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2016年12月15日 (木)

『第五倫伝』、第14章、第五倫危うし、「謝夷吾、風角占候で危機を知る~ p186-189

『謝夷吾、風角占候で危機を知る』
「殿様、ご無事で」
「何とか間に合ってくれ」
向かい風の中で涙をぽろぽろ流しながら、馬を飛ばす厳八
 
 道の途中ではるか向こうから騎馬の一隊が全速力で向かってくるのを見たとき
『まだ知らせに行く前に、味方が来るわけがない」
新しい賊の一団でではないか。
厳八はもしこれが賊であるならば、殿様の命が危ない。一人で少しでも食い止めてから死のうと刀の柄に手をかけ覚悟を決めた。
 謝夷吾は山陰県の役所にいて、仕事をしていたが、西の銭糖のほうから、突然凶風がおこり窓や戸をがたがたと鳴らした。謝夷吾は一しゅんにして、第五倫の一行に危機が迫っていることを察知した。直ちに鎧を身に着けるとともに、直ちに部下に鄭弘に急を告げるように言った。
 鄭弘もすでにこのことがあるやもしれぬと待機していたのである。
直ちに大青龍刀をつかむや、部下を率い馬上になった。
「やはり、無理やりにでも私たちがついていくべきであった。何とか無事でいてほしい」
謝夷吾はつぶやく。集まったのは急なことで謝夷吾と鄭弘を含めて15名足らずであった。
「急ごう、殿が危ない」
一行は脱兎のごとく山陰県の城門から飛び出した。
 厳八は、はるか向こうから次第に近寄ってくる騎馬の一団を見て、先頭にいる長いひげを生やした見事な風貌の壮士と太った色白の人物、さらにはたくましい宋三らを見て、思わず
「よかったー」
「巨君さまー、堯卿さまー,宋三さまー」
あらん限りの大声をあげた
「ご主人様がたいへんで-す。敵はものすごい数です」
立ち止まる厳八のもとへたちまち一行が殺到する。
「やはりそうであったか」と謝夷吾
「今どちらにおられる」と鄭弘
「柯岩の石切り場のお堂にこもっておいでです」
と答えるやいなや、厳八はそのまま元の道を走り出した。
「まにあってくれ」
一同、心に祈りながら、必死に馬をとばす。
 ついに大男で怪力の趙袁が、鉄槍を小脇に階段を上がってくる。
普通の槍の柄は木製である。上にしなったり、折れたりした。鉄槍はその弱点は無いが,恐ろしく重い。ところが、軽々と趙袁が鉄槍をふるうと剣などは弾き飛ばしてしまうのである。
 趙袁は、さすがの手練れ、手下を盾とし、飛んでくる矢を打ち払いながら、石段をのっしのっしとあがってくる。ついに、堂の扉の前に立った。
 扉を開けさせると、敵は堂の中に殺到し、乱戦状態となる。そうなると趙袁は強い。傷を負っていた二人は趙袁に突き立てられ、倒された。さらに一人は鎗先で深々と切り裂かれた。
 蓬越に一人は剣で胸を刺された。そうなると矢を射ているのは第五倫だけになり、ついに第五倫も剣を抜いて戦い始めた。
 第五倫たちは壁を背にして5人がまとまって戦う。
もうすでに、5人は血まみれだ。続く戦闘で息も切れてきた。
趙袁、蓬越は強い。敵の数も多い。
趙袁は言う。「俺は牛殺しの趙袁だ、もういい加減あきらめろ」
いかつい体から大声で威圧する。
危うし、第五倫、ついにここで命を落とすのであろうか。
趙袁、鄭弘の一騎打ち
 そのとき東のほうから馬の殺到する音が響いてきた。
何だ、何だ、敵は騒ぎ始める。それは次第に強くなってきた。
「だんな様ー」
 丸い目をさらに大きく見開き、顔を真っ赤にして、大声を発しながら走る厳八が先頭にいる。その姿はたちまち大きくなり、たちまち精鋭十五人は、後ろにいる賊たちに殺到し、鄭弘らは、はじめ馬上から矢を放ち、次々に敵を打倒し始めた。
敵を手投げの爆薬で幻惑させる謝夷吾。
大青龍刀で敵を切り倒す鄭弘。ほかのものは剣や刀で敵をうちたおす。
厳八は、鞭の先に鋭い鉄のとげを植え込んだ厳八独自の武器で、馬上から打ちかかる。
「こいつめ、こいつめ」と、鞭だけでも恐ろしいのに、賊はその鋭いとげに打倒され悲鳴を上げた。
 堂の中庭には、激しい怒号と悲鳴が上がる。新手の登場にすでに疲れの出ている賊隊は倒され、動揺が走った。
 第五倫たちは
「助かった、間に合った」
「助けに来てくれたぞー』叫びあった。
第五倫たちは、さすがに、もうこれまでかと、と思っていただけに、鄭弘や謝夷吾などの声を聴き、一瞬、力が抜け崩れ落ちそうになるほど安堵した。
趙袁は、舌打ちして、
『邪魔が入ったな、まず、下の奴らを片付けよう」
階段を大股で降りていく。
 鄭弘は大青龍刀を手に、すさまじい勢いで敵をなぎ倒す。
趙袁、鄭弘、お互いに一見して、この者こそが好敵手とすぐみとめあう。
鄭弘は、
「それがしは、督郵、鄭巨君なり、降伏して直ちに、縄につけい」
大音声で呼びかける。
その有様は堂々として威に満ちたものであった。
「おう、それがしは、牛殺しの趙袁、わしの槍を受けてみよ」
たちまち、、鄭弘の大青龍刀と趙袁の鉄槍との壮絶な一騎打ちが始まる。
ガツンとぶつかる音とともに火花が散った。
激しく打ち結ぶがなかなか決着がつかない。
 蓬越の相手は謝夷吾と、宋三である。
蓬越も二人を相手に互角の戦いをしたが、さすがに疲れてきた。
残りの賊どもも新手を前にして疲労困憊してきた。弓でいられ、剣で倒されている。
 鄭弘によって鍛えられた、部下は、それぞれに手練れで、次々にそれぞれの得物で敵を打倒す。
 多くの敵が逃亡し、傷つき、死んだ。
しかし、残った趙袁さすがに強く、鄭弘に宋三が加勢してもかたがつかない。
「あっぱれなるかな趙袁、しかしこれまでだ」
第五倫は叫ぶや、剛弓を絞り狙いを定める。
わざと急所を外し腿を射抜いた。
グッと、膝をつく趙袁、、おもわず、鉄槍を取り落とす。
そこを折り重なるようにして武器を取り上げ、押さえつける。
捕まった首領を見て、蓬越や残りの手下も抵抗をやめた。
直ちに賊どもはきつく縛り上げられた。
                        p186-188
『謝夷吾、方術にて、首領趙袁を催眠し、依頼主を突き止める』
「本当によく来てくれた。今度ばかりは危なかった。一時は死を覚悟した。
それにしても、どうしてこんなに早く着いたのだ」
第五倫は、息を弾ませながら、みづからの傷の出血と返り血で赤くなった顔や服のまま訪ねた。
『謝堯卿殿の風角占候によります」
副官が答える
「そうか、素晴らしいものだな」
と、第五倫は感嘆した。
「それに厳八が急を知らせに来て、場所を教えてくれました」
と鄭弘は続けた。
第五倫は
「そなたたちはみな私たちの命の恩人である。皆が言うにもかかわらず、従わず、私の判断の誤りで、多くのものを死なせてしまった。許してくれ。傷を負ったものは早く手当てをしてやってほしい」
皆に頭を下げた。
部下たちは、残った賊たちを縛り上げた。
 堂の前の中庭で、縛り上げた趙袁に、
「お前たちに襲撃を命令させたものは誰か」
鄭弘は問い詰めた。
趙袁は、
「俺たちには俺たちの仁義がある。もうこうなれば死ぬ覚悟は出来ている。どんなことをされても、殺されても教えやしないさ。きさまたちも俺たちの仲間にそのうちに殺されるだろうよ」
 縛られながらも言いたい放題毒づいた。
「何をほざく、このやろう」
鄭弘は鞭をふるい打ち据えた。
顔や肩から血がにじんだ。
 謝夷吾は
「確かに痛めつけてもしゃべりはしないでしょう。それがしにお任せ願えないでしょうか」
と、第五倫にいう。
「よろしい、そなたに任せた」
 謝夷吾は趙袁を、お堂の中に引き入れ、方術にて首領趙袁を催眠して、簡単に依頼主の名前を突き止める。そのようなことは謝夷吾にとっては簡単なことであった。
 やはり、曹神一味の名をあげた。
 第五倫一行は、近くの役所に手配をし、けが人の手当てや死者の収容を行わせた。
第五倫は山陰県の都尉府に戻り、賊一味の討伐と逮捕を手配した。
 督郵の鄭弘や謝夷吾は武力をもって、反対勢力を徹底的に取り締まった。
曽神や悪質な巫祝をを逮捕した。裁判で死刑にし、また結託していた役人や豪族を罪に重さにより処罰した。
 役人は貧しい階層の出身者で清廉で能力のあるものに入れ替えた。
 はじめ、人々は祟りが起きるのではないかと恐れた。しかし、何事も起こらなかった。
人々は第五倫の正しさを知った。
 これ以後人々は迷信におびえなくて済むようになった。
人々は大いに喜んだ。長年の悪習が根絶されたのである。
      ~p189
次は
『謝夷吾、県長杜峻の収監を命じられる』に続く
 
 
 
 
 

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