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2021年5月 4日 (火)

森岡修一氏から『現代ロシアの教育改革』を送っていただきました。本のご紹介ー人間学研究所の森岡、白村、関氏の論文を中心に

人間学研究所の副所長の大妻女子大学名誉教授の森岡修一氏から『現代ロシアの教育改革』を送っていただきました。

大変優れた本なので、ごく簡単にですが、「こういちの人間学ブログ」で紹介させていただきます。

本の内容すべてについて書けないので、序章における岩﨑正吾氏の現代ロシアにおける新自由主義教育改革について、と「人間学研究所」に関連した森岡修一氏、白村直也氏、関 啓子氏の3氏の方がたが書かれたものを中心に簡単にご紹介させていただきます。

十分な時間をかけて本を読みこみ、ブログに書くべきでしょうが、能力不足と時間不足で表面をなぞるだけになってしまいました。興味がある方はぜひご自分で本を読んでいただきたいと思います。

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裏面のカバーには、ロシア連邦の地図が載せられています

ロシア連邦には1億4680万人(世界9位)が住み、182の民族が暮らしている。ロシア人は77,7%  旧ソ連では2億8862万人。

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『現代ロシアの教育改革』伝統と革新の<光>を求めて

  ロシア・ソビエト教育研究会 1975年ころから国立教育研究所の川野辺敏先生の下に、ソビエト連邦の教育に関心を持つ大学院生や若手研究者が集まり研究会を開く。ソ連邦の解体後、ロシアだけでなく旧ソ連邦の新興国にも研究対象を広げる。

 嶺井明子、岩吾,澤野由紀子、タスタンベコワ,クワニシ編著

  (訂正 岩﨑氏のお名前を間違えていました。正吾氏が正しいお名前です、失礼いたしました.

        さらに岩﨑氏が正しいお名前です。5月13日変更いたしました。)

 

 東信堂  定価 3960円 (3600円+税)2021年4月3日初版 406ページ

 

はじめに     

 世界史的に最大の事件ないし変化は1991年末のソ連邦の解体であろう。~本書は「ロシア・ソヴィエト教育研究会」のメンバーを中心に、現在のロシアの教育をできるだけ、ソ連時代からの問題関心と交差させつつ、内容によってはソ連時代との比較を通して、これまでの各自の「最新」の研究成果に依拠して、ヴィヴィッドに描き出そうとして刊行されたものである。これが第1の特徴

 現在のロシアの教育の現実をできるだけ多面的に描き出そうとした。これが第2の特徴である。

この書は半世紀にわたり月1回の研究会を続けてきた成果であり、日本学術振興会・科学研究費補助金の研究成果でもある。

     ロシア・ソビエト教育研究会 岩﨑正吾、嶺井明子

 

序章   ロシアにおける新自由主義教育改革の諸相                

             岩﨑正吾(首都大学東京名誉教授)

はじめに

 新生ロシア連邦の誕生(1991年末)から30年が経過、2020年7月1日憲法改正の国民投票で圧倒的な数で改正が決定された。今日までの教育改革を主要には「新自由主義教育改革」として特徴づけ、教育の制度、政策及び過程などの諸相から~考察したい。

◎この論文でソヴィエト連邦以後のロシアの教育の変化の概略が述べられている。

第1節 ロシアの新自由主義教育改革をとらえる視点

 新自由主義とは一般的には、市場原理に基づき、国家による福祉や公共サービスを縮小して規制緩和や民営化による小さな政府を志向する思想である。この思想は、教育分野では経済のグローバル化に対応できる競争的人材の育成を目標とする。同時に、教育をサービス(商品)ととらえて売買の対象と(有償化)、公教育の削減をはかる。また、設置主体と学校の多様化を促進し、学校選択の自由を拡大するとともに、テストによる学校間、個人間競争を推進し、学校の統廃合を進め、その成果に応じて報酬を付与するといった形で現れる。p4

 新自由主義教育改革がすべてではなく、ソ連時代の教育遺産や社会主義擁護派の広範な社会層の激しい抵抗があった。また教育の国家統制を目指す新保守主義などの右派同盟の動きもある。またプーチンは経済発展を市場のみにゆだねるのではなく、国家がビジネスを捕獲の対象とする国家主導型(国家資本主義)の方向へ転換がはかられている。そして愛国主義に基づく国民統合を目指している。新自由主義と新保守主義はコインの両面として相互に補完している。

第2節 新自由主義教育改革の開始ーソ連邦解体前後

(1)政治・経済のペレストロイカの後退

(2)教育のペレストロイカの意味

(3)社会主義の枠内での「部分的独立採算制」

(4)脱ペレストロイカから新自由主義教育路線への変容

(5)国際教育活動主体の介入

第3節 新自由主義教育改革の全面的展開-エリツィン時代

(1)政治・経済分野の動向

(2)旧連邦教育法の基本原則と教育制度の多元的構造への転換

(3)教育課程の多様化-国際教育スタンダードと教科書制度

(4)教育の再解釈-有償化政策の意味

第4節 新自由主義改革の「深化」と新保守主義の台頭-プーチン時代

(1)政治・経済分野の動向

(2)新自由主義教育改革の「深化」

(3)新行政組織の現状と変遷

(4)教育制度の現状と変化

(5)教育課程改革ー第2世代の連邦国家教育スタンダード

(6)教育の質の向上と新評価システムの構築

(7)現代版ピオネールの復活

おわりに

  新生ロシア連邦の誕生前後から今日のプーチン時代における教育改革の軌跡と特徴を新自由主義という切り口から大まかに描いてみた。明らかになったことは、歴史的経過や国情が異なるとはいえ、ロシアや日本を含め世界の教育改革の動向が驚くほど酷似していることである。こうした動向をつくりだしているのは、IMF, World Bank、WTO,OECD、EU, USAID, UNESCO などの「国際教育活動活動主体」である。これらの組織も一枚岩ではない。

 ロシアの新自由主義改革は、旧連邦教育法での「全人類的価値の優先」や「教育における自由と多元主義」が削除されており、保守派のヘゲモニーが強くなっている。プーチンの保守路線は、今回の憲法改正にも表れている。

 新主義教育は自由多様な個性を持つすべての子どもたちの能力を十分に発達させ、社会の発展のために遺憾なく活用できるシステムなのかが改めて問われなければなるまい。 「教育への権利の保障」を専ら学校や個人の責任に転嫁するのではなく、その充実に向けた国家責任を明確にし、「教育の実質的自由」の拡大に向けて、人類がつくりだし、蓄積してきた全人類的価値としての教育・文化遺産を継承し創造的に発展させていくことではないだろうか。

 

第1章   教育改革の25年-政策、成果、展望    

      セルゲイ・コサレツキー(国立研究大学高等経済学院教授) 

          訳:遠藤  忠

 現代ロシアの「教育市場」は西側諸国の市場とは顕著な違いを持っている。その本質的部分は「汚らわしい分泌物」であり、「闇」である。この市場の元素はすでにソヴィエトの末期において形作られていたことを認識しておかねばならない。

現在の教育的不平等 学校の格差問題 ソヴィエト期の教育 社会的公平性の保障政策との違い

社会的格差の拡大 人口の減少、農村部の無人化 巨大な変化がロシア社会の構造を揺さぶっている 社会的格差が拡大し、このことが学校間の格差拡大と教育的不平等の激化において決定的役割を果たしている。

 

第2章   新しい時代の教育ガバナンス

         ーロシア連邦教育法に見る教育制度・教育行政

               黒木 貴人(福山平成大学講師)

コラム1  家計にやさしい教育を

                         白村直也

ロシアでは学校で制服が使われているが,子どもの成長により変えなければならず、文房具も高額で家計に負担がかかっている

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第Ⅱ部 多民族国家の国民統合の模索

 

第3章   シティズンシップ教育の軌跡と変容

               嶺井明子(前筑波大教授)・

     アンドレイ・スクヴォルチョフ(ウリヤノフスク教育大教授)

                     (訳:嶺井明子)

第4章   先住少数民族の法保障と教育権

                           岩崎正吾

第5章   多言語教育と政策の現状と課題

       ー母語教育保障、国民統合とグローバル化対応の葛藤

           クアニシ・タスタンベコワ(筑波大学准教授)

第6章  ロシアにおける宗教教育の導入と今後の課題

             井上まどか、(清泉女子大学准教授)

             木之下 健一(独立行政法人大学改革支援)

第7章  ロシアの音楽学校における伝統的民族音楽の再生

       ートゥバ共和国クズル芸術学校を例に                     

                  山下正美(上智大学共同研究員・)

第Ⅲ部  現代ロシアの教職・教師像

 

第8章  教育改革と教師教育の変遷

                  聖心女子大学教授  澤野由紀子

◎(澤野由紀子氏は一時、人間学研究所のメンバーに所属されていたことがあります)

 

(資料)マニフェスト ニューマニスチティックな教育学:21世紀

             マニフェスト執筆者一同(訳:澤野由紀子)

 

コラム2 ロシアの教師は尊敬されているか?

                          木之下健一

判断が2つに分かれる。ロシアの教育の質は普通か悪いとされがちだが教員の職務遂行は比較的高い評価   

第9章    現代ロシアの教師像

                          澤野由紀子

コラム3  教職員の待遇は改善されているのか? 

                          白村直也

ロシアでは近年最低生活費が最低賃金より高いことが問題となり、ワーキングプア給与増額の問題が非常に深刻な社会問題化している。とりわけソーシャルワーカー給与の低さが問題になっている。教職員の給与は総じて増額している。

コラム4  国際比較でみるロシアの教師の特色

                          木之下健一

 

第Ⅳ部  教育のグローバル化と国際標準化への対応

 

第10章  ボローニャ・プロセスと大学改革

                 松永裕二(西南学院大名誉教授)

コラム5  学生にボランティア活動は根付いていくのか?p245

                          白村直也 

 プーチン大統領は2018年を「ロシア連邦のボランティア年」とし、開催イベントの開催を指示した。大学入学の際ボランティア経験有無を重視する大学が増えてきた。しかしそれは不十分なものでも評価されてしまうずさんさがある。

第11章    高等教育改革と研究者養成

                 遠藤  忠(宇都宮共和大学教授)

 

第12章  インクルーシブ教育をめぐる諸相 p259~272

    ―すべての子どもに教育への平等なアクセスを  

                 白村直也(岐阜大学特任准教授)

 

はじめに―障害者をめぐる連邦国家プログラム

   ソ連期、障害児と健常児は別学体制がとられていたが、現在インクルーシブ教育の名のもとに大きく変わろうとしている。ーすべての学習者に教育への平等なアクセスを保障するもの。~戦略的計画文書「連邦国家プログラム」で、「新しい生活の質QOL]や「革新的な経済発展と近代化」をはじめとする、5つのカテゴリーのもと、2020年をめざす。その一つ「バリアフリー2011年から2025年」というプログラムを取り上げる。このプログラムでは「アクセスビリティー」や「リハビリテーション」を促し、障害者を社会へと統合していくことが目指されている。

 インクルーシブ教育とは,ロシア連邦法「教育について」-「特別な教育的なニーズの多様性と個々の可能性を考慮し、すべての学習者に教育への平等なアクセスを保障するもの」と規定される。~障害児の教育について焦点化されることが多い。ロシアでは現在、社会、経済はじめ広範囲にわたって多くの「連邦国家プログラムが進められている。(インクルーシブ教育とは障害のある子も、ない子も共に学ぶということ。2006年の国連総会で共生社会実現のために提起された)

 ここでは障害者を対象とする「バリアフリー2011年から2025年」というプログラムを取り上げる。

第1節 教育制度と連邦国家教育スタンダード

 ロシアの障害児 総数は減少しているが、18歳以下では増加している。ソ連からロシアに至る特別教育には3つの大きな潮流がある。従来の教育を残しつつ、新たなロシア的なものに生まれ変わろうとしている。 

 2013年に「障害を持つ子どものための連邦国家教育スタンダード」が作成された。4つの教育形態を採用した。Ⅰ、インクルーシブ教育,(教育目標や内容は普通学校と同じ)、Ⅱ、特別学級形態、(小人数教育、通常学校との交流)Ⅲ、総合特別学校,(生活的な自立に重点)Ⅳ、最重度特別支援形態(個別支援)

 ソ連とロシアの教育制度の比較 渡辺は両者の違いを3点指摘 ロシアになって1、発達に障害がある市民の教育を受ける権利を国家が保証する 2、教育行政上の命令的システムから多様性を保持したシステムへの転換 3、教育課程への親の参加

 2015年10月にロシアで行われた聞き取り調査の結果

第2節 現地聞き取り調査に見る現状と課題

 訪問先は 全ロシアろう協会、モスクワ国立教育大学障害学部、第288番幼稚園

(1)当事者にとってのインクルーシブ教育-全ロシアろう者協会にて

  2015年訪問 会員ろう者9万人 79の地域支部、800以上の地方支部

  矯正教育学研究所前所長 マロフェエフ氏  ソ連と現在 現在は学校の選択を親に任せる しかしまたソ連時代の特別教育の良き伝統が  弱まった。インクルーシブ教育の学校と特別学校の双方を併存させるべきである。

(2)教員養成をめぐって―モスクワ国立教育大学障害学部にて

  次に訪問したこの大学はインクルーシブ教育を含め、特別教育の教員を養成するロシアでも代表的な教育研究機関である。地域により障害児への教育が開始される時期が異なる。

 教員養成が抱える問題点、1、ロシアは地域が広大で障害児への教育が開始される時期が違うこと。2、教育養成にたずさわる学部が少ないということ。

 (3)教育の現場から―第288番幼稚園

 440人の園児のうち160人が何らかの障害を持つ インクルーシブクラスと障害児クラスがある園を卒業すると初等普通学校に希望する者は全員入ることができる

第3節 近年の動向 

(1)教育行政の動き

 2017年連邦評議会「インクルーシブ教育における生徒の権利執行について」がある。

 インクルーシブ教育を受けている障害児は約56%に及ぶが、学校の設備や特別な条件を整備することなく、どのようなインクルーシブもあり得ない」

(2)「良い」インクルーシブ教育とは?

 全ロシアコンクール「ロシアの優良インクルーシブ学校」活動の向上と、教育の分析。審査項目は8点。目的はインクルーシブ教育の発展と浸透に関する教育機関の活動の向上と、現行のインクルーシブ教育を分析することのある。

おわりに

 ロシアのインクルーシブ教育をめぐる課題 1点目、ソ連の特別教育の「経験」がどのように今後位置付けられていくのか不透明なことである。2点目は2013年の時点でインクルーシブ教育が浸透しない理由として、施設のバリアフリー化や教員養成ができていない、そしてその理念が教育集団内で共有されていない、とされていたことにある。インクルーシブ教育の現場では教員に過度の負担がかかっているという声が上がっているいま、教員養成はもとより教員をサポートするリソース(チューターなど)配置のための予算措置が求められている。

 

白村直也氏は人間学研究所の研究員として、人間学研究所年誌に多くの論文を投稿されています。

「人間学研究所年誌2012」NO10 「世界史におけるソヴィエト障碍者の位置づけ」 

年誌2013、No11  「東日本大震災避難者が抱える暮らしのニーズ」

年誌 2014 No12  「震災と教育の越境-福島県から県外派遣された教員と避難児童が抱える問題」

年誌2015  No13  「避難をめぐる政治と被災者のニーズー権利の付与と履行をめぐる諸相」

年誌2016  No14  「 ロシアにおける婚姻と出産をめぐる動向と母親(家族)資本」(2021年5月19日訂正)

            (上記の文章が白村氏の書かれた論文です。森岡氏がこの年誌に

             書かれたものをここに間違えて書いてしまいました。森岡様、

             白村様、大変失礼いたしました。)

年誌2017 N015  「家庭の暴力と伝統的価値への回帰ー刑法の改正をめぐるロシア社会の動向」

年誌2018 No16  「施設から家庭での養育へーロシアにおける孤児の擁護をめぐる近年の動向と問題ー」

年誌2019 No17   「地域の問題に取り組み、学びあって育む社会人基礎力」

           「インクルーシブ教育と教育改革の影」

年誌2020 No18 「大学生はソ連やロシアをどのようにとらえているのか」

◎年誌2016 No14の論文で、森岡修一氏の論文をここに間違えて書いてしまいました。白村氏が書かれたものに修正いたしました。たいへん失礼いたしました。

 

第Ⅴ部 教育遺産の再構築

 

第13章  ソヴィエト教育とは何であったのか p275~ 289

             関  啓子(一橋大学名誉教授)

 

はじめに

第1節 ソヴィエト教育は、教育史・教育思想史においてどのような意味を持っているのか

 誰のために何をどのように克服し、何を目指したのか?

(1)仮説としての研究枠組み

 ソヴィエト教育には、身分制社会をなくすブルジョア民主主義の位相と、共産主義を目指す過程としての社会主義的な位相があり、それぞれ の位相に基づく教育制度や政策が、時には相互に矛盾をきたし、理想を急ぎすぎた政策は早産となったが、施政者の政策意思と人々の意識・要求とが折り合える教育改革の側面は具体化された。やがて教育政策が硬直化し社会経済の発展とそれに応じた人々の教育要求にこたえられなくなり、人々の不満が鬱積した。1991年にソ連邦は解体し、新体制に見合った教育改革が始まった。これが研究枠組である。

 

(2)クループスカヤがソビエト教育に込めた願い

 1)子どもの貧困・健康問題、幼児死亡率の高さに対する取り組み

 2)学校の不足と識字率の低さ、

  とくに女性、農民、非ロシア民族が不平等の対象

  クループスカヤは、まったく別の教育原理にもとづく新しい自由な学校を作るべきだと主張した。

  男女の区別なく、すべての子どもたちに無料・義務・普通教育を与えようとした。

 3)子どもの社会本能の抑圧

   子どもの自殺に心を痛める 幼稚園や学校は規律・訓練装置であってはならない

 4)階級を再生産する学校

   インテリ的な労働に従事する人と身体的な労働に従事する人の階層化がおきるクルースプカヤの全面的に発達した人間の教育とは

        「はっきりとした個性を持ち、社会本能がしっかり発達していて、身体労働にも精神労働にも同様に対応する能力を備えている人間の教 育」である。

 5)身分制社会と資本主義社会

   精神的なエリートと身体労働を行う階級をつくりだす区別的な「人づくり」の手段となってはならない。

   社会主義教育(総合技術教育)-全面的発達概念 「全面的な労働への移行はおいそれとはいかない」

   クルースプカヤは成人教育の発展に全力を傾注した。

 

第2節 理想の具体化に内在した困難

   生存権の保障を教育による発達課題の遂行によって実現するというヒューマニズム思想があった。

   管理者と労働者との間に差別感がはらまれるかどうか 身体労働に高い賃金を支払うことにより身体労働の価値をみえる形にした。

   3つの困難 自治能力を身に着ける  技術革新に追いつく  自治能力の育成 すること

   労働の遂行者と管理・計画者の2つの層を作らない―しかしソヴィエトの 生産現場はそうした状況から程遠かった。

 

第3節 ソヴィエト教育の2つの要素 ー 民主主義教育改革と社会主義教育改革

(1)ブルジョア民主主義教育改革が社会主義教育改革によって徹底された局面

   短時間での識字率が向上 身分・階級による教育機会の制限は撤廃

(2)民主主義教育改革ではなしえない成果が社会主義教育改革によって成し遂げられた局面

   平等と無料により子どもの発達可能性がもたらされた 家庭の経済格差の縮小により、興味や関心を無料で伸ばすことができた。

(3)教育改革がソ連社会主義の変質に影響された局面

   エリートと身体労働者の差をなくそうとしたが、実際にはノメンクラトゥーラというエリートと被支配階級が作られてしまった。

(4)ブルジョア民主主義改革が成熟しなかったために、社会主義教育改革の芽が摘み取られた局面

   企業長の単独責任制に移行 2つの階級を作らないーは実現しなかった。

 

結びに変えて  現代ロシアにおける教育の改革の一側面

 ソビエト教育改革は一定の成果を収めたが、重要な課題も残した。教育の画一化、職業選択の自由を阻んだ学校制度教育をめぐる自由の制限、官僚主義、ノメンクラツーラという「エリート」の再生産。学校が多く廃校に。選択の自由と競争がキーワードに。

 ソ連邦解体後は教育が市場化したために、家族の経済力がものをいう。階層が教育をとうして見事に再生産される。オルガルヒ(新興財閥)が特別なエリートになる。ソヴィエト教育の負の遺産の一つであったはずの官僚主義は継続し,教育による階層の再生産構造が明らかで,教育の不平等が深刻化している。

     ソ連時代と(ブレジネフ期)とエリツィン期とプーチン期を比較調査する世論調査によれば、社会階層によって回答に差が表れ、プーチ ン期への肯定的評価は上流層で高く、下層では低かった。同調査では、人の発達や成功にかかわる項目(教育における成功)は、ソ連期の評価が高く、選択の自由にかかわる項目(職業的向上とキャリアの可能性)では現在のほうが高い。

現在の自由は選択の自由で、競争と対になって、経済的な豊かさに結び付く。ソヴィエト社会では身体労働と精神労働の賃金の差はあまりなかった。現在は格差社会。プーチン期は上流層で肯定的。現在のほうがいいという人は若い層と中層以上の人々である。現在の格差社会は固定的で簡単に階層移動は起こらない。賃金格差の主な要因が、企業間での、部門での、地域間での財務状況によるからである。

 現代ロシアにおける教育改革の課題は、ソビエト教育の成果(平等などの正の遺産)を現代的に再生し、教育行政・運営の官僚主義などのソビエト教育の負の遺産を克服することであろう。ソビエト教育が果たせなかった、民主的な世界に不可欠な資質を子どもやおとなに発達させるという課題にも創造的に取り組むことが期待される。

 

関 啓子氏は人間学研究所で何回か講演していただいています。また「人間学研究所年誌」にも投稿していただいております また「関さんの森」については研究所の有志での見学会なども行われています。人間学研究所のメールでの連絡網でご連絡させていただいています。

人間学研究所年誌2015 No13 依頼論文 「アムールトラの保護と生物多様性」

人間学研究所年誌2017 No15 依頼論文「ロシアの批判的言説-教育をめぐって、ロシア革命100周年に思う」

「クルースプカヤの思想史的研究ーソヴェト教育学と民衆の生活世界」新読書社 1944年

「人間形成の全体史」共著 大月書店1998年

「アムールトラに魅せられて」東洋書店 2009年

「関さんの森の奇跡」新評論 2020年

 

第14章   就学前教育制度の機能と役割の変化

       ー社会主義のソ連から資本主義のロシアへ

         オリガ、サビンスカヤ(国立研究大学准教授)  

         嶺井明子

コラム6  タガンログ市における就学前教育-ソ連時代と現代ロシア

           オリガ・アレクサンドロワ(訳:白村直也)                      

第15章   ロシアの数学教育

        ―達越性への道程                 

                  大谷  実(金沢大学教授)

 

第16章   ヴィゴツキーの心理学・教育学理論を読み直す

       ー協同学習と補充教育を中心に  p321~335

           森岡 修一 (大妻女子大学名誉教授)

はじめに

    ヴィゴツキーの心理学・教育学理論を<学校内>から<学校外>の教育へと「越境」しつつ分析・検討する試みである。<読解力>と<協働学習>にかかわるヴィゴツキーの基本的視座を瞥見しておこう。

  ヴィゴツキーは、思春期(14歳―18歳)論理的・批判的思考に対応した<読解力>を構想しており、筆者はとりわけ所与のテクストを解体・再構成しつつ<協働学習>において「発達の最近接量領域」を拡充して、論理的・批判的思考を鍛えるヴィゴツキーの手法に注目したい。教え込みでない「深い学び」の授業とは、既知の発話対象(テーマ=Thema)を各人の多様な思考過程の中で、その発話が伝えるべき述部構造を構成する新しいもの(レーマ=Rhema)へと発展さ せ、教室を「知る」ための場所から、多種多様なレーマのぶつかり合う「考える」ための場所へと変えていく授業を指すべきであり「協働的問題解決能力」、「アクティブ、ラーニング」及び新学習指導要領の強調する「探求学習」等の実現には、上述の前提が不可欠である。

 ヴィゴツキーの<発達の最近接領域>のキーワードにとって不可欠の要因が「異年齢集団」「異質な他者」といった<さまざまな発達可能性を持った他者との交流>の概念である。ヴィゴツキーは、人間に固有の高次の精神活動は、当初は、人々との協働活動・社会的活動の中で発生する外的な、精神と精神との間に成立する成員間の共有の過程として機能するが、それは次第に個々人の中に内面化され精神内的機能に転化すると考え、「こどもの現下の発達水準と可能的水準との隔たり」つまり「自力で解決する問題によって規定される前者と、おとなに指導されたり自分より仲間との共同で子どもが解く問題によって規定される後者との隔たり=<発達の最近接領域>において「異質協働」の教育が行われなければならないと、と主張した。(以上に出典の4つの注があります)。

 

 第1節 「読解力」と「協働問題解決能力」

     OECDは2015年の<読解力>の調査と並行して,52か国の15歳児を対象に「チームのメンバーと協力して問題を解決する」  <協働問題解決能力>調査を実施した。①,シンガポール、②日本,③香港…の結果を得た。(ロシアは31位)シンガポールがいろいろな分野で首位になっている。2位の日本は、学校での集団作業(掃除や給食作業等)や対話的授業の結果としている。~

 日本では、19年7月の「全国学力調査」において、生徒の批判的読解力や説明力、発信力に課題があることが明らかに。日本の15歳の読解力は8位から15位に急落。~「生徒に批判的にに考える必要のある課題をあたえる」等の項目では最低点。新学習指導要領に問題。ロシアの教員は「批判的に考える~」等は日本やシンガポールを上回る。ロシアの健闘。日本の生徒 記述問題の正答率の低さ、「日常生活におけることば」の低下が指摘されていることからも、ヴィゴツキー理論の主要キーワードを通じて現代の教育問題を再検討する探ることにしたい。

 

 第2節  ヴィゴツキー学派の心理学のキーワードと協働学習

 高取憲一郎はルリヤの著作に注目①活動②コミュニケーション③高次心理機能と低次心理機能④心理間機能と心理内機能⑤最近接発達領域⑥心理的道具と媒介の6主要概念を掲げ、②コミュニケーションについて、人間が対象に向かって活動する際、個人で行うのではなく、必ず他人とともに行っているという観点からヴァルシーの「個人―社会的枠組み」を援用して、ロモフの「個人的活動は共同的(集団的)活動の派生物であり、心理過程を対象活動との関連のみで研究するのは誤り」という所説に言及している。

 

 第3節  ロイス・ホルツマンと補充教育

 ヴィゴツキー理論に基づいた心理療法で注目、アメリカのホルツマンの指摘ー「ヴィゴツキーが…いくつもの(二元論的)二分法を弁証法的方法論によって乗り越えようとした」と述べている。

 ホルツマンは①少しでも「発達」を学校に持ち込む、②学校外に「発達的学習」が可能な場所を作る,③公衆、政治家、政策立案者に持続的再教育を施す、の3点を提唱した。

 学校外プログラムにおける「ともに実践する集合的形態」としての発達の最近接領域、つまり「協働・協調活動としての集合的な行動の機能」であり、この点で、他者との相互作用のなかで「創造的に模倣する」ことをの集合的行動の中核においているのは当然といえるだろう。

 日本の子どもの<自己肯定感>はアメリカのみならず~際立って低い。先進国の子どもの幸福度ランキングは38か国中ワースト2位であった。

 第4節  ヴィゴツキー理論における「遊び」の概念

  家族と学級は少数の要素から成り立っているために、画一的で味気のない場所になっている。「教育」には、1、社会的本能を、遠大な社会な規模において教育すること。家庭、学級、学校の壁を町の全ての学校の統一のために次々と打破し、さらには国家全体を含む児童運動までに発展させなければならない。2、特別にデリケートな形式の社会的なコミュニケーションの育成と錬磨。

~ヴィゴツキーが何よりも重視するのは<遊び>である。社会的関係の明確化、錬磨、多様性を教えてくれるがゆえに「遊びは子どもにとって思考の最初の学校である。ヴィゴツキーにとって<遊び>は何よりもすぐれた「創造的活動」、であると同時に「自然的労働形態」に他ならない。

 第5節  ヴィゴツキー理論と補充教育

  2017年にロシア人研究者を迎えて科研費研究会が開かれた。ここではスクヴルォツォフ教授(S)との質疑応答のみを上げる。森岡氏は補充教育およびアイデンティティ形成に関連して、ヴィゴツキーとウシンスキーの研究の観点から3つの質問をし回答をえた。

異質協働と補充教育の接点=全人教育に向けて  

  森岡: ヴィゴツキーの理論は主として学校教育や教科教育の枠内で分析・検討であったが、彼の「発達の最近接領域」のキーワードにとって不可欠の要因が「異年齢集団」「異質な他者」といったさまざまな発達可能性を持った他者とであることを考えれば、むしろ学校外教育や補充教育においてこそヴィゴツキーの理論は貢献できるのではないか。 

  S そのとおりである・・

  ヴィゴツキーの思想は今なおすぐれた教育学的・心理学的原理に満ちており、汲めども尽きぬ人格形成の源泉と言えるものである。

補充教育の現状と問題点

   森岡:日本でもクラブ活動 重要であるが、教員の勤務が過重なことが問題に 補充教育の現状と問題点 

国民教育とアイデンティティ形成をめぐって

   森岡:日本では「道徳教育」の教科化に伴い、評価問題が浮上 ウシンスキーの「国民教育」の観点から読み直してみる必要性を痛感

協同学習における深い学びとは

   日本では社会科新設諸科目の目標がヴィゴツキーの主張する「認識力」よりも「態度」や「心情」などの道徳的目標に還元されてしまう危惧が否定できない。「他者との協働」は<了解行為>における闘いに他ならず、授業(闘い)によって変化し豊饒化するのは生徒だけでなく,誰よりも教師自身でなければならないことを想起しておこう。

 

むすびに変えて

  「総合技術教育」と「労働」をめぐるヴィゴツキーの分析視点について補足 主要な3点,(Ⅰ,Ⅵ、Ⅶ)

 Ⅰ、労働は人間の歴史的発達の基礎であるがゆえに労働活動に結び付いた心理機能もまた、歴史的に形成された行動様式であり、あらゆる高次の行動形式のゆりかごである。

 Ⅵ、研究成果の理論的意義と実践的活用の契機 ①発達の異なる年齢期の子どもと青少年の特徴に対して、総合技術教育の基本要素を適用 する際の心理学的・児童学的な根拠づけ,②子どものさまざまな年齢期での総合技術教育方法の心理学的・児童学的な根拠づけ,③子どもの全面的発達の要素としての総合技術教育の有効性に関する児童学的考察

 Ⅶ、今後の研究は、問題点を究極まで絞り込み、子供の人格と世界観の発達の観点から総合技術教育の問題を解明すべきであるが、目下のところその第1歩を踏み出したに過ぎない

 「総合技術教育」と「労働」をめぐるヴィゴツキーの分析視点

  子どもと青少年を対象とする精神工学は、大人の精神工学とは峻別され、児童学の一部門として再編されるべきであるとして、労働や職業と直結したおとなの精神工学と区別するとともに、ヴィゴツキーがわざわざ「児童学的精神工学」「教育学的精神工学」という造語まで提案していることは,協同学習と発達課題の観点からもきわめて重要な意義を有する。

 

森岡修一氏は

人間学研究所年誌2008 No6 「リテラシーとコミュニケーション理論に関する一考察」(前編)

     ーヴィゴツキーとルリヤの文化的・歴史的理論を中心にー

年誌2009 No 7   「リテラシーとコミュニケーション理論に関する一考察」(後編)

年誌2012 No10 「巻頭特集 柴田義松氏の講演と質疑応答」

年誌2014 No12  「ロシアにおける民族文化と教育の諸問題」

年誌2015 No13  「多民族国家における文化と教育」

    ー20世紀末から21世紀初頭のロシアの教育変動を中心にー

人間学研究所年誌2016 No14 「多民族国家ロシアにおける文化と教育改革」

    -ヴィゴツキー理論と補充教育の動向を中心にー

人間学研究所年誌2017 No15 現代ロシアにおける教育の動向-補充教育とヴィゴツキー理論を通じて

 

第17章  学校制度とロシアにおけるもう一つの教育制度

       -ロシアにおける補充教育機関の展開と課題

             リューボイ・ブイロワ、岩﨑正吾

                   

第18章  ソ連の遺産とグローバル世界への離陸

       -エストニアを事例として  

             福田誠治(都留文科大学理事長)

 第1節 なぜエストニアか

 エストニアはテストが短期間でOECD諸国の中でトップグループに入っている。世界から注目。

第2節 電子立国の原資はソヴィエト社会主義の遺産

 ソヴィエト社会主義国期に国別産業としてエストニアにITの開発を割り当てた。   

第3節 1,5歳からの幼児教育

第4節 基礎教育(小中学校)

第5節 個性を伸ばす教育

第6節 教職専門性と学校評価 

                        

特別寄稿  ソ連・ロシアの教育研究に携わって

        ーこころの最初の動きを大切に   

         川野辺  敏(国立教育政策研究所名誉所員)

 今でも私のこころに残っているのは「自分のなかの心の最初の動きを動きを消してはならない。それはそれは最も高潔なものだから、心の最初の動きのままに行動しなさい」(スホムリンスキー『息子への手紙』)という言葉です。それは私が初めてソ連訪問をした1968年冬の心の状況をそっくり表しているからです。

 

おわりに

                 ロシア・ソヴィエト教育研究会

                   関 啓子  澤野由紀子

 本書は、現代ロシアのどうなっているかを、改革・制度・政策に焦点を当てまとめたものです。本書には含まれていないがすでに取り組まれている研究課題がありその一端を紹介したい。~

 

巻末資料 

  学校制度図 現在

  ソ連時代

  2012年度年間授業時数

  1985年度年間授業時数

  2018年度言語語別児童生徒数   30か国語 

  2018年度教科「母語」を学習する生徒数 70語(エネツ語は生徒数1人)

  職業資格レベル

  教育分野の職業スタンダード

  文献案内

ーーーーー

参考資料

◎ソ連・ロシアの歴史 教育関連とともに

1869年      『教育的人間学』  ウシンスキー

1870年      レーニン生まれる  ウシンスキー死去

1888年      マカレンコ生まれる(集団主義)

1889年     チェルヌイシェフスキー死去「哲学の人間学的原理」

1896年      ヴィゴツキー生まれる

1905年      血の日曜日事件、ソヴィエトの結成

          10月革命(第1次ロシア革命)

          ニコライ2世の反動

1917年2月     ロシア2月革命-二重権力

1917年11月7日   10月革命  レーニン ソヴィエト政府樹立

                              クループスカヤ 教育条項草案

           ー国民皆教育、子どもの全面的発達、

           コムソモール ピオネール 組織化

1918年       ロシア社会主義共和国連邦

           スホムリンスキー生まれる

1922年12月     ソヴィエト社会主義共和国連邦

           レーニン脳出血をおこす

1924年       レーニン死去(54歳)

1926年       ヴィゴツキー「教育心理学」

1928年       5か年計画 スターリン 独裁体制へ

1929年       世界恐慌

1934年       ヴィゴツキー「思考と言語」死去(37歳)

1936年10月     スターリン憲法

1939年       第2次世界大戦始まる 

          クルプスカヤ(レーニン夫人)死去(70歳)

            教育思想・理論

                             マカレンコ死去 「教育叙事詩」など

1945年       第2次世界大戦終わる

1949年       中華人民共和国成立

1953年       スターリン死去  フルシチョフ

1956年       フルシチョフのスターリン批判

                              「思考と言語」ヴィゴツキー

1957年       人工衛星スプートニク打ち上げ

1961年       ガガーリン 初の宇宙旅行

1968年       プラハの春弾圧

1970年       スホムリンスキー23年校長 

             労働・教育実践 死去

1977年       ブレジネフ 幹部会議長(1906-1982)  

                              ルリヤ 死去

1979年       農業不振が問題化

1985年3月     ゴルバチョフ大統領就任

1986年      ペレストロイカ始まる

1989年       ベルリンの壁撤去 ビロード革命

1990年       東欧諸国 自由選挙 東西ドイツ統一

          脱ペレストロイカと新自由主義教育の開始

1991年7月     エリツィン大統領 ロシア連邦初代大統領

          (ガバナンスなき分権化)

   8月      8月政変、共産党解体 ペレストロイカ終焉

           新自由主義の全面的展開へ

   12月     ソ連邦解体 諸国の独立

1992年      「旧ロシア連邦教育法」

2000年1月     プーチン大統領 大国ロシアの復活を目指す 

          保守路線 新自由主義教育の深化と新保守主義

2012年      「新ロシア連邦教育法」まで20年間に70回を

           越える改正

           それ以降も60回に上る改正があった

2014年       ロシア・クリミヤ併合 

2018年       柴田義松氏死去

 

『人間学研究所年誌』

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『人間学研究所年誌2000』No1 発行人間学研究所

 2021年5月現在『人間学研究所年誌2020』発行

人間学研究所の例会は、2020年2月の例会を最後として、2021年5月も開催しておりません。新コロナが収束し、また例会を再開できるのはいつになるのでしょうか。

 

「こういちの人間学ブログ」

「新型コロナウイルス蔓延。蔓延は政治次第。2020年2月10日より、日本及び世界の変化を追う。追記して更新。

2021年4月24日

http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2021/04/post-c2be97.html

 

「こういちの人間学ブログ」は2009年7月から始まりました。

2021年5月現在 記事数 1152 アクセス累計 191万となっております。

新コロナで人間学研究所の例会を開いていなかったり、2020年夏ごろから2021年初めにかけてのブログ筆者の何回かの入院などでアクセスが減少気味です。

 

改めてソビエト時代と現代資本主義(新自由主義)との対比について見直してみる必要がある

 いま世界の新コロナウイルスは、恐るべき勢いで進行中であり,とどまる様相を示さない。(2021年5月)こういう事態の中で、世界中で絶望的な貧困と死にさらされている圧倒的に多い人々と、こういう事態の中で、GAFAはじめ一部の世界的な多国籍・大企業はかってない膨大な利益を上げている。かってトランプ前大統領は連邦法人税を35%から21%に引き下げたが、その低い税率でも、払わない企業がフォーチュン500社のうち91社もあり、膨大な利益を上げている、アマゾンもその一つである。さすがにアメリカの大統領選ではバイデン氏が当選し、各国が多国籍企業に対し法人税の値下げ競争をするのではなく、各国が共同して法人税を上げることを提案しました。また純益の15%は納入するミニマム税導入も検討しています。巨大企業が税負担を減らし、大富豪が巨万の富を蓄積する一方において、世界的に圧倒的に多い貧困層がますます新コロナで貧困となり、死者も増大している。多くの失業した非正規の人たちは悲惨な生活を送っている。

 参考 世界の大富豪の総資産は、たった62人の合計(180兆円)で、世界の人口の下位半分と同じということだ(2016年)。2020年の1位はアマゾンのべソスで、1310億ドル、2位はマイクロソフトのビルゲイツ980億ドルである。日本では2021年で第1位はソフトバンクの孫正義で444億ドル、2位はユニクロの柳井正である。

 こういう状態の中で改めてソビエト時代とは何であったのか、現代のロシアとを対比させている試みである。それを教育という側面の中で、現代との対比においてみていこうとするのが、本書のねらいであった。かつてのスターリン独裁、中国共産党の大国主義的、そして様々な民衆弾圧などを見てみれば共産党の原則の中に、そうなる要素が含まれていたことがわかる。しかし、ソビエト時代の取り組みはそのまま捨て去ってしまっていいものではない。すぐれた側面をたくさん持っていたのである。良い面、悪い面を改めて見直していく必要があるのではないでしょうか。

参考書 「ソヴェト教育学」シンビリョフ教授,オゴロドニコフ教授 青銅社  1953年10月25日  550円

   ソヴィエト高等師範学校教科書

 

ブログ筆者の身体の状況について

 ブログ筆者は7年ほど前、旅行先で脳出血を起こしました。そのために右半身にまひが残り歩行が困難であり、筆記やパソコンも利き腕でない左側1本でうっています〈2級身体障害者)。もともと左目には眼底出血がありよく見えません、その上に右目は少し長く目を使うとづきづき痛みます。今も右目と周辺が痛みます。こういう状態ですので、論文等を十分に読みこなすことが困難になっています。ですから、今回のブログも十分読みこなし論考をしたものではありません。皆さんの論文の要旨を自分なりに書いただけで失礼してしまいました。

人間学研究所について  

人間学研究所は1963年生物科の学生の分科会に始まり、1955年の第1次人間学研究会、1985年の第2次人間学研究会、1991年に人間学研究所準備室が作られ、第3次人間学研究会が作られました。その研究会に基づき1999年4月に人間学研究所が作られました。初代所長は柴田義松氏名誉所長小原秀雄氏、副所長岩田好宏氏、専務理事佐竹幸一、理事岩城正夫氏でした(現在は岩田弘宏氏が所長、森岡修一氏が副所長)その時には14名の所員と所友101名でした。いご現在に至るまで人間学研究所の活動は続いております。『人間学研究所年誌2020』第18号、『人間学研究所通信』89号が発行されています。月1回の例会は2020年2月を最後とし、新コロナウイルスのため開催されておりません。

 今回の著作には副所長の森岡修一氏と研究員の白村直也氏と例会でお話をしていただくな

どでご連絡をしている、関啓子氏の論文を中心に紹介させていただいております。

 人間学研究所は研究部門とだれでも参加できる、実用的人間学研究会から成り立っています。2021年研究所の所員は18名名誉会員は2名。

 実用的人間学研究会は会員13名、顧問2名で成り立っています。「こういちの人間学ブログ」の筆者、佐竹幸一は、人間学研究所専務理事・事務局長、実用的人間学会長です。実用的人間学研究会はどなたでも参加できます。

ご連絡は 佐竹幸一 090-6549-2677

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