シカの歯ペンダント 謎の旧人デニソワ人が作製?ネアンデルタール人も作製、現生人類との差縮まる。
2019年1月31日の赤旗に,「シカの歯ペンダント 謎の旧人デニソワ人が作製?」という記事が載っていました。ネアンデルタール人はすでに装飾品を作っていたとされていますので。デニソワ人も装飾品を作っているとしたら、いわゆる旧人といわれるネアンデルタール人、デニソワ人と現生人類との差は少なくなります。従来は、ペンダントなどの装飾品の製造は現生人類(ホモ・サピエンス)だけが始めたといわれていました。
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◎デニソワ人は2008年に発見。2010年にDNA解析が行われたと発表された。ネアンデルタール人とデニソワ人との混血の骨も見つかっている。残念ながら頭骨の化石はまだ見つかっておらず、顔の復元は行われていない。
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南シベリアーロシアと中国とモンゴルの国境地帯のデニソワ洞窟で見つかっていた、シカの歯を加工してつくったペンダントは、謎の旧人デニソワ人が作った可能性があると、ドイツのマックスプランク人類史学研究所のカテリーナ・ドウカ博士たちの国際研究グループが31日付の科学誌『ネイチャー』に発表しました。
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40年ほど前から発掘が行われているデニソワ洞窟ではネアンデルタール人の骨や、小指の骨から抽出したDNAにもとづくゲノム(全遺伝情報)から、ネアンデルタール人の姉妹種とみられるデニソワ人の骨や歯、デニソワ人の父とネアンデルタール人の母から生まれた女の子の骨、さらに石器、動物の骨や象牙で作ったペンダントなどの人工物が見つかっています。
デニソワ洞窟で見つかった人工物。中央と右の穴のあいている穴のあいているのが,シカの歯でつくったペンダント。
デニソワ洞窟
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研究グループは、ネアンデルタール人やデニソワ人がいつ頃どのようにデニソワ洞窟を利用していたのかを明らかにするため、さまざまな方法で、骨や歯、人工物の50の試料について年代測定を行いました。
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その結果、デニソワ人は早ければ19万5000年前からデニソワ洞窟に住んでいたこと、アカシカやヘラジカの歯を加工してつくったペンダントの製作年代は4万9000年前から4万3000年前であることなどがわかりました。
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従来、ペンダントなどの装飾品の製造は現生人類(ホモ・サピエンス)が始めたとされてきました。しかも、当時のデニソワ洞窟では現生人類が当時住んでいたことを示す証拠が見つかっていないことなどからデニソワ人がシカの歯を加工してペンダントを作った可能性があるとしています。
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Natureによれば、今回Z・Jacobs、たちは光ルミネッセンス年代測定法を用いて、デニソワ洞窟の編年を確立し、この洞窟の約30万~2万年を調べた。
この時代には、デニソワ人とネアンデルタール人と現生人類が同時にすんでいたと思われている。
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◎当時のアジアでは、中国南部にはさらには赤鹿人が住んでいて、ジャワのほうにはフローレンス人も住んでいて、わかるだけで5種類です。またさらには,未だ未知の人類があるかもしれません。きわめて多くの人類が共存していたことがわかります。
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ネアンデルタール人の装飾品については
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「こういちの人間学ブログ」
「ネアンデルタール人の首飾り 岩城正夫氏の解説についても」
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イチロウ様
アマゾンの孤立部族、見せていただきました。先日のテレビでアマゾンの少数民族が、他の人と接触により病気になっていき部族が絶滅するのを放送していました。
ずいぶん多くの人や部族が消滅したことでしょう。日本人もこのままでは少子化で絶滅するようですが。
今北アメリカやヨーロッパで、大寒波が昨年に続ききているようですね、ブログを書いているところです。
投稿: こういち | 2019年2月 1日 (金) 17時36分
こういち 様
現生人類でも文明と隔絶した部族が未だに存在するのですから、その中には、絶滅した筈の存在があるかも知れません。
二十一世紀の今でも、下に挙げましたとおりに石器時代かとも思われる存在を眼にすることがあり、何かの催しでこのような未開の民の扮装をして世を欺いているのか、とも疑います。
アマゾンの「孤立部族」を偶然撮影、部族名も不明 National Geographic 2016.12.26
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122600496/
まして、未だに全てが解明されていない人類史においては固定観念で物事を考えてはいけない、と自戒しております。
とは言え、ハリウッドの映画は行き過ぎですが。
投稿: イチロウ | 2019年2月 1日 (金) 15時53分