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2017年1月 4日 (水)

クローズアップ現代、「サピエンス全史」文明の構造と人類の幸福、を取り上げる

「サピエンス全史」 について
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2017年1月4日(水)のNHKの番組「クローズアップ現代」は午後10時から25分間、放送されます。毎日新聞には、「クローズアップ現代+世界注目!人類史の本、幸せ探す250万年の旅」と紹介されています。他の新聞でも同じ紹介となっていますが、毎日新聞ではカラーの広告が出ていました。
 『人間学研究所年誌2016』14号への、ブログ筆者の応募論文(2017年3月31日発行)「どこまで人間と見るかー歴史と未来」でも、Ⅱ章、「人間を考えるための、いくつかの論考」でも、約1ページにわたって、「サピエンス全史」文明の構造と人類の幸福、と題して、紹介しています。
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 新聞の広告に「人類史の常識がいまくつがえる!、今世紀最高の必読書!」と紹介されていますが、どのように、NHkで取り上げるのか注目して、紹介したいと思います。
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1月5日の日経新聞の広告です。下段全部を使った大きな広告です。各紙誌で紹介され、いろいろな人が推薦しています。今世紀最高の必読書!とまで書いているのは果たしてどうでしょうか。
 世界200万部突破のベストセラー、と書いてあります。
 原題と著者は”SAPIENS: A Brrief History of Humankind",Yuval Noa Harari 2011
で、日本では『サピエンス全史』上下ー文明の構造と人類の幸福、著者はユヴァル・ノア・ハラリ氏となっています。2016年9月30日発行、訳者、柴田裕之、河出書房新社、1900円+税 上下とも、となっています。
 帯封に48か国で観光の世界的ベストセラー!、ジャレド・ダイアモンド(「銃、病原菌、鉄」の著者)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト)、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)、日本では、山極壽一(京都大学総長)、山形浩生(評論家)氏の推薦となっています。
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 著者のハラリ氏は、1976年生まれのイスラエル人歴史学者。オックスフォード大学で、中世史、軍事史を専攻して、博士号を取得し、現在ヘブライ大学で歴史学を教えている。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行い、多くの受講者を獲得している。(本の紹介より)
 最低限の紹介だけをしました、NHKの放送が始まりましたら、追記して紹介いたします。
「人間学研究所年誌2016」には、次のような文章を書きました。
 「サピエンス全史」文明の構造と人類の幸福
 「サピエンス全史」は、2016年9月に翻訳されたばかりの本で、多くの国でベストセラーになっている。この本を書いたハラリは、なぜホモサピエンスだけが繁栄したのか?という問いを出し、国家、貨幣、企業…虚構が文明をもたらしたという。また、そして文明は人類を幸福にしたのか?と問いかける。
 「想像上のヒエラルキー(階層性とか階級制)と差別」という章で、様々な階級と階級間の差別について書いている。またスペイン人のアステカ王国やインカ帝国への暴虐の限りを尽くした侵略の実態を書いた。これをインディオにとって、あたかも「宇宙からの侵略」のようだと書いた。
 「文明は人間を幸福にしたのか」の章で、農業革命は集団としての能力は拡大したが多くの人間にとって個人の運命はより苛酷になった。ヨーロッパ諸帝国の拡大は膨大な数のアフリカ人、アメリカ先住民、オーストラリア先住民にとっては、とても吉報とは言えなかった。人間には明らかに、権力乱用のあることに照らせば、人間は力を増すごとに幸せになれると考えるのは、あまりにも安直だろう」。
 現代世界は、歴史上はじめて全人類の基本的平等性を認めたことを誇りにしているが、実際はこれまでで、最も不平等な社会を生み出そうとしているところかもしれない。歴史を通して、上流階級はつねに底辺層よりは賢く、強く、全般的に優れていると主張してきた。~実態は優れているわけではなかった~だが、これからは新たな医学の力を借りれば、上流階級のうぬぼれも、間もなく客観的現実となるかもしれない。
 「あとがきー神になった動物」で、7万年前、ホモサピエンスはまだアフリカの片隅で生きていくのに精一杯の、取るに足らない動物だった。ところが、その後の年月に、全地球の主となり、生態系を脅かすに至った。今日、ホモサピエンスは神になる寸前で、永遠の若さばかりか、創造と破壊の神聖な能力さえ手に入れかけている。自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものはあるだろうか?という問いかけをしている。
以上は論文に書いたことです。不十分さが目立ちます。
本の概略を書きます
この本は4部に分かれている。目次を書きます。
第一部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
第2章 虚構が協力を可能にした
第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
第4章 史上最も危険な種
第二部 農業革命
第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
第6章 神話による社会の拡大
第7章 書記体系の発明
第8章 想像上のヒエラルキーと差別
第三部 人類の統一
第9章 統一へ向かう社会
第10章 最強の征服者、貨幣
第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
第12章 宗教という超人間的秩序
第13章 歴史の必然と謎めいた選択
第四部 科学革命
第14章 無知の発見と近代科学の成立
第15章 科学と帝国の融合
第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
第17章 産業の推進力
第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
第19章 文明は人間を幸福にしたのか
第20章 超ホモサピエンスの次代
あとがきー神になった動物
NHKのクローズアップ現代での紹介
オバマ大統領が夢中で読んだという。世界中でのベストセラー。
池上 彰氏がこの本の内容を解説する
認知革命
 ネアンデルタール人などに比べ、成功の秘訣は何か。ホモ・サピエンスの言語を話す能力が重要、また神や国民や法人といったフィクションを信じる力そして、集団力が存続繁栄させてきた。会社とは、お金とは、実体は?
 ラスコーの洞くつ壁画ーバイソンに殺されているところだという鳥のような頭の人間-この世からあの世に行く旅を描いているのかもしれない。
狩猟採集民は豊かな暮らしをしていた。(健康に良く多様な食物、比較的短い労働時間、感染症の少なさ)。それに比べて生産力が上がっている大部分の現代の人々は幸せな暮らしをしていない。
 人類は拡大を続け、多くの種を絶滅してきた。
-文明の発展は人類を幸福にするとは限らない。
今までの歴史、歴史上の出来事、人物にのみ関心を持ってきた。幸せということに注目してきた歴史は少ない。
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農業革命
 農業革命が起きた。そのことにより生産力は飛躍的に上がったが、一人一人は昔より長い時間をはたらかなければならなくなった。少数の者に富が集中する。
食料の増加はより良い食生活やより長い休暇に結びつかなかった。むしろ人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。平均的な農耕民は平均的な狩猟採集民より、苦労して働いたのに、見返り得られる食べ物は劣っていた。農業革命は史上最大のサギだったのだ。-小麦に人間が家畜化された。
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農業の発展により、富の蓄積や、様々な差別や格差の発生した。
差別や格差は虚構に根差している。
現代社会は個人の幸せには目を向けず、国家や権力にだけ注目してきた。
歴史も個人の幸せに注目してこなかった。
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人類の統一
 神話と虚構のおかげで、人々はほとんど誕生の瞬間から、特定の方法で考え、特定の
標準に従って行動し、特定のものを望み特定の規則を守ることを習慣づけられた。こうして人工的な本能のネットワークのことを「文化」という。
 歴史は統一に向かって進み続ける。グローバル化。しかし資本主義の発展により、一人一人は不幸になってきた。
 帝国の誕生。今後は歴史を個人の幸せから見ていくことが事が、重要であると、ハラリ氏は主張する。
2014年は区切りの年、いろいろな矛盾が激しくなる年。グローバル化、と格差の拡大。
トランプ大統領の登場。アメリカが世界のリーダーである時代の終焉。資本主義は限界なのか。
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フィクションは人間を発展させる一方でその考え方にとらわれてしまう恐れもある。
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今起きている、様々な矛盾。人口減少、低成長、j格差などが生じている。資本主義の行き詰まり、限界が生じてきている。
それを克服するための、新たなイノベーションが必要。
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科学革命
 
15章 科学と帝国の結合
 クックの遠征、壊血病への対策法発見 クックの遠征の後100年間でオーストラリアとニュージーランドの肥沃な土地が原住民から奪われた。先住民の人口は最大で9割が失われた。生き残った人々も過酷な人種的迫害にさらされた。タスマニアのアボリジニは絶滅。
 宇宙からの侵略のようなースペイン人によるアステカ帝国とインカ帝国の侵略
 産業革命によって、人類は、おおむね周囲の生態系に依存しなくて済むようになった。
全人類の総重量はおよそ3億トン、家畜の総重量は7億トン、残存する大型の野生動物の総重量は1億トンに過ぎない。
 家族とコミュニティの崩壊
近代以前の相関関係-、弱い国家と市場、強い家族とコミュニティ、弱い個人
近代の相関関係ー、強い国家と強い個人、弱い家族とコミュニティ
第19章 文明は人々を幸福にしたのか
 近代のサピエンスが得意になれるのは実験台になったサルや乳牛、ベルトコンベヤーに載せられたひよこの犠牲の上にきづかれたものだ。人類の幸せだけを考慮するすることも誤りだろう。
 幸福度を測るーより豊かで健康になれば人々はより幸せになるはずだと。
富は幸福をもたらすが一定の水準まででそこを超えると富はほとんど意味を持たなくなる。
家族やコミュニティは、富や健康よりも幸福感に大きな影響を及ぼすようだ。よいコミュニティと良い家族を持つ人たちは、家庭が崩壊し、コミュニティの1員にもなれない人よりははるかに幸せだという。-過去2世紀の物質面の劇的な状況改善は、家族やコミュニティの崩壊により相殺されてしまった可能性がある。
 核兵器により超大国間の戦争は集団自殺に等しいものになり、武力による世界征服をもくろむことは不可能になった。
 私たちの未来はどうなるのか。いま科学革命が起きつつあるし、今後さらに必要である。
はたして文明は人間を幸福にしたのかという問いかけ。
 現代世界は、歴史上初めて全人類の基本的平等性を認めたことを誇りにしているが、これまでで最も不平等な社会を生み出そうとしているところなのかもしれない。上流階級はつねに底辺層より賢く強く、全般的に優れていると主張してきた。彼らは自分を欺いてきたが新たな医学の力を借りれば、上流階級のうぬぼれも、おそらく客観事実となるかもしれない。
 今後、1,2世紀のうちに人類は姿を消すと思います。ネアンデルタール人のように絶滅するという意味ではない。人工知能-AIなど、科学の発達が加速度的に進み、いわば超ホモ・サピエンスが生まれてくるのではないか。あるいはターミネーターのいる世界など。コントロールできない社会になるかもしれない。(シンギュラリティなど)
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幸福を探す人類史の旅。
そして幸せな道に進む賢い選択をする必要がある。人類の欲望をコントロールできるのかという問題。いろいろな諸問題の解決、そのためには科学と政治の協力が必要である。
以上がクローズアップ現代の概略です。
あとがき
 今日、ホモ・サピエンスは、神になる寸前で、永遠の若さばかりか、創造と破壊の神聖な能力さえ手に入れかけている。
 不幸にも、サピエンスの地球支配はこれまで、私たちが誇れるようなものをほとんど生み出していない。私たちは環境を征服し、~、だが世の中の苦しみの量を減らしたのだろうか?人間の力は再三にわたって大幅に増したが、個々のサピエンスの幸福は必ずしも増大しなかったし、他の動物たちにはたいてい甚大な災禍を招いた。
 私たちは、かってなかったほど強力だが、それほどの力を何に使えばいいかは、ほとんど見当がつかない。~
 自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?
 これが最後に著者が言いたいことなのだ。
訳者あとがき
 アフリカ大陸の片隅で捕食者を恐れてほそぼそと暮らしていたとるに足らない動物がこの21世紀までたどってきた道のりを振り返り、将来を見据える。
 それは、多数の見知らぬものどうしが協力し、柔軟に物事に対処する能力をサピエンスだけが身に着けたからだ、と著者はいう。
 貨幣と帝国と宗教(イデオロギー)という3つの普遍的秩序だった。貨幣は人類の寛容性の極みでもある。
 著者は時とともにすべて悪くなる一方などという極端な見方はとらない。
 他の生物や個人の幸せや苦しみにどのような影響を与えてきたか、ほとんど顧みてこられなかった。人類の歴史理解にとって最大の欠落で、この欠落を埋める努力を始めるべきだ。
ブログ筆者のコメント
◎ 幸福の増大と、苦しみを減らす、という観点で書いた、人類の過去現在、未来を書いた壮大な歴史である。今までの歴史を見ると、人々ー人類のためと称しながら、実際には支配階級のための歴史であった。
 かつて、マルクス、エンゲルスの社会主義、共産主義の夢は、スターリンや毛沢東、ポルポトなどにより、無残に打ち砕かれた。現在の世界はグローバル化が進み、北朝鮮や一部のイスラム国を除けば、マグドナルドやケンタッキーやコンビニ店などが世界的に進出している。こういう国にはアメリカは戦争を仕掛けない。大々的な戦争が起きた20世紀に比べいくらかよくなったともいえる。しかし、グローバル化は進み、人口減少、低成長、格差の増大は先進資本主義国共通の悩みである。多国籍企業は利益追求を推し進め一般の人々の幸福の増大などは眼中にない。政治は多国籍企業などに有利に行われる。しかし格差の増大は多国籍企業の発展にも限界を生じさせる。
 このような世界的な風潮の中で、これらの世の中の実態をつかみ、一般庶民のための幸福を増大させるために、何らかの動きをしなければならない。すでに、その動きは出ている。例えば現在の日本の選挙制度は不十分ではあるが、やりようによっては変革可能である。人々の多くが幸せになるために、政治を変えることが大事である。そのための議論が十分に高まることを期待したい。
 人間の=一般庶民の幸福の増大と、苦しみを減らすにはどうしたらよいかということである。政治の仕組みの問題もあるが、その政治を行う人間がどのような政治を行うかということである。中国の後漢の時代、そのはじめ建武・永平の治といわれる優れた政治の時代があった。中国では政治が乱れると、人が人を食べるという悲惨なことが起きたが、光武帝、明帝、和帝の時代には80数年そういう悲惨なことが起きず、人口も急速に増えていきました。それは、「元元を主とする」=庶民が最も大切であるという光武帝の考えと、その考えを受け継いだ歴代皇帝、そして第五倫のような優れた政治家が政治をおこなったからである。皇帝独裁という政治体制でも善政は可能なのである。
 現代の政治の仕組みの多くは建前として民主主義に基づいたものとなっているが、実際には、現代資本主義社会を動かしている支配層が支配している。いまのままでは、幸福の増大と、苦しみの減少より、さらに大企業と大資本家の富を増やすための政治が行われるであろう。そうなれば、科学と技術の進歩は”人間”に破滅的な事態を引き起こすであろう。もうすでに表れているが人工知能(AI)やロボットが人間に置き換わり、一部の大資本家と技術者だけで、あとは人間のいない世界になってしまうかもしれない。もうすでに、仕事の多くが人間から変わりつつあるのである。
 一般の人々の幸福の増大と、苦しみを実際に減らすにはどうしたらいいかを、原点に立ち返って現代の政治の現状について個々に見直してみることでしょう。
 

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