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2019年3月26日 (火)

古代発火法の岩城正夫氏が朝日新聞で紹介されました。岩城氏について書いたブログ。岩城氏は元気で長生きの見本となる方です。

2019年1月23日(水)の朝日新聞17面のオピニオン欄に、岩城正夫氏の記事が載りました。

岩城正夫氏氏は現在は「古代発火法検定協会理事長」です。1930年生まれですから、現在89歳、東京教育大を卒業されていますので、筆者の大学の先輩ということになります。高校の教員からいろいろな職業を経験されたあと、日本科学史学会の事務局員となられました。その後故柴田義松氏に呼ばれ、小原秀雄氏とともに女子栄養大学の教員となられました。その後、和光大学の教授になられました(現名誉教授)。そしてブログ筆者にも声がかかり人間学研究会を立ち上げました。人間学研究会とその後の人間学研究所の例会ではいろいろなお話とともに、いろいろな道具を作られ、それを見せていただきました。火おこしのほかに、たとえば紙巻きたばこ製造機、電気パン焼き機、石器、口琴など古代の楽器、などなど、一時期は古代の石弓も再現されていました。岩城氏は火おこしや石器づくりなど古代の様々な技術を再現する実験考古学の分野を切り開かれました。和光大学では岩城先生の講義を受ける方が極めて多く大教室にいっぱいだったそうです。

人間学研究会やその後設立した、人間学研究所では副会長や事務局長をされ、中心的な役割を果たされました。しかし、それは人間学研究所のメンバーの一部が分岐して総合人間学研究会ができ、それから総合人間学会になるに及びやめられました。

岩城氏は2001年に古代発火法検定協会を設立されました。この会は2018年11月に64回目の検定協会が開かれ、この時にはなんとたったキリモミ式で28秒で着火させ、世界新記録となりました。2019年6月に65回の会が開かれます。今までに小学生はじめ多くの方が認定されています。また岩城正夫氏は「原始技術史入門」、「セルフメイドの世界」,「原始人の技術に挑む」「原始時代の火」「人間どう視るか」などたくさんの本を書かれています。「こういちの人間学ブログ」でもすでにいろいろとご紹介の記事がありますので是非ご覧ください。筆者にはネコこけしやお地蔵様風のこけしなども頂きました。

下記のような、朝日新聞の記事を送っていただきましたので、皆さんにそのままご紹介します。

こういちの人間学ブログ 岩城正夫先生についてお書きしたブログ 

「古代発火法の岩城正夫氏が朝日新聞で紹介されました~」

「岩城正夫氏と岩明 均父子、アメリカ化した教育に対し、日本独自の道 鶴見俊介氏」 2016年7月

「岩城正夫氏の講演会、『人と技術』~器用と不器用~が、開催されます。2018年4月

「岩城正夫先生から、お地蔵様風木像を送っていただきました」2016年6月8日

「岩城先生から鳴子こけし風ネコの木像を頂きました。「セルフメイドの世界」について 2015年12月

「『ネアンデルタール人の首飾り』岩城正夫氏の解説について」2015年9月

「白人中心主義の歴史批判 岸田秀氏の史的唯幻論とバナールのブラックアテナ」2017年7月

(この文章はブログ筆者が書き加えました)

「リレーおぴにおん」火のいざない7、で「先史に学び手さばきだけで」

 という題で、朝日新聞の記事です。岩城先生の火おこしをしている写真も載っていました。

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キリモミ式着火法をされる岩城正夫氏(若々しくお元気ですね。元気で長生きの見本となる方です)

まっすぐで太さ1センチくらいの枝を木の板に押し付け両手に挟んできりもみし続けていると、焦げ臭いにおいがしてきて煙が立ち上ります。やがて黒い粉が擦り出てきて、中に赤いものがぽっと見えてくる。火種です。それを麻の繊維でくるんで振り回すと、炎になります。

1分足らずのことですが、方法を探り出しものにするまでが長かった。1970年ごろ、科学史を教える大学教員が足りないと、学会に勤めた経験があるだけの私にまで声がかかりました。ただ独創的な研究テーマがなくて悩みました。調べると、先史時代の発火法の専門家は見当たりません。これはいけそこれはいけそうだ、と。本当に木の摩擦で火が付くのか試し始めました。

最初は、弓のような道具を使いました。枝を弦に巻き付けて回転させます。初めて1か月、煙が上がり、発火間近かと思いましたが、甘かった。板の厚さや枝の太さを色々変えました。庭にある木は、ヤマブキ,ナンテン、リンゴ,ビワ、イチジク,カキと、片っ端から試しました。実験を何百回と重ね、煙はもうもうと出るようになりましたが、火は出ません。摩擦で手のひらが水ぶくれになって,皮が何度もむけてまいました。途中からは、モーターで枝を回しました。ふと、遺跡から出土した道具の板にはどれも端っこにくぼみと切れ込みが入っていることに気づきました。同じような形を作って試すと、隙間から黒い粉が出てきて、発火したんです。これか、と。

要領がわかると弓でもできました。こうなると、膨大な失敗例が豊富なデータとして生きてきます。熟練するにしたがって弓は小さくなり小さく、ついに両手だけのきりもみで火種が作れました。最初の実験から6年たっていました。なんでも機械やITに任せてしまう時代に、手さばきだけで火を作るのは何とも愉快なことではないでしょうか。

理論と実践のギャップを実感することも、この発火法を勧める理由です。本に書いてある通りに道具を作り、手順を踏んでも最初はうまく発火しません。ベテランの道具を借り、手ずから教えを受けて初めてできる、それから改めて本を読むと、ああ確かにこの通りだと、深い理解につながります。

ただ私自身は、どんどん実験してしまうタイプ。初めてきりもみで発火した時は、かまぼこ板にアジサイの枝でした。その後見た文献で、ウツギの枝もありました。ウツギは中空です。たしかに、うちの菜箸もドリルで穴をあけると火が付きやすくなる。やってみるとわかる。なんでもやってみるんですよ。

聞き手・村上研志

2020年2月7日 追記

岩城先生から頂いた、寒中見舞いに、今年、90歳になられたと書いてありました。90才といってもすごく元気はつらつとしていらっしゃるということが分かります。また今年も会いに来ていただけるということでした。元気はつらつとされた岩城先生のお話をお聞きできるのは、素晴らしいことです。

 

 

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