岩城正夫先生から、「鳴子こけし風お地蔵さん」を送っていただきました
「鳴子こけし風お地蔵さん」を送っていただきました。
2016年6月7日、岩城正夫先生から、鳴子こけし風木像の第2弾、「鳴子こけし風お地蔵さん」を送っていただきました。
木像にお手紙が添えられていて、この木像の経緯も書かれておりました。大変興味深いお話しなので、皆さんにご紹介します。
すでに2015年12月30日の「こういちの人間学ブログ」で、「鳴子こけし風ネコの木像、セルフメイドの世界ついて」ご紹介しました。前のお手紙でも、次にチャレンジする木像のことを書いておられましたが、半年ぐらいで次の木像を作られるのは大したものです。
お手紙には今度の作品で新しい発見をしておられるので、とても興味深く、皆さんに、ぜひ読んでいただきたく、文章をそのまま掲示させていただきました。以下、岩城先生のお手紙の文章です。
岩城先生のお手紙から
こんどの作品作りで驚きつつも反省しましたのは、柔らかい木材(ヒバ―アスナロ)だけでも鳴子こけしが作れるとわかったことです。同封の地蔵尊はヒバ材だけで作ってあります。前回の説明文で私は、柔らかい木材で鳴子こけしは作れないと書きましたが、それは誤りであるとわかってしまいました。その点反省しています。
じつは前回のネコ木像では首の部分だけは硬い木材を使いました。つまり、猫の顔を彫ってから下部に穴をあけ、首に相当する部分だけ硬い木材をろくろで切削しそれを頭の下から差し込んで接着剤で固定し、24時間おいて完全に固まってから胴体の穴に差し込むという、大変手のこんだ作業をして完成したものでした。しかし今回は本来の鳴子こけし同様、彫れた顔(下部には当初から首の部分が削られている)を胴体に差し込んで完成という単純な手順で作られたものです。しかも軟らかい木材だけの使用でです。
思い返してみますと鳴子こけしを作り始めたのは2007年ごろと記憶しますから、それからずっと8年間以上ものあいだ柔らかい木材だけでは鳴子こけしは作れないと思い続けてきましたので、今回の体験は驚きと反省と嬉しさとが混在したものです。何度試みてもできなかったことがなぜ今になってできるようになれたのか、興味深いものがあります。
それによく似た体験が思い出されました。40年前、何百回にもわたってキリモミ実験をしても火は絶対に起きなかったのが、7年間ほどの失敗続きの体験後、あることがヒントになってとうとうキリモミ式発火法に成功したときのことです。
それはともかく、私の最終目標は「鳴子こけし風弥勒菩薩」つまり女性顔の木像なのですが、女性の顔はとても難しく、その前に2~3作ほど習作を試みたいテーマがあります。それら習作が出来上がったらまたご報告します。
「鳴子こけし風お地蔵さん」の写真
大変優しい顔のお地蔵様の顔です。
前にいただいた、ネコの木像と並べて写しました。よくこんなに細かく彫れるものですね。
お礼の言葉と、感想
お手紙の末尾に前回、送っていただいた、「鳴子こけし風ネコ木像」に対して、「こういちの人間学ブログ」でご紹介したことと、岩城先生の書かれた「セルフメイドの世界」という本のご紹介に対して岩城先生から御礼の言葉をいただきました。
「鳴子こけし風ネコ木像」、「鳴子こけし風のお地蔵さん」また、「火おこしの方法」でも、おいくつになられても、いろいろチャレンジして、その結果新しい発見をされている、そのあくなき探究心は敬服に値します。今度は、いよいよ「鳴子こけし風弥勒菩薩」にチャレンジされるのですね。すばらしいことです。「お地蔵さま」と同じように素敵なお顔になるのでしょうね。期待してお待ちしています。
まだ前回のブログをご覧いただいていない方は、よろしかったらぜひ下記へアクセスしてください。
「岩城正夫先生から『鳴子こけし風ネコの木像』を、送っていただきました。『セルフメイドの世界』について」2015年12月
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岩城先生のお名前で検索すると、このブログが上位にランク付けされているので、多くの方々に読まれているのではな以下と思います。興味ありましたら、ぜひご覧ください。
「原発と核兵器の問題岩城正夫氏の先見性『核武装のための原発論』」2012年7月
また、お送りした「人間学研究所年誌2015」とそこに書かれていた拙文「ネアンデルタール人などと私たち人類」も読んでいただきました。ありがとうございます。
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コメント
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とら猫イーチ様
コメントありがとうございます。
ネコの顔面が平らで、両目が顔面と平行になっっておりそれが、人間がネコに親しみを持つ理由かもしれないということ。本当におっしゃる通りですね、みんな人間に近い動物ほど親しみを持ちます。
犬は視覚より嗅覚が発達していますが、ネコは視覚の占める割合が大きいでしょうね。人間の顔を見てニャーと言ってすり寄ってくる気がします。
何か餌をとらえる時も平面の顔で立体視でよく相手をとらえて捕まえますね。犬は飛んでいる虫を捕まえるなんて言うのは無理です。
岩城先生は大学の先輩ですが、およそ大学教授だということでふんぞり返っているお方ではありません。そしていろいろ新しい分野を切り開いておられます。
岩城先生がいくつになられてもあくなき探究心を持って取り組んでおられることに、本当に心から敬意を表します。火おこしのきりもみ実験でも鳴子こけしでも、いろいろな再現実験でも、できるまでつずけられる努力は並大抵なものではありません。私も岩城先生のように年をとっても探求心を持ち続けていければいいなと思っています。
あと蛇足ながら「寄生獣」などで有名な漫画家、岩明 均氏は岩城先生の息子さんです。小さい時から岩城先生の出された本の挿絵などを任せて、才能を伸ばすように援助されました。それも大したものです。
投稿: こういち | 2016年6月11日 (土) 09時50分
こういち 様
鳴子こけし風ネコ木像ですが、猫の特徴を良く捉えておられますね。
犬と違って、猫の両目は、人間と同じく、顔面と平行になっているのが特徴ですから。
話題が逸れますが、この特徴のある動物は、人間の周囲には、あまり居ないのです。 それで、人間は、猫に親しみを持つ、と動物学者(著書も著者も忘れましたが)が書いておられるのを読んだことがありました。
何故、猫なのかも気にかかります。 作者の御宅には、飼い猫がおられるのかも知れません。
それにしても、傍論ですが、「40年前、何百回にもわたってキリモミ実験」とは、凄いです。 私なら、数回で諦めるところです。。。
投稿: とら猫イーチ | 2016年6月10日 (金) 23時42分