宮城谷昌光氏の「馬上の星」(小説馬援伝)とブログ筆者の、「第五倫伝」の中の「馬援と馬氏」について
馬上の星
2023年1月28日〈土〉の毎日新聞第2面の下に大きく、宮城谷昌光氏の新刊『馬上の星』(小説 馬援伝)の広告が載っていました。『馬上の星』は後漢初期の名将、馬援を主人公とした小説です。
定価 1800円+税 2022年11月10日発行
裏表紙の帯封
馬援が,上の3人の兄の秀才ぶりを見て、劣等意識に苦しんだことが、痛いほどわかった。~
馬援が平等を根本思想として生き抜いたさまは、当時の群像の中では特異であり、非凡であるとしかない。
光武帝が恐れたのは、各地の反勢力の首領でなく、平等の所有を提唱しそうな馬援ではなかったか、などと思うようになった。
馬援の若い時代の資料は極めて少ない。
馬援は武陵蛮の討伐の時に疫病にかかった。光武帝の娘婿の梁松を軍の監督にたたせた。以前、馬援に軽くあしらわれたことを根に持っていた。梁松が現地に到着した時、馬援はなくなっていた。失敗はすべて馬援のせいであると報告。劉秀はそれを信じ、遺骸を郷里におさめることもできなかった。ひとり朱勃だけが擁護の上書をした。
あとがき から
馬援の言葉で後世のものが引用する言葉
当今の世 独り君、臣を選ぶのみにあらず
臣もまた 君を択ぶ
宮城谷氏の後漢時代の著作
「草原の風」上、中、下 光武帝 劉秀
『呉漢』 上、下 呉漢 光武帝の武将
第五倫伝について
〇ブログ筆者は、後漢初期の時代に大きな関心を持ってきました。特に後漢の唯物論哲学者王充に大きな関心を持っていました。王充の墓を訪ねにわざわざ紹興市の上虞県までも行きました。後漢初期の時代は前漢に比べ、翻訳があまりありませんでした。ですから、小説も少なかったのです。ブログ筆者は後漢書を読むために中国語を習いにも行きました。宮城谷氏の小説ははじめのころの本はすべて購入していました。その為に、1万2000冊の本を3000数百冊に減らした今でも、20種類ほどの宮城谷氏の本が保管されています。「馬上の星」は2022年11月10日に中央公論新社で発売され、原本は『中央公論』2021年5月号から、2022年9月号まで連載されたものです。価格は1800円+税で、315ページの本です。
ブログ筆者の書いた「第五倫伝」の目次から
宮城谷氏の小説、『草原の風』は後漢の初代皇帝劉秀を主人公としたもの、後漢の名将を主人公とした『呉漢』に続き、やはり後漢の名将馬援を主人公とした『馬援』が書かれました。はじめ後漢書は全部を和訳されたものがなく、中国語版の後漢書を購入し、必要なところは、日本語に訳しました。
第五倫伝 後漢初期の人間学(旧書名 ”人相食む”)
筆者 佐竹幸一 (以前はペンネーム 王 伯魚)
第1章~全24章 終章 あとがき参考資料 全354ページ
第19章 馬援と馬氏
〇 馬援
〇「薏イ(よくイーハト麦)のそしり」
ー馬援は南方で蛮族と戦った時、その地方でよく採れる、ハト麦を車いっぱいに積んできた。それを南方からの貢物の宝物だと訴えて、馬
援を讒言した。無実なものを讒言により罪をなすりつけることのたとえとして以後使われるようになった。
〇 第五倫、馬氏について奏上す
―馬援の子 馬氏の横暴について上奏し、馬氏は失脚する
〇 馬氏の没落と白虎観会議
ー--
〇馬援の娘 明徳馬皇后 は第2代皇帝明帝の皇后となる
明徳皇后は立派な皇后であったが
馬援の息子たちは横暴がひどく失脚する
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