「知ってはいけない」隠された日本支配の構造。日本を動かし危うくする「9つの掟」とは
この本は、大体そうだろうと、薄々感じていたことを、はっきりと私たちに教えてくれる本です。しかし人によっては本当にこんなことがあるのかとびっくりするでしょう。
本の帯封にこの本のポイントが示されています。
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隠された日本支配の構造
この国を動かす「本当のルール」とは?
私たちの未来を危うくする「9つの掟」の正体
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裏表紙の帯封には
なぜ日本は米国の意向を「拒否」できないのか?
官邸とエリート官僚が国民に知られたくない最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」とは?
3分でわかる日本の深層!
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筆者の矢部宏治氏は1960年兵庫県生まれ、慶大卒、博報堂を経て1987年より書籍情報社代表。著書多数。
「知ってはいけない」は講談社現代新書。840円+税。2017年8月20日第1刷。10月24日に第8刷。6万部突破となって多く読まれている本です。
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その「9つの掟とは」そのまま「本書のおもな内容」になっています。
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◎初めに13ページに、「本書の内容をひとりでも多くの方に知っていただくため、漫画家の、ぼうごなつこさんにお願いして、各章のまとめを扉ページのウラに4コマ漫画として描いてもらいました。商業目的以外でのこのマンガの使用・拡散は、次のサイトから自由に行ってください。(ということなので、写真を載せさせていただきました。)
このブログに興味をお持ちになった方は、ぜひ直接本をお読みください。
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はじめに
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日本の首都・東京が、実は沖縄と並ぶほど米軍支配の激しい、世界でも例のない場所だということ。広大な米軍の横田空域。日本を普通の独立国と呼ぶことはできないでしょう。
日米安全保障条約を結んでいる以上、日本政府の独自の政策判断で、アメリカ側の基地提供要求に「NO]ということはできない。
北方領土の交渉に、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない。
こんな条件をロシアがのむはずがありません
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◎アメリカの意向に逆らった田中角栄首相や、鳩山由紀夫首相は失脚する羽目になる
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日米両政府ではなく、米軍と日本のエリート官僚の間で直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。
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第1章 日本の空は、すべて米軍に支配されている
もともと米軍機は日本の上空において、どれだけ危険な飛行をしてもいい、それは合法
首都圏の横に広がる横田空域。
東京都心部(23区内)の「横田空域」の境界線は世田谷、中野区、杉並区
今回来日したアメリカ大統領のトランプ氏は歴代大統領で初めて「横田空域」を通って日本に入国した。そして米軍の歓迎を受けそのままヘリコプターで埼玉県の霞が関ゴルフ場へ。
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第2章 日本の国土は、すべて米軍の治外法権化にある
米軍基地内ではなく、日本全部が治外法権なのです
それはこの密約があるからです!日本の警察は基地の外であっても米軍の財産については捜査しない(1953年の密約)
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第3章 日本に国境はない
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憲法第9条の下で私たち日本人は、世界1戦争をよくする米軍に対して
「国内に自由に基地を置く権利」とそこから飛び立って自由に国境を越えて他国を攻撃する権利を与えてしまっている
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日本の首都圏には横田、座間、厚木、横須賀と沖縄並みの巨大な米軍基地が、首都圏東京を取り囲むように4つも存在しています。
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第4章 国のトップは「米軍+官僚」である
上図
横田基地から軍用ヘリで―毎月2度の楽しい会議~、日米合同委員会
六本木のヘリポート→そして車で5分の南麻布の米軍センター
アメリカの外交官でさえ激怒した日米合同委員会。日本人も本当はもっと怒ってもいいんですよ。
アメリカへの従属というよりも、それは「米軍への従属」であり、法的にがっちり抑え込まれている。
日本という「半分主権国家」
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第5章 国家は密約と裏マニュアルで運営する
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第6章 政府は憲法にしばられない
砂川判決ー安保条約は日本国憲法の上位にある。-判決として確定
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第7章 重要な文章は、最初すべて英文で作成する
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軍隊の指揮権をあらかじめ他国が持っているとなると、これは何の言い訳もできない完全な「属国」なのですので、絶対に公表できない。
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第8章 自衛隊は米軍の指揮の下で戦う
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第9章 アメリカは「国」ではなく、「国連」である
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◎アメリカ大統領が日本に来た時の安倍首相の態度に宗主国アメリカに対する卑屈な態度がよく表れています。
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あとがき
米軍は
1、日本の国土を自由に軍事利用できる権利
2、戦時には自衛隊を自由に指揮できる権利
それを支えているのが聖域化された
3、日米合同委員会
4、最高裁(砂川判決)
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最後に
遠く離れた場所(沖縄、福島、自衛隊の最前線)で大きな矛盾に苦しむ人たちの声に真摯に耳を傾け、あくまで事実に基づいて(第7章)、根本的な議論を行う時が来ていると私は考えます。
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11月13日追記
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日本やアメリカにとって北朝鮮がミサイルなどで騒いでくれることは大歓迎です。自民党は北朝鮮のおかげで圧倒的第1党を維持しました。アメリカとトランプ大統領は日本や韓国に大量の武器を売り込むことに成功しました。
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在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)は2016年、7612億円で、2016年から2020年まで5年で平均、年9465億円。それに対して、2014年の韓国は1012億、2013年のドイツは563億です。
日米地位協定は植民地時代の地位協定そのものです。
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アメリカの軍需産業ボーイング(10兆2215億円)、ユナイテッドテクノロジー、ロッキード、マーチン、ノースロップグラマンなど
日本の三菱重工は世界25位です。
アメリカの防衛費は45兆6000億円。
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コメント
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iイチロウ様
コメントありがとうございます。
国際情勢の変化によりドイツと日本のちがいが大きく出ましたね。東条内閣の商工大臣であった岸が戦犯とならず総理大臣となりその孫の安倍が首相となり大きな顔をしています。ドイツでは考えられないことです。ゲッペルスの孫が首相になるようなものですから。
おっしゃる通り昭和天皇とマッカーサー元帥と二人がならんだ写真こそ、日本の置かれた立場を国民の目に焼き付けたものはないでしょうね。
投稿: こういち | 2017年11月13日 (月) 06時30分
第二次大戦における枢軸三国の終戦の在り方に依って、夫々が辿った道に相違が出来たのでしょう。
ドイツは、東西に分断されましたが、戦後処理は相当に厳しく、また、国内が戦場になり、ナチスが一掃され、戦犯裁判も厳しく戦時体制が悉く崩壊の憂き目に遭いました。 また、国民が国内での戦闘を教訓にナチスを一掃するべく立ち上がりました。
処が、僅かの時間差で、この国の支配層は、東西冷戦の狭間に在って己の存在価値を戦勝国、特に米国に対して訴えることに成功し、戦犯の追及をも逃れて戦後も尚、国家の要職に止まることになった訳です。
ドイツとは相違して、敗戦後にも、その地位に止まり得、戦犯の責を逃れた人が多数に上ります。 これこそ米ソ対立の狭間にあった故の事象であり、米ソ対立の象徴と思われます。 それは、戦後のGHQが辿った経過を調べると、その証明を得ることが可能です。
更に、現在の米軍をこの国の最上位に崇める権威のあり処は、戦後のマッカーサー将軍の権威に辿り着くことでしょう。
即ち、マッカーサー将軍を新しい天皇のようにした例の写真を眺めますと、この写真を見た当時の日本人一般が将軍を天皇よりも上位に君臨する者と理解したのが納得出来ます。 それは、今日でも同様なのでしょう。 何とも情けないことです。
Emperor Hirohito and General MacArthur meeting for the first time, 1945 Rare Historical Photos
https://rarehistoricalphotos.com/hirohito-macarthur-1945/
投稿: イチロウ | 2017年11月12日 (日) 20時52分