NHK[幻解超常ファイル」なぜ人はだまされる?金縛り、宇宙人に誘拐される
2013年9月5日(木)以前に放送されたシリーズの再放送がありました。これは筆者のブログに書いていなかったので改めてご紹介します。
1、宇宙人に誘拐される
アメリカには宇宙人に誘拐されたという人が推定で370万人もいます。
1、目が覚めると動けない 2、空を飛んでいる感じ 3,1時間以上の空白がある
4、原因不明の光を見た 5、いつできたかわからぬ傷がある
以上のうち4つが当てはまると、宇宙人に誘拐されたという話しになります。
金縛りの原理
眠っているときに、目は覚めたが動けない。恐ろしいもの、人影などを見る。このような現象を日本では金縛りといいます。江戸川大学では、このような現象を科学的に研究しています。眠りが浅くなり、五感は活性化しているのに身体の筋肉が動かない現象は、大脳の中の扁桃体(核)のはたらきによるもので、だいたいここは恐ろしいものを見たり感じたりする傾向のあるところです。その恐ろしいものには、それぞれの固有の文化にもとづくもので、日本人では幽霊などを見ますが、アメリカでは宇宙人を見てしまうということです。昔のヨーロッパではこれを夢魔とよびました。それを見ても対外的に存在するものでなく、あくまでもその人の記憶に関連しています。
筆者の追加の話 同じように、上記と近い現象として、人が仮死状態などの時、川を見たり花園を見たり等々のことがあり、神秘主義者はそれを死後の世界が存在する根拠といいます。そして見る内容はその人が生きていた時(固有の文化とはキリスト教では天国ーパラダイス?であり、日本では三途の川とか)に見たものが変形されて出てきます。ですからいろいろな形になります。しかしそれはあくまでも仮死の状態で見たものであり、死んでから見たものでありえません。死ぬということは生き返らないということを意味しますから。
★扁桃体とは、側頭葉の内側の奥にある、アーモンド形をした神経細胞の集まりです。喜ぶ、怒る、悲しむなどの情動反応の処理を行うところです。記憶と関連して、特に恐怖に対して強い反応を起こします。ストレスホルモンの放出なども行います。
その原理について
前頭前皮質は様々な記憶がばらばらに存在している
それらは前部帯状回というところで、比較検討され、一定の整理された、まとまりのある ものとして意識される
ところがいわゆる金縛りの状態だったり催眠術などを受けた時などには整理されないもの、(たとえば本で見たものや、映像によるものまでのいわゆるニセの記憶)つじつまの合わないものまで、意識のところまで出てきてしまう
想像上のもの例えば幽霊や宇宙人などでも極めてリアルに感じてしまう
菊池聡氏の話し
ヒトの記憶の不思議について、認知心理学から研究している。
「宇宙人に誘拐されたかもしれない」というストーリーと偽りの記憶 (フォール メモリー)が作られる
こういうことが何度かあったりすると本当にあったことだと確信するようになる。脳のしくみの面白さである。
家内の話し、金縛りはよくおきるとのこと
筆者は金縛りの経験がないのですが、うちの家内は金縛りはよく有るとのことを聞いてびっくりしました。怖い夢のようなものをはっきりと見て一生懸命足を動かそうとしているのに少しも動かないという様な事です。家内はそういう神秘的なものに一切とらわれない人なのですが、そうでなければ、なにがしかの神秘的なものに関連付けるかもしれません。
宇宙人の誘拐(アブダクション)
1961年にビル夫妻のUFO(宇宙人)による誘拐事件が有名になりました。1977年には「未知との遭遇」という映画がヒットし宇宙人に対する関心が高まりました。宇宙人やUFOによって誘拐されるということをアブダクションといいます。1987年にアブダクションに関して出された『コミュニオン』という本は200万分も売れたベストセラーになりました。アメリカ人に大きな影響を与えました。
マイクという40歳の男性のケースです。彼は不眠症になったり、幻覚を見たり、いわゆる金縛りの状態で、部屋に何かいるというのが分かるが、身体が動かないなどの経験をしていました。彼はアブダクション体験の本『コミュニオン』を読み、この出来事は宇宙人による誘拐事件かもしれないと思うようになりました。そしてそれはだんだん確信になってきました。宇宙人に誘拐されたのだと。このように思うアメリカ人が大変多くなっているのです。
2、妖怪博士 井上円了
井上円了(1858~1919)は、長岡市の真宗大谷派の寺の息子として生まれました。東大に進み、哲学の重要性を感じました。一方当時いろいろに新聞に報じられるような妖怪に関する事件に興味を持ち調べました。人々からは妖怪博士とよばれました。
井上円了は「大学で「妖怪学を講義し、本も出版しました。怪奇現象を分類し、人魂は天然ガスや燐などの燃焼によるもの 山男は大きな猿の見誤り、狐の神様といわれたのは下働きの少女が男の声色を使って、狐に成り済ましていたものなどなどと解決して行きました。特に当時はやったこっくりさんは人の無意識のうちの潜在意識による手の動きによるものだと明らかにしました。
怪奇現象には1、仮怪 人魂のような自然現象 2、誤怪 ススキを幽霊と間違えるような心理的なもの 3、偽怪 人間が意識的にだましたもの があり、それでも話kらないもの本当の謎は眞怪であるといった。
井上円了は東洋大学のもととなる学校をつくり、おちあいに哲学堂をつくったことでも有名です。
マジシャンが実演して見せてくれました。トランプを使ったカードマジックも不思議に見えますが、人間の認知能力の限界や思い込みをうまく利用したものです。
3、ドラキュラや吸血鬼の話し
ブルガリヤにはフケリー、という魔除けの儀式がある。いろいろな鬼や吸血鬼のお面をかぶって練り歩くお祭りです。その地で発見された墓地で、胸に鉄の杭が撃ち込まれた骸骨が見つかった。その人物は50~60歳の男性の貴族であると思われた。吸血鬼とみられていたのでしょうか。この地では善人は天国に行き、悪人はこの世にとどまると思われていました。魂が残って吸血鬼になってしまうと。
ラチュコ・ポポフ博士は1975年に、プロの吸血鬼ハンターに会ったといいます。人々が吸血鬼をまだ信じているということになります。
ブルガリヤの南部でトルコとの国境地帯のロドビ地域では、悪魔の喉とよばれる死者の国への入口があるといわれています。死者は死者の国からドラクスになってなつかしい家に戻ってくるといわれていました。この世に帰ってきたことを家族に気づいてほしいために、いろいろな諸現象を引き起こしてしまいます。いささか微笑ましいものです。しかしこのドラクスがもとになって吸血鬼ドラキュラのイメージが作られました。
◎ カールセーガンの言葉、
ー未知の世界、どこかで常識を超える何かが、知られるのを待っている。
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コメント
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とら猫イーチ様
コメントありがとうございます。宇宙人や、妖怪や吸血鬼など、捉えてから関心を持てばいいとのことですが、全くその通りですね。
私はあえて、神様も宇宙人も、幽霊も河童もと同列に想像上の存在としてひとまとめにしてます。神様や宇宙人を信じている人にとっては河童と同列に扱うのは心外だと思いますが。存在するといろいろ言われていて、今まで一度も実物として存在が証明されたことがないのですから。宇宙人だけは存在は可能性がありますが。地球上にいるとは考えられません。また前から幽霊を捉えたらノーベル賞ものだと言っているのですが、一度も捕まえられたことはありませんね。
投稿: こういち | 2013年9月 9日 (月) 09時31分
古に、「子、怪力乱神を語らず」(論語)と非合理的なものについて思いを巡らす愚を悟ったのは孔子ですが、如何に文明が進んだ今日にあっても森羅万象全てに渡って科学的な究明が至ったものでも無いことは云うまでも無いことです。
しかし、だからと云って訳の分らないものに出会う度ごとに、一々、限りがある人生の内の貴重な時間を空費する暇はありません。 合理的に始末が可能な対象に自己の精神を傾注するのが得策です、と私なりに孔子の言葉を理解しています。
マスゴミは、視聴者の興味に訴えて視聴率を稼げば良い訳で、政治・経済から、原発事故等の科学的究明や尖閣諸島を巡る国際紛争に関わる現実の分析等に関しては、相当な政治的・国際的軋轢が存在するので避けて、どうでも良い絵空事に焦点を合わせるのでしょう。
極言すれば、芸能人の結婚・離婚と同じレベルで扱える事柄で、我々にとっては、どうでも良いレベルなのです。 宇宙人が地球に来ているならば、航空自衛隊のレーダーに捉えられて、自衛隊機のスクランブルを受けるでしょうから、その時点で考えれば良いのですし、妖怪や吸血鬼が本当に居るならば、捉えられてから関心を持てば良い訳です。 それまでは、笑いものです。 御笑い草に真剣に対するのは、阿保ですが、現在の日本にはその阿保が多いのは確かです。 それに、テレビの存在価値も無くなりましたね。 私は、もう数十年前からテレビを観ませんけれど。
投稿: とら猫イーチ | 2013年9月 7日 (土) 13時48分