応戦するのですがすぐに負けてしまいます。ニャー丸は黒べえが大嫌いで近くに寄ってきても、シャーといって猫パンチするか逃げるかです ただ面白いことに、おなかがすくと、こちらのほうを二匹で見ながら黒べえがニャ次郎の背中を噛んでなかせて注目させ、ご飯を出させようという作戦を覚えたみたいです。実力では全く上の黒べえがご飯を食べるときには先輩のニャ次郎にもニャー丸にも譲るのがおもしろいところです。小さい時から一緒に飼われているので親のように思って立てていくような仕組みがあるのでしょうか。
条件反射学 神経系の型
条件反射学の本に犬で実験した結果、条件反射のでき方に4つのタイプがあり、ちょうど、人間の性格のタイプと同じように対応すると書いてありました。
1、人なつこい明るい太り気味のタイプの循環質(じゅんかん)の犬、(あるいは躁うつ質)
2、臆病なよわよわしいやせ形の神経質のタイプ(あるいは分裂質)、
3、反応が遅く鈍い筋肉質でときどき爆発的に怒ったりする粘液質(あるいはテンカン質)のタイプなどです。
それは生まれつきの神経系にタイプがあって、それに生まれた後の生活によって強化あるいは平均化されていろいろな組み合わせができます。みなさんも生まれてきた犬や猫あるいは人間の兄弟姉妹でも全く違う気質を持って生まれてきて異なる性格になるのを見ていると思います。
3匹の猫を見ていてもその違いが明確です。神経質なニャ次郎、粘着質のニャー丸、循環質の黒べえです。 古代ギリシャの医学の祖と言われているヒポクラテスは、人間の体液でどれが多いかで、その人の性格が変わると言いました。それまでは神が罰を下して病気が起こるなどと言われていたものを、あくまでもその人の身体の体質や性質によって起こると示した点が画期的でした。血液が多く明るく、快活な性格の多血質、粘液の多い、落ち着いた沈着な性格の粘液質、黄胆汁の多い、怒りっぽい性格の胆汁質、黒胆汁の多い憂鬱な性格の黒胆汁質の4タイプです。その後、クレッチマーやシェルダンなどが精神病と体格との関係などを関連づけて、性格分類をしていますが、似たようなものです。これはもちろん完全なものではないのですが、大まかな性格の方向があるということはわかります。
人間の場合はどうか
人間の場合は、
1、自分の生まれつきの体質、
2、神経系の型の違い 気質
3、それに基づいて社会的要因も含め決まってくる性格、
4、社会的な成熟度合いも含めた人格、
と多層構造になっています。体質の変化により、気質も変わり、性格も、人格も自分の欠点に気が付き改善すると、その基本的傾向は大きく変わらないにしても、うまく社会的に適合し、優れた人格を作ることができます。問題は自分の傾向にきづいて直そうとするかどうかですが。自分の欠点、問題点というのは自分ではなかなかわからないものですが、気づこうと知るかどうかだけで大きくちがってくるものです。
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コメント
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猫を大事にされているのですね!愛猫家として嬉しく思います!私も、日本人は、情のない人が多いと思います!犬、猫を平気で捨てる人が多すぎます!家には6匹猫がいます!5匹は野良猫です!3匹は目の開いてないのを、マンションのゴミ捨て場と、入口に捨ててありました。私が、拾わなければ、死んでしまいます。この辺に住んでいる人は、猫嫌いが多いです!三匹の猫ちゃんが、長生きするよう祈っています!
投稿: 冨満よしみ | 2014年1月31日 (金) 18時40分