幻解超常ファイル(5)NHK ツチノコ、クリスタル・スカル他 2013,10,24
2013年10月24日(木)幻解超常ファイル ダークサイド・ミステリーの第5回目の放送がNHKBSプレミアムで放送がありました。この番組は、世の中にいろいろある、超常現象や迷信などを科学的に解明する番組で、今回は5回目になります。今までにこのブログでもその内容を取り上げ、紹介してきました。様々な非科学的な超常現象などを信じ込んでいる人にとってこの番組はいささかしゃくにさわるものでしょうが、筆者にとつてはとてもすばらしい番組です。
1、ツチノコについて
ツチノコは、日本において、様々な目撃情報があり、かなりの賞金がかけられているにもかかわらず、実際にその存在が確認されていないものです。
これがツチノコといわれるものです。翌日にはなくなっていたといわれます。
ツチノコの想像図です。体長は50センチぐらい三角形の頭、太い胴体、短い尻尾、瞼が動く、毒がある、2mも飛び上がるなどなどです。
ツチノコが、尺取り虫のように這って歩いているという想像図です。
奈良県五条市の地副寺で保管されている、ツチノコの骨といわれるものです。
昭和62年ころに奈良県下北山村で目撃情報が7件もありました。横向きに歩くとか毛が生えているとか角が出てきたとかいろいろに言われました。特徴がばらばらすぎます。
それらを詳しく見ると、猫がうずくまっている姿(毛がある)、アオジタトカゲ(日本に輸入されたトカゲが野生化 (三角形の頭、瞼がある、形が似ている 足が小さいので間違えやすい しかし足があるのでちがう)。ヤマナメクジ(角がある) オオサンショウウオ(かたちが似ている)などではないかといわれています。もっとも多いのがヤマカガシという蛇(鎌首を持ち上げて威嚇するなどです。ツチノコの死がいとされるのはヤマカガシのことが多いであろうといわれています。
ツチノコの歴史
日本の神話時代 古事記によればいざなぎ、いざなみの神の娘でカヤノヒメ(萱ーかや)は草の神様です。別名が野椎(ノズチ)の神といわれ、野の精霊の神様です。ノズチとは昔から稲を脱穀するときなどに使う横ツチが年を経て付喪神(つくもがみ)となったものではないかという説があります。坂を転がってくる。大きくて黒い槌(ツチ)で、見たら毒けにあたられて死ぬなどと言われました。ツチノコはそれらにつながりいずれにしても神や精霊に近い存在と見られていたようです。縄文土器にもツチノコではないかと思われる模様がついているものがあります。ともかくかなり古くからいわれてきたようです。
昭和38年にこんな蛇をご存知ですかという蛇の絵のついた手配書が配られました。それの元になるのは、昭和34年に山本素石と言う人が、ツチノコについて書き、研究をはじめ、賞金もかけました。ツチノコについては全国にその話があり、その名前の方言だけでバチ蛇とかコロとか全国で50近くもありました。それだけ人々にとってもみじかな存在だったのです。その後昭和40年ころから以後は日本全国が開発され始め、自然がなくなりつつありました。それにつれてツチノコは聖なるものから2億円もの賞金がかけられるような俗化したものに変わっていきました。ツチノコへの関心が高まると下北山村では、ツチノコの村としてイベントが開かれました。岐阜県にはツチノコ資料館も作られました。またツチノコ神社も作られました。このように村おこしのキャラクターにもなってきました。そこで山本素石は昭和48年には「逃げろツチノコ」というように話しを変えるようになりました。もともと昔は山に入るということに対しての恐れからツチノコを時に神として時に妖怪として、とらえていたようです。1970年ころには水木しげるのゲゲゲの鬼太郎などのブームもあり、自然の大切さとそれに結びついた妖怪にも関心が及ぶようになりました。
追記:いろいろなところで賞金をかけているようですが
岡山県の赤磐市では掲示板にツチノコを生け捕りしたものには、賞金2011万という立て札があるようです。
2、人魚(海中人間)について
2013年3月 グリーンランド沖で潜水艇が潜っていたときに、人魚というか海中人間が手を広げ写っている写真というのがとられました。それはフィクションドキュメンタリー番組であると断って放送されたのですが、インターネットで画像が拡散する中で本物ものだという人が出てきました。
3、巨大宇宙船?
モスクワで空に宇宙船のようなものが空に浮かびました。写真を載せていませんが、雲を飛行機が突き抜けるとできる穴あき雲という説とまったくのねつ造写真だという説もあります。
4、巨人伝説と巨人の骨の発掘
ギリシャで、体長5メーターの巨人の骨が発掘されたと写真が写されました。しかし他の写真を見ると影が掘っている人と巨人の骨の影が同じでなく、合成されたということがわかります。1993年サハラ砂漠で大型恐竜の骨の発掘現場と巨大な作りものの人骨の合成写真であるとわかりました。しかしインターネットで本当のように発信されました。
5、クリスタル・スカルについて
古代のマヤ文明で、水晶で作られた極めて精巧なドクロがあり、クリスタルスカルとよばれ、超古代文明が存在する証拠だといわれてきました。全国に13ある特別なクリスタル・スカルを集めると人類が滅亡から逃れる特別な力をえることができるといわれています。
シアトルに100個のスカルの前で瞑想すると特別な力をえることができるというグループがあります。インディアナ州のアンナ・ハッジスはヘッジスカルという5,3キロの特別なスカルを持っていて、これは前の所有者がマヤで発見したものだといっていました。神秘主義が好きな人には信奉者が多くいます。
1970年にヘッジ・スカルの分析の結果古代の技術では作製困難なものであるとしてオーパーツと呼ばれるようになりました。古代に特別な文明があった証拠とされてきました。
しかしその後スミソニアン博物館でくわししく調べた結果、ダイヤモンドコーティングで削られたものであり、19世紀に作られたものと判明しました。そして、ロンドンのオークションでヘッ・スカルはアンナの父親がヘッジスカルを落札していたこともわかりました。1950年に発見と言っていたのに1943年にオークションで落札されていたということもわかりました。取引記録によれば、19世紀末パリでユージン・ボバンという古物商が本物も作りものも含め古代マヤやインカ文明のものを売っていたということがあきらかになり、その中にクリスタル・スカルもあったということです。昔からドイツの小さな村で昔から宝石などの加工を行っている村があり、、クリスタル・スカルはそこで作られたということが確認されました。
サイコップの 氏は、(後で記入)
物事を幻想や希望に基づいて判断してはいけない。事実に基づく証拠に基づかなければならない。と言っています。
ベーコンは言います
人の知性は、いったんこうだと認めたことによって、これとすべて合致させようとするものを求め続けるものだ。
(間違ったものでもいったん信じ込んでしまうと、他のものが目に入らなくなり、その信じたものと合うものだけを追い続けるものである。)
追記 :2008年に上映された「インディジョーンズのクリスタルの王国」で、広く世に知られました。
また日本では「神秘の結晶龍 クリスタルスカル」などのゲームで名前をつけられています。
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コメント
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とら猫イーチ様 コメントありがとうございます。
NHKのこのシリーズはまだまだ続き、世の中のさまざまな超能力、神秘主義好きな人にとっては打撃になると思います。でも、こういうものを信じたがる人は、ネッシーでも、獣人でも、クリスタルスカルでも、本人が実は私が作ったと真相が明らかになっても、信じ続けるのですね。
日本の戦争でもはじめだけ、外装を極限までに薄くしスピードを上げたゼロ戦が勝ちましたが、能力を上げたグラマンには全然かなわなかったのですよね。
いまはNHkはまだましなのですが民放はひどいです。今度安倍首相はNHKの幹部に自分の側の3人を任命したと新聞で報じられました。戦前のように、誤った報道で、人々がだまされ、戦争に引き込まれたのですが、今もまたアベノミクスにもとづいて、日本を危険な方向に引きずり込もうとしています。このささやかなブログでそれは違うとささやいているのですが。
投稿: こういち | 2013年10月26日 (土) 12時35分
こういち様。 面白いですね。
でも、NHKも温暖化神話には一役かっていますので、偉そうには云えませんね。 他には、原発神話や自然エネルギー神話もありますし、地震予知神話も揺らいでいるものの未だ生きています。 それに最近になり復活した「零戦神話」に至っては、第二次大戦当時でも、英米独等の戦闘機に比しては格落ちのボロ飛行機を褒めそやすのですから、馬鹿らしくて話にはなりません。
零戦がそんなに優秀な戦闘機ならば、山本連合艦隊司令長官も死なずにすんだでしょうに。 糞の役にも立たず、米軍には「ワンショットライター」と呼称された一撃で火を噴く一式陸上攻撃機に搭乗した彼は死にました。 戦後になっても神話を作り、何んとか第二次大戦に負けた事実を糊塗したい勢力が造る神話に騙される日本人は、本当に阿保です。
投稿: とら猫イーチ | 2013年10月25日 (金) 22時22分