NHK朝ドラ「まれ」現実離れがひどすぎる
今までNHKの連続朝ドラマは必ず見ていました。前回の[マッサン」[.「花子とアン」、「ごちそうさん」、それから「あまちゃん」です。ちょうど朝の食事の時間で、家内と楽しみにしてみて居ました。視聴率は常に20~22,6%ぐらいでした。2015年7月の朝ドラは「まれ」です。女性のケーキ職人が著名なパティシエになっていくお話です。それは、新幹線が通った能登と横浜が舞台です。
はじめの能登を中心にしていたころは良く見ていました。横浜に舞台が移るころからあまり見なくなりました。家内も見たくないということで、ニュースなどの番組でNHKを見ていて、8時になると他にチャンネルを変えます。たまたま、22日はまた、「まれ」を見てみました。
脚本家は篠崎絵里子氏、賞も取ったことのある人だそうです。以下敬称略
津村徹〈大泉洋)と奥さんの藍子(常盤貴子)と主人公である姉希・まれ(土屋太鳳)と弟一徹の4人家族です。東京から夜逃げ同然で出てきて能登に住み着きます。自然の海塩を作っていて、前は民宿をしていたところ、桶作家に住み着きます。桶作元治は舞踏家の田中泯、奥さんの文は魔性の女と昔言われていたそうな田中裕子です。さすがに演技がうまいものです。輪島塗の一家は、中村敦夫がお祖父さん(紺谷弥太郎)役をしていて、うまいものです。孫はヒロインの希の結婚相手の圭太です。圭太の父は能登市役所に努めて居ます。あと同級生とその家族が何かというと集まっています。寺岡家、茂本家、美容院のうちなどがもう一つの拠点です。
希(まれ)の父親は夢ばかり追いかけていて地に足がついていなくて、まれは「コツコツとまじめが一番」とはじめ輪島市役所に勤めます。ところがどうしても世界一のパティシエになりたいということで、横浜に出てきます。1日に何十軒のケーキ屋さんを食べ歩いた結果、ある中華料理店の裏メニュウのケーキにたどり着きます。ーそんなに味覚が発達しているのでしょうか。またこんなに食べ歩くのは時間もおカネもおなかも無理と思いますが。こんなこともさらりとかいています。奥さんが中華料理店と占い師をやっていて、旦那が腕はいいがきまぐれのケーキ屋をやっているとの設定です。希はそこの中華料理店に下宿し、そのケーキ屋で働き始めます。
途中からあまり見なくなり、まれと圭太は結婚したようです。能登に来ていた人物で、徹が会社をやることを勧め保証人となった人物が粉飾決算で(詐欺師)で逮捕されたとのこと。会社といっても他の従業員がいなくてへんにおしゃれな事務所だけあって、その会社に5000万円掛けたそうですが・・。それでも3年続いたそうです。そして現実には徹はあっさりと、「自己破産するわ」。と奥さんに言います。そんなに簡単に自己破産なんてできません。多くの人に人に多大な迷惑をかけてしまうのです。自己破産はなによりも信用を失い、再起しにくいのです。何とかみんなの協力も経て、頑張って会社を維持することが大切です。会社を維持出来なくとも何とか借金を返済するのに懸命な誠意が支援者を生みだします。徹はそうでなく、なんでも簡単に投げ出してしまい、信用を失います。それでは今度、何をやってもだれも見向きもしません。今までもその繰り返しのようです。
筆者は自分で別会社を立ち上げ、新所沢に店を作りました。別会社では社長となり社員5人で始めました。元の会社では専務です。経営は厳しく、社員にきちんと給与を払うと、自分のうちの分がなく食べ物も親のところで援助してもらうこともありました。ナンバー2になる人が長期入院し、他の社員にもとの会社に戻ってもらいました。家内と私で店を支えた時期もあります。何でも仕事をしました。その時は利益が出ました。最後にそこを引き上げ、後継者に譲り渡しましたが、700万の資本金ほか、かなりお金を使ってしまいました。でもその会社で働いた社員が私含め、電気業界、水道、リフォーム業などでの力をつけ、そこで得たことが、東京ガスのエネスタ業務だけでなく、広く建築業界での力をつけ、会社が大きく発展する力を得たのです。そして身内-父以外に誰にも迷惑をかけなくて、会社を整理できたのは良かったのです。
能登にいる徹の息子で希の弟の一徹は、デイトレーダーだそうで、1000万くらいなら出せるといっています。無一文状態から、民宿にいて、1000万も余剰金が簡単にできるのでしょうか。そんなに簡単なものでしょうか。―その後塩づくりになるようですが。
21日の放送だけしか見ていませんが、おかしいなと思うことが次々に出てきます。インターネットを見ても「まれ」おかしい、というのがたくさん書かれています。今回書いたのは1日分だけですが、毎日のようにおかしなことだらけみたいです。視聴率もだんだん下がって来ているようです。せっかくいい役者をそろえているのに脚本がおかしいので残念だと思います。
追記 9月18日
見ないつもりが、「まれ」の前のNHKのニュースを見ていて、そのまま「まれ」を見てしまうことがあります。9月26日最終回なのでもうすぐ終わりになります。
桶作一家にたとえ民宿で部屋があるからと津村家の子供もいる2家族(希は苗字が変わりましたが)が住んでいるのもいかにも不自然です。津村徹もまた家出して行方不明。前、津村徹がまじめにコツコツ働くといったら、夢がなくなった徹には興味がないと藍子はいいます。現実的な問題ですが、またー行方不明同然出ていった徹には、住民票も無いわけで、ちゃんと仕事につけるわけがないのです。
追記 9月22日
東洋経済オンラインに、桧山珠美さんの、「NHK朝ドラ「まれ」にいらっとする目線、その姿勢は公共放送に相応しいのか』という記事が載っていました。かなり詳しく共感する記事が載っていました。
「まれ」に対しての感想が今までにヤフーの感想欄に67500件寄せられ、その8割が批判する内容だそうです。リアルな世界からかけ離れすぎているというのです。
私も、朝の食事の時間につい又見てしまうことがあります。すると、またありえない―、とイラッとします。それをこの記事では細かく書いているのです。郵便局員が「サロンはる」に入り浸っているし、お客以外の人間がいつもいる。なんかあると、お客をほっぽっておいて、人を探しに行ってしまう・・・というぐあいに、次から次からこれでもかと思うぐらいに、ありえないということがでて来ると書いてあります。ちゃんと全部を見ていたら、イライラが高じて怒りたくなるでしょうね。
追記 9月26日
最終回を見てしまいました。希のお父さんの徹が戻ってきて、希は世界1のパティシエになるわけでもなく、やらなかった結婚式をして、平凡におわりました。夢を持つことはいいことなんでしょうが、なんか気が抜けます。
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コメント
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とら猫イーチ様
教えていただいた竹中正治氏のブログを見てみました。銀行員から龍谷大の教授となられた方ですね。7月のブログでは「~、プチバブル期を大きく越える割高となったマンション価格~」というのが出ていますね。私は株はやったことはないのですが、不動産賃し関連の仕事をしているので、興味がありました。株も含め資料に基づいて明快な答えを出しておられますね。今後もブログを注目して見ていきます。ありがとうございました。
投稿: こういち | 2015年7月24日 (金) 18時04分
こういち 様
日本の株屋とその影響のある人士は、米英の科学的な投資手法ではなくて、神がかり的な手法か、物凄くテクニカルな手法で罫線に頼ったり、等々で、博打のような真似をしますから、真面に受け取ると馬鹿を見ます。
それに、日経等では、ポジション・トークと云って、株屋が自己に都合の良い経済情報を語るように嘘を平然と語ります。 ちきゅう座の例の投稿もそのジャンルでしょう。 何の経済的裏付けも無く、そんな馬鹿らしい話をしても誰も聞きません。
また、最近の東芝の事件のように、大企業であっても、相場操縦のような不公正を平気でしますから、株式市場そのものが米英のように公正かどうかが疑わしいです。
私が投稿で引用した竹中先生は、素人にも少額からの科学的投資が出来るように指導されていますし、ご自身のブログでは経済を優しく説明して頂いています。 こういち様にも御覧頂きたいと思います。
投稿: とら猫イーチ | 2015年7月24日 (金) 17時04分
とら猫イーチ様
コメントありがとうございます。「マダム・マロリーと魔法のスパイス」見ごたえがありそうですね。たとえ、ファンタジー的な内容でも、なるほどと、現実味があるようにするのが、脚本家の力量なのですが、あんまり、あきれる話が続くと見ていて腹が立ってもう見なくなります。
それから、ちきゅう座のとら猫イーチ(熊王信行)さんのブログで、まだまだ株が上がるというような人がちきゅう座にいるのですね。私も株はもう限界だと思っています。誤った話を信じてお金を失う人が出てくるののは気の毒です。
投稿: こういち | 2015年7月24日 (金) 07時10分
私は、テレビとは絶縁して久しいのですが、NHKの朝ドラマは、歴史があり、その昔には、相当な視聴率を上げていましたね。
それが、あまりに現実離れした話では、面白くはないでしょう。 同じ、現実離れした話でも、その構成が有り得ると思わせるのが、作家なり脚本家の力量ですから、ヒットした小説なり、映画は、有り得る、と読者や視聴者に思わせるように構成されています。
その例が、同じような分野を舞台にした映画『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(原題: The Hundred-Foot Journey)です。
この映画は、まず原作の小説がベストセラーになり、映画化は、主演が有名なヘレン・ミレンですから、ヒットして当り前の映画ですので、比較はとても出来ませんが、その構成は堅実でした。
共演は、インドで料理の天才として認められているとの設定の若者を配して、更に彼には家族や親戚が後援者となり金銭的支援がある背景を描きます。 彼を欧州でも認知される過程を描く映画なのです。
只の素人がフランス料理の本場で認知される映画ならば、嘘臭いものになるのですが、インドと欧州の異文化の融合を描くものならば、今の世界では有り得るのです。 現実に、日本料理の第一人者ならば、渡欧しても、彼の地でも第一人者として迎えられるので当然でしょうから、映画の設定は現実に有り得るお話です。
NHKも、こうした映画を作れるようになって欲しいですね。
マダム・マロリーと魔法のスパイス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%A8%E9%AD%94%E6%B3%95%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B9
'The Hundred-Foot Journey' Trailer (2014): Helen Mirren , Om Puri
https://www.youtube.com/watch?v=jazYcs2BS3A
投稿: とら猫イーチ | 2015年7月23日 (木) 20時24分