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2013年9月24日 (火)

自分とは何か 堂本剛さんのココロ見 古武術の甲野善紀氏、アンドロイドと石黒浩氏

2013年9月23日(春分の日)夜11時15分からNHKBSプレミアムでの放送で「自分とは何か」堂本剛さんの「ココロ見」という番組がありました。ビデオに記録するとともに、内容をお知らせします。

「ココロ見」とは、堂本剛が「現代社会を上手に生きるための言葉を探し、各界で活躍する人と語り合う、新感覚の哲学&人生指南」である、とこのようにいわれています。

 堂本剛さんはみなさんご存知のkinki kidsの一人です。今回は「自分とは何か」というテーマについて、それぞれの分野の人の話を聞きに行くという番組です。前回は「自分とは何か」の前編で9月18日の放送で、筆者は見ていません。前編は奈良の東吉野村の刀匠である、河内國平という人のお話しでした。そちらは記録がありません。

今「自分探し」ということが言われ様々な本も出版されています。「自分」とはいったいどのようなものなのでしょうか

1、武術家の甲野善紀氏

 最初は武術家として幅広い活動をしている、甲野善紀氏です。甲野氏は1949年生まれで、日本の様々な古武術を身につけ、それを元にした井桁術理などを生み出し、古武道の世界のみならず、多くの他のスポーツをしている人にも影響を与えています。

 甲野氏は我々の人間学研究所とは縁が深く、人間学研究所の研究員である関根秀樹氏の紹介で、人間学研究会の例会でお話しと古武術の実演をしていただき、その時は参加者が多かったために、人間学研究所の前にある百十四銀行の会議室をお借りして開催しました。(今はその銀行はそこにありませんが)その後昨年の2012年には和光大学のセミナーがあり、人間学研究所の部屋での講演と実演がありました。

 甲野氏は人間学にも興味があり、若いころ、「人間にとって自然とは何か」というテーマを追求する中で武術とであった、といわれています。また『武術の新・人間学』1995、PHPなどの本も書いておられ、人間学を提唱している養老孟司氏とも本を書いています。

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甲野氏が、堂本さんに指の結び方を教えています。

以下は甲野善紀氏の言葉です。テレビでの話しのほかに甲野氏のツイッターでの発言も加えました。

 マイナスとマイナス書けるとプラスになるということを習ったが、何かピンと来ない。イスから片膝が落ちそうになり、ガクッっとなるとき、もう片方の膝も落とすと倒れないで立ち直れる、ということを実演しました。これもマイナスかけるマイナスがプラスになる例だと。

 「からだと心は切り離せないものだ」ドキドキしたときに手の形(印を結ぶような)をすると緊張がとれる。また「虎拉(ひし)ぎ」という形の手の形をしていると、離れたところにある台に簡単に上れる。二段跳びなどしても階段が上がりやすい。実演で示されました。

 心が折れそうになったら、完全に折れてしまう前に自分で思い切って、切ってしまうのが良い。すなわちまだ比較的良い位置から自分で思い切って切るようにする。そうすると良い芽が芽吹いてくるものだ。

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これが虎拉ぎの手の形です。

 何か修行などでやっているときに、疲労困憊して完全に行きつくところまで行かないで、まだ上昇途中のところでやめると、やっていない間もそれが続いていく。

 マンネリを感じ始めた時、それはその状態が居心地がいいからなのだ。それにどう違和感を感じて、(マンネリを脱するか)ということが人間大切なんです。

 たとえば、絶対家から出てはいけないなどとやっていると、逆に猛烈に外に出たくなるものだ。どうしようもないような困難があってもいったん立ち直ってみるとなんでもないことがわかる

 人間の身体はまだ二足歩行に完全に適応していない。だから不安が生まれ、不安定だから宗教や芸術やいろんなものが生まれたんだと思うんです。

 ー筆者は人間が二足歩行に完全に適応していないことは認めますが、その不安から宗教や芸術が生まれたとまでいうのは少し飛躍ではないかと思いますが。

9月27日追記

 甲野善紀氏の2002年のブログ「隋感録」人間学研究所でお話と実演をしていただいた時のお話が載っています。よろしかったらご覧ください。

http://www.shouseikan.com/zuikan0203.htm

2 石黒浩(ひろし)氏とアンドロイド

 石黒氏は1963年生まれの50歳です。石黒氏は大阪大学教授で、ATR石黒浩特別研究室で、ロボットの研究をすすめ、人間と見た目がそっくりのロボット(=アンドロイド)をつくって、人間とは何かを探ろうとしています。石畝氏には「ロボットとは何か」「どうすれば『人』をつくれるか」、「人と芸術とアンドロイドー人間とは何か」などの著書があります。ちなみに、人体の一部を機械で置き換えたものをサイボーグといいます。

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 これは、石黒浩氏のアンドロイドです。はじめのうち、堂本剛さんの相手をします。身体も顔も動き、話しをします。手のしわなども、本人とまったく同じように作られています。このように人間そっくりに作ったアンドロイドをジェミノイドといいます。

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 この白いロボットは、テレノイドといいます。正式には遠隔操作ロボットテレノイドR1といって、髪も眉毛も手足もない最低限のものしかない子どものような形に作られています。声はいろいろ変えられます。普通の声、幼児の声、おじさんの声などです。女性の声もあるのでしょう。後ろに座っている女性もアンドロイドです。身体を動かし表情を常に変えています。遠目には普通に女性がいるように思えます。アンドロイドは適当に動いているだけですが、人間にはそうは見えません。

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 幼児の声を出している、テレノイドが堂本さんに、「抱いて」と甘えて言います。幼児に見えるテレノイドを堂本さんは抱きしめてあげます。テレノイドは堂本さんに抱きつきます。

 ところが今度はあらためて、テレノイドの声が低い声のおじさんの声に変わります。すると堂本さんには、その顔が幼児の顔からおじさんの顔に見えてしまうそうです。そうするとおじさん風のテレノイドの「抱きしめて」という声に応じません。要は声に応じて同じ顔がいろいろな顔に見えてしまうのです。すなわちテレノイドは誰にでもなれるのです。

 ロボット(アンドロイド)に心を感じる自分があるということです。人の心の中はなかなか分からない。外見がそっくりな場合、中身(生きた人間か金属の機械か)は分からないけれど。。。たとえば本当の幼児とテレノイドの形と幼児の声とで同じように感じてしまう。外というものはいくらでも作ることができる。

 人はテレノイドでも、人はまるで心があるように感じてしまう。

 人は自分なりの想像でこの世を生きている。脳はそもそも自分のことも想像で認識しているのです。

 人って、人の反応を見て話すのではなくて、勝手に自分がこう反応してほしいからって、思いこんで、そういう反応が起こっていると思う部分のほう強いんです。人間ってそれぐらい想像で人とかかわっているのです。

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 これは、右側が石黒氏本人で、左側がアンドロイドです。髪と表情が違いますが、それを同じにするとそっくりです。

 筆者が思うに、今後、もっともっと、人間に近いアンドロイドを作れれば、アンドロイドを人間のように感じ心を持った存在として感じることでしょう。

最後に「自分とは何か」

自分がそう思い込んでいる自分もあり、他人がそう思い込んでいる自分もある。

自分というものを、合言葉とか共通性をまとめるのは難しい。つかめそうでつかめないのが自分である。

 ★ 筆者は 全体に、十分に筆記していないので、このブログの内容は不十分と思います。ビデオを見直して今後修正していきたいと思います。

興味のある方は、下記を開いてぜひご覧下さい。

「サイエンスウインドウ」2010年冬号

 特集 「人間らしさって何だろう?」とても参考になります。

http://sciencewindow.jp/html/sw37/sp-007

 石黒氏の「ロボットに込める人間らしさ」が掲載されています。

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人間とは何か -人類学」カテゴリの記事

コメント

コンピュータ将棋がすごいですね・・・・
皆さんはどう思いますか?

あの、これうちの教授なんですけど。
このようにインターネットに画像を載せてよいかどうか、
「肖像権」
で検索して調べてみればわかるのではないでしょうか。

まだ教授や関係者には教えないでおきます。

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