血液型性格判断について
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血液型性格判断が、いかに非科学的かについては、すでに「こういちの人間学ブログ」に3回ほど書きました。
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「『実用的人間学』と統計学。血液型人間学のうそも」
2011年5月
つながります
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「血液型による差別、ブラハラとは、追加 松本復興相B型発言」
2010年10月23日
つながります
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「血液型人間学について」
2009年7月26日 「こういちの人間学ブログ」を書き始めたのが2009年7月22日なので,いかに筆者自身の関心が高いテーマかわかります。
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◎興味のある方は是非お読みください。
2018年8月26日追記
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◎2018年8月22日の日経新聞夕刊に「がん社会を診る」「というコラムに「血液型と発症リスクの関係」という東大病院准教授の中川恵一氏の文章がありましたので追記して更新しました。
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中川氏の血液型はO型です。O型はおおらか、A型はきちょうめん、B型はマイペースなどと言う人も多いようです。
しかし、ABO式血液型で性格が左右されるという科学的根拠はほとんどありません。海外の友人と話しても日本の「血液型性格判断」は奇妙に思われているようです。この迷信は日本発で、韓国や台湾にも飛び火しています。
白血病の治療で骨髄移植を行う場合、移植したドナーの骨髄が血液を作り出すため患者の血液型がドナーの血液型に変わることがあります。
~血液型の変更で性格まで変わったという患者は1人もいません。
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しかしこのABO型血液型によって病気の発症リスクが異なることが明らかになりつつあります。
心臓病や肺塞栓症(エコノミークラス症候群)など、多くの病気において私のようなO型は、A型、B 型、AB型の人よりリスクが低いとされています。
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すい臓がんの発症リスクも血液型に関連するというデータが集まっています。2009年に米国立がん研究所が発表した研究で「O型の人は、A,B,AB型の人に比べ、すい臓がんになりにくい」と結論付けています。
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この研究では米国の医療スタッフ約10万人を8年以上にわたり追跡しました。そして、調査期間中にすい臓がんを発症した316人について、喫煙、飲酒、年齢、遺伝、など他の要素を除外した上で、発がんと血液型との関連を分析しました。
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その結果、すい臓がんの発症リスクは、O型が1番低く、B型のリスクはO型にくらべ約1、7倍、AB型は約1,5倍
、A型は約1,3倍でした。
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日本や台湾でも同様な調査結果が出ています。胃がんがA型に多いというデータもあります。
ただ、血液型より日々の生活のほうがはるかに発がんリスクを左右します。血液型の変更は難しいですが、生活習慣を変えることで、がんの予防は十分可能です。
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以上は2018年の日経新聞記事からですーーー
◎2010年9月6日、新しくパソコンを買いなおして、文章を修正しました。以前は文章が全部、詰まってしまう。カラーは黒のみ。字の大きさは変えられない。挿入した画像 はしたがきだんかいでは画像として出てこない、その他,いろいろな機能がみんななくなってしまいました。元に戻り良かったです。
「ホンマでっか!?TV」
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この番組は毎週水曜日にフジテレビで夜9時から放送されるバラエティ番組です。
2017年2月8日(水)は「血液型で人生は変わるのか」という番組でした。番組の内容は大体予想できましたが、テレビを見ながらビデオに撮っておき、9日の日に改めてメモを取りました。
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出場した芸能人 血液型
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明石家さんま B
梅沢富美男 B
マツコ・デラックス A
小杉竜一 ブラック・マヨネーズ O
吉田 敬 同上 A
篠原ともえ AB
島崎和歌子 O
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参加した評論家など
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池田清彦 生物学評論家 早稲田大学
植木理恵 心理評論家 順天堂東京江東高齢者医療センター
門倉貴志 経済評論家
堀井亜生 法律評論家
亀井眞樹 統合医療評論家 代々木公園診療所
牛窪 恵 マーケティング評論家
澤口俊之 脳科学評論家 人間性脳科学研究所
エリカ・アンギャル 予防医学研究家
渡辺広明 流通評論家
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◎あまり知らない人ばかりです。ここで怪しげな言説を振りまく人は、まともな学者は少ないです。◎印はブログ筆者のコメントです。
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1,血液型について
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中日新聞の記事ではB型の人が100歳以上生きられる可能性が一番高いそうです。(後述)
亀井氏によれば、100歳以上の300人に行った調査で、30%をB 型がしめ、割合が多かった。-B型の人は長生きである、と言いたい。
◎もともとB 型が22%をしめます。30%でB型で最も生きられる可能性が一番高いと結論を出すのは、誤りです。だいたいサンプル数が300というのは少なすぎです。1万人ぐらいを調べて22%を占めるB型が100歳以上で50%を占めるというデータがあれば、B 型が100歳まで生きられると言っていいでしょう。
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病気と血液型
肝臓がんになりやすい順は、B,AB,A,Oである
特にすい臓がんに一番なりやすいのはー
◎何型かまたビデオ見るのも馬鹿らしい。統計学の基本にのっとっていないものがほとんどである。
植木氏によれば、A 型の人がピロリ菌の感染者が多いことなどから、病気のなりやすさと血液型の曖昧な統計から考えたものだという、
エリカ・アンギャル氏は血液型によりダイエットの相性があるという。
海外では自分の血液型を知らない人が多い。
最近のアメリカの大統領にはブッシュ氏やオバマ氏などで、AB型が多い。
門倉氏は日本の首相は東条~安倍首相まで、36人中18人がO 型である。(だからOは指導力があると。これは能美氏が強調した)それにたいし、さんまは世襲でO型が多いのではと話した。
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◎O 型は統率力がある、という説の根拠として使われた。さんまのいう、世襲でO型が多いというのも当たらない。世襲は直接の子は首相でいないし、OからO が生まれるわけでもない。最近の首相は、福田A,、麻生A,鳩山O,菅、O,野田B,安倍Bであり、適度にばらけている。区切り方で変わってきてしまう。血液型人間学を言う人は、ちょうど自分の説にいいような区切り方をする。
またアメリカではAB型の人が大統領に多くなっている、というのはOが指導力があるというのと矛盾する。
血液型性格判断を言うのは日本とそれに影響を受けた韓国、中国ぐらいです。日本は適度にばらけているが、どちらかに偏っていれば成り立たない。欧米では血液型より、民族の違いで性格が変わるということに関心を持ちます。
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.溝口氏はO型の脳が大きく、特に小脳が大きく、記憶力がよく、認知症になりにくいという。
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◎ 脳が大きいというだけで頭が良いとは言えない。ネアンデルタール人は現生人より脳容積大きかった。脳が小さくとも優秀な人はたくさんいる。これは知能に関しては大脳が関係するかどうかであるとよく言われるが、小脳が大きいと記憶力が良いとは聞いたことがありません。小脳はバランスをとるなど運動機能に関係します。O型が小脳が大きいとはイギリスのシェフィールド大で言い出したらしい。
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植木氏 心理テストをして実は誰にでも当てはまることで、「フリーサイズラベリング・インプリンティング」という。
◎穏やかだけれど、時に情熱的になる、活発だけど時におとなしくなるなどの表現をすれば、みんなあたりとなってしまう。
バーナム効果というのがあって、多くの人に当てはまることを言われると勝手に当たったと思い、のめりこむ傾向がある。
評論家氏の言うことは、正しいことと、誤ったものが、混在している。批判的にものを見ない人は、すべてを丸飲みしてしまう。
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牛窪氏、合コンで一番もてるのはO 型の男性で、一番人気がないのがAB型。AB型どうしなら好感度高い。
◎まったく、根拠がないですね。しかし血液型人間学ブームでの暗示を受けた人は、そのようにふるまう傾向がある。
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エリカ・アンギャル氏によるとA型とB 型の夫婦の離婚率が高い。さんまもB型で元の奥さん、大竹しのぶもA型である。マツコが大竹しのぶがA型とは思わなかったといった。A型は真面目で、おとなしいというのが常識みたいになっているところからなのでしょう。
◎血液型性格診断で、比較的少数のB型とAB型は悪いというイメージを振りまいている。この考えは世の中に害毒をまき散らしている。AやOの人(多数派)が少数派をからかう風潮を作っている。学校の先生をしている人でも、平気で何々型は何とかよねとか言っている。
興味本位で、このような番組を流し続けるのは困ったものである。
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エリカ・アンギャル氏はオーストラリア出身の栄養コンサルタントらしいです。『美女の血液型BOOK』主婦の生活社などの本があり、ダイエット法の本などを書いています。予防医学研究家などと、学者のような肩書ですね。
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エリカ・アンギャル氏による血液型の歴史
O型 狩猟民族、A型、農耕民族、B型遊牧民族、AB、1000年前誕生だそうです。
これは能見父子が言っていたことと同じです。
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◎最近言われ始めた説のようですが、AB型が突然1000年前に現れたというのはおかしいです。ABO型血液型分類でははじめからAB型もいたはずです。
後で調べましたら、寄生虫博士で有名な藤田紘一郎氏の、2008年9月に日東書院で発売された『血液型の暗号』が元のようです。藤田氏については尊敬していましたのに、こんな”トンデモ本”を出してがっかりです。まったく間違っています。
日本人はいろいろな人々の吹き溜まりで適度に4つの型が存在するために成り立ちますが、南米のインディオのようにOが100%では性格分類は成り立ちません。インディオはみんなO型の性格なのですか、そんなことはないでしょう。
A型の人はA型の抗体を持つ、B型はB型の抗体を持つ、抗体を持たない人はゼロでO型としました。AB型はA,B両方の抗体を持つ人です。それだけのことです。
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日本人の比率・A 38%、B 22%、 O 31% 、AB 9%
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◎あまりにも短絡的に決め込んでいます。
池田氏。ペルー、ブラジルのインディオは100%、O型である。北米のインディアンも90%。O型。
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◎だから、血液型性格判断なんて意味がないとは言わないのですね。
これは、血液型で性格などを分類するのは、困難である根拠として使ってきた。100%、O型であるなら、南米のインディオはみんな同じような性格であろうか。そんなことはあるまい。
池田清彦氏は1947年生まれ、東京教育大学動物学専攻卒ですから、筆者の4つほど年下の後輩になります。山梨大、早稲田大の教授などをしています。構造主義を生物学に導入しているのだそうですが。
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◎前に書いたようにO型の脳というより小脳です。それで、どうしました?頭がいいというのですか?
頭の良さと関連しうる大脳が、たとえ大きくともそれで頭がいいという結論にはならない。
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焼き鳥の食べ方について
2、あなたはどっち派?
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1、焼き鳥を食べるときそのままか、串から外すか
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串から外す 2人
そのまま 5人 さんま
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2、取り返しのない寝坊をしたとき、どっちが得か
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一分でも早くいく 4人
一服して考えてから行く 3人 さんま
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◎どうでもいいことを面白おかしく取り上げている。
それにしても、民放のバラエティ番組はあまりにもくだらなさすぎます。
さんまは、ほんとにバラエティのから騒ぎに向いた人ですね。
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追記 2017年2月14日「 血液型と性格は無関係」
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九州大学(論文は京都文教大学の名前で提出)の社会心理学者、縄田健悟氏は2014年、日本人とアメリカ人の血液型と性格について、10000以上の標本を集め分析した。
(参考までに、アメリカ人は、O型45%、A 型40%、B型10%、AB型5%、である。)
その結果、68項目中65項目は関係なく、3項目も偶然だろうと結論付けられた。
そして、「血液型と性格は無関係である、ということが証明された」
その詳しい内容は「心理学研究雑誌」2014、 85巻の2をご覧ください。
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「心理学雑誌」に掲載された論文は、縄田健悟 で検索しても、出てきます。
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