安倍内閣の傲慢さ 原発と沖縄にたいし民意無視 高浜再稼働差し止め
2015年4月15日の毎日新聞朝刊の、1面トップは「高浜再稼働差し止め」という記事であった。[福井地裁、仮処分 再稼働差し止め]、「新基準、合理性欠く」でした。記事は、他に3,4面、社会面(27)、9面に書かれています。社説にも取り上げ、重要性を明らかにしています。
高浜原発は川内原発に続いて、今年の11月に再稼働を目指していました。高浜原発は福井県にあり、すぐ隣は京都府です。3号機には、ウラン、プルトニウム混合酸化物燃料を使うプルサーマル運転をしていました。定期検査に伴い停止していました。原子力規制委員会は今年2月、3,4号機が東日本大震災後の新規性基準に適合しているとの審査書を決定していました。
「解説」として
仮処分決定では、樋口英明裁判長が「原発の安全対策は、深刻な災害を引き起こす恐れが万が一にもないと言える厳格な内容を備えるべきだ」として、、大飯原発3,4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決(昨年5月)と同様の結論を導いた。~今回の決定に対し、原発の専門家から「科学的根拠が薄い」との批判もあるだろう。だが、原発の安全性への不安は根強い。再稼働を目指す政府や事業者、規制機関の規制委は、裁判所から発せられたメッセージを受け止める必要がある。
社説では
(毎日新聞社では)、原発をゼロにするのを前提に最小限の再稼働は容認できるという考えに立っている。 それに対し、決定が立脚しているのは、地震国・日本の事情をふまえると、原発の危険をゼロにするか、あらゆる再稼働を認めないことでしか住民の安全は守れないという考え方のようだ。現状のなし崩し的な再稼働の動きは「安全神話」への回帰につながるという司法からの重い警告と受け止めるべきだ。
決定は全国の原発で10年足らずに5回、基準地震動を超える地震が起きており、高浜でもその可能性は否定できないと指摘。このままでは、施設が破損して炉心損傷に至る危険が認められると結論付けた。
今回の決定が下した考え方は、再稼働を目指そうとする国内の多くの原発に当てはまる。~いくつもの問題を先送りしたまま、見切り発車で再稼働をすべきではないという警鐘は軽くない。
社会面では
住民側「最高の決定」という、立地自治体戸惑いも、と書き、「二重基準を作った」として、裁判の結果に不満を漏らす意見と、「電力側に問題明示」と肯定的な意見を両論併記している。
◎両論併記ではあっても、どちらかというと、肯定的な立場です。
一方、日本経済新聞では同じ記事を、1面トップではなく、5行のみ書いてありました。関連記事は3,13面、社会面に載せています。「地裁処分、原発新基準を否定、政府再稼働方針を変えず」、が見出しです。3面に安全思想すれ違い、13面には、関電5期ぶり黒字黄信号と書いています。社会面では「地元複雑、意見割れ」、「最高の判断」,「ショックだ」の見出しです。どちらかというと、裁判結果に否定的です。
◎他の新聞は見ていませんが、読売、日経、産経が、裁判結果に否定的、朝日、毎日、東京が肯定的であろうことは、想像がつきます。
参考「こういちの人間学ブログ」2014年12月9日
「安倍官邸と新聞、『二極化する報道』の危機」
政府などの態度
政府、東電、原子力規制庁側の態度は、そろって、菅官房長官の談話にあるように、「再稼働方針に変わりはない」。原子力規制庁も審査に影響ない」、関西電力は「安全立証に全力」、と裁判結果を無視する態度です。
日経新聞では,この裁判を担当した樋口裁判長は、大飯原発でも差し止め判決を出していて、関電側は「議論が尽くされていない」として、裁判官の交代を申し立てたが福井地裁も、名古屋高裁、金沢支部いずれも却下された。
日経新聞には、樋口裁判長のことが載って居ます。樋口裁判長は三重県出身の62歳、名古屋地裁の半田支部長を務めました。福井地裁に着任したのは12年4月。今年4月1日付で名古屋家裁に異動したが、名古屋高裁が福井地裁判事職務代行の辞令を発令したため、引き続き担当している。
何か、福井の原発の裁判の担当を外そうとする勢力と、担当させようとする勢力の争いがあるようにも勘ぐれてしまう。
15日のNHKのニュースを見ていたら、原子力規制委員会の委員長が、世界トップクラスの安全基準があるから大丈夫といっていた。しかし、日本は、世界トップクラスの自然災害が起こる恐れがある国です。想定外の東日本大震災があり、さらにこれから、予想される巨大震災、大噴火の活動期にも入っている。巨大地震や、大噴火がない国とはは全然違います。
国民の安全より、企業の利益が優先しているのです。原発がなくとも電気は十分であることが、だれの目にもはっきりしています。政府は密かに、プルトニウムをため込んでいざとなれば、日本も原水爆を作れるようにしているみたいです。でも、もう、プルトニュウムは腐るほどあります。原発は今は資産ですが、廃炉を決めたとたん負債に代わります。それも膨大な負債です。驚くべき廃炉費用がかかるからです。普通の発電所なら、何人か見回りの人がいればいいですが、原発は発電していなくても多くの人員がいるのです。
会社の利益のことだけで、原発を続けようという考えは、捨てさせなければなりません。地球温暖化を防ぐために、二酸化炭素を出さない?原発を稼働させようとする考えもおかしいと思います。
現場の意向を無視
自民党などの、このような、地元住民の意向を無視する態度は、沖縄の普天間基地の、辺野古基地への移転問題に対する態度と同じです。選挙に負けて退陣する沖縄県知事の許可を得たとして、移転反対の、選挙で勝利した翁長知事の再三の面会も拒否、補助金を減らすなどの露骨ないじめを行いました。そして、反対があろうとも粛々と移転を行うといって批判を浴び、もう粛々とという言葉は使わないといいました。そのすぐ後に安倍首相がまた粛々ということばを使いました。要は、いくら反対しても、こちらは思うようにやるからという態度です。でもマスコミの影響があるのでしょうが、自民党の支持率が上がっているとのことです。本当に支持者が増えたのではなく、あきれた人が棄権や無党派になって居るのです。又民主党のだらしなさも、大きな原因です。前の野田首相は、自民党とほとんど同じになってすっかり支持を失いました。もう、浮かび上がるのは難しいでしょう。自民党が国民の大多数の支持を得て錯覚し、やりたい放題のことをやれば、驕れる平氏ではないけれど、すっかり支持を失います。景気が良いといっても、一部の富裕層や大会社の社員だけが景気が良いのです。一般中小企業の社員、退職した人にとって、暮らしは良くなって居ません。格差はますます、開いています。そして、この景気の良さも、もうこの先が危ないのです。
外資が作りだした好景気 バブルはいつはじける?
株価が年ぶりに2万円台を回復し、2倍以上になりました。地域によっては大きく景気が回復したそうです。自民党内閣の支持率も上がりました。しかし、この株の値上がりには、外資が大きな影響力を持っているのです。2012年には外資の所有比率が、28%となっています売買比率はなんと67%。28%は個人の20%より多いのです。2013年には、15兆円。今はもっと多いでしょう。外資は5日前には480万株、今日は380万株の買越しだそうです。この景気は外資が作りあげているのであって、今、踊らされて買っている日本人投資家は、前にそうだったように、ちょっとしたことで見切りを付けて、外資は売り抜けて、日本人投資家がババをつかむのです。もうすでに、バブルの様相でちょっとしたことで株は急落します。私は株をやったことはありません。株のもうけは税金も低いのですが、暴落して大損するリスクもあります。評論家はまだまだ株は上がるといっています。でも今は、もう株を買わないほうがいいでしょう。
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