ドマニシ原人、三種の人類の祖先(原人ーホモ属)といわれていたが本当は一種だった
原人はいくつかの種に分かれているといわれていました
現在のホモ・サピエンス(現生人類)の祖先は、猿人から分かれた原人(ホモ属)であり、いくつかの種に分かれていると今まではいわれていました。
人類学者、イアン・タッタソールの分類によれば、猿人と原人との中間型ともいえるホモ・ハビリスには大型のホモ・ルドルフェンシスと小型のホモ・ハビリスがあり、その後より現生人類に近い、ホモ・エレクトスには、ホモ・エレクトス(以前はジャワ原人とよんでいた)ホモ、ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルグ人 ドイツで発見され、大型で脳容積は1100から1400mlで60から40万年前に存在したといわれている)、ホモ・アンテセッサー(Homo・antecessorハイデルベルク人に近い),とホモ・エルガステル(Homo・ergaster アフリカで発掘、トゥルカナ、ボーイとよばれている)の4種があるといっています。
イアン・タッタソール 『化石から知る人の進化』三田出版会
様々な原人について
1891年にインドネシアで発見されたジャワ原人は、脳容積が900mlで、180から110万年前に現れ数10万年前から数万年前ぐらいに生息していたと思われています。 邪w原人は今ではホモ・エレクトス・エレクトス(亜種)とよばれています。
1929年中国北京の周口店で発見された北京原人も以前はシナントロプス・ペキネンシスとよばれていましたが、現在はホモ・エレクトス・ペキネンシスです。北京原人は脳の大きさが現生人類の4分の3の1000ml程度ありました。年代は50から20万年前と言われていましたが、最近では75万年前ころから存在していたようです。
ホモ・ハビリス(Homo habils)は1964年にタンザニア北部のオルドヴァイ渓谷でルイス・リーキー博士により発見されました。230万年~140万年前に生息していたと思われ、、もっとも古いヒト(Homo)属です。身長は130センチ、脳容積は400から800mlで現生人の半分程度、長い腕をしていました。
ホモ・ルドルフェンシスは1972年リーキー夫妻によりアフリカのトゥルカナ湖で発見され約190万年前に生息し、猿人に比べ大きな脳とを持ち二足歩行をしていたと推測されています。
ドマニシの初期原人 1936年から、グルジアの首都トビリシから南東に85キロ離れたドマニシから原人の骨が見つかった。これはユーラシア大陸では最も古いもので180万年前くらいのものであるといわれています。頭骸骨から原人の顔が復元された。(国立科学博物館)男性はゼズワ、女性はムジィアとなづけられました。2004年には国立科学博物館で展示されました。
ドマニシの原人を調べた結果3種の人類祖先は本当は一種であると発見
以下は赤旗「自然の不思議」より(原文通りに掲載)
2013年10月の新聞各紙に、現生人類(ホモ・サピエンス)を含む人(ホモ)属の源流に位置づけられる3種の人類祖先は、本当は同一の種だったー。黒海に面したグルジアで見つかった約180万年前の人類の化石を詳しく調べた結果分かったと、同国やスイス、イスラエル、米国の研究グループが科学誌『サイエンス』(10月18日号)に発表しました。
発掘がおこなわれているドマニシの風景 原人の復元図
人類が猿人から初期のヒト属である原人へ進化したのは200数10万年前から180万年前ごろのころにかけてのことだったと考えられています。この間には240万年前ごろホモ。ハビリスが、190万年前ごろ、ホモ・ルドルフェンシスが180万年前ごろホモ・エレクトスがアフリカで出現し、それぞれ別種の原人とされています。
しかし、1990年代にグルジアのドマニシでエレクトスの出現時期とほぼ同じ時代の原人の化石が見つかり、その由来について様々な議論が行われています。
研究グループは、2005年にドマニシで新たに見つかった5体の化石に注目しました。これらの化石には脳の大きさが546ミリリットルとホモハビリスの最小レベルなのに、顔が長く歯が大きくて、別々の場所で見つかっていれば異なる種類に分類されるほど違っているものが含まれるなど多様で、ハビリスやルドルフェンシス、エレクトスの特徴が混在していました。
同様の違いが、ほかの種でも見られるかどうか、チンパンジー5頭と現生人類5人の変異の程度を調べました。その結果、五体の化石の変異の大きさは、チンパンジーや現生人類で見られる変異の範囲に収まっていることがわかりました。研究グループはこの結果をもとに、ハビリス、ルドルフェンシスはエレクトスと同一種であり、ドマニシの原人はエレクトスだと指摘しています。
★ 現生人類(ホモ、サピエンス)が、人種による様々な変異があっても、同じホモサピエンスであると同じように、ホモ属の人類がすべて同じ種であるという発見はとても興味深いものです。
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