大学院で「疑似科学」神奈川歯科大学で医師ら受講。医師が疑似科学の治療に染まるのは危険。毎日新聞。
2025年6月2日(月)の毎日新聞朝刊の19ページの社会面トップに、―大学院で「疑似科学」神奈川歯科大医師ら受講-当記事が載りました。
毎日新聞の記事 一部
「水に美しい言葉をかけると美しい結晶ができる」と説く「波動」。鉱物などを希釈した水をしみこませた砂糖玉を飲んで病を治すとうたホメオパシー。いずれも科学を装いながら科学的根拠はなく。実証も反証もできない「疑似科学」と指摘される。
神奈川歯科大大学陰(神奈川県横須賀市の社会人向け「統合医療学講座のシラバス(講義計画)には、そんな療法がずらりと並ぶ。受講するのは、医師や看護婦ら医療系の国家資格を持つ人たち、教壇に立つのは、各推進団体から招かれた代表や幹部だ。
専門家は「大学が疑似科学や推進団体にお墨付きを与えかねず、だまされる人を増やす恐れがある」と警告する。
しかも大学関係者によると、講座に資金を提供しているのは当の大学ではないらしい。一体何が起きているのか。
「波動」「ホメオパシー」
JR高輪ゲートウエイ駅近くの5階建てビルの最上階。講座はここで始まった。学費は年間120万円。今年度は30以上の両方について計180時間の講義が予定されている。「波動」はかって小学校の道徳教材で取り上げられ、教育現場に入り込む疑似科学として社会問題化した。「ホメオパシー」は10年に日本学術会議が会長談話を出して治療効果を否定している。シラバスには、透視能力を持つ霊能力者が始めたと称する療法「エドガーケーシー」などもある。~医師の川嶋朗氏が大学に持ち掛けて始まった。神奈川歯科大に取材―川嶋氏は「統合医療」は玉石混合。西洋医学を修めたうえで。患者から相談を受けた時に(その施術が)まがいものか見抜ける医療従事者を育てないといけない」と意義を強調する。
運営は別の社団法人
講座は大学と業務契約を結んだ一般社団法人が資金を提供して運営している。この法人の代表理事は都内で心療内科クリニックを営む女性医師。いわゆる「手かざし」(ハンドパワー)による施術を両方の1つに掲げ、運営するウエブサイトには「目に見えないパワーは確実に存在する。{手のひらを使って身体と心の微細なエネルギーの変化を感じ取りバランスを整えることができる」とある。
女性医師は取材に講座の運営を認め~川崎氏の依頼で引き受けた。~
識者「行政はチェックを」
「波動」「ゲーム脳」「EM菌」など教育現場に入り込む疑似科学は過去にたびたび問題になってきた。~大学で肯定的に教えるのは極めてまれだと指摘する。
石川幹人・明治大教授(認知科学)は文化的、人類学的に『魔女』について研究するように、疑似科学を大学で教える例はある。明治大学で14年、波動やEM菌の推進者が講義する一般向け講義が企画されたが教員の反対で企画が中止。
疑似科学やその推進団体に大学がお墨付きを与えてしまう可能性に加え、受講者の多くが医療系国家資格者あることについても石川教授は「お金を払って受講し履修照明を取るのだから、受講者自身が施術者になる可能性は高い」と指摘。科学的根拠に乏しい施術を手掛けるクリニックの増加を懸念する。
講座では1年間のプログラムを終えた受講生に学校教育法に基づき履修証明書が与えられる。~文部科学省振興課担当者は「あくまでも大学が責任をもって行うプログラム」と話す。「行政機関として講座内容が疑似科学科どうか認識を示す立場にない」とする。
疑似科学に詳しい菊池聡信州大教授(心理学)は「科学的根拠を欠く内容をを含む療法を肯定的に教えることの責任を大学はあまりに甘く考えているのでは」と批判する。文科省に対しても「大学にチェックを丸投げするのは、安全や効能を業者任せにして健康被害を出した機能性食品制度と同じ構図。監督官庁としての責任を放棄しているのに等しい」と厳しく指摘した。「垂水友里香」
神奈川歯科大学大学院の建物
上記 担当講師の一覧 29分野 36名
特任教授 総合医療総論 川嶋 朗
健康食品(サプリメント)、食事療法、蒲原誠司
カイロプラクティック 村上佳弘
以下担当講師は非科学的な治療法までのごちゃまぜ 批判的にとらえるのではなく、それぞれの紹介、これが大学のお墨付きをもらえるとは
中医学(漢方),アーユルヴェーダ、温熱療法、から始まり統合医療概論に5人の講師、そして・・・
サイモントン療法、オステオパシー、、ガン治療、酸化ストレスと抗酸化、ホリスティック医学、音楽療法、エドガーケイシー療法、運動エネルギー療法、波動・エネルギー療法、オーソモレキュラー医学、アントロポソヒー医学、・・などなど
鍼灸などの比較的科学的根拠のあるものはありますが・・・
がん治療などで科学的な治療でなく命を落とさないか心配です。
◎この大学では貴乃花を特任教授に迎えるなど、何かと話題づくりをして、学生を集めようとしているようです。
◎「神奈川歯科大学 疑似科学に手を染める」という、spee さんの記事がありました。
2022年6月14日の記事です。なかなか詳しく興味深い記事です。2年間で400万円も出して講義を聞きに行くのは、大学院の講義を終了したとのお墨付きをもらえることになります。こういう非科学的な療法でがん治療を行ったりして命を縮めなければいいのですが
◎五本木クリニックさんの記事 2022年6月17日
「神奈川歯科大学統合医療講座の一つ、エドガー・ケイシー療法とは」
いかに非科学的な内容であるかが書かれています。
参考書
石川 幹人氏の著書
「超常現象」を本気で科学する 2024年5月20日 新潮新書
なぜ疑似科学が社会を動かすのか―ヒトは怪しげな理論に騙される 2016年2月29日 PHP新書
左巻健男氏の著作
暮らしの中のニセ科学 2017年6月15日 平凡社新書
「健康常識」のニセ科学 2024年5月6日 きずな出版
« 上野の国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を見てきました。 | トップページ | 人間学懇話会、第7回(6月)例会のお知らせ。里見 脩氏「トランプと台湾有事」,追記 13日開催の結果について。14名参加で盛況。 »
「占いと神秘主義批判」カテゴリの記事
- 大学院で「疑似科学」神奈川歯科大学で医師ら受講。医師が疑似科学の治療に染まるのは危険。毎日新聞。(2025.06.04)
- [これ以上ひどいおみくじある?」という記事について おみくじについて人間学の例会で話をしました。(2024.01.06)
- 工作者の本のご紹介 『ルネサンスのエロスと魔術』 ルネサンス時代の魔術の位置づけ(2023.09.11)
- 「疑似科学」踊らされないで 石川幹人氏 2023年7月の毎日新聞の記事に(2023.07.16)
- 少年時代にみた、火の玉の推測 唯一の経験でした 最近 はっと気が付きました ロッテの工場の高電圧のせいかも(2022.05.06)
« 上野の国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を見てきました。 | トップページ | 人間学懇話会、第7回(6月)例会のお知らせ。里見 脩氏「トランプと台湾有事」,追記 13日開催の結果について。14名参加で盛況。 »





コメント