(2024年3月6日〈水)の日経新聞朝刊1面、「テクノ新世」というコラムで、「人類に10億年分の健康を」という記事が載っていました。
理想を求めて③のテーマは「人類に10億年分の健康を」というテーマです。記事の出だしは以下のとおりです。
非常に興味がある記事なので全文を転記させていただきます。
朝5時の目覚めとともに、人類が背負う宿命との戦いは闘いは始まる。食事は午前中のみで、豆類などが中心。1日raiann jyonnsonn 100錠を超えるサプリメントを飲む。赤外線や赤色光を浴び、肌をきれいにする努力も欠かさない。そして自分にこう言い聞かせる。「Don‘t die (死なない)」
ブライアン・ジョンソンは企業向け決済代行会社を2007年に立ち上げた。Brain treeを作る。
2023年、ブレイン・ツリーを8億ドルで売る。
米ロサンゼルスに住むブライアン・ジョンソン氏(46)はフィンテック企業を8億ドル(約1200億円)で売却して大富豪になった。次に生涯の目標にしたのが「死の超越」だ。
体年齢46-18へ
年に200万ドルをつぎ込み、自らを実験台に不老不死のプロジェクトを進める。46歳の身体を18歳の頃に若返らそうと奮闘中だ。計画は1000本を超える論文や出版物に基づき、30人を超える医療チームが支える。常に内臓や血管、皮膚の老化を検査し、「老化を24%遅らせた」。
人類の寿命は19世紀の30歳前後から、医療や衛生環境の向上でその後の100年間に2倍以上に延びた。健やかな生涯を送りたいとういう願望は20世紀に登場した遺伝子工学をきっかけに、120歳程度とされる生物の限界に挑む野望に変わった。
「人類に10億分の健康を」。英ヒューマニティーのアプリはこんな目標を掲げる、スマートウオッチで歩数や、心拍、睡眠時間などを測定し、若返りを指南する。50万人分の遺伝情報などをもとに。AIで肉体年齢などを推測するアルゴリズムを開発した。
30歳の記者が実際に試してみた。アプリに生活習慣を入力し、スマートウオッチから生体データを取り込むと、産出された肉体年齢は31,3歳だった。
普段ほとんど運動しておらず、睡眠不足も自覚していた。アプリの勧めにしたがって1万歩以上歩いたり瞑想(瞑想)したりすると、肉体年齢は0,5歳若返った。完食で菓子を食べるのも控え、節制を1週間続けると、老化スピードは「通常」から「スロー」に切り替わった。
日本にも老化にあらがう研究者がいる。慶應義塾大学の早野元詩特任講師は老化の防止薬や遺伝子治療の開発に取り組む。
人間なら70歳前後のマウスに老化防止薬の候補物質を注射すると、筋肉が若返り40歳並みに活発に動いたという。加齢で筋力が下がる病気や認知症の患者に投薬する臨床試験(治療)を2026年にも始める。ゲノム編集技術を使う治療も27年の実施を目指す。
250歳を目指せる
研究室には長寿を望む人から相談が相次ぐ。「人間の寿命は250歳以上を目指せる。長い時間がかかる遠い星への移住などの夢もかなえられる」(早野氏)
「魔法の薬」として注目されるのが、糖尿病薬「GLP-1受容体作動薬」だ。寿命を10年前後縮めるめるような深刻な肥満症の治療に応用できるとして、米国を中心に利用が急増する。日本でも2月に発売された。
総合診療を手掛ける谷口医院(大阪)の谷口恭医師のもとには、他院でこの薬を購入した患者の相談が相次ぐ。安易な「やせ薬」のつもりで使用した例が多い。20歳代の女性は確かに食欲は減退したが、買い物や旅行への興味を失った。「何のために生きているのかわからない」と嘆く。
アイスランドでは同種の薬で自殺念慮や自傷行為が約150件報告された。欧州医薬品庁は23年12月「現時点では因果関係の結論を出せない」としつつも製薬企業に追加情報を求めた。
テクノロジーは若返りや健康の夢を引き寄せたが、人間の欲望は果てしない。寿命が延びたらあなたは何をしたいですか。
トレンドニュースによれば
「若返りプロジェクトが話題!IT 富豪 ブライアン・ジョンソンってどんな人?」公開日2023年5月29日
世界中のすべてのお金が自分のものだったら、あなたは何をしたいと考えるだろう・・・?
「ブループリント(Blueprint=設計図)」と名づけた一大プロジェクトに取り組むアメリカの起業家、ブライアン・ジョンソン氏にとって、その答えは「全財産とすべての時間を注ぎ込んででも,自身の加齢を止めること」のよう。
そもそも、ブライアン・ジョンソンって誰?
プロジェクトの一環としジョンソン氏は、三人いる子どものうちの一人、息子のタルメージさんと「世界初の異なる世代間の血液の交換」を行ったそう。
◎ジョンソン氏は2024年1月に46歳となっています。
起業家でありベンチャー投資家でもあるジョンソン氏は。「健康と若返りのアスリート」を名乗るブイロガー。
ジョンソン氏がこれまでに達成したと主張しているものは次のようなこと。
・体におきている炎、症反応が10歳児の平均より66%低いレベルになった。
・白髪が80%減少した。。
・頸動脈狭窄症(脳へとつながる頸の血管が狭くなる疾患)を特定し、手術をせずに改善した。
・肝細胞と脂肪の比率が理想的な数値になった。
・健康レベルが18歳相当になった。
・1年間進む加齢のペースが、365日でではなく277日になった。
ジョンソン氏はこのプロジェクトを計画したきっかけについて、自身のYou Tube チャンネルで、日々のストレスから以前は「毎晩食べすぎていたこと」と説明している。
そのころはスタートアップを立ち上げたばかりだったこと。3人の子どもたちがまだ幼かったこと、幼少期から信仰してきた宗教から離れたこと、慢性的にうつ病に悩んでいたことなどにより、毎日夜7時以降の過食をコントロールできなくなっていたという。
そのため「健康状態を急速に悪化させ、老化のスピードを速めていた」というジョンソン氏は、最終的に「夜間の自分自身をクビにする」ことを決断したそう。
「ブループリント」プロジェクトとは?
ジョンソン氏は現在、30人以上の医療関係者からなるチームのサポートを受けつつ、老化を遅らせる努力を続けている。より厳密にいえば、この「ブループリント」プロジェクトは「生物学的な加齢を止めることができるかどうかを調べる、社会的な科学実験」だそう。
ジョンソン氏の加齢のスピードは現在、10歳児の平均以下とのこと。これは、1日当たりの摂取量をちょうど1970カロリーに調整したヴィーガン食、大量のサプリメント、検査、そして運動(すべて午前4時30分から2時間半をかけて実践)という日々のルーティーンのおかげだという。
彼によれば、この生活スタイル(2年前から続けている)は、並々ならぬ”偉業”。毎日欠かさず、呼吸を観察し、内臓と血液、皮膚ダメージの測定などの検査を受け、約26万5000人にのぼるYou Tubuチャンネルの登録者たちのために、それらの結果を公開している。
また彼は、毎日30種類以上のサプリメントと、考え抜かれたメニューの食事を3回とっている。(しかも、1日最後の食事は午前11時までに済ませているそう)。睡眠にも厳しいルールを設けており、室温が管理された部屋で、快適な温度を保つオーダーメイドのマットレスでひとりで寝ているという。
動画要約 ブライアン ジョンソンの日常食事で200年まで生きる
この食事を無償のオンライン動画で公開している 材料の購入と料理の仕方
スーパー ベジ ナッティ・プディング スタッフド スイ―トポテト
デイリー エクササイズ コミュニティー 摂取カロリーの限定 野菜を豊富に含む食事
ブログ筆者の見方
◎ジョンソン氏について、You Tubu 番組に自分の取り組みと、体の状況を報告することに最大の楽しみを感じているように感じます。
ジョンソン氏の不摂生を改めて健康になるという目標は、多くの人々が心がけてきました。小食が長生きをもたらすということは、ネズミなどでの実験でも明らかです。ただ痩せていればいいかというと、90を過ぎての、年を取ってくると、小太りぐらいな方が長生きするともいわれています。彼は40歳代で白髪であり、それがこの健康法で80%白髪が減少したというが40代半ばまでで相当に白髪が増えていたということになります。ブログ筆者は2024年現在、81歳ですが白髪はまだⅠから2割程度でしょうか。
ジョンソン氏の長生き法の一つに小食にするということは、東洋医学でも、水野南北の観相術や貝原益軒の養生法でも言われていることです。しかし、あまりの小食は長生きできません。日本でも120歳近い、超高齢者ではなんでもよく食べる人が長生きしています。
ジョンソン氏は今のところは元気な健康体となっているでしょうが、小食のビーガン食、そして大量のサプリメント、など極端な健康法はいずれ破綻をきたしそうです。30人からの医療関係者が付いているのだそうですが、毎日30種類以上のサプリメントを飲むというのは、長い間には、特に危険性を感じます。
文中に250歳を目指すというん文章がありますが、とても無理です。生物は人間で言えば120歳くらいが長生きの限界で、どんなに優れた健康法でも120歳を超えてもせいぜい130歳でしょう。遺伝子にはテロメアというものがあり、一定の限界があります。それ以上は脳の一部機能だけが存続した、アンドロイドのように人工頭脳と一体化するなどの、もう人間とは言えない存在になるでしょう。
◎アメリカの所得税の最高倍率は現在15%である。(日本は20%)バイデン大統領は今度21%にしようとしているが、それにしても低すぎる。超富裕層はできればタックス・ヘイブンも利用する。ほんの一握りの超富裕層が低い税率の恩恵を受けているが、その有り余るお金が健康な体や長生きをもたらさないことも多い。
イーロン・マスク氏
アメリカの著名な実業家イーロン・マスク氏については、日経新聞に”The Wall Street Jounal”のビジネス5には「マスク氏の薬物使用 広がる不安」という記事が載せられています。
イーロン・マスク氏が薬物使用によって、同氏の指揮下にある6社の企業や巨額の資産にも重大な影響を及ぼすのではないかということだ。~マスク氏は世界長者番付でしばしば首位に立つ。
マスク氏の異様なふるまいは、麻薬のせいか、常に睡眠不足によるものかということである。~彼の常軌を逸した行動をメンタルヘルスの問題だと考えている。マスク氏は双極性障害であり、自分はアスペルガー症候群だとあかした。
◎マスク氏は1971年6月生まれの53歳(2024年現在)このままの生活を続けたならば、体は70ぐらいまでしか生き永らえないような気がします。途中から生活習慣を変えるかどうかですが、積み重なる不摂生は、途中から生活を改めてもうまくいかないものです。
◎イーロンマスク氏は、すでに書いたように、今のままでは、体を早いうちにこわし長生きできないように思えます。残念ながら有り余るお金を墓場には持っていけないのです。
人間の健康と寿命の問題に参考となる本があります。
「延びすぎた寿命」健康の歴史と未来 という本です。
ジャン・ジャビッド・ ゼトゥン 河出書房新社 2022年4月 原著は2021年です
本のカバーにのっている文章です。
健康が医学で決まる割合は10%から20%に過ぎないと、冒頭に書かれている。
医学以外の健康の決定要因が3つある。行動、環境、生物学。大雑把に言えば年齢、生物、遺伝である。
健康拡大の歴史は病気の根絶の歴史である。所得がふえるほど健康になる
慢性疾患の第1死亡原因 4つの行動リスク タバコ アルコール 運動不足 肥満
21世紀になって アメリカにおいて平均寿命の低下 オピオイドの過剰摂取と自殺
人間の健康に対する気候のインパクト
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