外国人労働者の受け入れ拡大について。政府方針。新大久保は将来の姿先取り。人手不足は少子化対策で。改正入管法成立。
悪政による少子化を外国人労働者の移入で解消目指す安倍政府
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2018年11月2日、外国人労働者の労働者受け入れを拡大するという方向で、「出入国管理及び難民認定法」の改正案を閣議決定しました。これについては自民党議員からも、問題だとして反対論が出たそうです。この案は国会に提出され、来年4月に施行を目指します。
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これに伴って、今までの法務省入局管理局を、法務省出入国在留管理庁を新設して、昇格させるとのことです。
従来は、1、高度専門職、2、投資経営査証、3、技術~査証、4、留学生、の入国を認めてきましたが、単純労働者の入国を認めてきませんでした。
しかし、日系3世のブラジルやペルーまで、入国を認めるなど少しづつ拡大してきました。
また、技能実習生、留学生の名目で働くのを認め、都会のコンビニなどでは多くの留学生が働いています。政府はこれらの外国人は移民とは異なるものだといいます。
しかし現実には新しい制度を始める前から、外国人労働者があふれているのが現状です。その極端な形で表れているのが、ブログ筆者が住んでいる、新宿区の大久保・百人町地域です。
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今度の改定で、今まで禁止されていた単純労働分野、農業など14業種でも日本で働くことが可能になります。農業などの人手不足は深刻な状態で、そこからの要請が強く求められているのです。
今国会でこの法律について論議されています。各野党や連合などは各野党や日本人労働者の職が失われると反対しています。また受け入れ態勢が十分でないと入国した労働者に対する搾取や劣悪な労働環境の問題などが進むとも心配されています。
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政府では新設するものとして
1、特定技能1号 5年まで
2、特定技能2号 年数制限なし、家族の帯同可
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現在の、外国人技能実習生では、様々な点が問題になっています。技能実習生に対する長時間労働や賃金未払いは常習化しています。厚労省の昨年の調査で、5966事業所のうち、7割の事業所で労働基準関係法令違反が確認されました。
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安倍首相は少子化対策を行い、子供を安倍首相は一時期のフランスのように増やそうとはしません。はなから、少子化は仕方のないこととして、外国人労働者を増やし、一方定年を伸ばして、もっと働かせようとするだけです。
このままでは「未来の年表」講談社現代新書にあるように、2115年には、国立社会保障・人口問題研究所によれば、人口は5056万人になり、さらにもっと減少することになります。
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政府ではまもなく国会の審議入りし、今国会の会期中に通す予定です。
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2018年11月18日(日)追記
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日経新聞11月18日の5面トップの記事では。記事の見出しとして。
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実習生失踪「低賃金で」67%。月10万円以下過半。「安価な労働力」扱い鮮明
とあります。
技能実習生の失踪は昨年が7089人、今年に入ってからは6月までで4279人となっている。
14業種のうち多くが技能実習生からの移行を期待している。それだけに賃金水準などの課題は外国人の受け入れを揺るがしかねない。
韓国では外国人労働者に対しては韓国人と同様にするように徹底している。
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11月28日
・衆議院ではこの法案を自民党、公明党、維新で、ほかの野党の反対を押し切り、押し通しました。なにがなんでもこの法案を通すつもりです。
新大久保の街に外国人があふれているのは身に染みてわかります。
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外国人労働者がいかに多いかを身にしみてわかるのは、ブログ筆者である。何せ新宿区百人町に生まれ育ち、長年、その地で東京ガスの委託店を経営し、現在では、3つの自社ビルにいろいろな国の人々にテナントとして借りてもらっているのです。また、大久保の町の歴史をいろいろ興味を持って調べているのです。その結果は、いままで、「こういちの人間学ブログ」にも内容はいろいろ書いてきました。
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筆者の現役時代は、新大久保の百人町1丁目でエネスタやライフバルといった、東京ガスの委託店をやっていました。中国人、韓国人のお客が多いので、中国人や、韓国人の女子事務員に入ってもらいました。中国人でガス工事をしてもらう人も、ともに正式な勤労ビザを取得してもらいました。チュニジア人の、ウマリさんには倉庫管理をしてもらいました。奥さんは日本人で、後の時間はフランス語の先生もしていました。みんなまじめないい人たちばかりでした。
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新宿区の外国人
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新宿区2000年ごろから外国人が増えてきたが、そんなに極端ではなかった。
増えたり、減ったりの変化はありましたが・・・
2018年(平成30年)現在、どのくらいの外国人が新宿に住んでいるでしょうか。
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平成30年11月1日の新宿区の人口
日本人 303,285人
外国人 43,690人
正式に登録している外国人です。このほかに観光ビザで3か月ごとに来て働く韓国人
がたくさんいます。これは数字に入っていません。(今から10数年前に国勢調査の調
査員を何回かやりました。日本人は百人町1丁目3番地あたりの調査地区でその当時
3割ほどでした。おそらくは今はもっと少ないでしょう。)
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生産年齢 世帯
日本人 20,8万人 18,5万
外国人 4万人 3,5万
国別
中 国 14492人
韓 国 10330人
ネパール 3673人
ベトナム 3670人
ミャンマー 2213人
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136国の外国人が登録しています。ほかに、観光ビザで来ている人、ほかから来て いる人などで町は外国人でいっぱい。ただ、中国人や韓国人は見分けしにくいです。
まったく、街を歩くと世界中の人がいる感じです。
大久保小学校での外国人比率は
さらに上がっているでしょう。
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新宿区大久保1丁目
全部 4402人
外国人 1703人 33,7%
新宿区百人町1丁目
全部 4443人
外国人 1495人 33,6%
(ほかに観光ビザで働きに来ている人、多数)
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◎大久保1丁目における、20歳の人口比率-なんと。
外国人 87%
(この他に観光ビザで来ている韓国人あり、
大久保1丁目に住んでいる20歳の日本人は
絶滅危惧種?
町を歩いている若者は大久保以外の人たち
コンビニで働いている人たちはほとんど外国人)
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「コンビニ外国人」
芹澤健介 新潮選書 2018年5月 760円プラス税
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移民不可にもかかわらず世界第5位の「外国人労働者流入国」に日本がなったからくりとは。
ベトナム人留学生のアイン君は、東京大学の大学院に行っている。そしてコンビニでアルバイトをしている。彼が言うには。
「いま日本には外国人が増えて困るという人もいますが、東京オリンピックが終わったら、日本は不景気になります。日銀の超低利金利政策も終わります。それで外国人もどんどん減っていくと思います。」と言っています。
日本には日本語学校が643校を数え、この5年間で200校増えた。高田馬場、新大久保周辺には驚くほどの日本語学校があり、みんなアルバイトで働いている。
いま中国の教育レベルは驚極めて高く、もうすぐ日本は抜かれる。
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安易な外国人労働者の受け入れは、日本人労働者の低賃金をもたらすだけ。
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アメリカにメキシコ国境を越えて、中南米諸国から難民申請をして、アメリカに移住したいと多くの人々が押し寄せてきます。アメリカの白人労働者とくに、ブルーカラーは、低賃金でも働く、中南米由来の労働者に仕事を奪われています。特に不法移民の人たちは極めて低い賃金でも働きます。中小零細の経営者は、大会社の搾取がひどく、低賃金の不法移民は歓迎なのです。
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共和党のトランプ大統領の誕生はそういう白人労働者層の不満を背景にしています。また寂れ果てた鉄鋼ベルト地帯や石炭産業などの労働者もトランプ支持となります。グローバル化した世界で驚くような利益を上げている超巨大企業は、おおむね民主党支持です。
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日本では巨大企業がさらに集合してさらに超巨大企業となり、一般庶民との乖離がはなはだしくなっています。日本の場合は自民党支持です。
日本政府は、今後起きてくる急激な少子高齢化に何度も言うように、福祉を充実して子どもの出生数を増やそうとはしません。これは時間がかかります。今後の労働者不足にてっとりばやい実質的な移民と、高齢者を働かせようとするのです。そして企業は政府に外国労働者の受け入れ拡大を要請しました。
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もうすでに、日本は世界第5位の外国人労働者流入大国なのですが、今度の政策で、さらに外国人を安易に入れたら、様々な問題が噴出します。
日本では外国人修習生に対して、極めて低賃金で働かせたり、いろいろな違法労働が横行しています。それらをきちんとそういうことが起きないような対策を取らなければなりません。
このままでは、低賃金で働かせるのが常態となり、日本人労働者の賃金まで下げられる可能性があります。大企業は下請けの下請けのような零細企業の低賃金で利益を得ているのです。
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日本も移民を思い切って入れて、、外国人と結婚する人も増やしていったらよいと思います。
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しかしながら長い目で見て、思い切って移民を増やして、人口を増やすのも大事かもしれません。今度のことは移民政策ではないと自民党では盛んに言い訳をしていますが。
しかしもともと日本人は、南は東南アジアも人たち、西の各種中国人や北はツングース、アイヌ、モンゴルなどの多くの混血で成り立っています。
思い切って外国人の移入を進めたらどうでしょうか。最近ではスポーツの世界などでは混血した人たちが優れた成績を上げています。テニスや野球、陸上、相撲とうとういろいろです。いろいろな国々の人たちと家族を作り世界が平和になるようになったら良いと思いますがどうでしょうか。
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2018年11月13日、入管法改正案が審議入りしました。
毎日新聞では1面トップの扱いです。2,3,5、社会面に記事が載っています。
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2018年12月2日 追記
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毎日新聞、12月2日の朝刊2面の「時代の風」欄に、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏の文章、「入管法改正の愚策」、「人手不足は少子化対策で」は、全くその通りだと思いました。
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今年6月末には日本の在留外国人は264万人。過去5年半で60万人増えている。あと35万人ぐらいの増加で人手不足が解消するはずがない。
人手不足の原因はアベノミクスの成功でなく極端な少子化だ。
入管法改正は”百害あって10利程度しかない”
島根県では共働き家庭の子育て支援が充実し25~39歳の女性の就業率は47都道府県で1位。膨大な社会的コストを払って外国人を増やすより、若い女性の活躍する場を広げるほうがはるかに効果的・効率的である。
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都会の企業の就労条件と子育て支援状況を島根県程度に改善すればよい。
これと逆行する話が、今年4月の診療報酬の改定での、妊婦の医療費の自己負担分の加算である。軽減税率より妊婦の負担軽減に回すべきではないか。法人税率を上げて妊娠中の女性の医療費を完全無料化するほうが少子化を防いで、結局企業のためにもなる。
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憲法への自衛隊の明記より、少子化対策こそが危急の事案だとわからないすべての人々に、どうか”頭の洗濯”を願うものである。
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◎まったく、その通りです。
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12月8日未明の参院で、改正入管法が成立しました。
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毎日新聞では1面に大きく掲載し、関連記事も7ページにわたって書いています。
政府としては産業界の強い要請のもと、何が何でも法案を通したかったのでしょう。
一方、日経新聞では、1面にほんの僅か、後関連記事も少しという具合で、産業界の要望がいかに強いかを示します。
毎日新聞12月8日朝刊1面
毎日新聞29面 日本で働く外国人は
日経新聞朝刊1面
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コメント
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イチロウ様
コメントありがとうございます。
アメリカもヨーロッパも多様な人々を受け入れ、いろいろ素晴らしい伸びをしていますね。日本も外国人の移民の良いところを受け入れるといいと思います。
リタ-オラやという女性の歌を聞きました。中南米系の人ですね。魅力的な素晴らしい曲ですね。曲の視聴数が、2,4億回というのは驚きです。
投稿: こういち | 2018年11月12日 (月) 20時50分
何時までも外国人として遇するのでは無くて、お説のとおり移民として正式に日本人に迎え入れれば良い、と思います。
米国は元より、ヨーロッパでも英国等は、移民が多い国で文化も多様です。
最近、英国で有名でとても気に入っている歌手が居まして、You-Tubeでよく見て、聴いています。 リタ・オラ(Rita Sahatçiu Ora)と言う若い女性の歌手です。 名前から分かるとおりにアングロ・サクソンではありません。
色々な民族の文化が混じり多様性のある英国が出来るので、音楽も愉しさが一杯です。 早く、あのような歌手がこの国でも出てこないかな、と思います。
Rita Ora - Anywhere (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=ksdAs4LBRq8
Avicii - Lonely Together ft. Rita Ora
https://www.youtube.com/watch?v=vQ3XgMKAgxc
投稿: イチロウ | 2018年11月12日 (月) 20時13分