フォト
無料ブログはココログ

« 新大久保の大久保通り北側のハットグのお店4店の写真。初めてハットグを食べてみる。 | トップページ | 新宿高島屋のミゲルファニのパエリアを再び食べる。2019年再訪しました。美味しかったです。ミライナタワーも。 »

2019年5月14日 (火)

縄文人の全ゲノム解析 起源3万8000年前か 国立科学博物館 日経新聞

2019年5月14日(火)の、日経新聞朝刊に「縄文人の起源 3万8000年前か 全ゲノム解析 国立科学博物館」という記事が載りました。

国立科学博物館の神沢秀明研究員らは13日、縄文人の全ゲノム(遺伝情報)を解析し、縄文人が約3万8千年前~1万8千年前に大陸の集団から分かれたとみられることが分かったと発表した。日本人の祖先がどこからどこから来たのかといった謎にゲノムから初めて迫った貴重なデータとなる。詳細を5月末にも学術誌に発表する。

(研究チームには、他に国立遺伝学研究所の斉藤成也教授研究者や、札幌医科大学、金沢大、山梨大などの研究者研究者が参加しています)

190514_101701

国立遺伝学研究所や東京大学などと共同で、礼文島(北海道)の船泊遺跡で発掘された約3800年前~3500年前の縄文時代後期の女性人骨の歯からDNAを取り出して解析した。最先端の解析装置を使い、現代人のゲノム解析と同じ精度でDNA上の配列を特定した。

 

190514_101702

国立科学博物館

特定した配列を東アジアで現在暮らす人々の配列と比べた結果、縄文人の祖先となる集団が東アジアの大陸に残った集団から分かれた時期が約3万8千年前から1万8千年前であることが判明したという。

縄文人は日本列島に約1万6000年前から30000年前まで暮らしていたと考えられている。3000年前以降は大陸から新たに弥生人が渡来し、日本列島に住む人々の多くで縄文人と弥生人以降のゲノムが交わったことが、これまで知られていた。

今回の解析によると、国内の地域ごとに縄文人から現代人に受け継がれたゲノムの割合が大きく異なっていた。東京でサンプルをとった本州の人々では縄文人のゲノムを約10%受け継ぐ一方、北海道のアイヌの人たちでは割合が7割、沖縄県の人たちで3割だった。

 

190514_101703

ゲノム情報からは船泊遺跡で発掘された女性がアルコールに強い体質であったことや、脂肪を代謝しにくくなる遺伝子の変異を持っていたことなどもわかった。現代人の様々な疾患について、縄文人のゲノムから説明できる可能性もあるという。

古代の人類のゲノムを解析する試みは欧米を中心にネアンデルタール人などで進んできた。縄文人の全ゲノムが読まれたことで、アフリカで生まれた人類集団がどのように東アジアの各地に広がったか、研究の進展が期待される。

今後研究チームはデータの解析を進める。配列を公開して、海外の研究機関との共同研究も検討していく。

◎大陸からの日本列島への流入には南西諸島や朝鮮半島からの流入もありますが、寒冷期に海水面が低下し大陸から樺太地方を通じての流入もあったのではないかと考えられます。船泊遺跡はかえってそのルートではないかとも考えられますがいかがでしょうか。

◎追 記:

船泊23号人骨の特長

性別は女性。

その瞳(虹彩)が茶色く、

髪の毛が細い,又ちじれている。

高脂肪食に適応した遺伝的特徴を持つ。このことは遺跡からアシカなどの骨が多数出土している状況とも一致する。

アルコールには強い。

背は低い―高くならない。

皮膚の色。は濃く、シミができやすい。

耳あかはウエット型。

などの遺伝子から判明したもの。下記の2018年3月14日のブログ参照。5月24日の日経新聞の記事で追加。

◎参考書

「新版 日本人になった祖先たち」DNAが解明する多元的構造 篠田健一 NHKブックス 2019年3月20日 1300円プラス税

篠田謙一氏は1955年生まれ、京都大学理学部卒業、医学博士、国立科学博物館人類研究部長、専門は分子人類学。

190514_173101

本の表カバーに船泊23号人骨の複顔像が載っています。

この遺跡からは南方産のイモガイでつくられたペンダントや、新潟産糸魚川産のヒスイ、さらにはシベリアでつくられたものと同じタイプの貝玉のアクセサリーなども見つかっており、礼文島の縄文人が広い地域と交流を持っていたことが示唆されています。p5

◎「こういちの人間学ブログ」2018年3月14日

 「ゲノム情報で縄文人の女性の顔復元 ビートたけしに似る?」

http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2018/03/post-cd8b.html

 

2019年5月24日の日経新聞「ニュースな科学」29面に「日本人の起源解明へ」、「縄文人の全ゲノム解明」という記事が載りました。

190524_131801

190524_131802-1

ゲノム解析によって人類の起源を探る研究が加速している

2003年 ヒトゲノム解析が完了

2010年 ネアンデルタール人のDNA解析で、現代人のなかに彼ら由来の遺伝子が含まれることが判明

2014年 ネアンデルタール人のDNAが完全解析

2019年 日本列島の縄文人のDNAが完全に解析

アフリカを出た人類が東アジアに広がった。

5万~10万年前 アフリカ大陸から人類が拡散

4万~5万年前 東アジアに進出

3万8000年前~1万8000年前 日本列島進出

約1万5000年前 米国大陸進出

« 新大久保の大久保通り北側のハットグのお店4店の写真。初めてハットグを食べてみる。 | トップページ | 新宿高島屋のミゲルファニのパエリアを再び食べる。2019年再訪しました。美味しかったです。ミライナタワーも。 »

人間とは何か -人類学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 新大久保の大久保通り北側のハットグのお店4店の写真。初めてハットグを食べてみる。 | トップページ | 新宿高島屋のミゲルファニのパエリアを再び食べる。2019年再訪しました。美味しかったです。ミライナタワーも。 »

2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック