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2017年8月21日 (月)

総合人間学会の学会誌とニュースレターが送られてきました。経過と現状

 2017年8月、総合人間学会の学会誌(総合人間学11)とニュースレターNo32が送られてきました。2017年6月10日(土)に、学習院大学で総会が開かれました。
 総会では二期4年間務められた堀尾輝久会長が退任され(理事は継続)、尾関周二氏が4代目の会長となりました。総合人間学会の初代会長は憲法学者の小林直樹氏、二代目は哺乳類学者の小原秀雄氏でした。
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総合人間学11.今回から学文社からハーベスト社に変え。論文は電子ジャーナル版に変え費用を削減しました。
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裏面、1600円+税
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総合人間学会、ニュースレター32号。
総合人間学会について
 
 ブログ筆者は、総合人間学会の前身である総合人間学研究会(2002年11月設立)の事務局長であり、事務局は人間学研究所と同じ、第2佐竹ビル2階を使っていました。新たに長野敬氏や佐藤節子氏が参加された。総合人間学研究会では多くの方に発起人のお願いをし146名になった。その後総合人間学研究会は2006年総合人間学会となりました。筆者は総合人間学会の呼びかけ人にもなりました。また運営委員、事務局次長となりました。明治大学で行われた設立総会と記念講演には300人ほどが集まりました。学会員も300人ほどで最大でした。2008年11月には270名であった。
 ところが記念に出された、「シリーズ総合人間学」(全3巻学文社)の投稿論文をめぐって、トラブルがあり筆者の書いた2つの論文のうち1つしか掲載されませんでした。小林氏と小原氏は相談して私の論文を掲載しないと決めたそうです。ところがそのことを私に話しませんでした。小林氏は身内の病気のため忘れてしまったと言い訳しました。2つの論文のうちうち一つは柴田先生のほうで掲載してくれました。そのようなことがあり、任期途中で役員を辞めました。事情を知る岩田氏は今回はやめることを引き留めないとおっしゃいました。
 掲載されなかった論文は「人間学研究所年誌2006」に「人間学ノート」として掲載されました。
 しばらくした後に、途中で総合人間学会の監査役になってほしいという要請があり、学会で講演するとともに監査役となりましたが、学会で講演した内容をまとめた論文を、査読で却下され、それが納得できず1期で辞めました。監査になるのはいいが理事会にも参加させてほしいと言いましたが1度も理事会に呼ばれませんでした。掲載されなかった論文はそのまま「人間学研究所年誌2012」に「人間学研究会人間学研究所の歴史」として掲載してもらいました。
 小林氏は筆者がけなげにも人間学の事をやっていると言いました。小林氏から見ると民間の研究者などけなげな、という感じでしょう。ただこと人間学論、人間学史に関していえば学生の頃よりずっと研究を続け、第一人者と自負しています。小林氏も憲法学ではなく人間学については、筆者のほうが長く深く研究していると思っています。
 詳しくは筆者の書いた「人間学研究所年誌2007」人間学のあゆみ(一)と「人間学研究所年誌2008」人間学研究所のあゆみ(二)をご覧ください。
 
 初代会長の小林直樹氏と二代目の会長小原秀雄は、政治的なことにはかかわらないという主義でした。総会の席で鎮目奏夫氏はそのことを批判し辞めました。それからいろいろな理由があるでしょうが次々と有力な会員が辞めていきました。会員数も2014年には244名、2017年には入会員と退会数が同数で219名でした。
 (現在の名簿では発起人が30名です(筆者も発起人です)、他に発起人で顧問の人が13名です)
 ずっと前から人間学研究会、研究所の有力会員である岩城正夫氏(原始技術史)が、会の中で嫌なことがあったと辞めていきました。筆者の面識のある人では高橋哲哉東大教授、菅野盾樹大阪大名誉教授(哲学的人間学)、渋谷治美埼玉大教授(総合人間学)、池内 了名古屋大名誉教授などであり、忙しくてやめられたのか、大石芳野氏(写真家)、山極寿一(京大総長)、長野敬氏(科学史)なども辞められています。
 参考までに総合人間学会では、現在も役員、顧問となっている人間学研究所の方が5名います。顧問となっている、柴田義松氏、小原秀雄氏、理事の岩田好宏氏、宮坂しゅう子氏、森岡修一氏です。総合人間学会と人間学研究所両方に入っている人は全部で12名です。
 小林直樹氏は東大法学部名誉教授であり、小原秀雄氏も何かと小林氏は東大法学部だからねと言っていました。小林直樹氏は法学だけでなく、人間とは何かということで本格的な追及をされ、その熱意には敬意を表します。ところが小林氏は純粋にマックス・シェーラーらの哲学的人間学の系譜にあり、筆者の立場での、戸坂潤らの唯物論を基にした哲学的人間学批判の立場、と相容れないことになります。また山本宣治らの小泉丹、丘浅次郎らの進化論的・生物学的人間学批判は小原秀雄氏の生物学的人間学と相容れません。
 小林氏はどうして筆者がそういう考えになるのだろう。小林氏は小林氏の本を読めばそんな考えになるはずがないのにと言っていました。本を読んでいないのではなく読んで立場の違いを確信しているのです。結局小林、小原氏二人で相談して論文をボツにしたのですが、理論的に違うからと云えず、親戚の病気でうっかりしたとか、別の理由にしていました。
 

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人間学について」カテゴリの記事

コメント

イチロウ様

 非常にわかりやすく説明されている、大阪府立大の青野靖之潤教授の文章教えていただいてありがとございます。大変簡明にわかりやすく書いてりますね。

 いずれにしても気温の高い時期は温暖期として好ましい時期とし、寒冷期は戦乱と飢饉の時代だと言っています。今年の8月が冷夏で長雨が続くとてき面に野菜等が値上がりし、観光などが打撃を受けます。今後の世界的な寒冷化が心配です。

 私のブログでも教えていただいた文章を紹介させていただきます。

こういち 様

大学人でも、温暖化馬鹿ばかりでは無く、優れた研究をされておられる方もおられます。 東大ではありませんが、大阪府立大学の青野靖之准教授は、海外でも紹介されることがあります処の古気候(京都を例に)を桜の開花で推定する論文を書かれておられます。 

下に引きました小論をお読みになると、温暖化論者とは一味違った科学者の有り様が分かります。

生態気象学研究グループ 大阪府立大学 緑地研究科学類
大気環境学研究グループ・青野靖之(准教授) これまでの気候の移り変わり(第四版)
http://atmenv.envi.osakafu-u.ac.jp/aono/clihis/

イチロウ様

 コメントありがとうございます。

 日本の大学人は在野の学者に横柄な態度で接する人が多数います。。。
 本当にそうですね。私の場合も査読とやらで自分の無知を棚に上げてそんなことは聞いたことがないと言って、論文を否定されました。
 自分の専門だけには詳しくとも幅広い問題点を掘り下げることはできません。だから特に文科系の学会誌などにのる論文は多くが面白くもなんともありません。
 地球温暖化の実相を理解せずに経済学の観点のみを主張される単純馬鹿。。。
 こういう人が多いですよね。温暖化と騒ぎ立てて莫大な研究費をもらう連中には腹が立ちます。。。
 今年の夏が低温と日照不足で経済に打撃です。温暖化よりももろに甚大な被害が出ますね。
 

こういち 様 

日本の大学人は、大半が横のものを縦にするしか能が無いのに、在野の学者には、横柄な態度で接する人が多数居ます。 

在野の学者の方が南方熊楠のようにスケールが大きい人が居るのに、その反対はありません。 仮に居れば、米国等へ逃げます。 

東大等は、その設立経過からして「官僚」養成学校に過ぎません。 その「官僚」の出来の悪さは、モリやカケの事件を観れば良く分かります。 

実は、私も、ある学会と研究会や、自然保護団体等に所属していましたが、殆ど辞めました。 

自然保護団体等でも、所謂学者が大きな顔をして己の意見を通すので阿保らしくなりましたから。 

例えば、ある研究会で環境経済学者が環境税の導入を主張する講演をされた時に、皮肉では無く、現環境省の省益の主張に過ぎない旨を述べたのですが、当の環境経済学者は、環境省の実像を知りませんでした。 地球温暖化論の実相も理解せずに、経済学の観点のみを主張される単純馬鹿でしたので呆れました。 そんな阿保に運動方針を左右される当該団体には縁切りをしたのは言うまでもありません。 

環境問題を語るなら、横のものを読む前に、足尾鉱毒事件を研究し、田中正造全集を読めと言いたいです。

動物保護団体でも同様でした。 ある保護団体は、ふとした機会に安楽死をしていることを知り、辞めました。 動物保護を看板にしているくせに、保護した筈の動物を殺すとは、許せないのです。 これぞ正しく矛盾ですが、実際にあることです。 騙されて寄附等をしている人も多数いるようで許せません。

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