フォト
無料ブログはココログ

« 人間学研究所の簡単な歴史 追記更新版 2022年6月段階での状況 4月21日 小原秀雄氏が死去されました。5月岩田氏が名誉所長になられました。 | トップページ | 少年時代にみた、火の玉の推測  唯一の経験でした 最近 はっと気が付きました ロッテの工場の高電圧のせいかも »

2022年5月 5日 (木)

西林克彦氏の本「知ってるつもり」について 「分からない」を見つけるために「きっちりわからなくなる」には?

2022年4月22日(金)の人間学研究所の久しぶりの例会で、例会終了後、副所長の森岡修一氏から、西林克彦氏氏の書かれた「知ってるつもり 「問題発見力」を高める「知識システム」の作り方ーという本の紹介をブログで紹介するように依頼されました。

◎1昨年の初めから大腸がんの3回の手術、その後の不眠症やいろいろの病気になり、最近少しマシになってきましたが、脳出血の後遺症の右マヒで左手でパソコンをうつスピードがさらに、落ちてなかなか文章を書くのが進みません。ご容赦ください。

「はじめに」から

  光文社新書 2021年10月30日発行 820円+税

Kimg0370

「わからない」を見つけるために「きっちりわからなくなる」には? 

 ロングセラー「分かったつもり」刊行から16年、今最も求められる「問題発見力」を身に着けるための方法を解説

 

「はじめに」

 きっちりわからなくなることの重要性

 「知ってるつもり」

  大学生の会話 「講義で聞いたんだけど、ジャガイモは茎、サツマイモは根なんでしょう」、「そうそう」 と、それで終わってしまう

 それだけで充分知っているつもりなのです。それから派生する周辺の知識群があることを知らない。「知ってるつもりなのです」

 わからなくなれる程度に知識システムを整備し、ある程度わかってくることが必要なのです。

   研究や学習が進むのはわからないことがわかってくることです。

   わからない点自体がうまく見つけられないということが学習の途中や研究のスタートなどで実によく起こります。

 本書は研究や学習を進めるために、わからない点を見つけ出す、わからないところを出すつくりだす方法についてたのべたものです。

 

裏表紙 西林克彦氏の経歴とカバーです

Kimg0378

(オレンジ色のカバー部分です。この本の目指すところが書かれています。)

「問題解決学習」は、子どもたちが自分で問題を見つけてそれの解決を図るというものですから、子どもたちの学習意欲や活発な活動が保証されると見なされて、教育現場では多用されます。しかし、その領域に関する知識がかなりなければ、解決したい問題点など見つかるわけがありません。それに、こう考えたらどうだろうといった探索を導く仮説も、その領域の知識がかなりなければなりません。うまくいっていないのに、それでも「問題解決学習」をやらせて、「どうもうちの子どもたちは積極性がなくて・・・」なんていうのを聞くと、本末転倒だと思います。子どもたちの学習を見なければダメなのです。(本文より)

 

西林克彦氏の経歴です

Kimg0375

西林克彦氏は1944年生まれ、東京工大から東大の大学院に進まれた、教育学者で、宮城教育大学の教授になられた方です。2005年の『わかったつもり』(光文社新書)は15万部のベストセラーに。ブログ筆者と同世代の方です。

カバー裏

 

 

本の内容

 

目 次

はじめに

「きっちりわからなくなる」ことの重要性

  研究や学習が進むのはわからないことがわかってくるからです。~わからない点自体がうまく見つけられないということが、学習の途中や研究のスタートなどで実によく起こります。

「知ってるつもり」

 われわれが「知ってるつもり」でいることもいくらもあります。~学生の会話~じゃがいもは茎でさつまいもは根 そうそう~それで、十分に知っているつもりなのです。~「知ってるつもりの知識は、孤立した他と関連しない知識ですから、そこから派生したり関係する周辺の知識群が存在するとは思っていません。そして彼らは「知ってるつもり」でいます。それ以上のことはないと感じているので、その話は終わって次にジャンプするのです。「知ってるつもり」の知識は、孤立した他と関連しない知識ですから、そこから疑問や推測を生み出すこともなく、わからなくならないので「知ってるつもり」でいられるのです。よく知らないので疑問を生じることがないから「知ってるつもり」でいられるのです。

~わからなくなれる程度に知識システムを整備し、ある程度分かってくることが大切です。

「知識システムを整備する」

  知ってる知識のすぐそばでしか、きちんとした疑問や推測はできません。ですから、知識を使ってわからなくなる、わからなくするのです。

 

第1章「知ってるつもり」をなぜ問題にするのか

 第1節「知ってるつもり」 

  「知ってるつもり」これがわれわれが持ってる知識の大部分のありようです。

  われわれの知識は「知ってるつもり」であることが圧倒的に多く、日常の多くはそれで間に合っているというのは紛れもない事実です。

  しかし、社会が「知ってるつもり」程度の知識で動いているわけではありません

  飛行機雲

   飛行機の向き  飛行機雲  横風の関係

  なぜ「知ってるつもり」になりやすいか

  点検・処理の甘さ

  「知ってるつもり」への対処の難しさ

 第2節「私たちはこんなマズイ知識の中で育っている」

  教科書 

   日本の海岸線についての概略を述べたものから―たとえば空欄に記入させる問題を考えたとする

  知識の周辺

    テストで  出入りの少ない「砂浜海岸」(九十九里浜)そして  鳥取砂丘のように砂丘が発達しているところもありますや

    三陸海岸、志摩半島、若狭半島などの「リアス式海岸」と「鳥取砂丘」を記入させ 対比する、という問題がある 

           しかしこのような知識はマズイ知識である

  平野の海岸は砂浜

        「 砂浜海岸」に対するのは「リアス式海岸」でなく、「岩石海岸」です

  鳥取砂丘は特別か?

   日本に砂漠は存在しません 砂丘というものは、別に鳥取に限ったものではなく、

         むしろ砂浜海岸があれば、砂丘や砂丘もどきがありま   

  海岸線がわかると何がわかるか

   リアス式海岸と養殖の盛んさ

  当該文章への疑問

    教科書の記述 はじめなんの違和感がなかったのが 知った後では物足りなく

           感じるでしょう

  バラバラな事柄

    事実の羅列 適用できない知識 広がりを持たない知識 このような教科書が多い

 

 第3節「知識に関するいくつかの誤解」

   知識と知恵

   知識の質

   それしか知らないと「知ってるつもり」になりやすい

   考えたこともないという世界

 ◎消化器官は体の外ーという知識から  この文章を下記に取り上げてみます。

 (それしか知らないと「知ってるつもり」になりやすい)

第2章「共通性」と「個別特性」によるものごとのとらえ方

  魚みたいなクジラ

第3章 孤立した知識への対応

  第1節 繋がっていない知識

   根・茎・葉からできている

    本章では「知ってるつもり」の元凶ともいえる「孤立した知識」をどのようにすれば知識システムにできるのかについて考えま

    す。

    根、茎、葉からできている植物と 海藻の比較

    根、茎、葉を持っていることは陸上に上がって光とリ競争をした歴史を持つ植物の特徴なのです

第4章 知識システムと教育

 

第5章 知識システム構築に関する留意点

第1節 驚きからのスタート

飛行機雲 知ってるつもりの例としての  驚きは知識システム構築の端緒となり得るものである

バス停の屋根 上りと下りの違い

共通性と個別特性

盆地と流出河川

第2節 知識のフル活用が「わからない」に繋がる

日食・月食

なぜ日食、月食は毎月起こらないか

規則的に起きている

わからないこと

第3節単純化と不整合

他の要因を一定に保つ

日本海側と太平洋側

夏における日本海側と太平洋側

緯度の影響

南三陸海岸の不整合

日本海側の温度と降水

 

◎この本の中にはいろいろと興味深い話が、例として挙げておられますが、その一つとして第1章 第3節、54ページからの文章を、書き出してみます。

 

「消化器官は体の外」、というお話を例として挙げてみます。

 胃の内部や腸の内部は体の外側だというものです。口から消化器を通って肛門まで、ずっと管が通じているのはわかります。ですから、極端に単純化すれば、人間の身体は、真ん中がに穴が開いた円柱に手足が付いたようなものです。人間の消化器はドーナツにある穴のようなものです。ドーナツの穴がドーナツの内部とは言えないように、食物がとおっていく私たちの消化器は穴なのです。

 消化器が外側であるという知識を持っていれば、食物を口に入れると、それでもう体内に取り込んだとは思えなくなるでしょう。歯で咀嚼し, 胃でこなし、生物で習った憶えきれないほどの種類の消化液をだして、食物をなんとか腸壁から内部に取り込めるような形にしようとしているのだと考えることができるようになるでしょう。

 薬だって同様です。飲めばもう体内に取り込んでいると思いがちですが、、消化器内は体外なのですから,胃なり腸なりから吸収されなくてはなりません。だいたいにおいて薬の吸収は半分程度だと考えられているようです。

 毒だってそうです。飲んだだけで吸収されなければ害は及ぼさないはずです。吸収されてわれわれの正常な働きを阻害するので毒性を表すわけです。われわれの体と運用のメカニズムを阻害するので毒になるわけで、毒性があるから毒というわけではないでしょう。人には有毒でも別のある動物には無害なこともあり得るわけです。

 消化器官が体の外側だと知っていれば、食物や毒が吸収されていくメカニズムがどうなっているのかに興味を引かれるかもしれません。

 サプリメントの広告 その成分が腸からどのように吸収され、どのようなメカニズムで患部にまで運ばれるか気になってしまいます。

 

◎この文章はほんの1部分のご紹介です。非常に幅広い例題が紹介されています。興味のある方は是非お読みになってください

« 人間学研究所の簡単な歴史 追記更新版 2022年6月段階での状況 4月21日 小原秀雄氏が死去されました。5月岩田氏が名誉所長になられました。 | トップページ | 少年時代にみた、火の玉の推測  唯一の経験でした 最近 はっと気が付きました ロッテの工場の高電圧のせいかも »

人間と教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 人間学研究所の簡単な歴史 追記更新版 2022年6月段階での状況 4月21日 小原秀雄氏が死去されました。5月岩田氏が名誉所長になられました。 | トップページ | 少年時代にみた、火の玉の推測  唯一の経験でした 最近 はっと気が付きました ロッテの工場の高電圧のせいかも »

2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック