近況1、10月例会で話し 2、ブログ6年目 3、退院して1年半4小説簡略版に
1、人間学研究所10月例会でお話を
人間学研究所の2015年10月例会で、講師としておはなしをすることになっていました。先日国立科学博物館で、「生命大躍進」という特別展があり、それに参加して、その内容の概略を、このブログに書きました。そこでも、ネアンデルタール人の復元像が、だいぶ今までのイメージと違い、西洋人風に変わっていることを示しました。
「生命大躍進」展でも、紹介され、NHKスペシャルでも取り上げられた、スヴァンテ・ペーボ氏の書いた本「ネアンデルタール人は私たちと交配した」をもとにして、ネアンデルタール人とわれわれ、ホモサピエンスとの関係についていろいろ紹介してみることにしました。又、ネアンデルタール人の想像図がどのように変化してきたかを例会で紹介してみることにしました。
比較的、最近まで、ネアンデルタール人は、眼窩上隆起が大きく、がっしりした体で、少し猫背で、毛むくじゃらな野蛮人というイメージでした。しかし、近年、ネアンデルタール人の遺伝子配列がすべて解読され、赤毛か金髪で、肌も白く、目も青いものがあるという、西欧人に近いイメージに変わりました。
アフリカで生まれた、ホモサピエンスの祖先がわずかな期間で、寒冷地に適した遺伝子を獲得したのは、寒冷地に適応したネアンデルタール人と交雑したことによる、とされています。又、近年発見され、ネアンデルタール人と同じころに生存していたデニソワ人の遺伝子が、高地に適応したチベット人の遺伝子に影響を与えたこと、またメラネシア人に多くの遺伝子の影響が残っていることが明らかになった。
私たち人類に大きな影響を与えた、ネアンデルタール人やデニソワ人について、新しくわかったことを紹介することは、意義のあることだと思います。今、いろいろな資料を整理しております。人類の起源に関する書物が20冊ほどあります。原著が出版された日、翻訳された順に並べて居ます。近年急激にいろいろな発見があり、興味深いものです。特に『サイエンス』に2010年2月に論文を提出し5月に掲載された、ペーボ氏らの論文は画期的でした。そして2010年の12月には、「サイエンス』の年間最優秀論文に選ばれています。
また2008年ペーボ氏らは、ロシアのデニソワ洞窟で発見された、小さな指骨とその後に発見された臼歯の遺伝子配列を決定し2010年には、論文を発表した。
デニソワ人はパプア人に大きな遺伝子的な影響を与えていることがわかった。アフリカ以外の人の、ゲノムの約2,5%はネアンデルタール人由来です。パプア人はそれに加えてパプア人はゲノムの約、4、8%をデニソワ人から寄与されたと推定しました。.従ってパプア人はおよそ7%を、初期の人類からもらったことになる。従って現生人類が世界各地へ広がっていく過程で古い型の人類と交配するのは、例外的なことではなく、ごく普通のことだったと考えられる。そしてこれはネアンデルタール人も、デニソワ人も完全には、絶滅していないことを意味する。彼らの一部分が、現代人の中で生きているのだ。(「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ 339-340p 2015年 文藝春秋刊)
「ネアンデルタール人と私たちの50万年史 そして最後にヒトが残った」クライブ・フィレンソン著では原著が2009年に書かれたもので、この本では、ホモサピエンスと、ネアンデルタール人が交配したかどうかはわからないと書いている。この本が書かれて、1年後にペーボ氏の論文が発表されたのです。
今、上野の国立科学博物館で開催されている、特別展、「生命大躍進」は大変貴重な資料が展示されています。ぜひ10月4日の開催期間中に行かれることをおすすめします。なお上野の国立科学博物館での展示が終了後、関西などで順次展示会が開催されます。
2、「こういちの人間学ブログ」6年目に
2009年7月に「こういちの人間学ブログ」を書き始めてから、2015年8月に6年あまりが経過しました。途中入院で4か月ほどのブランクがあります。
アクセス累計は約109万5千件ほど、記事数674件、コメント634件です。
3、退院してから1年半経過
2013年11月に入院し、2014年2月に退院しました。退院してから1年半ほどが経過しております。週3日のリハビリなどで、だいぶ治ってきたことと、余り治らないことがあります。
基本的な体力がつき、車いすで出かけることも多くなり,一泊旅行もしてみました。人間学や2火会の例会も、皆さんに来ていただいてですが、お話ができるようになりました。車イスばかりではなく、ベッドから、食卓までは毎朝つえで、自分で歩いていくようになっています。いずれ、トイレや事務机も、見守りなしでつえで行けるようになると思います。(今は、見守られて行く状況)
感覚はなかなか戻りません。麻痺した方の手の指を触られても、弱ければ何指かわかりません。右まぶたが時々痛くなり、顔の右半分がずきずきします。リハビリなどで、歩きますと、麻痺した側の膝の表、裏が痛くなります。前は左側がもっぱら痛かったのですが、今は軽くなり、リハビリで負担のかかる右足が痛くなります。
4、小説『人相食む』の簡略版をつくる。
「小説 『人相食む』ー後漢初期の人間学」は、2012年5月に一応完成しました。前漢末期から、後漢初代の光武帝から後漢4代皇帝の和帝没後の混乱期までの100年を以上を書いています。主人公は名臣として名高い第五倫です。それに、王充や、謝夷吾など、登場人物は100人に及び、リッチテキスト方式でも365ページに及ぶ大小説になってしまっています。今、CDロムに保管されています。中国の歴史上、正史に最も長い間、人が人を食べた―「人相食むという悲惨な事態が起こらなかった時代を書きました。そういう時代を実現した4代の後漢の皇帝と、第五倫などの名臣の活躍を書いたものです。もっと簡単な時に,自費出版をしようとも思いましたが、余りに費用がかかり断念しました。
あまりにも余計なものを書きこみ過ぎましたので、半分ぐらいの量に縮めたものに書き換えて、改めて出版してみようと思います。最近は電子出版なら費用が少なくても済みそうなのでそれで、再び取り組んでみたいと思います。
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