衆院選について最低の投票率、熊王氏のブログ紹介、自民党のおごりが恐ろしい
2014年12月14日に衆議院選挙が行われました。毎日新聞の1面トップの見出しは、「自民微減291議席」というものでした。日本経済新聞の見出しは、「、自公勝利、3分の2維持」というものでした。議席数は自民291(-4)公明(+4)で合計326議席、一方民主73(+11)維新41(-1)共産21(+13)、社民、生活、次世代ともに2議席でした。( )は前回の議席です。
投票率は52%前後で戦後最低となった。1強自民は継続となり、自公で、3分の2を維持したことで憲法も変えることが前と同じように可能な議席を取った、ということです。各大臣の不祥事などいろいろ問題が続いたところを電撃的に解散し、再び勝ったということでと、これでみそぎを受けたということになるのです。まんまと作戦成功です。
日経新聞の2014年12月15日の夕刊では、投票率52,66%で過去最低であること、また2面には小選挙区で、自民党は得票率48%で295のうち議席76%の223議席を取っていること、得票率にくらべ議席獲得率が高くなる小選挙区の特性を生かした形である、と書いている。民主党政権時代、09年の自民党の得票数は2730万票で、議席21%しか獲得しないにもかかわらず、今回は2555万票で票を減らしているにも関わらず、自民党の議席は76%である。小選挙区で落選した候補に投じられた『死票』は2540万票で全体の48%に達した、と書いている。
◎ 筆者の考えでは、自民党は大勝したといっているが、自民党の2555万票という得票数は全体の有権者約1億人の4分の1にとどまるのである。 しかし、わずか、4分の一しか支持がないにも関わらず、憲法をも変えられる議席をとるとは何という矛盾であろうか。
また19面(3面トップ)には、冷ややか「道」選ばず。「何も変わらない」、「野党、批判ばかり」 投票率最低棄権者の声と書いている。
筆者が思うに、これで、与党が大勝した3分の2以上とった、みそぎは終わった。憲法改悪でも何でもできる、と思って安倍首相が、やりたい放題をしたら大間違いである。有権者の目は冷めている。大きくしっぺ返しを食うであろう。
『ちきゅう座』の12月10日付の熊王信之氏のブログには、「今回の選挙,一体何なの、何の真似?」書かれている。その文章をそのまま載せさせていただいた。熊王氏は筆者のブログに貴重なコメントをいただくとら猫イーチ氏である。
「貧乏人でも忙しい歳末に、あれよあれよと、という間に解散・総選挙ときたもんですから、
争点が何か判明せず、何を有権者に問いたいのかがわからない.安倍政権は,「バンザイノミクス」の成果を問う等のとってつけたような言い分で、野党のほうは、それに対して有効な反論ができるのかどうかが疑問として残るものの、どちらにしても議会での議論を尽くした後のことでもありません。ご都合主義的解散権の行使をした安倍首相が、自分の政権維持にのみ、注力した挙句のことでしか無い、と理解できますので,白けるばかりです。
要点を先に書けば、どちらも夢、ファンタジーに過ぎないものにこだわり、国家の命運を誤ることに繋がる非科学的政策を基盤としていると言わねばならないでしょう。
方や、昔の夢をもう一度と、閉店間際のカラオケ・スナックで熱唱し、若者からは,よ~軍国おやじ!とはやされ、ヘリコプターから札束をまくのが持論、片や、有象無象の集団が、勝手に維新・刷新ごゅこや、反原発ごっこ、それに今や風前の灯火と化した昔の名前で出ています「革新派」、は実現可能性のない「里山資本主義」並みのドリームにこだわったまま老化していくのみの老いさらばえた姿です。
どちらにしても我々庶民には、魅力のある未来が見えるわけでもなく、定年や廃業で収入の道が狭まれば、生活に窮するのは観えているわけで、自分の生活の先行きが暗いのに、株だけ上がっても関係ないし、原発廃止の目的のために胡散臭い自然エネルギーに金銭を注ぐ道理が分からず、里山資本主義で食っていける自信がないので支持できず、等々の理由で、どちらも支持できないのです。夢を食って生活できる人なら別ですが。
だって、与野党ともども二酸化炭素中毒のようになっていて、温暖化に関わっては意見一致でしょう?そんな人も政党も政党も支持できかねるものですから。
数年前に、戦後何十年も政権にあった自民党に勝ち政権交代した民主党で首相に就任した鳩ポッポが、国連でぶち上げた「二酸化炭素25%削減」を聞いて、お馬鹿も此処に極まれりと、早々に見切りをつけたことがありますが、そんな政党がいまだに議席を有しているのは何かの間違いなのか、それとも夢でも見ているに違いがない、と思っているのは私だけなのでしょうか。
そうそうと届いた「入場整理券」を前に形骸化した民主主義の標本を見る思いがします。」
以上です。多くの人々が、支持するところがなく棄権したということです。
また、「二酸化炭素地球温暖化説」は、これまた当然のように、政府や各政党や、学者特に気象学者などの支持を受けている。これが問題なのは温暖化の原因がもっぱら二酸化炭素によって、もたらされると決めつけたうえで、いろいろな取引をしていることである。もしも、それがほかの原因もより大きな影響をもたらすとしたらどうでしょうか。
有権者の4分の一が自民党の支持者にしか過ぎないのに、公明党を含め三分の二以上の議席を占めるという選挙制度の矛盾は極まれると思います。また民主党も元自民党の議員も多く、保守的な考え方の人が消費税の値上げなど自公と一緒になって決めているのである。そして期待を裏切られた人は多い。あんな民主党はこりごりだと。分裂した維新はさらに微減している。右翼政党の次世代の党は石原慎太郎氏の神通力も消えてしまった。今回は共産党だけが8議席から21議席へと大きく議席を伸ばした.一貫して自公政権を追及していることが大きな支持を受けた元でしょう。
今後どのような政治の展開が起きるのか、注目していく必要がある。
追記 2014年12月21日の毎日朝刊
毎日新聞の日曜クラブに、松尾貴史の「ちょっと違和感」という記事がある。「圧勝」の与党、白紙委任を受けたような運営を危惧する、と書いてある。記事の一部を載せてみることにする。
与党が『圧勝』と表現されていたが多数の議席を確保したという意味ではそうなのだろう。しかし、有権者全体から見た得票数や得票率から考えれば約2割の「釣果」で7割の議席を手に入れるというのは、戦術として野党よりはたけているけれども、この選挙制度自体に疑問を感じざるを得ない。素直に「改選前」と比較すれば、自民党は議席を減らしている。勝ったのは共産党と民主党であり、公明党ではないのか。
◎まったく,そのとうりである。
選挙期間中に特定秘密保護法が施行された。これは現政権が作った悪法であるという共通認識が多くの報道関係者にあると思うが、ほとんどのメディアがそのことを悲観的、批判的にニュースで取り扱っていなかったのではないか。~
選挙の後には、テレビ朝日の「モーニングバード」のトップは、選挙出はなく羽生結弦選手の活躍だった。~勘ぐればなかなか皮肉な演出ともいえなくはない。
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コメント
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戦争に関しては、良く護憲か改憲か、と二者択一の如く云われるのですが、例えば、改憲反対と言っても、憲法第9条を改憲するのは、単なる象徴的意味しか持たないのです。
既に、日本には軍隊があって、何時、戦争になるかも知れない状況が過去から一環して在ったのであり、冷戦後の今日が、一番戦争が起こる心配が無いのです。
それが証拠に尖閣諸島でも戦争にはならず、海上保安庁の警備のみで対処出来ていますから。
安倍政権は、過去への郷愁を持った個人的信条に忠実な首相が目だった存在ですが、今以上に復古主義的な政治に出来るのかどうかは、米国次第でしょう。
日本では、米国嫌いな左右の政治思想が支配的ですが、好き嫌いは別にして、米国との関係を如何に保つかは国の安定にとっては大事です。
世界の米国支配が揺らぐようには、今のところは思えないからです。
安倍政権が復古主義的に振る舞えば振る舞うほど、日本を見る米国の視線は厳しくなります。 日米安保条約を持ち出す人には、米中関係の強まりが観えていないのでしょう。 最早、米中が対立することは有り得ないでしょう。 それを安倍首相が理解しているのでしょうか。 甚だ疑問です。
安倍政権は、何れ米国の厳しい態度に出会い、その姿勢を転換せざるを得なくなることでしょう。
否、もう既に転換していることでしょう。 尖閣諸島の事例を観れば分かります。 航空自衛隊の偵察こそあれ、海上自衛隊は出ていないからです。
そもそも自衛隊の軍事行動は、米軍抜きでは出来ないですし。
投稿: とら猫イーチ | 2014年12月16日 (火) 19時43分
とら猫イーチ様 まったくおっしゃる通りの政治状況ですね。一部を除いて、ほとんどの党が自民党に入れるのと同じようになってしまったと。棄権する人が多いのもやむおえませんね。でも先が恐ろしいし、また逆に本当にいろいろと厳しくなって、人々が気が付くのか、あるいはまた戦前の日本の暗い道を歩いてしまうのか心配です。わたしのようにかろうじて戦前に生まれ、戦後の混乱期を知っている人間にとっては、また戦争ができる国に逆戻りするのがするのかが心配です。安倍内閣はそういう危険性をもった政府ですから。
投稿: こういち | 2014年12月16日 (火) 17時15分
こういち様。
私の児戯にも似た放言を紹介して頂きまして、穴があれば入りたいほどです。
こうしたあきれ果てた政治状況を嘆く他が無い現状は、一個人では何ともし難く、嘆く他が無いのです。
数年前には、やっとのことで選挙で自民党を野に追いやり、民主党が政権についたものの、野合の集に過ぎない実態を曝け出して崩壊してしまいました。
共産党と社民党は、既に老化してしまい、残りは、公明党を除き殆どが元自民党である議会では、政権が何処に行っても同じ結果であることが明確になった訳ですから、選挙は無意味になったことになります。 共社公の核の支持者を除いては、後は、皆自民に入れるのと同じ原理なのです。
これでは、民主主義は崩壊です。 私は、投票には行きませんでした。 結果が分かりきっている選挙に行っても仕方がありませんから。 安倍政権が地獄を招くなら地獄を見て死ぬのも悪くは無いかも知れません。 これが本当の自虐でしょうね。
投稿: とら猫イーチ | 2014年12月16日 (火) 16時18分