西洋人相術 (2)耳 「南北相法」と対比 劉備は自分の耳が見えたのか 更新版
◎このブログは、2011年に書かれたブログです。2009年に書いた「耳を人相術で見る」基礎編を2012年12月に更新したので、このブログも更新をしました。両方を見てください。2025年3月に更新しました。
西洋人相術と東洋人相術ではどこが同じでどこが違うのかを見てみます
The Complet Book of Fortune" の中の "The Art of Physiognomy"(人相術)によります。(西洋人相術)
Ears (耳)
水野南北(南北相法)における東洋人相術を紹介します
耳は智をつかさどる 耳は腎の苗
耳が立って伸びやかなものは智にひいで物覚えが良い
耳が大きく立ち伸びているものは 人の下につかず、 才知があって大胆 福運がある
耳がものやわらかで低いものは物覚えが悪く根気が乏しい
耳がかたい者はたとえ貧相であっても貧しくない
耳が小さい者は心も小さい 些細なことを恐れ涙もろい、根気もよわい
耳たぶの大きい人は心が豊かであるが大きな出世はしない
しかし面相が鋭いものは才もあり出世できる
耳たぶがないように小さいものは心に落ち着きがないが 才能には恵まれている
男は陽であって耳が大きく、女は陰であって耳が小さいのがふつうである
人相術における、その他の見方として
大きな耳 秘密保持型 腹黒型 大気晩成型 長寿者多し
小さな耳 秘密暴露型 軽率型 小気早世型 子供少ない 涙もろく驚きやすい
前向き型(耳がよく見える) 防御的 消極的 おぼっちゃま
後ろ向き型(耳がくっついて良く見えない)攻撃的 積極的 野人的
また、男女をとわず、耳のついている位置が高いものは、動物に近く、野性的で、カッとすると見境がつかないという
西洋人相術ではどうでしょうか
上記の本によれば
Large (大きい)知性的、誠実、優しさ、楽観的、強気、思慮深い、やや気力充実
Small (小さい) 親切、上品、思慮深い、遠慮がち、出しゃばらない、慈悲深い、落ち着きのない
Pointedtops(先のとがった) 利己主義的、しっと深い、わがまま
Close-set(くっついた) 知性的、誠実、まめ、かしこい
Projecting (突き出した) 情熱的、冷酷、利己主義的、虚栄、ほれっぽい、抜け目がないしっと深い、わがまま、やや気前が良い
Bold rims (はっきりした耳輪) 寛大、忠実、ややまめ
Poor rims (貧弱な耳輪) 厳しい、利己主義、不正直、下品、不満大、執念深い、気力充実、わがまま
◎ 18世紀の法医学者であるロンブローゾは、犯罪者の顔の統計にもとづいて、犯罪者の顔は遺伝的に傾向があるといい、「おおきくて飛び出した耳」をしたものは、犯罪をおかす傾向が強いとかきました。前からそういう思い込みがあったのか、ロンブローゾの理論に影響されたのかはよくわかりません。
参考 『南北相法』に面白いことが書いてあります(現代訳 『南北相法』緑書房)
弟子の問い 「先生のお話しによると耳たぶの大きなものは出世しないとあります。しかし蜀の劉備玄徳は耳が肩まで垂れるほどであったといいます。これはどういうことでしょうか」(一説には耳が大きいために自分の耳を見ることができたともいわれます)
水野南北 「蜀の玄徳は耳が肩まで垂れていたのではない。玄徳の耳は豊かで血色良く顔より目立って美しかったのである。そこで玄徳の頭を智、左耳を仁、右耳を勇にかたどり、それでもって玄徳には智、仁、勇の三徳が備わっていたとみるのである。耳が肩まで垂れたのは不具である」
ーこれは前に読んでなるほどと思ったところです。
佐竹の見解
耳は生まれてからもっとも変わらないところで、生まれつきの、性質が現れます
西洋、東洋共に、大きくて、形のしっかりした耳が良いとされています。全体に身体が強健で、がっしりとした身体の人は耳もそうです。そういう人は大きな力を発揮する可能性があるということです。また小さい人は消極的というのも共通しています。ただ南北は男女により違いがあると書いてあるのは、より正しいことだと思います。また西洋でさきのとがった耳がわるく書かれるのは、悪魔や魔女の耳がとがって書かれるからではないでしょうか。
前から耳を見て良く見える、大きく突き出した耳は、西洋では情熱的だが利己主義的と見ています。ロンブローゾは犯罪者に多い耳であるといいます。そして前から良く見えないくっついた耳を知性的、誠実としていますが。私の知る限りでの東洋人相術では、よく見えるほうがおとなしく、よく見えないほうが積極的、攻撃的と見ます。すなわち全く逆です。東洋では動物との対比があり、肉食獣などは耳がくっつき、草食獣は音を良く聞きために大きく出っ張っているイメージから来るのではないかと思います。日本人は私の経験から言うと、くっついているほうが積極的な気がします。すでに書いた私のブログもご参照ください。
追記 ロンブローゾはイタリアの法医学者で数千人の刑務所収監者の顔を分析し、犯罪者の顔には一定の身体的精神的特徴があると主張しました。その中で、大きく手前方に突き出た耳をしたものは、犯罪者に多いといっています。その大きくて突き出した耳の先端をとがらすとちょうど、悪魔の耳になります。
2011年追記 今上映中の「怪物君」の主人公です。大きく開いた耳が特徴です。怪物君は西洋の悪魔系ですから、このような耳の形になります。他の悪魔もみんな大きくて良く見える形です。悪魔や悪者は特に先がとがっています。
でも東洋では大きくてつき出した耳はかえっておとなしい耳ということになります。先端がとがったのは凶暴性があると言われますが。
ついでに、目と眉の間の広さは東洋ではおっとりとしたお公家がおで広いほうが高貴であるとしていいし、狭いと凶暴な顔とされています。でも西洋では間が広い顔は間の抜けた顔とか愚鈍な顔とされてしまいます。
参考 「こういちの人間学ブログ」
「人相術の科学的検証(2)耳 福耳は金持ちになれるのか」
http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2012/12/post-63c0.html
をご覧ください。
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naoさま
コメントありがとうございました。
わたしなりの見解を書かせていただきます。
スタートレックのころからとがった耳は性悪と言われ、それがはやったというお話ですが、ヨーロッパの人相術ではかなり昔から、悪魔などはとがった耳とされてきました。東洋人相術でも同じようにみられました、猛獣類の耳がとがっていることから来たのではないかと思われます。
福耳の定義で耳の穴らしたが、3分の2とか2分の1以上あれば福耳というのは初めて聞きました。
福耳をよいとして、該当する人を多くするようにしたのかなとか思いました。人の印象はともかく福耳かそうでないかは全く福と本来関係ありません。
福耳だと思って前向きに生きていくとよいのかもしれません。逆に福耳でなくとも福とは本来全く関係ありません。福耳は恵比寿、大黒などの7福神などのイメージによるのでしょう。
投稿: こういち | 2018年1月 4日 (木) 10時11分
なるほど。
少しづつ読み面白そうで最近読んだのがこの耳の記事です。
なんとなくの印象ですが、とがった耳が性悪に思われやすいのはスタートレック全盛のころからの慣習ではないかと思います。
また、福耳も大きく垂れていればと思っていたのですが、耳の穴から下が三分の二とか二分の一以上あればと言う福耳の定義も見た事があります。
そこのところどうなのかなあ?と興味あります。
興味本位で入れましたので、阿保過ぎるようなら無視してください。
投稿: nao | 2018年1月 3日 (水) 23時52分