戦争伝える『最若手』が手記、戸山高1年後輩が自費出版 本が届きました
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本を手にする編集責任者の狐崎晶雄さん(右)と、編集委員の一人、井伊直允さん
集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更の議論が高まっていた2014年5月,有志の一人、狐崎晶雄さん(71)が、同窓会誌に「私たちの記憶を残す必要がある」と寄稿したのがきっかけ、「私たちは戦中、戦後の記憶がある、最も若い世代。1,2年史他の人ではもう書けない」と狐崎さん。共鳴した同期生が次々とメールを寄せ、15年7月の同期会で「本にまとめよう」との提案が同意を得た。同期生は400人以上おり、35人が執筆した。多くは疎開を経験した。
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疎開先の水戸市で父の死を知り小学校では、残された母や兄と別れて水戸の母方の祖父母に引き取られたOBはこう書いた。
当時の小学校では、クラスには必ず何人か父親を亡くした子がいました。母親の再婚で複雑な環境にいる子も多かったように思います。
空襲で新宿区の家を失ったOBは、戦後、3歳の時に叔母が抽選で当てたバラックを一かが譲りうけた。当時を振り返り、
壁は薄い板、屋根は屋根にコールタールを縫って風通しは滅法よく、台風の時は屋根が飛んでしまって、去ったあとに月を眺めて寝たことを思い出す。
旧満州(現中国東北部)や朝鮮半島から引揚げた人も多い。平壌付近から脱出したOBは、
私は部隊で最年少の生存者になっていた。子供を失った母親たちの咎めるようなまなざしと「次はこの子だ」というささやきが怖かった。
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別のOGは現地で憲兵隊長を務め、収容所に13年間いた後に帰国した父の具体的な戦争犯罪を、2010年はじめて知った際の衝撃をつづった。
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同書の編集委員会は600部を印刷。製作費40万円は同期生仲間の寄付でまかなった。関係者らが購入して残りは約60部。増刷や電子書籍化を検討している。600円。書店には流通していない。問い合わせは、桐書房(03・5940・0682)かメール(sensoutaiken@yahoo.co.jp )へ。
筆者は早速申し込みしました。メールしましたら狐崎さんよりの返事のメールが来ました。金額は600円+250円計850円 発送は月末から翌月はじめごろになるかもということでした。
◎ なお狐崎晶雄氏は、元日本原子力研究所所員、元青山学院大教員など、いろいろな本も出しており、核融合についての権威です。
本が届きましたら、またここで、ご紹介します。
1月17日 追記 早くも本が届きました。全部で35人の思い出が書かれています。
編集者の井伊直允さん 「土下座する元上官」
東戸山小学校の校長先生が、入学式のお祝いの言葉で、「君たちのお兄さんやお姉さんに”日本のために戦場で死になさい”と教育してきました。今後、私は君たちを二度と戦場ににいかせない為に身命を賭していくつもりです。
憲法9条は、こうした先輩たちの血涙流れる反省の上に立って国民に受け入れられたのです。当時、保守革新を問わず「戦争の放棄」は国民何百万の血で贖われた決意として世界に表明されたのです。自分は戦場にも行かず一滴の血を流すつもりもない「戦争フェチ」の幹事長や膨大な薄汚い利益を財界に齎(もたら)す見返りに,自らの政権を支持してほしいお坊ちゃん首相などのために変えられてはなりません。
編集者の狐崎晶夫 「ひとさらい」
筆者(狐崎氏)の母親が結核で入院しているとき、通りかかった(ひとさらいの)おじさんが、病院に行って母親に会わせてくれるというので、筆者は自転車に乗ってしまった。筆者の兄さんは片目が不自由だったので売れないから残そうとした。兄がいっちゃダメと大泣きしながら捕まえていてくれた。しかし、連れていかれてしまった。そこへ運よく自転車の父が返ってきて、追いかけていって連れ戻してもらった。あと10秒遅れていたら今の筆者はなかっただろう。どうして殴り掛からなかったのか聞かれ、父は「あの人もかわいそうな人だった。戦争で狂わされてしまったのだから」という答えでした。戦争になると前線の兵士以外の町の人々をも狂気にしてしまうのです。兄の目も水不足、燃料不足で産院の湯も入れ替えできずに汚れた湯から細菌が目に入り失明したのです。
戦争を招いたのは、政治に無関心で善良な市民だったという分析もあります。
◎このブックレットに書かれている内容は、この井伊さんの言葉に尽きると思います。
35人の方それぞれに戦前の自分の両親や叔父叔母たちがいかに戦争で苦労し、また死んで行ったかを語っています。又戦後には自分たちも戦争の影響で悲惨な暮らしをしまた見聞してきたことを伝えています。筆者は彼らとほぼ同世代なので、強く共感します。それとともに、なんとか戦争法案を通そうとする安倍内閣に対しての憤りを強く感じるものです。
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